葉月の表情の変化が見物だった。
最初きょとんとして、それから一気に顔を赤らめた。
「なっ、なっ、なにいってんのよ! バカしもべ!」
「ばかはねえだろ? 血液と同じか、それ以上に栄養があるんだぜ」
「あるわけないでしょ、おしっこに!」
あら。わかってなかったのね。
「小便じゃねーよ。もっとねばっこくて、白い、クリームみたいなモンだ」
葉月は疑わしそうな顔になる。
「なに、それ? そんなもの出せるの、耕平が?」
「まあ、男なら、ってことだな。おまえ、知らなかったのか? やっぱ、子供だな」
「し、知ってたわよ! じょ、常識でしょ!? ちょっと知らないフリしてみただけよ、やーい、だまされた〜」
あおられて、葉月が肩をいからせる。負けず嫌いめ。
「そうか。じゃあ、できるよな、吸い出すことくらい」
おれはジッパーを下ろした。トランクスをひょいと下げて、ぺろん、と。
葉月の目が点になる。
悲鳴をあげるかと思ったが、それより前に硬直してしまったようだ。
そういや、こいつの父親は「伯爵」なんだっけ。きっと、いっしょにお風呂に入ったりするタイプのパパじゃなかったろーし、免疫ナシか。
まあ、それもまたよし。
おれはチンチンを葉月の目の前でぶるぶる振って見せた。
「ほうら、これが男のチンチンだ。おもしれーだろ」
「……ひ」
葉月の顔がくしゃくしゃになる。お? 泣いちゃうか?
唇がわななく。
いよいよ絶叫か? それとも怒り出すか? いずれにせよ、びっくりどっきり大作戦、だいせいこ〜ってやつだ。
――そして、葉月が声を放った。
「おもしろーい! なにこれ〜!」
嬌声をあげつつしゃがみこみ、おれの股間を覗きこむ。
む。この反応は予測してなかったな。
「へんなカタチ〜! 毒キノコみたい〜」
息がかかりそうなほど顔を近づけて、おれのモノを鑑賞する葉月。目が星になってるぞ。
そんなに凝視されると――
ぴくん。
「あ、いま、動いた」
ひくひくひく。
「あ、大きくなった」
ひとりでに勃ちはじめる。しょーがねえだろ、男の性だ。
「耕平、これ、なに入ってるの?」
無邪気に訊いてくる。
「血だよ。充血して、大きくなるんだ」
「血!」
葉月の目が輝く。今にもがぶっとやりたそうに口を開く。おわ、タンマタンマ!
「ちょ、ちょい待ち! 牙は立てるな! そんなことしたら、しぼんじまって、白いのは出てこないぞ!」
「ぶー」
不満そうに唇をとがらせる。驚いたな。チンチンに口をつけるのに抵抗がないみたいだ。これも免疫がないゆえか、それとも、それだけ吸血衝動が強いのか――
「白いのはな、男だけが造ることのできるもので、ザーメンっていうんだぞ」
「ザーメン? なんか、おいしそう」
ますます食欲を刺激されたのか、葉月は唇をなめた。白い牙がちらりと見える。
ザーメンって、うまそうな名前かなあ。まあ、ラーメンっぽいけど。
「ザーメンを出すには、先っぽをペロペロするんだ。で、できるかな?」
さすがにちょっと声が震えるな。なにも知らない葉月にフェラチオさせようっていうんだから。
「なめるの? 噛んじゃだめ?」
「だめ、だめ! やさしくなめるの!」
「なんか、まだるっこし〜」
ぶーたれる葉月。まあ、一刻でも早く吸血衝動に身をゆだねたいんだろうな。いずれにせよ、牙を立てられるのは勘弁だ。
「はい、なめる!」
おれは半勃ちのペニスを葉月の顔の前に突きつけた。
「もお……シモベのくせに注文多い〜」
言いつつ葉月は長い髪を片手でかきあげると、唇を寄せる。
ちゅ。
おうっ!
ちゅっ、ちゅ。
葉月が――あの葉月がおれのちんぽにキスしてる。ウソだろ、こんなに簡単に。
「耕平――どうしたの? ぴくんって」
葉月が舌を出しながら、おれを見上げる。
ぺろ……
うひっ!
ぺろ、ぺろ、ぺろ……
小猫のような舌使い――
「わ、また大きくなった」
目をまるくする葉月。だが、どうやら、楽しくなってきたらしく、舌をさかんに動かしはじめる。
「はむ、はぷ……こうすると、大きくなるの?」
上目使いにおれを見つめつつ、黒髪の美少女が訊いてくる。
亀頭を口にふくみ、唇の輪でしめつけながら、舌先でちろちろと……
うおっ!?
