アルトの舌がおれのペニスを這い回る。
小さな赤い舌べらが、カリの周囲をなぞっている。
「これでいい」
たまに確認してくる。おれとしては、うなずくしかない。
「もっと、竿の、裏側とかも」
「こう」
顔を上下させて、竿の根本から亀頭の付け根までを何度も舌で往復する。
ぞくぞくする。
アルトの飲み込みは異常にはやかった。葉月の時よりずっとだ。葉月の場合、なにかにつけ反発するのでなかなか進まなかったのだが、アルトは、言えばなんでもする。
「く、くわえて、舌を動かして」
はむ。
れろれろれろ。
「タマをいじって」
くわえたまま、アルトの指が睾丸をマッサージする。
上目遣いのアルト、無表情なのに、どことなく懸命にみえる。
フェラチオなんて初めてだろうに、こんないっしょうけんめいに――
だ、だめだ。出そうだ。
「ア、アルト、吸って……吸いあげて」
がまんできず、アルトの頭を両手で引き寄せる。奥まで。
チクリ。
牙の感触。
甘く、痺れるような感覚。
吸血の痺れと射精の衝動がいっしょにくる。
どぷっ、どぐっ、ぴゅぐ……っ
アルトの口のなかに激しく吐き出している。
「うあっ……」
ヴァンパイア少女に二重の意味で吸われながら、おれは声をはなった。
どくどくと流し込む。
それを――
んくっ。
ごくんっ。
飲んでいる。アルトが。
そして、ややあって――
「へんなあじ」
アルトが顔をわずかにしかめた。
「おいしくない」
おれの精液を唇の端からたらしながら、アルトはそう感想をもらした。
「おまえ、血も吸ったろ」
欲望を吐き出したおれのペニスの竿に、ぽつんと小さな穴がふたつ。傷は、しかしごく浅い。
「吸ってない。ちょっとキスしただけ」
たぶんうそではない。おれが思いっきりつっこんだから、反射的に噛んでしまったのだろう。その証拠に、吸血された後の多幸感がない。あれはあれで気持ちいいんだよな。
「でも、精液――飲んだろ。これで吸血衝動はおさまるはずだ」
けっきょく、やっちまったわけだ。なにが、さっさと風呂に入れて、寝かしつけよう、だ。森丘耕平、意志薄弱。
だが、いちおう、目的は果たした。これでアルトが満足してくれれば、血を吸わなくなるかもしれない。今後がたいへんだけど。
「さ、もう一度湯につかってあったまって、寝よう」
「たりない」
「なにぃ?」
「葉月は口だけじゃなかった。べつのところからも耕平の精液飲んでた。だから、わたしも飲みたい」
ちょっと待ちなさい、アルトさん。そんなところまで見てたの?
だが、しかし――
「おまえのあそこにゃあ入らないって――!」
どうしてもアルトが納得しないので、試みることにした。
エルフリーデさんのローションがどうやら役にたちそうだ。さっきも指二本まで大丈夫だったし。おれのは、幅だけでいえば指三本ぶんだから――って、なに言わせる。
アルトが小さな手で、ローションをおれのペニスに塗り塗りした。その刺激と、アルトとセックスするというシチュエーションへの興奮で、あっという間に復活してしまう。おれって、いったい……
アルトは、浴室の床におしりを落とし、開脚した。
「こうへい、入れて」
起伏のないトーンがかえって萌えだ。
ああ、もう、やってやる!
おれは、アルトにおおいかぶさった。
勃起した性器をアルトのワレメにあてがう。
ローションで摩擦係数が落ちている。ぬるり、すべって、ワレメを擦過。
「あっ」
アルトが声をもらす。クリトリスが刺激されたんだろう。
まずは小手調べだ。おれは、アルトと腹を接触させて、ぬるぬるぬちゅぬちゅ摩擦を楽しんだ。
ペニスがアルトのワレメにはさまって、すさまじく気持ちいい。亀頭がぷにゅぷにゅのお肉にサンドイッチ状態だ。これだけでも射精しそう。
でも、アルトはあくまでも挿入を求めている。そんなに葉月に対抗したいのだろうか。
「入れて」
「は、入るかな」
角度をかえて、アルトの膣口をねらう。
亀頭がアルトに包まれる。だが、そこまでだ。力をいれると、ぬるっとすべってはずれてしまう。
そんな失敗を何回か繰り返していると、
「へたくそ」
アルトがしらっとした表情で言った。
こら! それは言ってはならん言葉だぞ。
「膜ひっちゃぶかれて、泣いてもしらねえぞ!」
「葉月ががまんできたのなら、わたしもがまんする」
む。
よぅし。
おれも男だ。
破ってやろうじゃないか。
「アルト、四つんばいになれ」
角度が問題なのだ。後ろからのほうが、膣の角度にぴったり合わせて挿入できると、じっちゃんも言っていた。(すまん、うそだ)
黙ってアルトはおしりをこっちに向ける。こういうところは異様に素直だ。
小さなおしりがおれを誘う。色が白いからおしりもまるで雪でできているようだ。
片手サイズのおしりの肉を左右に広げると、そこは桃源郷。
この方向から見ると、ほんとうに果実って感じがする。
ひくつく尻穴を眺めながら、その下の処女穴にペニスの先端をあてがった。うむ。あんまりすべらない。
これが人間の女の子だったら、確実にランドセルしょっている年頃だ。犯罪だ。でも、ヴァンパイアには人間の法律は通用しない――たぶん。
そう自分を納得させて、押し込んでゆく。もとより、やめられるはずがない。
アルトの処女を奪えるのだ。
「くぅっ……」
アルトが前に逃げる。無意識の動きだろう。やっぱり怖いんだ。
でも、ゆるさない。
入ってゆく。
メリメリと音がしそうな抵抗感。
「くぁっ……あ……ああ」
アルトの声が引きつる。
うわっ、予想以上に、せまっ!
裂けるのは処女膜だけじゃすまないかも――
葉月の時でさえ出血したのに、アルトだとどうなっちまうんだ?
ああ、でも。
ローションがすべりを助けている。亀頭が奥に飲まれてゆく。
な、なんだ、この感覚!?
まるで吸い込まれるような――
は、はいっちまった……うそだろ?