魅惑の妖精亭の夜もふけていく。
雇われマネージャーが小さな鐘を鳴らした。
「お客様、これより、妖精とあそぼう! の時間でございます。どうかお好みの妖精たちにチップをお弾みいただき、お望みのゲームをお楽しみください!」
来たわね、とルイズは思う。
これが魅惑の妖精亭の新しいシステムだ。単なる給仕だけではチップを稼げなくなり、取り入れられたルールだという。
ゲームには何種類かあり、チップが多いほど選べる種類が増えていく。
そのなかには多少きわどいものもあるが、耐えられないほどではない。いや、耐えてみせる。
この時間帯まで店に残った客は20名ほど。ジェシカに聞いた話では、最近はこの時点でほとんど客が残っていないこともあるということだったから、確かにルイズが頑張った結果だろう。
「ルイズ! ほらチップ!」
「いや、こっちが先だ!」
あちこちのテーブルから声がかかる。
引っ張りだこよ、わたし、もててるわ。そりゃそうよね、こんなに可愛くて気品もあって、それにオトナの女性としての色香もそなえているんですもの。男性なら夢中になって当然よね――
ちょっぴり浮かれ気味のルイズである。
最初のテーブルでは、ポッキーゲームだ。
ポッキーというのはトリスタニアの伝統焼き菓子で、細いスティック状のプレッツェルにチョコレートをかけたものだ。
それを両端から同時に食べていき、先に口を離したほうが負けとなる。
酔客の鼻息がかかる位置まで顔を近づけねばならず、いやでしょうがないが、これでチップをもらっているのだ。がまんするしかない。
「む〜ん、ルイズちゃ〜ん」
酔客の唇が近づいてきて、思わずルイズは口を離してしまう。
「わはは、ルイズちゃんの負け〜! はい、罰ゲーム!」
むろん、負けた方にはペナルティがある。客が負けたらチップ追加。妖精側が負けたら――ポッキーゲームの場合は一気飲みだ。その酒代ももちろん客が出すから店はもうかる一方である。
「し、しかたないわね」
お酒では失敗もしたことがあるルイズだから、あまり飲みたくないが仕方ない。次は勝つんだから、と思いつつ、なみなみと満たされたグラスを一気にあおる。
ほかのテーブルからもやんやの拍手だ。
次々とポッキーゲームを挑まれ、全敗するルイズ。だって、負けないためには最後までポッキーから口を離さずにいるしかないが、客の方が逃げるはずがない。
(キ、キスすることになるじゃないの……!)
気づいた時にはもう遅い。ルイズは立て続けにワインをがぶ飲みしてしまっていた。
酔いが回って、いい気分になっている。
(ま、また、このパターン……?)
そのパターンとはどんなパターンなのか、ルイズは思い出せないが、ともかくもルイズは男たちにチヤホヤされながら酔っ払って、急速に羞恥心を失っていった。
「じゃ、次のゲーム! チップ2倍出すぞ!」
豪気な客がレートを上げる。チップが多いほど選べるゲームの種類が増える――だが、ゲーム自体は他愛ないものだ。
「セント!」
「ミッツール!」
「ナハッ、ナハッ!」
聖ミッツール卿という歴史上の人物をネタにしたゲームだ。ルールは略する。
「はーい、ルイズの負け〜!」
「まっれ、わたひ、まけてな〜ひ!」
「だめだめ、ちゃんとナハナハしてなかったもんね、はい、罰ゲーム!」
グラスを突きつけられる。さすがのルイズもこれ以上飲んだらヤバいという感覚はある。
「いっひ、ひがいのバツげーむじゃらめ?」
手を合わせるルイズ。顔は真っ赤で、目はとろんとしている。
「しょうがないな〜、じゃあ、スカートたくしあげ10秒!」
「えええ、パンツみえちゃうじゃない!」
顔をぶんぶん振るルイズ。
「さっきから見えてるよー」
「そうそう、どってことない!」
あ、それもそうか。
それにすごく熱いし。スカートぱたぱたしたら涼しいかも。
「じゃあ、それ、やりゅ」
言いつつルイズは立ち上がり、スカートの裾をつまんで持ち上げる。
ピンクの小さな下着が完全露出する。おへそまで見えている。
フリルとリボンで彩られた薄手の三角形の布。横はヒモで、後ろもヒモ。隠れているのはルイズの本当に大事な場所だけ。
男たちは食い入るようにルイズの下半身を鑑賞する。
「このサイズの下着で毛が見えないって――ルイズちゃんってまさか生えてない?」
「布が薄いからワレメちゃんに貼り付いて形がわかるぞ」
「なっ、かっ、かおちかっ!」
「だめだめ、ちゃんと十秒数えないと」
「もぉ……いち、にぃさんしごろくななはちきゅっじゅっ!」
急いで十まで数えるルイズ。
だが、続くゲームでも負けて、今度はおしり側をたくし上げて見せることに。
「ルイズちゃん、もうちょっとおしり突き出して」
「そうそう、しっかり十まで数えてね」
