ゼロの使い魔

ルイズのねこ耳にゃんにゃんNIGHT!

 かわって、こちらは「蛇と星」の天幕。

「われわれには彼女がいない……なぜだ!?」

 マルコリヌの目はすわっていた。

「結論! そんなものは不要だからだ!」

 その天幕は、もてない男たちのオーラでどよどよしていた。

 マルコリヌと、その系統の仲間たち、およそ十人ほどが車座を作ってワインをラッパのみしていた。

「彼女ぉ? 女なんて魔物よりひどい! うそをつく、すぐに怒る、そして都合が悪くなると泣く!」

「まったくだ!」

「その通りだ!」

 後ろ向きな同意の声がわき起こる。

「女なんて! 生意気だし、何かというとすぐに贈り物を要求するし、贈り物をしてもけっきょくあんたの顔が嫌いと言われるし!」

「わかるぞ!」

「女はひどい!」

 だが、マルコリヌの肩が落ちる。

「でも……ほんとは……彼女が欲しいんだよぉ……」

「うおおおおおん」

「おれも、ほしいいいい」

「サイトめ、うらやましいやつ!」

「ほんとうだ、今日もラ・ヴァリエール嬢といちゃいちゃと」

「ゼロのルイズ――性格はともかく、見た目は可愛いしな」

「胸がないぞ」

「だが、それがいい」

「そうだ、希少価値だ!」

 誰が何を言っているのか、もうわやくちゃだ。

「じゃあ、そろそろ、ひとりずつ一発芸を披露しあって、心の傷を癒そうぜ」

 もてない男たちのヤケ酒宴会恒例の隠し芸大会だ。

「って、結局みんな裸踊りするだけじゃないか」

「今回はBGMと照明も用意したよ。ポールダンスができるように支柱も立ててあるし」

 一人、宴会部長とも言うべき人間がいたらしく、なまめかしい音楽と毒々しいライトが天幕の端を照らし出した。どうやらそこがステージになるらしい。

「じゃあ、一人目はだれだ? マルコリヌか?」

「よしっ!」

 マルコリヌが立ち上がり、ズボンとパンツを一気にずりおろしたその時、天幕の布が動いて、照明のなかに肌もあらわな美少女が現れた。

「にゃん、にゃん、ご主人様、大好きだにゃあん」

 ネコミミに布地のちっちゃいビキニ、それにしっぽ――桃色ブロンドの絶世の美少女、ルイズが顔を真っ赤っかにして、登場したのだった。

 空気が凍った。

 マルコリヌたちもさすがに引いた。

 事態が理解できなかったのだ。もしもマルコリヌが地球の、しかも日本のテレビ番組というものを知っていたら、まず最初に「どっきりTV」の看板を持ったタレントが飛び込んでくるのを予想したろう。

 だが、それはどっきりでもなんでもなく、正真正銘のルイズだった。しかも、普通ありえないレベルの露出度だ。下着なんてもんじゃない。局部以外は全部出ているので、むしろ裸よりもいやらしいくらいだ。

 しかも、とろんとした目で「にゃあん、にゃん」などと言っている。

 見ると手に空っぽのワインの瓶を持っている。一気飲みでもしたらしい。

 どうやら酔っ払ったルイズが、マルコリヌたちの飲み会に飛び入り参加をしたようだ。普通、そんなことはありえないわけだが、そう判断するしかない。そもそも、ルイズがネコミミコスプレをするための勇気づけにワインをがぶ飲みして酩酊したあげく、サイトの「龍と星の天幕」といいうプチ間違い情報を頼りに、「蛇と星の天幕」に飛び込んできたのだ、と見抜くのはなかなか難しい。だいたいにして、マルコリヌたちもしたたか酔っている。

 半裸の美少女――しかもネコミミつき――と飲めるなら、そのほうがいいじゃないか、サノヨイヨイ、てな塩梅である。

 凍った空気から立ち直ったマルコリヌたちは、ルイズに対してやんやの声援を送った。

「飛び入りのルイズ・ド・ラ・ヴァリエール嬢を正式にこの飲み会のメンバーとして迎えよう。異議のある者は!?」

「異議なし!」

「異議なーし!」

 全員が唱和する。

「では、早速、ルイズ、踊ってくれたまえ」

「いいぞ、ルイズ、ひゅーひゅー」

 ムード音楽が大きくなる。魔法は便利だ。

「え? なに? サイト? 踊りゅの?」

 ルイズはアルコールでぼんやりした頭で周囲を見渡す。まばゆい光で周囲は何もわからない。どうやらサイトはすぐ近くにいるようだが、酔っぱらっているせいで何人にもダブって見えてしまう。

