姫ちゃんのリボン b-side(2)
シンジの家は高級マンションの五階にあった。家人は誰もいない。
まなみは姫子の体調を心配するあまり、警戒も何もしなかった。もとより、みんなから愛されて育ったために、人を疑うことをあまりしないのだ。
姫子は少年に肩を借りてようやく歩ける状態だった。腰から下に力が入らないようだ。それは、分身姫子が挿入されているのに同調しているせいなのだが、それがまなみにわかるはずがない。
肩を借りている少年たちにしなだれかかっている姫子は、まなみの目からはとにかく体調が悪いようにしか見えなかった。
ユキオとタカオが姫子を奥の部屋に連れて行く。まなみは心配しつつ、その後に続く。タカオは玄関の鍵をかけ、チェーンロックをおろした。
「シンジ、どこに寝かせる?」
「いつものように、おれの部屋でいいだろ」
シンジはさらりと言う。まなみはその言葉の意味に気づくほど勘のいいタイプではないし、いずれにせよ、もう遅い。
奥の一室――雑然とした少年の部屋に姫子を連れ込み、一人用にしては大きめのベッドに寝かせた。肌がけ布団をかけてやる。
「姫ちゃん、しっかりして」
まなみは心配そうに姫子の顔を覗きこむ。
「んん……あ……」
姫子は朦朧としている。淫夢のなかをさまよっているのだが、まなみにはそんなことはわからない。
「どうしたらいいんだろう……病院に連れて行ったほうが……」
迷っていた時だ。姫子がもぞもぞと動きはじめた。
横たわったまま、膝をたてる。布団がはだけて、健康な太股が露わになる。まなみはぎょっとする。そんなふうにしたら、スカートの中が男の子たちに見えてしまう。
実際に、少年たちは、姫子の足のほうに回って、ニタニタ笑っている。
まなみは気が気でなかった。また、少年たちの態度にも違和感をようやく抱いた。苦しんでいる女の子を見て、あんなニヤニヤ笑うなんて、と思った。
「姫ちゃん、見えちゃうよ」
まなみは布団をかけなおそうとして、固まった。
姫子の白いパンティが見えている。
それだけではない。パンティの上から、姫子が股間を触っていた。
ワレメをなぞるように中指を上下に動かしながら、腰をうねらせている。
「姫ちゃ……」
まなみだって、知っている。自分でしたことがないわけでもない。でも、こんな時に、こんなところで――
少年たちがニヤニヤしていたのは、これを見物していたからだ。
姫子はせわしく息をしながら、自慰を続けている。
「ふん、ふあ……」
鼻にかかった声を姫子はもらした。せつなげに肩をすぼめて、身もだえする。
下着越しでは物足りなくなったのか、手をパンティの中にすべりこませた。直接、いじりはじめる。
上半身もだ。布団を自らはねのけて、シャツのボタンを外すと、左手で胸の先端に触れる。
「ひ、姫ちゃん……ど、どうしちゃったの……?」
状況についていけず、まなみはかぼそい声を出した。
その声に気づいたかのように、姫子が薄目を開いた。
うるんだ目でまなみを見つめる。唇をなめる。
少年のようにりりしいいつもの姫子ではない。扇情的な赤いリボンがこの上なく似合う、いやらしく発情した美少女だ。
まなみの心臓が激しく高鳴った。
――こんな姫ちゃん……はじめて……
知らず、まなみは内股をこすりあわせた。だが、その意味するところを悟るより先に、この状態の姫子を少年たちの視線にさらすことの危険性に思い至った。
「姫ちゃん、なにしてるの? こんなところで、そんなとしたらいけないよぉ」
あわてて布団をかけなおしてやりながら、まなみはたしなめる。背後に少年たちがにじり寄っている気配をひしひしと感じていた。
「姫ちゃあん……」
