「こ……耕平、い、入れるの?」
目をうるませながら葉月が訊いてくる。
おれは答えるかわりに、カチンカチンのペニスを葉月のワレメに押し当てて、ゆっくり前後に動かした。
「そ……それ……きもちいいよぉ……」
ただこすりつけているだけだが、葉月には大きな刺激になっているらしい。
時は満月――月詠人(ミストレス)の饗宴の夜。
場所は葉月の部屋のベッドの上。
おれの血と精液ほしさに従順になった葉月を裸にすると、いつものように、たっぷりとかわいがってやった。
舌と指で、乳首もクリもピンピンになるまで起たせる。
おまんこの穴もべとべとになるまで舐めてやる。
むろん、葉月にも奉仕させる。葉月はすっかり舌づかいもうまくなって、気をぬくとうっかり射精しそうになってしまう。
だが、すぐに出すわけにはいかない。がまんだ。
――そして今、大きく育ったペニスで、葉月のワレメをほぐしてやっている。
時間をかけて、じっくりと、執拗なくらいにねちっこく。
亀頭が葉月の小陰唇をこすって、一瞬肉に飲み込まれる。
「あっ、耕平、入った……?」
「まだ入れてない」
てゆーか、かんたんには入らない。葉月の膣はまだまだ小さいからだ。
「早くしてよぉ……」
焦れたように催促する。
「もうがまんできないよぉ……」
葉月が愛らしい顔をピンクに染めあげて、熱い吐息をもらす。
満月になると葉月には吸血衝動がおそってくる。その渇望をみたすには、人間の血を吸うか、男の精液を身体に受け入れるしかない。精液はもともと血を成分が似ている。そればかりではない。最近仕入れた知識によると、吸血行為と性行為は吸血鬼にとってはほとんど同じ意味を持つことがわかったのだ。つまり、精液をとりこめば、血を吸わなくてもいいってことだ。
『ご存じのとおり、わたしたちヴァンパイアが血を吸うのは、血が生命力の源泉だからですわ』
ブロンド眼鏡美女のエルフリーデさんが教えてくれた話だ。
『血液がその個体の生命力そのものだとしたら、精液は、未来の生命の可能性をはらむもの――すなわち、血と同じか、それ以上のエネルギーになるのですよ』
本気だか冗談だかよく読めないところのあるエルフリーデさんの言うところだから、話半分ってところだとしても、何ヶ月か前の満月の夜に葉月に中出しを決めて以来、葉月の吸血衝動がおさまったのは事実だ。
以来、満月の夜には中出しエッチが恒例になっている。どうやら、満月の夜にかぎっては妊娠もしないようだし――
「おい、葉月、おまえのココ、ひくひくしてるぜ」
入口周辺を亀頭でさぐると反応してくる。まるで、自分から呑みこみたがっているかのようだ。
やっぱり、味を知ったせいかな、ほぐれるのが前よりずっと早くなった。
「もお……ぜんぶ耕平のせいじゃない! はやく入れなさいよぉ、バカしもべ!」
唇をとがらせる葉月。おれは柔らかい葉月のほっぺをつねる。おーのびるのびる。
「ひゃひふんのぉ」
「お願いします、だろ?」
「ふぇ」
「お願いしないと入れてやんねーぞ」
葉月は顔をしかめる。だが、ペニスでアソコをぐりぐりしてやると、すぐに屈服する。
「ああ、もぉっ、わかったわよぉ! ちょおだい、耕平、おねがいっ」
「ちゃんと頼め。前回はちゃんと言えたろ?」
ぬるぬるする入口をほじくってやる。おお、葉月のココ、すごく熱くて、ぴとってはりついてきて、気持ちいいぞ。これなら挿入しても大丈夫だ。
挿入寸前の感覚に葉月も切迫している。顔を上気させ、息をあらげている。
「も……意地悪しないで、耕平、入れてぇ……」
「どこに、なにを?」
「耕平のばかぁ……」
葉月は悔しさと、恥ずかしさと、切なさがまざりあった表情で、その言葉を口にする。
「おまんこにぃ……オチンチンほしいのぉ……」
「これか?」
腰を進める。
「ああっ! そ、それっ!」
葉月がしがみついてくる。
挿入する。
葉月のそこはキュウキュウに狭くて熱い。ヒダが蠕動してからみついてくる。
極上の筒だ。吸血鬼だからか?
