うたかたの天使たち 第四話(9b)
(苑子……ここに、チンチン入れていい?)
おれは、舌と指で、苑子のその部分を掻き回しながら、確認した。
(そっ、そこっ……おしりにぃ……?)
さすがに苑子は動揺する。だろうな。前の方もまだ手つかずなのに、後ろの穴を求められても困るだろう。
だが。
おれは苑子の菊型の穴を大きく広げた。これまでの愛撫で、かなり柔軟性が出ている。それにしても、ふつうならここまで広げられたら激痛で泣き叫んでおかしくない。
(痛いか?)
(え……? いた……く……ない)
苑子自身、面食らっているようだ。鎮痛効果が出ているせいだ、ということに、むろん気づいてはいない。
(だろ? だったら、入れてもいいだろ?)
(でっ、でも……でも……)
ためらう苑子に、おれは身体をぐりと入れ替えて、おおいかぶさる。
懐中電灯の光が、苑子の顔をとらえる。
眼鏡が体温で曇ってしまっているが、レンズ越しに大きな目がおれを必死に見つめている。
顔は真っ赤で、興奮の極みにあることがわかる。
(参ったよ、苑子、ウンチもらすんだもんな)
(う……うそ……)
(ほんとうだよ、見ろよ)
おれは舌を出して見せた。融けかかった正露丸の残骸が舌に乗っているはずだ。おかげで、おれの口の中もすでにびりびりに痺れているのだ。
(おれが吐き出したら、布団についちまうしな。さすがに、まずいだろ?)
(ご、ごめんなさい、ごめんなさい)
苑子が本気で泣き出した。完全に泣かれるとまずいから、すぐにフォローする。
(泣くなよ。おれは、苑子のだったら、平気だぜ)
んなわきゃあないのだが、とりあえず、そう言っておく。
(でも、でも、病気になっちゃう……)
(だから、さ。苑子のおしりにチンチン入れたら、病気にはならない)
われながら、めちゃくちゃな理屈だ。
(ほ……ほんと?)
だが、混乱の極みにある苑子には、事の理非はわかっていないようだ。端的にいえば、おれが言うことはすべて受け入れてしまう、そんな心理状態にあるのだ。半ば以上、催眠にかかっているようなものだ。
(だから、いいよな? 入れても)
(う……うん)
苑子がうなずく。
よしよし。苑子のほっぺを撫でてやる。
おれは、苑子に横を向かせ、自分はその背中側に回った。
四つん這いにすると、かけふとんが外れてしまうからな。
おしりに挿入するためには、後側位がいちばんいい。
ちょっとだけ布団から顔を出して、隣を確認する。一子ちゃんは反対側を向いて熟睡中だ。しめしめ、だ。
(力、ぬけよ)
おれは背後から苑子に囁きかける。うん、と苑子がうなずく。あくまでも素直な子だ。
指で、苑子のおしりの穴の位置を確認する。
おれは、スウェットのパンツとトランクスをずりさげ、自分のものを出した。もう、これ以上ないくらいに勃起して、先端は濡れている。
だが、これだけでは不十分なので、苑子の割れ目からじゅくじゅくとしみ出している愛液を指ですくって、肛門にぬりたくった。
(いくぜ)
くっ、と苑子の身体に力が入る。
これではまずいので、おれは後ろから苑子の胸を揉みしだいた。乳首をつまんで引っ張ったり、指先で乳首のまわりをなぞったりする。
(あっ、あ……)
苑子の手がおれの手にかぶさる。おれの手の動きを阻もうというのか、いずれにせよ、苑子の注意が胸に集中しているのはまちがいない。
おれは、苑子のおしりの穴におれ自身をあてがい、侵入を開始した。
やわらかい粘膜をかきわけて、亀頭をもぐりこませていく。
ぐいっ。
もう、少しだ……。
入る……入って……いくっ!