会場はもはや乱交パーティさながらだった。
女子社員は男子社員に貫かれ、あぶれた男たちは宴会コンパニオンに挑みかかっていた。
この空気のなかでは、リング上の情景もあながち異常ではないと思えてくるから不思議だ。
高くかかげさせた気恵くんのおしりを、HHHHが左右に大きく広げる。
中出し精液でべとべとの気恵くんの性器が広げられる。
「まるみえだぜ」
HHHHが笑い声をもらすほど、無防備なおしりだ。性器ばかりではなく、肛門までも――あらゆる粘膜をさらすはめになる。
「あああ……広げられてる……すぅすぅする……」
気恵くんが朦朧とした意識のなかで声をもらす。
「い、入れられちゃう……」
そうだ。外人ペニスが嬉々として反り返りつつ、気恵くんのワレメをさぐっている。
半ば開いたままの入口に亀頭をもぐりこませる。
「うっ……あ……だめぇ」
異物感に身をすくませる気恵くん。いやいやするようにおしりを動かすが、HHHHとアンダーファッカーが二人がかりで動きを封じる。
「なんだよ、さっきは自分から腰を振っていたくせに、今度はダメなんて、ひどいぜ」
HHHHがせせらわらう。
「だって……それは……ゆういちが……」
「彼氏はぶったおれたままだ。もう足腰も立たないようだぜ?」
くやしいが、その通りだ。ふだんから運動不足だってのに、アンダーファッカーみたいなでっかいレスラーとやりあえるはずもない。
気恵くんがおれを見る。さっきみたいな欲望に満ちた目ではなく、絶望に彩られた、弱々しい視線だ。
「ごめ……ゆうい……ちっ!」
気恵くんの声が苦鳴にかわる。後ろから、外人の巨根が気恵くんを貫こうとしている。
だが、大きなペニスは容易には入らない。膣口をとらえきれず、二度三度、亀頭がすべった。
「ふああっ!」
でも、それが気持ちいいのだ。気恵くんはのけぞり、声をはなった。
次こそは――
手をそえて挿入をはかる外人ペニス。
ぬぷっ……
ペニスが気恵くんの体内に消えかけた、その時――
「ちょっと待ったぁ!」
おれが力なく見上げた視界に、堅太りの男が飛び込んできた。
ドリエモンだ。浴衣をはだけた半裸状態で、泥酔しているのか、目つきが異常だ。
天才経営者と呼ばれ、自家用ジェットで世界を飛び回る財界の風雲児、ドリエモン。日々トレーニングを欠かさないとのことで、浴衣の下の身体は線やっぱり下腹が突き出している。美食三昧だというからな。
携帯電話をせわしく操作しながら、ドリエモンは昂奮した口調で言う。
「この余興をさ、ストリーミングで流したら、すっごいアクセス! 有料会員がガンガン増えてるんだよ! これだと、アプーや略天をぶっこ抜きだよ!」
おいおい、勝手に流すなよ! それに、あきらかに違法だろ!
「だいじょうぶ、アメリカのサーバを経由しているから!」
そういう抜け道の話をしてんじゃねーんだよ! てか、なんでおれの考えを読んだ? ドリエモン、おそるべし。
「そういうわけだから、ぼくも参加するよ」
浴衣の前を分けて、チンポを露出させるドリエモン。どういうわけだから、そうなるんだ?
「おお、ミスタードリエモン、われわれのショウを気に入っていただけたようでハッピーだよ」
マクガバン会長がしれっとした顔で言い、ドリエモンと握手する。
おいっ、なんだよ、これっ! 全部おまえらの書いた筋書きか? 素人をこんなショーに出しやがって、うったえてや――
「あいにくだが、ミス・キエはすでにわれわれと出演契約を結んでいるんだよ」
マクガバン会長は内ポケットから書類を取り出した。
英文の契約書で、気恵のキッチリとして筆跡でサインが残っている。
まさか――
「どうやらキエは英語を完全には理解していなかったようだが――契約は契約だ。彼女はわれわれの団体のレスラーであり、リング上ではいかなるシチュエーションでも耐えなければならない。違反した場合の違約金は――」
「彼女のほうは、訴えようなんて思ってないみたいだぜ」
アンダーファッカーが死人のような顔に苦笑を浮かべて論評する。
「あああっ! うあ……いいいい! きもち、いいいいっ!」
HHHHに突かれて絶叫する気恵くん。
「おれのは濃いぜ――覚悟しなっ!」
気恵くんを突きあげるHHHHが中でフィニッシュする。バチンバチン腰を打ちつけながら――中出しだ。
「あつ……あつい……よぉ……」
結合部からこぼれ出るザーメン――
HHHHがどくと、すぐさまドリエモンが気恵くんに挿入し――
宴は果てしなく続いた……
今回の教訓――英語はちゃんと勉強しないとな。