いや、これは葉月が黒髪ロングヘアの美少女だからだ。ネコミミまでオプションでついてくる。
奥まで突く。
「き……きもち、いい……」
長い髪が汗ではりつき、白い肌に川の流れをつくる。ネコミミ帽子がふるふる震える。
陶然とした表情をうかべている。最初のうちの痛がりようとはえらい違いだ。
『ヴァンパイアに血を流させてどーすんのよ、この外道シモベ!』
と、噛みつかれたものだったが――なにしろ、一回目はえらく出血したしなぁ。
だが、今では葉月も自分で腰をつかうくらいにエッチ好きになっている。
「はあっ、ああんっ、耕平、もっと突いて」
おへそのあたりをうねらせて、葉月がねだる。わかった。してやるよ。
形のいい葉月の腿を、脇ではさみつけ、腰を激しく動かした。
「ああああっ! あたる……耕平のがあたってるよぉ……」
葉月の入口がいっぱいに広がって、おれのモノをくわえこんでいる。
結合部からあふれる愛液の量が、葉月の興奮と快楽の大きさを物語っている。
じゅぶじゅぶ、くちゅぐちゅ。
いやらしい粘った音をたてながら、おれのペニスが葉月の性器に潜り込み、また引き抜かれる。
「うにゃっ……んぅぅぅっ!」
抜けそうになると、きゅっと筒を絞ってくる。涙目でおれを見上げ、もっと、とせがむ。
ほんとに信じられない。葉月がこんなにエッチになるなんて。
どちらかというと、こういう方面にはうといというか、潔癖なところさえあったのだが――
まあ、おれにとっては悪いことじゃない。
葉月はなんといっても可愛いし――生意気で、わがままで、人のことをシモベだのなんだのと勝手にきめつけるが――やっぱり可愛いな、うん。
「耕平……こうへぃ……きもちいいよぉ……おまんこぉ、いいよぉ……」
くぅぅ、こいつの声で「おまんこ」って言われると、やっぱり燃えるなぁ……
よし、がんばろう。
葉月の腿を抱えて前に倒す。結合部の角度をかえて、上から腰をたたきつける。
「あやぁっ! うっ、あぁぁっ! 耕平! こうへぇっ! い、いきそ……ぉ」
精一杯の声がよじれる。全身がさくら色に色づいて、すばらしい芳香がたちのぼる。
葉月――実りのときを示す名前――ほんとうに、いま、葉月は――
腕がのびる。シーツを握りしめているだけでは足りないのか。おれの首を抱く。
「きて……耕平……わたしのなかに……っ!」
「葉月っ」
おれは葉月と密着し、少女の唇を奪った。舌をからめながら、動きを速めてゆく。
さまざまに変化する葉月の反応を楽しみながら、奥に、奥に、自らをうめこんでゆく。
「んっ、あっ、はっ、はうっ! こうへ……い……いくぅ……いぅぅ……!」
おれもそろそろ限界だ。
「出すぞ、葉月……中で……精液、出すからな」
「うん、出して、耕平、セイエキ、出してぇっ、いっぱい……! いっぱい出してぇ!」
おれは、最後のピストン運動に入ろうとして、ふと目を上げて、気づいた。
ドアが薄目にあいている。
その向こうに――赤い双眸が光っていた。
アルトだ。
葉月の腹違いの妹で、今はわけあって同じ家で暮らしている。こちらも葉月同様、純粋な吸血鬼の貴種である。
まだほんの子供で、内気で人見知りがはげしいが、ようやく心を開きつつある――はずだ。
い、いかん、教育上、ひどくまずい。
アルトは無感情な顔で、おれと葉月の行為を観察していた。いったい、いつから?
「あああんっ! いくぅっ! 耕平、きてぇっ!」
なにも気づいていない葉月が膣を締め上げる。葉月の姿勢ではアルトは見えないのだ。うあっ、だめだ、ばか、葉月、そんなことしたら……っ!
でっ、でちまう!
おれはきっとものすごく情けない表情になっているはずだ。
アルトの冷徹な視線がおれをとらえている。
ぞくっ、ぞく、ぞくぅっ!
その視線に射抜かれて、おれの頭のなかで何かが爆発した。
「おうっ!」
射精がはじまる。
「あっ、ああっ! 耕平の、セイエキ、出てるっ! おなかのなかで、熱いのが……っ!」
葉月が激しくのけぞる。ネコミミがはずれて黒髪があふれだす。
おれは大量の精液をぶちまけながら、激しく葉月の子宮を突き上げた。
「熱っ、あついよぉっ! いく……いっちゃうよ、いっちゃうよぉぉっ!」
わななきながら葉月が絶頂をむかえる。
おれはがっくりと崩折れた。
そして、ドアがゆっくりと閉じてゆく……