「いちにいさんしぃごぉりょくっ……!」
「はい、かんだ。最初から〜」
Tバックのおしりを男たちに至近距離から見られながら、最初からカウントし直すルイズ。
ヒモがおしりのワレメの上を走っているだけ。おしりそのものは丸見えだ。ルイズの小ぶりながらじゅうぶんに丸いヒップが酔客たちに視姦される。
「ひもがよじれて……」
「おしりの穴が半分見えてる」
「ルイズのアソコ、湿ってね?」
おしりを突き出しているので、布に包まれた性器の部分も観察されてしまう。
「……はち、きゅう、じゅううう!」
なんども数え直し、たっぷり一分は見られてしまう。
その後もルイズは負け続け――パンツを見られ続けた。
ルイズの方も見られることには慣れてきた頃だ。
「じゃあ、次の罰ゲームは、ゴムぱっちんね」
ルイズは自分でスカートの裾をくわえ、後ろ手でスカートをたくしあげる。
完全に下着が露出した状態で、ゲームの勝者たちがルイズの前後にしゃがむ。
「じゃ、後ろから……ご〜む、ぱっちん!」
ルイズの下着のヒモをつまみ、引っ張る。ルイズのおしりをかろうじて隠していたヒモが肌から離れる。露出するルイズの肛門。
「ひぅ」
思わず腰を引いた瞬間、男は指を離し、ヒモ部分が勢いよくルイズのおしりに「ぱっちん」する。
「じゃあ、次は前ね」
前にしゃがんだ男がルイズの性器を隠す最後の砦に指をかけ、ぐぃーっと引っ張る。
「ふっ、んっ」
スカートをくわえたまま声をあげるルイズ。
一瞬、さらされるルイズの無毛のワレメ。
次の瞬間、ぱっちん!
「やっぱりパイパンか、ルイズちゃん」
「いや、眼福眼福」
その後も、ゴムがゆるゆるになって、勝手にすれてくるほどに「ぱっちん」されるルイズだった。
「じゃあ、チップ3倍……いくぞぉ!」
盛り上がる店内。
いつしか、ルイズ以外の妖精はいなくなっていた。客たちがルイズとばかり遊びたがったからだ。もとより、ルイズほどの美少女が身体を張ったら並大抵の女の子では太刀打ちできない。
ルイズも、飲まされたり、見られたり、ぱっちんされたりしたが、気分は悪くなかった。明らかに売上がアップしていることがわかっていたからだ。自分は役にたっている。そしてここにいる男たちはみんな私の魅力でメロメロ。
サイトがこの光景を見たら、わたしのこときっと見直すわ――少なくとも、あんな態度はもう取らなくなるわ――わたしがどんなに女性としてすばらしいか理解するにちがいないわ。
衣装がいろいろ運ばれてくる。簡易の脱衣所――布で四方を囲っただけだが――も設置される。
「妖精さん用のお着替えをご用意いたしました」
雇われマネージャが頭をさげて奥に引っ込む。どうやら、チップ額が上がる度に小道具も増えるようだ。
あいかわらずゲーム自体は他愛ない。
「市民」
「しみんよ! あいこね! 次はわたしから……皇帝! どう!?」
「へっへっ……こっちは奴隷」
「うそぉー!?」
カードを手に頭を抱えるルイズ。ルールは省略するが、カードゲームでも負けてしまう。
「罰ゲームは、指定する衣装を着てダンスしてもらいまーす」
「じゃあ、基本に戻って白ビスチェがいいな!」
それならばダメージは少ない。もとより、ぱっちんされすぎて下着がゆるゆるになってしまっている。
ルイズは白ビスチェとスカートを持って脱衣コーナーに入る。
布一枚をへだててすぐ側に二十人もの酔客がいるが、十分に大胆になっているルイズはゆるゆるの下着をおろし、ゴスロリドリスを脱ぐ。ブラだけつけた状態だ。ビスチェを着けるためにそれも取る。
ルイズは全裸だ。
布の向こうで男たちが固唾をのんでいるのがわかる。シルエットが見えているのだ。
男たちの表情を想像するとルイズは楽しくなり、ちょっと身体をくねらせてみる。おおおおおと声が起こる。
ルイズはセクシーにビスチェを着る。ブラも兼ねた下着だから、素肌に直接まとう。そしてスカート。あれ、なんか足りない。
「マネージャーさん、し、下着は?」
奥にいるはずの雇われマネージャーに声をかけるが、返事はない。
「ルイズちゃん、まだぁ!?」
「罰ゲームなんだから、与えられた服しか着ちゃだめなんだよ」
ノーパン白ビスチェドレスで客前に出るしかないルイズだった。
「おおおお、やっぱ可愛い!」
「これでこそ魅惑の妖精亭だよな!」
覚悟を決めて脱衣所を出たルイズにやんやの喝采。
スカート丈を気にして前屈みになっていたルイズだったが、
(なによ、誰もスカートのこと、気にしてないじゃない。きっと大丈夫よ。気をつけていたらそんなに見られないし――ちょっとくらいならもう見られてるから、どってことないわ)
自信を持つと異常に前向きになるルイズである。むろん酒の力も大きい。