「まなみ……お願い……」
姫子がまなみに視線を向ける。すがるような表情だ。
「さ……さわって……お願い……」
布団はふたたび姫子自身の手ではらいのけられた。裸の上半身が露になる。シャツは完全にはだけている。
ふたつのほのかなふくらみの頂は、真っ赤に充血していた。
姫子は自分の乳首をつまんで引っ張った。膨張した乳首が長くなっている。
「まなみ……吸って……」
「姫ちゃん、姫ちゃん、どうして? いったい、どうしちゃったの?」
まなみは泣きそうになりながら姫子を見た。しかし、頬と耳が熱くなっている。
そのまなみに、ユキオの手が触れた。ビクンっとまなみは跳ね上がった。少年に押しのけられるように、姫子の側という居場所を奪われる。
「おれたちがやってやるよ」
ユキオが顔を歪ませている。
「そうそう。姫ちゃんの病気はおれたちでないと治せないのさ」
タカオも言う。
まなみは明確な恐怖を感じて、少年たちを見た。
「なにする気? あなたたち」
「姫ちゃんを気持ちよくしてやるだけさ。まあ、まなみちゃんもしたいんなら混ぜてあげるけど」
ユキオはせせら嗤い、ベッドに横たわる姫子に近づいた。
「ちいちゃなおっぱいだな。でも、こんなに乳首を立てていやがる」
手を伸ばし、姫子の胸をつかんだ。
「あうっ!」
姫子が拒絶ではない、悦びの声をあげた。
ユキオの指が乳首を苛め始める。押し込められ、ひねられ、引っ張られる。そのたびに乳首は形を変えるが、すぐに復元する。
「元気な乳首だぜ」
ユキオは笑い、その尖りを口に含んだ。
「あんっ」
姫子が身をよじった。まるで待ちかねていたものにありついたかのように。
ぢゅっ。ぢゅぴ、ずる。
音をたてて、ユキオが吸いたてる。
「あ、おれも吸いてー」
タカオが、空いているほうの乳首にむしゃぶりついた。
存分に唾液をなすりつけながら、勃起した乳首を味わう。
「やめてっ! 姫ちゃんに、なんてことすんのぉっ!」
まなみは絶叫した。だが、タカオたちは振り返りさえしない。一人、状況を楽しんでいる様子のシンジに、まなみは救いを求めた。
「ねえ、やめさせてよ……あんなの、ひどいよ……」
「ひどい? なにが?」
不思議そうにシンジが聞き返す。まなみは絶句する。
「な、なにが……って、女の子にあんなことして……これってまるで……まるで……」
レイプ、という単語はさすがに喉に引っかかって出てきてくれない。むしろ、涙が出てきそうだ。いや、もう、出てる。
「いっとくけど、これ合意の上だから」
「う、うそ!」
「うそじゃねって。この女、プールの中でもやる気マンマンだったんだぜ?」
ぬけぬけとシンジがうそぶくのを、まなみが否定しようとした時だ。
姫子が喜悦の声をあげた。
「お、おっぱい、気持ち、いい……よぉっ!」
左右の乳房を少年たちにむさぼられながら、姫子はえびぞった。赤いリボンがベッドにめりこむほどに。
「姫ちゃん……」
まなみはその場にぺたんと尻餅をついた。
「じゃあ、おれもそろそろ参加するかな」
シンジがズボンを脱ぎながら笑い声をあげる。
ベッドでは、本格的な乱交が始まろうとしていた。
ユキオとタカオが左右から姫子の太股を抱え、股を大きく開かせる。
シンジは、乱暴な手つきで姫子の股間をいじくりはじめる。
小学生でもはかないような、コットンのお子様パンツだ。その幼いパンティの布ごしに、姫子の柔らかな丘をつまみ、こねる。
「あっ、ああ」
「もうジュクジュクだぜ、姫ちゃん」
シンジが指についたネバネバを確かめながら笑う。姫子の愛液を吸ったパンティは、あからさまに湿り、布地がワレメに貼り付いて、その形をくっきりと浮かび上がらせている。
