うたかたの天使たち 第七話

まふゆのファンタジスタ
真冬の幻奏者

気恵編

 オーカーセッ

 オーカーセッ

 オーカーセッ

 満場一致の犯せコールとともに、突き上げられる拳の人差し指と中指の間からは親指がはみ出ている。

 観客は全員泥酔状態。モラルなんてない。どんなことでも起こりうる魔空間と化している。

 むろん、おれもがんばったさ。気恵くんを救い出そうとしてみた。だが、アンダーファッカーに軽くボコられて失神KO状態だ。

「そ……そんな……」

 気恵くんは上気した顔をひきつらせる。その頬を長い舌で舐めたてるのは背後に回ったHHHHだ。あいかわらず気恵くんの乳を揉み続けながら、いやらしい言葉を気恵くんの耳に流し込んでゆく。

「ほうら、客はみんなおまえのプッシーにコックをねじこまれるのを期待しているぜ? エンターテイナーなら自分のすぺきことがわかっているだろ?」

 ちなみにプッシーは直訳すると「仔猫ちゃん」で「おにゃのこの大事なとこ」のこと、コックは「雄鶏」で「男のおっきしたもの」のことだ――たぶん。

「いや……だ……そんなの……」

 拒絶する気恵くん。だが、その声はどこか弱々しい。もともと戦いで昂奮していたところに徹底して性感帯を刺激されたからか、身体ができあがってしまっている。

「抵抗するならもっとしてみよ、ほらほら、指が入ってくぜ」

 ファッカーの指が気恵くんの膣にもぐりこむ。外人の太い指でほじくられたら、ほとんどペニスで犯されているのとかわりがない。

「ひゃああっ! やだああっ!」

 HHHHは気恵くんのクリトリスを上下にこすりたて、ファッカーの指マンをサポートする。

「ああああっ! だめっ! だめだ……よぉっ……ッ」

 二人がかりのペッティング。ただ激しいだけではなく、女の身体を知り尽くしたかのような、えぐい愛撫だ。

 ぢゅぷぢゅぷと湿った音とともに、気恵くんの声質が変わっていく。

「あクッ……んァッ……いっいっ……」

 嫌悪から喜悦へと。

「尻をうねらせてるぜ」

 ファッカーが指摘する。

 指の動きにあわせて、気恵くんの腰がくねくねと動いている。眼の焦点が合っていない。

 コールがかわっている。

 イーカセロッ!

 イーカセロッ!

 その声に応えるかのように、HHHHとファッカーの指の動きが激しさを増していく。

 クリトリスをつまんでこすりたてるHHHH、そして、ファッカーの指はピストン運動の速度をあげていく。

 気恵くんがのけぞった。暴れようとするが、逃れるだけの身体の力ももはやないらしい。

 ただ嫌々と首を振る。

「いやっ! い、いきたくな……っ! いきたっ……くっ、ああああっ!」

 外人二人の指に責め立てられ、気恵くんの声が裏返る。あそこからは泡だったおつゆがこぼれだしている。

 おれはもうろうとした意識で観客席を見渡した。ドリエモンが丸い顔をゆがめて笑っている。その股間にはマスコミでも評判の美人秘書軍団がむらがっている。くそう……最初からこれが狙いだったのか。わざとらしく失神したままのマクガバン会長も――

「はああっ! いや! あうううっ! あうっ! いひいぃぃぃぃっ!」

 気恵くんの表情が変わっている。イク寸前の顔だ。おれにしか見せたことのなかったはずの最高の表情。

「おくまで……えぐられ……っ! あああっ! だめっ! だめだよおおおっ!」

 ファッカーの指が二本になっている。限界まで押し広げられてしまった気恵くんの膣。そして、クリトリスは鞘から完全に露出した状態で、HHHHがつまんでいる。飛び出た赤い突起。すげー、あんなに、なるんだ。おれはここまで長時間いじくらねーからな。

「きもち……いいっ! すごいっ! いくいくいくいくっ! いっちゃうッ! ひあっ!」

 まばゆいフラッシュの中で、ビクンビクンッと気恵くんの腰がはねあがり、リングの上でエクスタシーを迎える。ビュビュッとしぶきが気恵くんの局部から噴き出し、ファッカーの顔を濡らす。

 気恵くん……潮まで……

「ああ……は……あ……」

 余韻で腰をひくつかせる気恵くん。リング上でイカされて、その絶頂シーンを撮られているなんてことも、もうどうでもいいらしい。

 

「たいしたもんだ。エンターテイナーとしては合格だよ」

 HHHHも感心したように言う。

「こうなると、次は本番しかねえよなあ……」

「……ぅう……」

 HHHHの挑発にも、もう反論する気力のない気恵くんだ。

 目の前に屹立したペニスをつきつけられても、威勢のいい言葉はない。

「しゃぶってもらおうか――」

 リング上にある二本のぺニスを口元につきつけられる。巨大なモノと、そうでもないモノの二本。

 気恵くんは観念したのかそのうちの一本を選んだ。

「ほう、小さい方が好みか。小さくてよかったな」

 HHHHが、そのペニスの持ち主に対してウィンクした。

「ふん」

 アンダーファッカーが鼻をならす。

 ぬろん、ぬろん、気恵くんの舌が竿にからみつく。強制されているとは思えない舌の動きだ。ただでさえ張り詰めていたペニスが爆発寸前になるまで高められる。

 観客は熱狂状態で、女性社員――あるいはコンパニオンだろうか――を押し倒す者も続出している。あちこちで甘い声と行為の音が聞こえ始めている。

 その熱狂は気恵くんの艶姿によってもたらされたものだが、影響は気恵くんにもフィードバックしていた。ふだんではありえないほどの熱心さでペニスを舐めたてる。愛しげに亀頭を吸いたて、睾丸をやわやわと揉む。

