うたかたの天使たち 第七話

まふゆのファンタジスタ
真冬の幻奏者

気恵編 ネタばらし?

 まず、HHHHとアンダーファッカーの入場シーン。

 2メートル級の巨躯を持つふたりのレスラーが登場した。

 一人はペットボトルの水を口に含んでは霧吹きよろしく周囲に吹きまくり、もう一人は死人のように青ざめた肌をして、ゆっくりゆっくり歩いてくる。すごい存在感だな……

 HHHHとアンダーファッカーがリングにあがり、それぞれの決めポーズを見せつけると、気恵くんはもう半分卒倒寸前になっていた。昂奮しすぎだ。

「巨躯を持つふたりのレスラー」としか言ってない。男とは一言も言ってないよな。

 

 気恵くんがタッグマッチの相手に指名された時、おれはこんなふうに抗議した。

「2対1なんて不公平だろーが! ただでさえ体格差がめちゃくちゃあるってのに!」

 もしもHHHHとアンダーファッカーが男だったら、まず「男子レスラーと戦うなんて不公平だ」と指摘していただろうな。

 

 この試合は「ミックスド・タッグマッチ」ということになっていた。つまり男女が交ざって戦う試合形式だ。それはむろん、

「このミックスド・タッグマッチにおけるミス・キエのパートナーは、きみにお願いしよう。どうかな?」

 と、マクガバン会長がおれを試合に出場させたからだ。つまり、おれ(男)&気恵くん(女) v.s. HHHH&アンダーファッカー(ともに女)の試合だったわけだ。

 

「あなたたちはわたしの憧れでした」

 リングにあがった気恵くんが二人に握手を求めたのも当然だ。気恵くんは女子プロレスラー志望だ。その憧れの対象はやはり女子プロレスラーなのだ。

 

 試合が始まり、気恵くんはHHHHとアンダーファッカーと戦うが、むろん、そこでも外人レスラー側が「男」であるという記述は一切ない。

 たとえば、

 相手は筋肉の鎧がわざわいして気恵くんを捕捉することができない。その隙に背後にまわりこんで高い打点のドロップキック、そして、ひるんだところにトラースキック。

 という描写や、

 覚悟を決めたらしい気恵くんは、突進してくるファッカーに真っ向からぶつかった。厚い胸板に渾身の頭突きだ。

 という表現はあるが、むろん、女子レスラーとはいえ、鍛え抜かれた筋肉の持ち主である以上、筋肉の鎧や厚い胸板を持っていて何の不思議もない。

 

 で、この後、気恵くんはHHHHに羽交い締めにされてセクハラをされるわけだが……

 おれがすぐに助けに入らなかったのは、まあ女が相手だし、そんなに嫉妬にかられなかったからというのもある。

 挿絵がちょっと誤解をうんだかもしれないが、HHHHは試合ではマイクロビキニを身につけているのだ。だから水着が絵の中にないのである。はっはっはっ。

 そして、セクハラがエスカレートしてきたので、たまらずおれは助けに入った。しかし――

 むろん、おれもがんばったさ。気恵くんを救い出そうとしてみた。だが、アンダーファッカーに軽くボコられて失神KO状態だ。

 ここでおれはほとんど身体の自由がきかなくなり、アンダーファッカーに引きずられてリングの中央に連れてこられていた。

 うん?

 たしかにそんなことは書いてない。だが、ボコられて朦朧としていたんだからしょうがないだろ?

 

 ダウン状態のおれの目の前で、気恵くんがデカ女二人に指マンされてヨガっているのを見せられたのは、正直、キタ。

「はああっ! いや! あうううっ! あうっ! いひいぃぃぃぃっ!」

 気恵くんの表情が変わっている。イク寸前の顔だ。おれにしか見せたことのなかったはずの最高の表情。

「おくまで……えぐられ……っ! あああっ! だめっ! だめだよおおおっ!」

 ファッカーの指が二本になっている。限界まで押し広げられてしまった気恵くんの膣。そして、クリトリスは鞘から完全に露出した状態で、HHHHがつまんでいる。飛び出た赤い突起。すげー、あんなに、なるんだ。おれはここまで長時間いじくらねーからな。

 まあ、飛び出たクリトリスが見えるってことは、おれが気恵くんのおまたのすぐ側に寝かせられていたってことだわな。

 

