姫ちゃんのリボン b-side(3)
「そうそう、順番に、舐めてねえ」
「一本だけ、ヒイキはよくないぜぇ」
「手も使うんだよ、姫ちゃん」
赤いリボンが揺れている。
姫子は三本のペニスに、順番に口づけをしていった。
フェラチオだ。
むろん、初めての体験だ。だが、目の前にペニスを見せつけられ、くわえろ、と命じられると、身体が反応してしまった。
エッチな形をした異様な物体。ふだんの姫子ならば、それを好ましいと認識することは絶対になかったろう。
だが、分身姫子に同期している今の姫子は、ペニスの放つオーラにあらがえないのだった。
高校生の猛々しいペニスを一本ずしゃぶっていく。
サイズはシンジが一番大きい。だが、包茎だ。ユキオは亀頭が露出していて、そりかえっている。タカオは、陰嚢が大きいが竿はずんぐりとしている。
今までまともに見たことのないものを一度に三本も見てしまったそれどころか、さわったり、しゃぶったりしている。
(へんな……あじ)
しょっぱいような、プールくさいような――しかも、三人とも、それぞれ少しずつ違う。味だけではなく、感触も、反応も。
(あたし……なんでこんなことを……)
思い出そうとする。
たしかポコ太のために……
アルバイトすることになって……
モデルだとか……
分身に頼んで……
なのになんで、男の子のオチンチンをしゃぶってるんだろう……
ああ、もう、なにがなんだかわかんない。
エッチな味が口いっぱいに広がって……
支倉先輩のオチンチンはもっと大きいのかな……
大地のも、なめてあげたら、こんなふうになるのかな……
「おっ、うまくなってきたぜ、姫ちゃん」
「飲み込みが早いな」
「そうそう、しゃぶっていない分はちゃんとしごいてね」
ユキオの亀頭のくびれに舌を這わせ、切れ込んだ部分から鈴口にかけてを舐めたてる。左手はタカオの陰嚢を優しくマッサージし、右手でシンジの包茎チンポを剥いてゆく。
「よっし、交代……っと」
ユキオのかわりにシンジが姫子の口を犯しはじめる。剥いたばかりの亀頭は特別な匂いと味がする。姫子はえずきそうになるのをこらえた。
シンジは姫子の喉の奥まで突くようにする。姫子はその責めに耐える。
そうこうするうち、シンジの味に慣れてくる。むしろ、美味しいとさえ感じるようになり、股間のぬるみがさらに増す。
(コレを……はやく……中に……)
入れたい、と姫子は思った。
まなみは姫子の痴態を凝視していた。すべてが信じられなかった。
目の前で高校生の性器をしゃぶっている。しかも、今日知り合ったばかりの相手だ。
こんな姫子は見たことがない。想像したこともない。だが、この姫子は間違いなく、まなみの親友の野々原姫子だ。だれよりも大切な、いちばんの友達。
まなみの理性は蒸発してしまい、この受け入れがたい現実をそのままに受け入れつつあった。
「楽しんでる?」
ユキオがいつの間にかまなみにすり寄っていた。見たくなくても股間にそそり立っているものが見えてしまう。
「暑くない? みんな裸だよ」
締め切った部屋は蒸し風呂のようだ。わざとなのだろう。エアコンも切ってある。確かに、まなみはぐっしょりと汗をかいていた。
まなみは答えない。ユキオが隣に座り、腰に手をまわしてきても、視線は姫子から外さなかった。
姫子は今は四つんばいになり、シンジのペニスをしゃぶりつつ、おしりをタカオに与えていた。タカオは姫子のおしりの山を容赦なく開いて、性器と肛門を指と舌でなぶっていた。
「すごいねぇ……きみの友達」
ユキオがまなみの腰からヒップをさわさわとなでる。まなみは黙っている。
「見てごらん、あんなにエッチな顔して……シンジのチンポをあんなに美味そうにしゃぶる子は見たことないぜ」
手がまなみのブラウスの中に入る。キャミソールの上から胸を触ってくる。
「きみも、ああなのかい? 姫ちゃんみたいに、男のチンポが大好きな変態なのかな?」
ユキオは真奈美の手を取って、自分のペニスに触れさせる。一瞬、手を引きかけたまなみだが、そのまま、促されるままにペニスを握った。
不思議な感触だ。熱くて、柔らかくて、固い。ぴくぴくしている。
姫ちゃんが触ったり、しゃぶった……オチンチン……
「まなみちゃんもしたくなってきただろ?」
ユキオの息が荒くなり、頬に唇を押しつけてくる。
胸をまさぐる手の動きがせわしくなる。
「いやっ!」
まなみは顔をそむけた。だが、姫子がベッドの上で姿勢を変えると、その姿を目で追った。
姫子はベッドの上にしゃがみ、自分から股を開いていた。横たわっているのはシンジで、その屹立したペニスの上に、自分から腰を沈めようとしている。指で入口を広げて、目標を定めようとしている。
「姫ちゃん、だめ!」
そんなことしたら、もう――
姫子はまなみの声に反応して、こちらを向いた。
その唇が動いた。