 踊ってほしい、と頼まれたようなので、ルイズは音楽にあわせて身体をくねらせた。

 そうするとすごい声援と拍手だ。ルイズは感激した。サイトは一人なのに、まるで十人ぶんの歓声と拍手だ。それだけルイズの踊りを喜んでくれているのだろう。

「んふ……サイト……もっと見て」

 ルイズは猫の真似をして四つん這いになり、おしりをつきあげた。しっぽがぴょんこぴょんこ揺れる。

「おおおお」

「これはすごいですよおおおっ」

 目の前の特設ステージで、ルイズがにゃんにゃんダンスを始めると男子のボルテージは一気に上がった。もともと、女の子にあまり縁のない男子たちである。目の前で蠢く小振りなヒップに目が釘付けだ。

 しかも、布地が小さくて、おしりの山にくいこんでいるから、ほとんど見えている状態だ。

「女の子の……おしり……おしりだ……」

 マルコリヌは最前列でかぶりつきだ。

 ふにふにと上下動する丸いものにつられて男子の首も上下に動く。さらにシッポの動きが幻惑する。

「あああ……つやつやしてる」

 思わず男子の一人が手をのばす。ルイズのおしりにタッチする。

「やんっ、サイトのエッチ」

 ルイズがいやいやするようにおしりを振る。もちろん、いやなのではなくて、誘っているのだ。

 男子は次々と手を伸ばした。

「まちたまえ! 踊り子さんに手を濡れてはいかーんっ!」

 マルコリヌが一喝する。

「ルイズも、もっといろいろな踊りを見せてくれたまえ! その支柱を使って!」

 ルイズは立ち上がり、天幕の支柱によりかかった。脚がふらついたからそうなっただけだが、結果としては、支柱を軸にしてくるりんと回転した。

 おおお、と歓声があがる。

 ウケたようなので、ルイズも嬉しくなって、支柱を股ではさんで、上半身をそらして回転したり、支柱を両手で握った状態でしゃがんだりした。ポールダンスっぽくなっていることは、もちろん意識していない。