なにかが決壊したような快感のパルスが腰から全身に走り、勝手に頬が震えた。
「わにゃ!?」
葉月が驚きの声をあげて、口をはなした。
「いま、びくんっ、て、なったよ、耕平」
完全に勃起し、ぶらぶらと揺れるおれのペニスを指先でつつきながら、葉月が華やいだ口調で言った。頬が上気してる。
「もしかして、耕平、気持ち良かった?」
「なっ、なわけねーだろ」
「ふーん? とにかく、はやく飲ませてよね」
また。
葉月がくわえてくる。
今度は手も使って。
「これ、へんな手触り……なにが入ってるの?」
陰嚢を手でつつんで、にぎにぎする。
「こら、乱暴にしたらだめだ。そこで造るんだからな、白いのは」
「へえ……」
感心したように言い、それからは、優しく睾丸をさすりながら、竿をなめあげる。か、かなりいいぞ、これは。
でも、立ったままではちょっと疲れるので、おれは畳に腰をおろした。
葉月は四つん這いで、おれの股間に顔をうずめる。
トレードマークのネコミミのおかげで、ほんとに子猫みたいだ。
怒張した肉棒を一心に舐めている。
真剣な表情だ。
おれは葉月の髪をなで、頬に触れた。
「ん……」
葉月は目を伏せた。まつげが長い。
指でなぞって、耳の形をさぐる。
ふだんは髪に隠れた、葉月のちいさな耳。
「やん……くすぐったいよ、耕平……おにいさま」
いやがってるのではない。最後の一言は照れ隠しだろう。
「葉月……」
おれと葉月はしばし見つめ合った。
あの、出会いの夜、はじめて視線をからめたときのように。
思えばあれからまだ数カ月しかたってないというのに、なんという状況の変わりようだろう。
「葉月、おまえにもしてやるよ」
「え?」
おれは葉月の細い肩を抱き寄せ、姿勢を変えさせた。
横たわったおれの顔をまたぐように――
いやがる葉月をなだめすかし、その姿勢になる。
「や、やだ、耕平のえっち!」
ちんぽしゃぶっておいて、これだからなあ。ずれてるよ。
ともかく、おれは、葉月のパンツが見たい。匂いをかぎたい。いろいろイタズラしたい。
「やだー」
じたばたする葉月の腰を抱きかかえる。
「葉月、おいしいザーメン飲みたくねーのか? 生き血よりずっと濃厚でうまいんだぞ」
「う……」
吸血衝動はそうとう切迫しているらしい。葉月の抵抗がやんだ。
「よしよし」
言いつつ、葉月のスカートをめくって、生パンツを鑑賞する。
これは、裕美がくれた下着だな。淡いピンクで、ネコミミマーク入りだ。
お股のところに顔をうずめる。
「ひゃっ」
葉月が声をあげる。
や、やわらけえ。
葉月のオマンコがあるあたりに鼻をおしつける。ふわふわ。
匂いをかぐ。
葉月の香り。健康なヴァンパイア少女の馥郁たる芳香。フェロモンはいってんな、これ。
「こ、耕平……だめ、恥ずかしいよう」
葉月が泣き声をあげる。
「がまんしろ。つらかったら、おれのをなめろ。気がまぎれるだろ」
われながら無茶苦茶だなあと思いつつ、葉月のパンツの布地をずらす。
ヴァンパイアの美少女のおまんこ拝見。
無毛のすじマン。縦割れ一直線だ。
お?
亀裂の一点だけ、ぴょこんと。
肉芽。
葉月のクリトリス、勃ってる。
クールぶってるわりには、ここは素直だ。
つついてみる。
「うにゃっ!」
おしりをよじる。
もっとつつく。
「うにゃにゃ!」
ワレメを指で開く。
「こ、耕平、だめー」
ヴァンパイアもここの形は人間と同じだ。
ピンクの粘膜が濡れて光っている。
包皮から飛び出した小粒をなめてみる。
「やああっ」
「ほら葉月、おまえもなめろよ」
「うっ……ううう……」
うめきつつも、葉月の舌の感触がもどってくる。
おれはおれで、やわらかな葉月の股間の組織を、突起もひだも穴も、味わい尽くす。
お?
葉月のココ、ぬるぬるしてきたぞ。