――まなみ、みてて
そう、動いた。
姫子は薄くほほえみ、そして目を閉じると――
シンジのペニスを自分の膣に受け入れた。
「すげー、自分から行ったぜ、バージンブレイク」
タカオが手を叩いた。
姫子はシンジの上でのけぞった。痛みにくぐもった声をあげている。だが、抜こうとはしない。
小さなヒップを小刻みに動かして、より深く挿入しようとしている。
まなみは思わずユキオのペニスを握る手に力をこめていた。上下に動かした。これが、いま、姫ちゃんの中で――そう思った。違うけれども、そう信じた。
シンジのペニスが半ば以上、姫子の膣にうまり、結合部から、赤い筋がたれていた。姫子の破瓜のしるしだ。
野々原姫子の初体験の瞬間。
「あ……ひぃっ!」
シンジが姫子のおしりを下からつかみ、ゆさぶった。
「動けよ、姫子」
「う……うん……」
姫子は自分からぎこちなく腰を動かしはじめた。
「姫ちゃん……」
まなみはその光景をガラスのような瞳に映していた。
「まなみちゃんもしようぜ」
ユキオがまなみを押し倒した。
まなみの服を脱がし始める。まなみは抵抗しなかった。
むしろ、姫子の側に早く行きたかった。姫子のように振る舞いたかった。
なぜって、親友だから――
ユキオはまなみをベッドに寝かせた。服はもう脱がされている。
すぐ隣で、姫子が少年二人とセックスしている。シンジのペニスを膣でしぼりながら、タカオのものを舌と指で愛撫していた。
まなみは姫子を見ていた。姫子もまなみを見た。
見えない共感が二人の胸に満たされる。
ユキオがまなみに覆いかぶさってくる。
観念はとっくにしている。
ユキオの舌がまなみの乳房の上を這いまわる。
まなみの胸は姫子よりも大きい。同年代の女の子の平均よりも大きいだろう。乳輪がちょっと大きめで気にしていた。
その乳輪を舌で丹念に愛撫する。
乳首が膨らんで行くのがわかる。
痛みに近い強い刺激が乳首に来る。だが、それも姫子がすでに体験したことの後追いでしかない。
姫子はもっともっと、すごい体験をしている。
でも、すぐに追いつける。
「んん」
鼻にかかった甘い声がもれる。
ユキオはまなみの脚の間に顔をうずめた。
指と舌でまなみの女の部分を徹底的にいたぶる。姫子とは違い、まなみのそこはもう発毛している。
「はあっ!」
姫子の甘い声が聞こえてくる。
「い、いいよぉ……オチンチン、いいよぉ……」
タカオのペニスから口をはなし、姫子は淫語をもらす。姫子の声で放たれる淫語は、まなみの性欲も刺激しないではいられない。
まなみは、ユキオにペッティングされながら、視線は姫子にだけ向けていた。
姫子は、感じまくっていた。処女喪失したばかりなのに、もう、気持ちよくなっているのだ。
腰の動きはなめらかになり、結合部からは破瓜の血よりも多く本気汁が噴き出している。シンジにも当初の余裕はもうなく、大きく胸を波打たせつつ、泣きそうな表情で、姫子の腰のうねりを見つめている。
タカオのペニスに対する姫子の舌技も巧みさを増していた。口でくわえたまま、首を振って、タカオから快美のうめきを引き出している。
「んふっ、ふぅんっ! んっ、んっ、んっ、んっ……っ!」
姫子がのぼりつめてゆく。耳まで真っ赤にそまり、随喜の涙が頬を伝う。
「んーっ! んぅーっ!」
姫子が腰を激しく前後にゆすり、唇をすぼめて吸い上げる。
「うおっ!」
「あっ!」
二人の少年は同時に呻き、射精を開始する。
大量の精液が弾けた。タカオのそれは姫子の顔と髪を汚し、シンジのそれは姫子の子宮めがけてぶちまけられた。
股間から白い精液と破瓜の血を垂らしながら、姫子は赤いリボンにかかった精液を指ですくいとり、唇にふくんだ。
「おいし……」
自らを確認するかのように、そう呟いた。
「姫ちゃん……すごいよ……あたしも……」
姫子が絶頂に達する瞬間を目撃したまなみは、脚でユキオの顔をはさみつけた。もっと、もっと、気持ちよくならなければ、姫子に追いつけない、そんな気がした。
「はやく……っ! まなみにも、姫ちゃんと、姫ちゃんと、おんなじことしてぇっ!」
それからのまともな記憶は姫子にも、まなみにもない。
夜までの数時間、五人で乱交にふけったことだけは確かだ。
少年たちは姫子とまなみの口といわず膣といわず、精液を出しまくった。
姫子だけではなく、まなみもすぐに快楽をおぼえた。
むしろ、まなみのほうが積極的になり、姫子にむしゃぶりつき、レズプレイを求めるほどだった。
二人は、少年たちが見ている前でシックスナインをして、のぼりつめた。
そして、最後は五人でからみあい、気をやった。何度も、何度も。
カラカラになった少年たちを置いてマンションを出た姫子とまなみはしっかりと手を握りあっていた。
そしてささやき合う。
今度はいっちゃんも一緒に、ここに来よう、と。