月詠 MOON PHASE

-Tsundere Mode-

# おにいさま、葉月に「アレ」吸わせてくださいね

 

 

「んもお、耕平っ! 気が散るじゃないよお!」

 葉月が声を張り上げるが構わずに、つるりとしたお尻を両手で割ってみる。

 透き通るような白い肌がわずかに色づいて、膨らみを持った縦割れの器官に続いている。おれの知る限り、最高に綺麗な形と色をしている。

 割れ目の部分を開くと、ピンクよりやや濃い粘膜が現れ、お子様サイズのクリトリスが姿をあらわす。二枚貝の組織にも似た小陰唇もささやかだ。尿道口がひくつき、その下の膣口と連動している。

 濡れているのは膣口だ。葉月が声をもらすたびに、膣の組織がうねって透き通った愛液を絞り出す。

 指を入れてみる。乱暴にしたら壊れてしまうから、やさしめに。

「にあ……っ!?」

 葉月がおれのペニスから口を離し、声をあげる。

 自分で指を入れたことさえなかったのかもしれない。新鮮な反応だ。

 葉月のその部分は、異物の侵入を受けて収縮した。

 熱い。

 脈打つ。

 でもぬるんでる。指一本ならスムーズにうごく。

 奥へ。

「あ、ああ! こ、耕平! だめっ!」

 引く。

「く……う……うう」

 声がふるえる。

 えぐるように、奥へ。指を軽く曲げながら、内部のひだをなぞる。

「耕平……こわい、よ」

 泣きそうな葉月の声。

 でも、やめない。やめられない。

 指に感じる葉月の聖域。柔らかくて繊細で、ほとばしるように熱くて、締めつけてくる。

「あ……ああ……耕平」

 葉月のおしりが上下する。無意識の動きなのだろう。

 おれの指の動きに合わせるように。かわいいアヌスもヒクヒクしてる。

 指の動きを速めていく。

「ひう……こ、う、へい……なんか……なんか……へん」

 葉月の声が裏返る。感じてくれてる。

 奥より入口付近がいいらしい。おれは浅めに指を抜き差しした。第一関節まで入れたところで指を振動させてみる。

 クリトリスの裏あたりをノックするように。

「あひっ! こうへい、そ、それ、いい! き、きもちいい!」

「おい、おれのも頼むぞ、葉月」

 夢中になりかける葉月に奉仕をうながす。

 葉月は声にならぬ返事をしつつ、おれのものを咥えなおす。

 切迫してるのがわかる舌の動き。

 頭を上下させて、奥まで吸い込んでくる。

「うぐ……ぐふ……むにゃあ」

 先端をしゃぶりつつ、裏スジを指でこすってくる。

 おおお、おれもキテる。尻の筋肉に力を入れて射精をこらえる。

 負けるか。

 葉月の膣を中指でかきまぜるようにしつつ、親指の腹でクリトリスを押し潰す。

「――ひゃんっ!」

 ちゅくちゅく音をたてながら、葉月の中に指を出し入れする。すごい、あふれてる。小陰唇もふくらんで、熱くなってる。はみ出た形も崩れて、すこしオトナになった感じだ。

 指を抜いて、両手でおしりの山をつかむ。ありえないくらいに広げてやる。すごい眺めだ。葉月の全部が見える。いじれる。舌がとどく。

 ひろがった穴に、舌をさしこむ。

 葉月の中を舐める。葉月の味。舌を押し返すぷりぷりの秘肉。極上のステーキでも刺し身でも、こんなに美味しくはない。

 すぐそばにあるおしりの穴も、ついでに舐める。

「ふにゃあ〜」

 力のぬけた葉月の声が聞こえてくる。おもしろいから、アヌスを続けてなめてやる。

「あ、やだ……ちがう耕平、そこは……きたない……よ」

「気にすんな」

 言いつつ、おれは舌を動かし続ける。

「もお、耕平のばかあ〜」

 葉月が悔しそうにつぶやき、おれの陰嚢に吸いついた。仕返しのつもりなのかもしれないが、こういうリベンジは大歓迎だ。

 竿を上下にしごきながら、タマを口に含んでは舌をからめてくる。極楽というかなんというか、射精しないでいることがもはや拷問だ。

 だが、葉月のほうもかなりできあがっている。なにしろ、指一本でもキツキツだったのが、もう、二本でも問題ない。奥まで入る。

 意外に柔軟なのか、処女膜は破れてない。だが、出し入れする時には注意しないと。だから、指をピストン運動させるのはやめて、指先バイブでがんばる。腕、疲れるんだけど。

「ん、あ、あはあ……おなかのなかで、ぶるぶる――って」

「ゆっくり動かすから、一番いいところでいえよ。いかせてやるから」

「え? なに、耕平――いくって?」

「ここか?」

 ひだひだ。

「あっ、ひい!」

 ぎゅっとおれのを握る葉月。亀頭の付け根が、うお、気持ち、いい。

「こっちは?」

 手首を返して、背骨側に指の腹をあてる。

「うや、ちょっとへんな感じ」

「やっぱ、こっちか」

 指を回して、膀胱のあるほうの壁をさする。

「んっ……あ……そこ……かも」

 若いうちから自分の性感帯を知っているのもどうかと思うが、相手はヴァンパイアだ。人間の常識は通用しない。

「葉月、いくぞ」

「耕平も――」

 いっしょに。

 おれは葉月のGスポットをさぐりあて、その部位に指バイブを敢行する。

 葉月はおれの亀頭をくわえて、頭を上下させる。

「んん、ふう、むううっ!」

 くちくちくちくちくち!