ところで、このビスチェ、ルイズ用のサイズではないため、胸にスキマがある。
上からのぞき込むだけで乳首ちゃんが見えてしまうのだが、どちらかというとスカートに意識が行っているルイズはそれに気づかない。
しかもチップが3倍になっているので、テーブルをまわるたびに得られる貨幣が多くなっていて、ルイズは男の視線や手への防御がおろそかになっていた。
飲まされて、ポッキーゲームやナハナハ、カードゲームをやらされては負ける。
いや、ポッキーゲームではたまに勝つこともあった。
つまり、客とキスをしていた。
そうするとチップ積み増しだ。売上貢献だ。ルイズはそう言い訳しつつ、ちょっといいな、と思う客には唇を許した。でも、ほんの一瞬だけ。一秒もない。ちゅっとしたやつだ。だから、サイトにばれても問題ない。いや、あるかもしれないけど、秘密にするから大丈夫。
罰ゲームのスカートたくしあげはスリリングだ。
見えるか見えないか、ギリギリの攻防。パンモロよりもワレチラの方がインパクトがあるようで、客の食いつきが違う。
「ルイズちゃんのワレメ……ワレメ……」
男たちが下から覗くように、必死の視線を送ってくる。
「おおっ! ワレメ! ルイズちゃんのおまんこ!」
「はい、おわりよ!」
スカートを戻すルイズ。だが、そこを見られていたかと思うと身体が熱くなり、なんだか濡れてきた……ような。
「次は後ろから、ルイズちゃん!」
「もう、十秒だけだからね!」
おしりを突き出す。両手でスカートをすこしだけたくし上げる。
「いーち、にーぃ……」
最初の頃よりゆっくりカウントするようになっていることにルイズ自身気づいているかどうか。
「すげえ、ギリギり、ケツのワレメが……まんこが見えそうで見えない」
興奮する男たち。
そしてルイズもその興奮に染まっていく。
身体を屈する角度が知らず深くなり――
「おっ、ルイズちゃん……!」
「しっ! せっかくだ。見せてもらおうぜ」
ルイズの前屈が深くなったおかげで、完全に性器が見えていた。
綺麗な縦スジとその両側のぷっくりした土手。陰毛を手入れする必要のないパイパン。充血しているのかピンク色だ。
そして、かわいいアヌスも丸見えだ。
後ろから見ている男達にとっては桃源郷だが、前から見ている方にも役得がある。
「おおお、さくらんぼが!」
「ちっちゃいけど、綺麗な色してんぜ」
ビスチェから覗くルイズの乳首を見放題だ。
「そうだよな、大事なのは大きさじゃねえよな」
ちっぱい派の心をがっしりつかんだようだ。
「よおし、パイタッチ解禁な!」
罰ゲームのメニューが加わった。
ビスチェの上から両手で3回揉み、そして乳首つまみ10秒。
声を出したらやりなおしだ。
ルイズはそれを受け入れた。
これまでは見られるだけだったが、とうとう触られることをOKしたのだ。
(わたしの胸の時代がきた!)
ちっぱい派の説得にルイズはおおいに自信を持った。
(そうよ、大きいだけなんて、牛と同じよ、牛。あの乳牛メイドも、姫様も、大きいだけなのよ。価値のわかるオトナの男の人が好むサイズはわたしくらいのなのよ!)
その認識をあたえてくれたお礼にちょっと触らせるくらいなら――
「じゃあ、ルイズちゃん、おっぱい触るよ」
酔客の手がうねうね動く。ルイズは目を閉じた。ちょとだけ。ちょっと触らせるだけ……
「ひっ!」
「あっ、もう声出した。だめだよルイズちゃん。やりなおしね」
揉まれる。
男の大きな手で、包み込まれる。
「あやっ」
「また、やり直しだね? くふふ。でもいちいち最初からやりなおすのは面倒だから1回声出すごとに10秒時間延長ね」
乳首を布越しにつままれる。
クリクリされる。
声をこらえる。でも、だめだ。
布が敏感な突起にこすれて――
「やあっ、あっ」
「10秒、いや、2回だから20秒追加ね」
「あんっ、あっ」
「ルイズちゃんの乳首、勃起して、場所すぐわかるよ。ほら、ほらっ」
執拗に乳首を責められる。脚に力が入らない。崩れそうになるルイズ。
「だーめ、逃げちゃ。罰ゲームなんだからね」
客に腕を引かれ、椅子にすわった男の膝に乗せられる。
声を10秒間こらえることに成功するまで、5分以上、モミモミされてしまう。
それから続けざまに五人にクリクリされた。
「もう布越しじゃもどかしいでしょ? はい、ぺろーん」
六人目にはビスチェをずらされる。もともとすぐにすっぽぬけそうなサイズだったのだ。あっさりとルイズのおっぱいが男達の目にさらされる。
(や……見られてる……みんなにおっぱい見られてる……ちっちゃいから、恥ずかしいのに……)
後ろから抱きかかえられて、乳首を転がされながら、ルイズはそんなことを思っている。