月詠 MOON PHASE

-Nakadashi Mode-

 

#4 おにいさま、どっちに入れるんですか?(前編)

 

4

 アルトの舌がおれのペニスを這い回る。

 小さな赤い舌べらが、カリの周囲をなぞっている。

「これでいい」

 たまに確認してくる。おれとしては、うなずくしかない。

「もっと、竿の、裏側とかも」

「こう」

 顔を上下させて、竿の根本から亀頭の付け根までを何度も舌で往復する。

 ぞくぞくする。

 アルトの飲み込みは異常にはやかった。葉月の時よりずっとだ。葉月の場合、なにかにつけ反発するのでなかなか進まなかったのだが、アルトは、言えばなんでもする。

「く、くわえて、舌を動かして」

 はむ。

 れろれろれろ。

「タマをいじって」

 くわえたまま、アルトの指が睾丸をマッサージする。

 上目遣いのアルト、無表情なのに、どことなく懸命にみえる。

 フェラチオなんて初めてだろうに、こんないっしょうけんめいに――

 だ、だめだ。出そうだ。

「ア、アルト、吸って……吸いあげて」

 がまんできず、アルトの頭を両手で引き寄せる。奥まで。

 チクリ。

 牙の感触。

 甘く、痺れるような感覚。

 吸血の痺れと射精の衝動がいっしょにくる。

 どぷっ、どぐっ、ぴゅぐ……っ

 アルトの口のなかに激しく吐き出している。

「うあっ……」

 ヴァンパイア少女に二重の意味で吸われながら、おれは声をはなった。

 どくどくと流し込む。

 それを――

 んくっ。

 ごくんっ。

 飲んでいる。アルトが。

 そして、ややあって――

「へんなあじ」

 アルトが顔をわずかにしかめた。

「おいしくない」

 おれの精液を唇の端からたらしながら、アルトはそう感想をもらした。

「おまえ、血も吸ったろ」

 欲望を吐き出したおれのペニスの竿に、ぽつんと小さな穴がふたつ。傷は、しかしごく浅い。

「吸ってない。ちょっとキスしただけ」

 たぶんうそではない。おれが思いっきりつっこんだから、反射的に噛んでしまったのだろう。その証拠に、吸血された後の多幸感がない。あれはあれで気持ちいいんだよな。

「でも、精液――飲んだろ。これで吸血衝動はおさまるはずだ」

 けっきょく、やっちまったわけだ。なにが、さっさと風呂に入れて、寝かしつけよう、だ。森丘耕平、意志薄弱。

 だが、いちおう、目的は果たした。これでアルトが満足してくれれば、血を吸わなくなるかもしれない。今後がたいへんだけど。

「さ、もう一度湯につかってあったまって、寝よう」

「たりない」

「なにぃ?」

「葉月は口だけじゃなかった。べつのところからも耕平の精液飲んでた。だから、わたしも飲みたい」

 ちょっと待ちなさい、アルトさん。そんなところまで見てたの?

 だが、しかし――

「おまえのあそこにゃあ入らないって――!」

 

 

 どうしてもアルトが納得しないので、試みることにした。

 エルフリーデさんのローションがどうやら役にたちそうだ。さっきも指二本まで大丈夫だったし。おれのは、幅だけでいえば指三本ぶんだから――って、なに言わせる。

 アルトが小さな手で、ローションをおれのペニスに塗り塗りした。その刺激と、アルトとセックスするというシチュエーションへの興奮で、あっという間に復活してしまう。おれって、いったい……

 アルトは、浴室の床におしりを落とし、開脚した。

「こうへい、入れて」

 起伏のないトーンがかえって萌えだ。

 ああ、もう、やってやる!

 おれは、アルトにおおいかぶさった。

 勃起した性器をアルトのワレメにあてがう。

 ローションで摩擦係数が落ちている。ぬるり、すべって、ワレメを擦過。

「あっ」

 アルトが声をもらす。クリトリスが刺激されたんだろう。

 まずは小手調べだ。おれは、アルトと腹を接触させて、ぬるぬるぬちゅぬちゅ摩擦を楽しんだ。

 ペニスがアルトのワレメにはさまって、すさまじく気持ちいい。亀頭がぷにゅぷにゅのお肉にサンドイッチ状態だ。これだけでも射精しそう。

 でも、アルトはあくまでも挿入を求めている。そんなに葉月に対抗したいのだろうか。

「入れて」

「は、入るかな」

 角度をかえて、アルトの膣口をねらう。

 亀頭がアルトに包まれる。だが、そこまでだ。力をいれると、ぬるっとすべってはずれてしまう。

 そんな失敗を何回か繰り返していると、

「へたくそ」

 アルトがしらっとした表情で言った。

 こら! それは言ってはならん言葉だぞ。

「膜ひっちゃぶかれて、泣いてもしらねえぞ!」

「葉月ががまんできたのなら、わたしもがまんする」

 む。

 よぅし。

 おれも男だ。

 破ってやろうじゃないか。

「アルト、四つんばいになれ」

 角度が問題なのだ。後ろからのほうが、膣の角度にぴったり合わせて挿入できると、じっちゃんも言っていた。(すまん、うそだ)

 黙ってアルトはおしりをこっちに向ける。こういうところは異様に素直だ。

 小さなおしりがおれを誘う。色が白いからおしりもまるで雪でできているようだ。

 片手サイズのおしりの肉を左右に広げると、そこは桃源郷。

 この方向から見ると、ほんとうに果実って感じがする。

 ひくつく尻穴を眺めながら、その下の処女穴にペニスの先端をあてがった。うむ。あんまりすべらない。

 これが人間の女の子だったら、確実にランドセルしょっている年頃だ。犯罪だ。でも、ヴァンパイアには人間の法律は通用しない――たぶん。

 そう自分を納得させて、押し込んでゆく。もとより、やめられるはずがない。

 アルトの処女を奪えるのだ。

「くぅっ……」

 アルトが前に逃げる。無意識の動きだろう。やっぱり怖いんだ。

 でも、ゆるさない。

 入ってゆく。

 メリメリと音がしそうな抵抗感。

「くぁっ……あ……ああ」

 アルトの声が引きつる。

 うわっ、予想以上に、せまっ!

 裂けるのは処女膜だけじゃすまないかも――

 葉月の時でさえ出血したのに、アルトだとどうなっちまうんだ?

 ああ、でも。

 ローションがすべりを助けている。亀頭が奥に飲まれてゆく。

 な、なんだ、この感覚!?

 まるで吸い込まれるような――

 は、はいっちまった……うそだろ?

つづく


おにいさま、葉月とお勉強しましょ!

女の子のクリトリスって、男の人の……アレ……と同じだけの神経が走ってるんですって。

小さいのに、凝縮しているから、すっごく感じちゃうのかも。

ふるっふるっふるっ……むーんっ!

次回「ナカダシモードっ! 最終回 おにいさま、どっちに入れるんですか?後編」

葉月はおにいさまのコト考えながら、クリちゃんをいじってるよ……ホントだよ