 男子は、ルイズが身体をそらすことで見えそうになる胸や、しゃがむことで丸見えになるお股の部分に熱視線を送った。

 そればかりではなく、感謝の気持ちからか、お金が飛び交いはじめた。

 ブラと胸の隙間に金貨や銀貨を突っ込む。パンツのところにもだ。

 ルイズはそれがサイトからのごほうびだと思っているから、さらにサービスを過激にする。

 脚をひろげて座り込み、自分の股間がよく見えるようにする。

「サイトぉ……どぉ? 色っぽい?」

「色っぽいよ、ルイズ!」

「お股のお肉がちらっと見えてるよ!」

 食い込んでいるから、大陰唇は見えてしまっているのだ。その内側にある粘膜は、細い布地が食い込んでかろうじて隠している。

「チップあげる! チップ! ほらっ」

 マルコリヌがありったけの金貨を取り出し、ルイズのブラとパンティに詰め込みはじめる。

 ブラやパンティを引っ張って、じゃらじゃらっと。

「サイト、こんなにたくさん入れたら……脱げちゃう」

 金貨の重みで、ブラもパンティもたれさがっている。

 ルイズがのけぞった瞬間、ブラがずれて、小振りな乳房がまる出しになる。

「オッパイだ!」

「オッパイだぞおぉぉぉぉっ!」

「乳首っ! 乳首だぁっ!」

 初めて女子のオッパイを見た者も多く、悶死者続出。

「やだ……」

 胸元を隠そうとするルイズだが、そうするとパンティがずれてしまう。

 ルイズの大事な部分がチラチラする。

「ワレメだっ!」

「生えてない!」

「あれが……あれが女の子の……おーぃおい」

 泣き出す者まで。

 こうなったら、もう男子の願いはひとつだ。

「ぬーげ」

「ぬーげ!」

「ぬいじゃってー!」

 大唱和が始まった。

 ルイズにしてみれば十人のサイトから「脱いで」と頼まれているようなものだ。

「……そんなに見たい?」

「見たい!」

「見たいよ!」

「見たいです!」

 男子の絶叫はとどまるところを知らない。

「じゃあ……見せてあげる」

 ルイズはサイトの前で脱ぐことにそんなに抵抗感を持っていない。

 ましてや今はアルコールのおかげで脳内がお花畑状態だ。

 さらに、「サイトたち」にチヤホヤされて気分がよくなっている。

 ルイズはブラもパンティも取り去った。もともと半分以上脱げていたから、かんたんなものだ。

 しっぽはパンティと一体なので、これでルイズの身体につけてあるのは、ネコミミとチョーカーだけとなった。

 ライトに照らし出されたのは、十六歳の貴族のご令嬢のフルヌードだ。

 スレンダーな子供っぽい身体だが、男子にとっては同年代の女の子の裸は十分刺激的だった。

 小振りなバストに、小粒の乳首。色は薄いピンク。くびれた腰にわずかにはりだしたヒップはきゅっと締まっている。そしてほとんど無毛のアソコ。ワレメがはっきりと見える。

 男子たちは考えた。ワレメの中をもっとちゃんと見たい、見たいミタイミタイ!

 そして考えついた。

「ルイズ! ねこにゃんダンス、アンコール!」

「にゃんにゃん踊り、もう一度見せてくれえ」

「にゃんにゃん! にゃんにゃん!」

 大歓声だ。

「そんなによかった……かにゃ?」

 ルイズは調子にのって四つん這いになった。おしりを突き出し、にゃあん。

 猫のまねをするが、男子の視線はもちろん高く掲げたルイズのヒップに集まっている。

 ルイズは、男子の目の前に、おしりの穴も、ワレメも完全にさらしてしまっていた。

 さらに腰を動かすものだから、ワレメが動いて、花びらがくにゅっと顔を出す。おしりの穴もひくひくっとなる。

「も、たまんねえ!」

 男子の一人がズボンを脱いで、ペニスを露出させた。自分でこすり始める。

 目前のルイズをネタにオナニーを開始したのだ。

「おれも!」

「おれもだ!」

 追随する男子が続出。まあ、よっぱらって、「誰が一番遠くまで飛ばせるか」を競うような連中だ。ノリは同レベル。

 たちまちおちんちんランドと化す天幕である。

 あれ……?

 もうろうとしたルイズは周囲を見渡した。

 サイトがルイズを取り囲むようにして、アレを……男の子のアレをこすっている。

 これがもしや、男の子のする――マスターベーション――だろうか。

「たまんねぇっ! たまんねえよ、ルイズ!」

「ルイズ! もっとセクシーなポーズをしてくれえ」

 なんてこと、サイトったら、わたしをオカズにこんないやらしいことを始めちゃうなんて……

 ルイズはサイトをあらためて愛おしく感じた。

「見たいの? わたしの恥ずかしいところを、もっと見たいの?」

「見たい!」

「見せてくれぇ!」

「どっしよーかなぁ」

 言いつつ、そろそろと脚を広げる。おおっ、と色めき立つ男子。

「やめよーかなー」

 きゅっと脚を閉じると、男子達は失望の声。

(ああ、もう、サイトったら、かわいい)

