イサミのスパッツ大作戦

 

〜2.5時間め 指導室〜

 

洗濯ばさみで……

 

 イサミは体操服をまくりあげられていた。

 朦朧としているイサミには、むろん抵抗しようという気すら起きない。初めて自覚したクリトリスの感覚に、まだ酔いしれていた。

 剥き出しのバストはトップとアンダーの差がほとんどない、いわゆる子供の胸だ。

 だが、それでも、乳首周辺部はわずかに色づきはじめ、わずかな脂肪の蓄積も見られる。

「ふむ、可愛らしい乳房です。最近は小学生のくせに大きな胸をしている生徒が多くて、困っていたところです。顧客はこれくらいのチビ胸がお望みなのですよ」

 教頭はイサミの乳首を左右順番にいじくりながら、満足そうにうなずいた。

「きょ……教頭せんせ……こ、こきゃくって……?」

 イサミの質問に、教頭は教育者らしく説明をはじめる。

「顧客というのは、お得意さまのことですよ。端的にいえば、わが校の理事や後援者の方々、そして政治家の先生や地域の有力者などですな」

 それから、ちょっと味見を、と言いつつ、イサミの右の乳首に吸いついた。

 ちゅうちゅうと吸いあげる。

「あっ……教頭先生……おっぱいが……」

「花丘さんの乳頭は敏感ですね。なかなか優秀だ」

 早くも勃起しているピンク色の粒をてろてろと舐めあげつつ教頭がほめる。左の乳首には指で刺激を加えるのを忘れない。

「あ……ん……」

「乳頭を愛撫されると気持ちよいでしょう? 顧客のみなさんも、きっと可愛がってくれますよ」

「こ、こきゃくの……おじさまたちが……?」

「そう。物わかりがよい子は好きですよ」

 音をたてて、イサミの乳首を吸いたてて、小指の先サイズまで大きく育てると、教頭はピンク色の洗濯ばさみを手に取った。

「ただし、顧客にはいろいろな趣味の方がいらしてね、それなりに練習をしておく必要があるのですよ」

 言うなり、イサミの乳首をひとつずつ、洗濯ばさみでつねり上げていく。

「ひあっ! うくぅっ!」

「どうです? 痛いですか?」

 洗濯ばさみを指でつまんで、強弱を調節しながら、教頭が訊いてくる。

 イサミは目尻に涙の熱を感じつつ、なんとかこのお仕置きから逃れようと身体をよじった。

「はずしてぇ、教頭先生、お願いです!」

 イサミは顔を歪め、声をはりあげた。痛みをアピールすることで、教頭の許しを乞おうと思った。だが、教頭は無表情にイサミを見つめ、その動きを押えつける。

「教頭せんせぇ……いたいよぉ……」

「そうですか? 本当は気持ちよいのでしょう? そんな顔をしていますよ?」

 そんなことはない、と反論しようとして、イサミは驚愕する。乳首がジンジンと痺れて、色が変わっている。あるかなきかというほどの乳房のふくらみも、こころなしかピンク色に染まっている。

「やっぱり気持ちいいんでしょう?」

 唾をつけた教頭の指が乳首の先端をくすぐる。

 イサミは羞恥と快感のないまぜになった甘痛さを感じて身をよじった。

 痛みがないわけではないが、それよりも気持ちよさのほうが強い。洗濯ばさみも、通常のものよりもバネの力を弱めてあるらしい。

「乳首をこんなに大きくして……はしたない」

 教頭が洗濯ばさみをつまんで、ひっぱるようにする。

「あっ! の、伸びちゃう」

 イサミはブリッジするように身体をのけぞらせる。そうしないと、乳首が引っ張られて、痛い。そして――なぜだか、気持ちいい。

「花丘さんには素質がありますよ。では、そろそろ真打といきましょうか」

 教頭は三つめの洗濯ばさみを取り出した。

 それをイサミの股間に近づける。

「教頭先生……まさか……」

 さすがにイサミもその予感に震え上がった。

 たとえ強さを調整しているとしても、洗濯ばさみで「あんな敏感なトコロ」をはさまれでもしたら……!