「こうなると、次は本番しかねえよなあ……」

「……ぅう……」

 HHHHの挑発にも、もう反論する気力のない気恵くんだ。

 目の前に屹立したペニスをつきつけられても、威勢のいい言葉はない。

「しゃぶってもらおうか――」

 リング上にある二本のぺニスを口元につきつけられる。巨大なモノと、そうでもないモノの二本。

 気恵くんは観念したのかそのうちの一本を選んだ。

「ほう、小さい方が好みか。小さくてよかったな」

 HHHHが、そのペニスの持ち主に対してウィンクした。

「ふん」

 アンダーファッカーが鼻をならす。

 HHHHとアンダーファッカーは女だから、当然ペニスは持っていない。だが、リング上には二人の男がいた。マクガバン会長とおれだ。

 つまり、この二本のペニスはマクガバン会長とおれのもの、ということになる。かんたんな消去法だ。

 そして、気恵くんが選んだのは巨根でない方。つまりおれのモノ。当然といえば当然だが……

 HHHHは意地悪くおれのほうを見てウィンクしやがった。「小さくてよかったな」と。おれはムッとしたが、何しろズタボロにされて、アンダーファッカーに操られている身だ。アンダーファッカーに「ふん」と鼻で笑われても抵抗ひとつできなかったのだ……

  

「ま……また……いっちゃうから……も……入れて」

 先にせがんだのは気恵くんだった。

 意地悪くファッカーが聞く。

「いいのか? ここにはスキンなんてねえぜ? ナマでブチこんでほしいのか?」

 屹立するペニスを目の前にして、気恵くんに正常な判断力は既に残されていなかった。

「い……いい……から……もう……入れて……おか……おかしくなっちゃうっ」

 ファッカーはけっこういい人らしく、スキンなしでのセックスには反対らしかった。だが、このときの気恵くんは発情しきっていて、一刻でもはやくおれのチンチンとハメハメしたかったのだからしょうがない。

 

 ビンッと起ったペニスに、気恵くんがまたがっていく。コックの先端が濡れそぼったプッシーに押し当てられる。

「は……はいっちゃう……みんな見てるのに……」

 気恵くんが結合部を見つめながらうわずった声を出す。

 熱っぽい眼でおれを見る。

「ゆ、ゆういち……せ、せっくす、しちゃうよ……いい?」

 ああ、そうだな。でも、もうしょうがない。おれの力ではもうどうしようもない。

 まったく、無力だった。なんつーか、おれ、気恵くんにレイプされたんじゃねーか? あんな飢えた目で気恵くんに見られたのはさすがに初めてだったな。

 

「あ……は……入っちゃ……入る……オチンチン……ゆ、ゆういちぃっ!」

 おれの名前を呼びながら、ペニスを受け入れてゆく気恵くん。HHHHとアンダーファッカーが二人がかりで、気恵くんの身体を前後に、上下に動かし始める。

「はああうっ! こんな……動き……っ!」

 女性上位の形だが、動きが尋常ではない。二人の巨体におしつぶされそうになりながら、気恵くんの裸身が翻弄される。

「だめっ……はげしすぎ……っ!」

 HHHHに両脇を支えられ、アンダーファッカーに太股を抱えられた状態で、腰を振りたくる気恵くん。

 まあ、おれがグロッキーで、動けなかったからね。気恵くんを動かすしかなかったわけだ。

 

「ご……ごめん……ゆういち……でもっ、キモチよすぎるんだよぉ……」

 断続的にアクメに達している気恵くんがうるんだ眼をおれに向ける。許しを乞うような――おれはうなずくしかなかった。いずれにせよ今のおれは身動きさえままならないのだ。

 気恵くんもおれの意志を無視してヤッてることへの罪悪感はあったようだな。締めつけはキツかったけど。

 

「おいおい、ほんとうに中で出しちまうぞ……いいのか?」

 あきれたようにアンダーファッカーが声をだす。

「い……いいよぉ……中で、中で出していいよぉっ!」

 気恵くんが叫びつつ、筒をしぼりあげる。男の喉から快感の苦鳴がもれる。

 絶頂寸前のペニスが二度三度、気恵くんを深く突き上げる。

 おれの目の前で――

 あたりまえだよな。おれの上にのっかってんだから。

 ほんと、気恵くんのアソコの筋肉はどうなってるのかね。ぞうきんでもしぼるみたいにチンチンを締めつけてくるからなあ……苦鳴も漏れるってもんだ。

 

「さあ、第二ラウンドだ。お待ちかねだったぜ」

 HHHHは気恵くんを四つんばいにさせた。おしりを突き上げさせる。

 そこに、屹立した二本目のペニスが迫る。

 外人のモノらしく尖った亀頭――さっきのものとは比較にならない巨根が気恵くんのおしりをねらう。

 HHHHが腰をくねらせながら、笑い声をたてた。

 もうおわかりだろうが、このペニスはHHHHのものじゃない。HHHHはおもしろがって腰をくねらせていただけだ。

「お待ちかねだった」のは、むろん、マクガバン会長だ。おれと気恵くんがエッチしているのを見ながら、センズリしてたもんなあ……

 

 というわけで、気恵くんとリング上で本番をしたのはおれだった。うそは書いてないぞ。書いてないことはずいぶん多いけどな。

 苦情は作者まで。