 ルイズは、たくさんの「サイト」の欲望を独り占めしていることに深い陶酔を覚える。

「特別だからね、特別に……ごほうびあげちゃう!」

 基本はサイトの欲がるモノならば与えてしまうルイズである。

 ルイズは両手を後ろについて、腰を浮かせ、脚を広げる。

 しらふなら絶対できないM字開脚だ。

 むき出しの股間に少年たちがむらがる。

「すげえ……ルイズのオマンコだ」

「しろくて、ぴったり閉じてら……ちょっとだけ飛び出してるのがクリ……?」

「もっと広げて見せてくれよ、ルイズ」

「ええ−、そんなことまで?」

 ルイズは片手を股間にまわし、指を土手の両側にそえた。顔は真っ赤で目をぎゅっとつむっている。

「もお、サイトのエッチ……ぃ」

 くぱあ……

 ついにルイズの処女穴が開かれた。その目撃者たちは鼻血を噴出しかねないほどに興奮した。

「ピンクだあ……すげえ」

「穴だ。オマンコの穴……あいてら……」

「あれ、もしかしたら、濡れてる?」

 ルイズはエッチな姿をサイトに見られていると思いこんでいるため、とても興奮していた。

 勝手に息が荒くなり、アソコからおつゆがもれてくる。

「女の子が濡れるって、ほんとだったんだ」

「あのルイズが、おれたちの前でオマンコおっぴろげて、濡らしてやがる」

「だめだ、おれ、もうがまんが……っ」

 ペニスをこすっていた少年がくぐもった声をあげる。

「おれもだっ!」

「おおっ!」

 少年たちは鼻血を噴き、同時にペニスの先から白い粘っこい体液を放出した。

 ルイズの身体に精液がぶっかけられる。

(やだ、サイト、いっぱい……! 男の子はオチンチンから白いモノを出すって……本当なんだわ)

 本来なら嫌悪の対象でしかないはずのその粘液がなぜか愛しいくらいだ。むせかえるような精液の匂いも、今は興奮をかき立てるアロマそのものだ。

 そんなルイズの鼻先に、かぐわしい棒が突き出された。

「ルイズ……コレ、しゃぶってくれる?」

 マルコリヌが、半?け状態のペニスをルイズの顔に突きつけたのだ。

 それが「フェラチオ」という、女の子が男の子にご奉仕する技だということは、紙の上の知識では持っていた。

 だが、実際にそれを体験することになるとは――でも、今のルイズはサイトをとにかく感じさせたい。

 誇り高い少女は、エッチな体験にときめいて目がくらんでいたのだ。

(なによ、サイトったら! この、大貴族の娘であるわたしに、こ、こんなモノをしゃぶれ、だなんて……そんな……なんてイヤラシイ……っ)

 頭のなかが沸騰状態だ。

「ほら、ルイズ、しゃぶってよ」

 目の前にちらつく、?けきっていないペニス。だが、それがサイトのものだと思うと、いとおしい気持ちになってくる。

「し、仕方ないわね。と、特別よ! 今日だけは、特別にしたげるんだから、ちょ、調子に乗らないでよね!」

 ツンツンしながらも、口の中には唾液がわいてきてしまっている。

 ちゅっ。

 ルイズはまず、マルコリヌの亀頭の露出部分にキスをした。

 誇り高いヴァリエール家の令嬢は、それから人生初のフェラチオを開始した。


(あのルイズが……あのルイズがぼくのチンポをしゃぶってる!)

 頭がくらくらするマルコリヌだった。ダメ元で頼んだらあっさりとOKしてくれた。

 桃色ブロンドの髪が揺れている。

 たまに上目遣いにマルコリヌを見上げる。

(これでいいの?)

 と尋ねるように。

 たしかにルイズのフェラは不慣れでたどたどしかった。

 それでも、目元をうるませたネコミミ美少女が顔を真っ赤にしながら自分のペニスをくわえているかと思うと――しかも、その懸命な舌づかいがペニスを通じて伝わってくると興奮しないではいられない。

 小さなルイズの舌がちろちろと動いて、マルコリヌのペニスのカリ首を愛撫する。それだけで射精してしまいそうだ。

「いいぞ、ルイズ……もっと舌を動かすんだ」

「ほお?」

 れろれろれろれろっ!

 ルイズの舌がマルコリヌのペニスを包み込む。

 その感触をもっと楽しみたい――そう思った矢先、絶頂がたちまち押し寄せてきた。

「あうっ! 出るっ!」

 マルコリヌは早漏だった。

 もっとも初めてのフェラ体験だから無理もないとも言える。

「出すよ、ルイズ、飲んで!」

「んむっ! くぷっ!」

 ルイズの頭を掌ではさんで、ルイズの喉奥までペニスを突っ込んで、射精する。

「ぷふぁっ!」

 たまらずルイズは口をひらく。口の中におさまりきらなかったマルコリヌの精液をはき出す。

 さすがに初フェラでごっくんは難しい。

「にがい……サイトの……」

 涙目でルイズは口元をぬぐう。

「だめじゃないか、ルイズ、飲んでってたのんだのに」

「そんな……こと……いったって……」

「罰として、ルイズにもっとエッチなことをするぞ!」

 マルコリヌは宣言する。それがサイトに見えているルイズにとっては、そんな罰もまた嬉しいものだ。

「……はい……」

 顔を赤らめてうなずく。

 

つづく