タカオは舌と指で姫子の乳首を執拗に刺激しつづけている。
ユキオは、腋の下に顔をうずめ、舌を這わせている。
「あっ、んん」
姫子は夢中になって、両手を伸ばし、タカオとユキオの髪をかきまぜた。
そんな姫子を冷笑しつつ、シンジは姫子の股間を覆っている布を紐状にして、割れ目に食い込ませた。
「あ……や……?」
紐状の布が姫子の陰部にめりこむ。シンジはその布を前後に動かした。
「ひぃぃっ! やあああっ!」
姫子の腰が上下に跳ね、さらなる愛液が噴き出してくるのがわかる。
もう、下着はびしょびしょで、秘部を守る役には立たない。
「ぬがしちまうか、そろそろ」
シンジが言う。
「早くやっちまおうぜ。おれ、たまんねえ」
タカオが切迫した声を出す。
「了解」
シンジは鼻歌を歌うような気軽さで、姫子のパンティを脱がしていく。
「ん……」
姫子はお尻をよじって、パンティを脱がされるのに協力した。無意識なのだろうが、いやらしい腰の動きだ。
全裸にされた姫子は、左右に大きく股を広げさせられた。子供じみた性器が三人の少年たちの眼前で全開にさせられる。
「やっぱ、ツルツルだな」
「さっすが中学生、きれいなスジマン」
姫子のその部分はくっきりとした縦割れで、度重なる愛撫で充血して、濡れてもいたが、入口はぴったりとふさがったままだった。陰毛もない。わずかに濃くなった産毛が、ワレメの始まりの部分に萌えているだけだ。
「じゃあ、姫ちゃんのオマンコ、ぱっくりといくぜ」
シンジが笑いを含んだおごそかさで宣言し、その部分を指で開いた。
姫子は、震えながら、自分のそこが男の子たちによって開門されるさまを見つめていた。
くちゃ……
という粘った音とともに、姫子の性器が広げられた。
少年たちが覗きこむ。
「すげー、まっピンクだ」
「マジちっちぇー! こんなマンコ、いじってたのかよ、おれら」
「クリはけっこうでかいぜ?」
三人の少年たちが軽口を叩きながら、よってたかって姫子の恥部にイタズラをくわえる。
クリトリスをつまんで擦りたて、小陰唇のビラビラを引っ張り、膣に指を沈める。
「うぁっ! だ、だめ……そ、そこっ!」
姫子は鼻にかかったいやらしい声をあげる。
「だ、だれにも見せたことないのにぃ……」
「よく言うぜ、抵抗もしなかったくせによぉ」
勃起したクリトリスを指ではじいて、姫子をわななかせ、ユキオが笑う。
「だって……だって……からだが熱くて……どうしようもなかったんだもん」
「んなこと言って、同級生の彼氏とかとエッチしまくってんだろ?」
赤ん坊の唇を思わせる薄い小陰唇をいじくりつつ、タカオがきめつける。
「し……してないよぉ……ぅくっ!」
姫子が歯を食いしばる。膣に埋められたシンジの指が深い場所まで抉ったからだろう。
「マジかよ……」
指を抜いて、シンジが呆れたような声をだす。
「どうした」
「こいつ、膜あんぜ」
「うっそ!?」
「ほんとかよ」
「見てみりゃ、わかるぜ」
言いつつ、姫子の膣口を強引に広げる。
「や、やだぁ……そんなとこ……み、みないでぇ……」
完全に、めくりあがるまでオープンされた野々原姫子の性器の奥に、少年たちの容赦ない好奇の視線が浴びせられる。
「へー、これが処女膜ってか?」
「じゃー、姫ちゃん、マジでバージンなんだ」
「なのに、こんなに淫乱って、どうよ? ねえ、まなみちゃん?」
いきなり振られて、まなみは凝固する。腰が抜けたまま動けないのだ。
「友達として、嘆かわしいだろ、まなみちゃん。いまからおにいちゃんたちが、姫ちゃんにお仕置きすっから、そこでおとなしく見ててね」
まなみは、うなずいた。なにも考えられなかった。