「あん……ほうへぇひ……ひょほお……ひょほ、いひ……」

 ――くりゅ。

 クリをむく。

 ――ちょぴ。

 舌先でつつく。

「ひっぐう!」

 葉月の背中がひきつったようになり、膣が締まる。すげえ、指がちぎれそうだ――

 それでも、葉月はおれのものを吐き出さない。

 長い髪を振り乱しながら、吸いたてる、舌を動かす、しごきたてる。

 おれも――限界だ。

 鞘ごとクリトリスを吸い上げる。指を一番奥までさしこんで、子宮の入口あたりにビートを送る。

「ほ、ほうひぇ……んひゅう! ひふうう! ひふうううううっ!」

 葉月のおしりがめちゃくちゃに動いて、押さえるのがやっと。

「ひくッ! ひっひゃふよほぉぉぉぉッ!」

 イッてる。葉月がおれの指と舌で。

 おれも、いっしょに――

 びゅるっ! びゅくびゅくびゅく!

 尿道のなかを快感のかたまりが駆け抜けた。

 葉月の口の中で爆発する。

「んぶっ!」

 さすがの葉月も驚いたのか、口を手で押さえながらおれの上からころげおちた。

 咳き込んでいる。

 ぜんぶぶちまけちまったからな……

「お、おい、葉月」

 おれはティッシュの箱をさがして取り上げた。

「わ、わりい、おれ、つい……」

「ひょ……ひょっほ、まっへ」

 葉月が目尻に涙を浮かべながら肩を上下させる。鼻で呼吸を整えている。

 と、鼻をつまんで、目を閉じる。こいつ、飲む気だ。

「ちょ、ちょい待て葉月! むりに飲まなくていい!」

「んく……っ!」

 葉月は天井を仰いで喉をうごかす。

「んん……うぶっ!」

 飲み切れなくてむせる。唾液と精液がまざった粘液を手に受けた。糸のような橋が、葉月の唇と掌の間にかかる。

「だ、だいじょうぶか」

 おれはティッシュを数枚取って、葉月に渡してやる。葉月はそれで手や口を拭いながら、涙目でおれをにらんだ。

「耕平のうそつき! めちゃくちゃまずいじゃない! どろどろしてるし、苦いし、のどにからまるし……っ!」

「そ……それは」

「だいたい、血を飲んだときとぜんぜん違うもん! 能力(ちから)もでないしっ!」

 葉月はおれの血を吸うと、ヴァンパイアとしての超常能力をだすことができるのだ。

「耕平! あたしをだましたのね!」

 キンキン声で迫ってくる。

 その通りだ。でも、こんなにうまくいくとは思わなかった。いまさらながら、おれはうろたえた。

「す、すまん、葉月! ちょっとからかうだけのつもりだったんだ!」

 おれは手を合わせて許しを乞うた。葉月が本気で怒ったら――冗談ぬきで血の雨がふる。

「なーんてね」

 葉月が片目を閉じて舌を出す。

「ぜーんぶわかってたのよ、耕平のたくらみなんか」

「な、なんだと」

「ザーメンって、何語かしってる、耕平おにいさま?」

 小首をかしげて訊いてくる。

「え、英語……ちがうな……ドイツ語か……」

「で、あたしはここに来る前はどこに住んでたでしょう?」

 そう言って、葉月は『ふるっふるっふるっ』と節をつけてカウントする。

 ばかにするな。初めて会った場所くらい覚えてる。ドイツのあの城――

「あっ!」

 おれは声をあげていた。

「葉月、おまえ、意味わかってて……!?」

「裕美おねえさまのアドバイスのとおりだったわ」

 葉月が、おれの幼なじみで雑誌記者の裕美の口調を真似て言う。

 ――どーせ、耕平のやつ、なにかにかこつけて、葉月ちゃんにちょっかい出してくるから……いやじゃないなら、だまされたふりしてなさい。でないと、進展しないわよ、あいつ、バカだから。

「ほんと、見え見えなんだもん、耕平おにいさまってば。いまどきの女の子にあんな手、通用するわけないでしょ」

 そ、そんなことわかってたわい! おれだってびっくりしたんだ!

 でも、『ラッキー』って、思ったのも確かだ……。

 やっぱ、おれって……バカ?

 タライに頭を直撃された気分で、おれは肩を落とした。

「でも……さ」

 葉月がはにかんだような口調で言う。

「あたし嫌じゃなかったから――耕平とああいうこと……するの」

 え?

「だから……今度の満月の夜は……最後までしても――いい……よ?」

 そっぽを向いたまま、葉月が言う。耳まで真っ赤だ。

「葉月……」

「でも、血は吸わせてね」

 言うなり、おれに抱きついてくる。

「だって、おにいさまは葉月のシモベなんだから!」


もちろん、一か月も待てるはずなく、その後すぐに初貫通したそうです。

おわり