 HHHHとアンダーファッカーの愛撫はその間もやまない。気恵くんの身体を徹底的に責め立てる。

「ま……また……いっちゃうから……も……入れて」

 先にせがんだのは気恵くんだった。

 意地悪くファッカーが聞く。

「いいのか? ここにはスキンなんてねえぜ? ナマでブチこんでほしいのか?」

 屹立するペニスを目の前にして、気恵くんに正常な判断力は既に残されていなかった。

「い……いい……から……もう……入れて……おか……おかしくなっちゃうっ」

 指で一度イカされているからか、快感に貪欲になっている。羞恥心もすでに溶けてしまっている。それはそうだろう。もう観客も乱交状態だ。この状態で、気恵くんだけが冷静でいられるはずもない。

 ビンッと起ったペニスに、気恵くんがまたがっていく。コックの先端が濡れそぼったプッシーに押し当てられる。

「は……はいっちゃう……みんな見てるのに……」

 気恵くんが結合部を見つめながらうわずった声を出す。

 熱っぽい眼でおれを見る。

「ゆ、ゆういち……せ、せっくす、しちゃうよ……いい?」

 ああ、そうだな。でも、もうしょうがない。おれの力ではもうどうしようもない。

 赤い亀頭が気恵くんのピンクの粘膜を押し分けてゆく。

「あ……は……入っちゃ……入る……オチンチン……ゆ、ゆういちぃっ!」

 おれの名前を呼びながら、ペニスを受け入れてゆく気恵くん。HHHHとアンダーファッカーが二人がかりで、気恵くんの身体を前後に、上下に動かし始める。

「はああうっ! こんな……動き……っ!」

 女性上位の形だが、動きが尋常ではない。二人の巨体におしつぶされそうになりながら、気恵くんの裸身が翻弄される。

「だめっ……はげしすぎ……っ!」

 HHHHに両脇を支えられ、アンダーファッカーに太股を抱えられた状態で、腰を振りたくる気恵くん。

 その感じっぷりは観客に波及する。相手がいる者はすぺてをかなぐりすてて愛し合い、いないものはマスターベーションを始めた。そんな中でも、記録係の腕章をつけた社員だけは冷静にビデオをまわしているのが、なんとなくおかしい。発表のしようがないだろ、こんな社員旅行。

「あああっ! またっ……いっちゃう……っ!」

 気恵くんのおしりの動きがせわしくなる。中学生の腰づかいじゃねーぞ、こんなの。

「はうううっ! ンあっ! だっ、だめぇ……っ! いく……っ」

 イきそうになる気恵くんを支えたのはHHHHだ。充血して、カップひとつ分は大きくなった気恵くんの乳房をダイナミックにもみしだいている。

「いっちまうのか? またかよ? みんな見てるってのに」

「やあああああっ! いっちゃ、やあああっ!」

「ほらほら、下から突き上げられてキモチいいだろ? ええ?」

「う……うぅ……ああああっ!」

 フラッシュがさら激しくまたたく。ビデオも回っている。結合部をパックリさらしながら、リング上でいきまくる気恵くんの姿が、無数のデジタルデバイスに記録されている。中には速攻アップロードしているやつもいかねない。いますぐようつべをチェックしたら凄いものが見られるかもだ。

「ご……ごめん……ゆういち……でもっ、キモチよすぎるんだよぉ……」

 断続的にアクメに達している気恵くんがうるんだ眼をおれに向ける。許しを乞うような――おれはうなずくしかなかった。いずれにせよ今のおれは身動きさえままならないのだ。

「んっ、うっ、うっ……」

 男に自分からのしかかり、涙目できゅんきゅん締め上げる。括約筋が鍛えられまくっている気恵くんの締めつけは凄い。どんな百戦錬磨の男だって、これはたまらんだろう。

「おいおい、ほんとうに中で出しちまうぞ……いいのか?」

 あきれたようにアンダーファッカーが声をだす。

「い……いいよぉ……中で、中で出していいよぉっ!」

 気恵くんが叫びつつ、筒をしぼりあげる。男の喉から快感の苦鳴がもれる。

 絶頂寸前のペニスが二度三度、気恵くんを深く突き上げる。

 おれの目の前で――

 なんてことだ。衆人環視のなか、リングの上で――でも、これは現実なのだ。

「あああああっ! 奥に当たって……奥で……くるうううっ!」 

 来る、のか、狂うのか、その両方なのか――気恵くんにもわかっていないのだろう。ともかくも、無敵の女子中学生プロレスラーはリング上で何度めかの絶頂を迎えようとしていた。

「うぅっ!」

 くぐもった声とともに、気恵くんの膣を征服したペニスは、断末魔のような痙攣的な動きとともに精子の塊を撃ち出す。

「ひぅあっ! あぁあっ!」

 気恵くんが気をやる。ガクガクガクと腰をゆすり、乳房をふるわせる。

「うっ……ああ……出てる……中で出てる……っ! はううっ!」

 ちゅぽんとペニスが抜けた後、気恵くんの膣口から、中出し精液がこぼれ落ちる。

「見なおしたぜ、おまえはプロだな」

 HHHHがあきれたような――感嘆したような声をもらした。

「さあ、第二ラウンドだ。お待ちかねだったぜ」

 HHHHは気恵くんを四つんばいにさせた。おしりを突き上げさせる。

 そこに、屹立した二本目のペニスが迫る。

 外人のモノらしく尖った亀頭――さっきのものとは比較にならない巨根が気恵くんのおしりをねらう。

 HHHHが腰をくねらせながら、笑い声をたてた。

つづく


Bad End