「ち、ちぎれちゃう……っ!」

「おや? どこをはさむか、もうわかってしまったのですか?」

 教頭は面白がるように口許を歪めた。

「ゆ、ゆるして……」

「だめです。これは罰なのですから」

 半泣きのイサミの懇願を教頭はきっぱりと拒絶した。

「あっ、あっ、あっ、ああああ……」

 教頭の指が近づいてくるのがわかる。

 イサミの息が荒くなり、胸から「生えた」洗濯ばさみが揺らいだ。

「いきますよ……」

 教頭の声を合図に、イサミの勃起した陰核が何かに摘ままれた。

「あひっ!」

 声が跳ねあがる。洗濯ばさみの硬い感触と激痛をイメージした。だが、ちがう。もっとソフトだ。

「ふふ……驚きましたか?」

 教頭が指を動かしながら笑う。どうやら、イサミのクリトリスを挟んでいるのは教頭の指らしい。イサミはホッとするのと同時に、教頭の指の動きに意識を奪われていく。考えてみれば、他人にその部分をいじくられるのは、おしめをしていた赤ん坊の頃を除けば、生まれて初めてのことなのだ。

(教頭先生の指……気持ちいい……)

 自分でいじるのとはちがう――予想に反した、そして、ねちっこい動き。イサミは知らず呼吸を速めていく。

「ほうら、言わんこっちゃない。刺激のしすぎで、充血していますよ。まるで、血を吸い過ぎたヒルのようです」

 ぐりっ、と、突起の包皮を剥かれて、スパッツのナイロン地に陰核の表面がこすりつけられる。

「ひあ……お……う……」

 イサミはふだんは出せない音域で声帯を鳴らしながら、ひくひくと痙攣する。

「おやおや、そんなに良いのですか? こんな淫乱な小学生は見たことがありません。やっぱり、花丘さんのココにも罰が必要ですね。」

 洗濯ばさみを再び取り出して教頭が言う。イサミが危険を察知した次の瞬間――

 ぎゅむっ!

「いひぃ!?」

 痛覚がそのセンサーを立ちあげきる前に、灼熱感が衝撃となってイサミの下半身を直撃した。

 びゅくびゅくっ!

 幾度となく腰を突き上げながら、イサミは喉の奥で叫んでいた。

(痛い! イタイ! いたい!)

 スパッツごしにとはいえ、クリトリスを洗濯ばさみで挟まれた痛みは、予想をはるかに超えていた。乳首よりもはるかに小さな部位に神経が凝集しているのだ。

「取ってぇえ! おねが……いひぃ!?」

 洗濯ばさみにつないだ糸を、教頭が引っ張っているのだ。プラスチックの断面にかかる荷重が変化し、さらなる痛撃がイサミを襲う。

 パチッ!

 洗濯ばさみが外れた。その、瞬間。

「はぅ!?」

 イサミは、腰を跳ね上げていた。と、同時に。

 ぴっ!

 スパッツのナイロン地を通過して、透明なしぶきが飛び散った。

「おや、おもらしですか、お行儀のわるい。そういう子にはもう一度おしおきが必要ですね」

 忍び笑いしつつ、教頭はふたたびイサミのクリトリスを――

 パチンッ!

「ぃゃああああ!」

 イサミが悲鳴をあげる。

 痛い。

 だがそれだけじゃない。刺激が。衝撃が。うずきが。ぞくぞくと。

 ――もうだめ!

 しゃあああああっ!

 イサミは思い切り放尿していた。尿道口に密着したナイロン地は、その吸湿性の甲斐もなく、イサミのほとばしりを通過させていく。

(なに? なに、これ、わ、か、ん、な、い……っ!)

 白い世界をイサミは見ていた。圧迫と解放の狂おしいほどの混沌。痛覚と快感の離脱不能なからまりあい。

「うくっ! うくぅっ!」

 ぴくんぴくんと腰を痙攣させながら、イサミは放尿の終わりを感じていた。残尿が出てゆく余韻すら気持ちいい。

(こんな、おしっこ、はじめて……)

 イサミはあまりの快感の大きさに痛みを忘れていた――いや、痛みさえその快楽の一部だと痛感した。

「ほほう……洗濯ばさみでクリトリスを摘ままれて、イッてしまったのですか。それどころか、おもらしまでしてしまうとは……」

 教頭はただでさえ曲がっている口元を、さらに歪めながら笑った。

「これは本格的なおしおきを加えなくてはいけませんね……」

 自分のズボンのジッパーを下ろしてゆく教頭の横顔は、まさに生徒に懲罰を下さんとする教育者のそれだった……

 

続く……しか!