バトルアスリーテス 運動会(2/3)


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 べろべろべろべろべろべろべろべろ。

「はへっ!?」

 あかりは間のぬけた声をはなった。

 べしゃべしゃべしょ。

「きゃはははっ、きゃはっ!」

 全身をぬるぬるしたものがはいまわる。犬たちの舌だ。なんと、あかりとターニャに殺到した犬たちは、一心に彼女たちをなめまわしているのだ。

「どっ、どうして……きゃはっ、くすぐった……いひひひひ」

 あかりは身体をくねらせて犬たちの舌から逃れようとするが、身体に力が入らない。

 隣をみると、ターニャにも数頭の犬がむらがっている。なかでも身体の大きいドーベルマンは、高くかかげたターニャのヒップの間に鼻面を突っこんで、激しくなめまわしている。ターニャだ!

「うあっ、いいぞぉ、気持ちいいいぞぉぉ!」

「なっ、なにしてるの、ターニャ!」

 あかりの顔が熟れたトマトのように真っ赤になる。

「あかりもするといいぞ、すごーく気持ちいい!」

 ターニャが大きく脚をひらいて、犬たちに股間をさらしながら、あかりに呼びかける。

「じょ、じょーだんでしょお!? そんなのいやあっ!」

「なにがいやなんだ?」

 わりと真顔でターニャが訊く。あかりは絶句した。

「んとんと、だって、ワンちゃんは人間じゃないのよ。なのに……」

「人間だったらあかりはあそこを舐めさせるのかー?」

「んなことするわけないでしょ!」

 あかりは耳まで赤くなっている。

「だったらペロリンガのギシキをしたほうがいいぞ! 決まったオトコがいないうちは、ペロリンガがいちばん!」

 ターニャが宣言する。これで意外と貞操観念はしっかりしているのかもしれない。

「ターニャったらあ……」

 とんでもないギシキに引っ張りこんでくれたものだ。

「んあっ、そんなとこ、なめちゃだめだよおお」

 たくみに鼻面をつっこんで、あかりの股間に舌をのばしてくる犬たち。

「ひゃあっ、いやっ、もおっ」

 あかりは脚で犬たちを蹴飛ばそうとしたが、ためらった。いくらなんでも蹴ったらかわいそうだ。それに、かまれちゃうかもしれない。

 と、ためらったとき、ダックスフントがてこてこあかりの股間にはいりこみ、おもむろに舐めはじめた、

「いやん、ああっ!?」

 それがまた、あかりのツボをうまくおさえた舐めかただった。あかりは自分の股間に舌をはわしているダックスフントと眼が合ってしまった。

「あ……ども」

 ついつい目礼するあかり。ダックスフントは、ぶふ、と鼻をならして、またペロペロ舐めはじめる。

「うっ、ワンちゃん、上手だよおお」

 あかりはのけぞった。

「おっ、あかり、いい相手をつかまえた。そいつの舌技はばつぐん。ジェシーもそいつ、お気に入り」

「ジェシーもなのお?」

 あのプライドの固まりのようなジェシーが犬に股間を舐めさせていたなんて、ちょっと想像できない。

「そう! ジェシーもペロリンガやってタイムのびた!」

「ほんとかなあ……」

 あかりは半信半疑だが、ダックスフントの舌はたしかに巧みだ。

 ひらべったい舌が、あかりのワレメをつつみこむように上下して、かつ、それが離れる場所がちょうどクリトリスのあたりなのだ。離れぎわに舌のへりがクリトリスに当たって、ものすごく気持ちいい。

「あっ、ああ、なんか……へんな感じぃ……」

 あかりは完全におしりをおとし、後ろに手をついた。

 ******

 そのあかりのバストに犬たちがむらがる。まるでお乳を吸いにでもきているようだ。

 左右のバストを犬たちに舐められて、あかりはさらにのけぞる。

「んっ、うっ、くすぐったい……けど……いいよお」

 自分の乳首がどんどんはりつめていくのがわかる。

 エッチな気分がどんどん盛りあがっていく。が、相手が犬だけに遊び感覚がぬけない。なるほど、これはストレス解消にはいいのかもしれない、などと考えはじめている。

「んにゃあああ〜!」

 ひときわ大きいターニャの声。

「どうしたの?」

 思わずふりかえったあかりは、その光景にさすがに仰天した。

「うっ、うっ、いいぞお……気持ちいい……」

 うめいているターニャの後ろから、ドーベルマンがおおいかぶさって――

「う、そぉ……」

 挿入しているのだった。

 ピンク色の犬のペニスがたしかにターニャのあそこに埋まっている。ドーベルマンはよだれをたらしながら、激しく腰を動かしはじめている。

「ターニャぁ……いくらなんでも、やりすぎだよ……」

 自分も股間を犬に舐めさせているのだが、それはとりあえず棚にあげ、あかりはその人獣交合の図をぼーぜんと見ていた。

 しかし、あかりにむらがっている犬たちだってペニスを持っているのである。

 シベリアンハスキーがあかりの顔をなめた。

「え、なに……ひょえっ!」

 なにげなく、そっちに顔をむけたあかりは目をむいた。

 ハスキー犬がチンチンをして、チンチンを見せている――いや、べつにシャレではなくて。

 赤い肉棒がべろうんと露出している。太さでは人間にかなわないが、長さはかなりなものだ。

 ついついあかりも凝視してしまう。

「はっ、だめよ、だめ」

 あかりはぷるぷると顔を横にふる。いくら大学衛星に男の子がいないからといって、犬のオチンチンに欲情してしまっては乙女の面目がたたない。

 でも、シベリアンハスキーはチンチンを続けている。そうすれば、ごほうびがもらえると信じきっているかのように。

 その一途さが、あかりの心にしみる。というか、そのチンチンについつい目が行ってしまうのだ。

「ど……どうしたらいいのお」

 と言っているあいだにも、股間と胸を犬たちに刺激されつづけている。あかりの理性はたいへん弱々しいものになっていた。

「しごいてあげればいいの?」

 あかりはおずおずと手をのばし、ハスキー犬の肉棒をつかむ。びくり、と腰を一瞬引くが、ハスキー犬は逃げることもせず、あかりのしたいままにさせる。

「こ、こうかな」

 犬のペニスは勃起すると、かんぜんに本体が露出する。人間とはちがい、全体が亀頭のように赤いのだ。だから、皮を前後させてしごくことはできない。だから、先端あたりをにぎにぎしてあげた。

「き、きもちいい?」

 犬にきいてもしょうがないのだろうが、あかりとしても懸命なのだ。

 ハスキー犬は、うれしそうにしっぽをふりながら、チンチンポーズを維持する。けっこう好評なようだ。

 と、あかりの顔に紀州犬がおおいかぶさってくる。

「わっ、なに? あわわ」

 目の前に紀州犬のペニスがある。しゃぶれ、ということなのだろうか。

「……んもおっ」

 と、言いつつ、口をひらくあかりは、もう我を忘れている。いや、そうにちがいない。いくら頼まれるとイヤとはいえない性格だからといって、さすがにこれは……