珠子も気になるのだが、まあ、半分幽霊のようなものだし、まさか水死はするまい。それに、珠姫という守護霊もついているしな。
それよりも、目の前で拉致された苑子のほうがより危険度が高いかもしれない。だいたい、ひとの言うことに対して反論ができない子なのだ。
おれは男と苑子の姿を眼で追った。人ごみにまぎれて、すぐに見失いかける。
やばい、やばい、と思いつつおれはあとを追う――そこに。
「あら、遊一さん」
呼びとめられた。麦わら帽子にスクール水着という組み合わせの一子ちゃんだ。傍らには美耶子もいる。なんだか真新しいブルーの水着を着ているぞ。
「美耶子ったら水着を忘れてぐずぐずしていたんですよ。しかたがないから売店で新しいのを買いました」
「でも、ダサいのしかないんだよぉ」
美耶子が生意気に唇を突き出す。
「どうせだったら、大人っぽいビキニとかがよかったのにぃ」
あほか。ビキニなんか着たら胸がすっぽぬけるだろうが――と思いつつも、おれはあせる。苑子たちを見失いそうだ。このままだと、苑子、美耶子ともにはぐれてしまった=保護者失格、である。
居候として、そのマイナスポイントはちとつらい。今晩の夕飯でも、ゴハンのおかわりをしづらくなってしまう。
うーあー、困っていると、ふらふらふらと珠子が歩いてきた。美耶子の存在を感知したのであろうか。げに恐ろしきは双子パワーである。
「あら、珠子、そんなところにいたの。苑子は?」
一子ちゃんの質問に珠子は首を左右に振る。我関せず、とのサインである。当然、一子ちゃんの視線はおれに移動する。うぎゃあ。
「あ、苑子、ちょっとトイレ行ったみたいで……っ、連れてきまあす」
おれは高い声をだして、手をひらひらさせつつ、走りだした。とにかく、苑子を見つけないと。
人ごみのなか、ぴょんぴょんジャンプしつつ、苑子の姿をさがす。
見えた。一瞬だが。苑子の後ろ姿だ。男に手を引かれている。
人の流れと逆行するように動いて、プールに隣接した建物の裏手に向かっている。なんだ? あんなところに迷子センターなんかあったっけ。
まるで、人気がないところを選んでいるかのような――まさか?
苑子たちの姿が建物の影に消えた。
おれは慌てて、追いかける速度をあげる。
急いでいるので、水着姿の女の子と身体が触れあったりもしてしまう。
水に濡れた肌が触れあって、ちょっと気持ちいい。
ぬるん、ぬるん。
でもオヤジとは絶対に触れあわないようにしなければ。
などと、細やかに気を配りつつ、なんとか苑子たちが消えたあたりにたどりつく。
そのあたりには、ほとんど人がいない。プールから聞えてくる歓声もかなり遠く感じる。金網越しに、隣接する公園の緑が見えている。
おれは周囲を見まわした。苑子の姿はどこにも見えない。ただ、コンクリート製の建物のドアがほんの少し開いていた。おれはその金属の重たげなドアに近づいてみる。
その建物はどうやら、プールの機械室らしい。ごうんごうんと動作音が聞えている。内部はやたら暗くて、外の陽光に慣れた眼では、真っ暗に思われる。
セメントの酸っぱい匂いを感じながら、おれは内部に足を踏み入れた。
見上げるような大きな機械があり、あちこちからパイプがのびたりしている。どういう仕組みになっているのかよくわからないが、どうやらここで水流を管理したりしているようだ。
「あの……おじさん? 病気の仔犬ってどこですか?」
苑子の声が部屋の奥のほうから聞えてきた。
「わたし、おにいちゃんに声もかけずに来ちゃったから――早くもどらないと」
「ああ、こっちのほうだよ。暗いから足もとに気をつけてね」
中年の男のものらしい、にやけた声だ。サンダルがセメントのざらざらした床をこする音がしている。
おれも声を頼りに奥へ進む。床近くをパイプや被覆されたコードが走っており、歩きづらいことこの上ない。それにしても、あのオヤジ、苑子をこんなとこに連れこんでどうするつもりだ?
「おじさん……仔犬は?」
苑子の声が聞えてくる。かなり近い。太いパイプをよいしょとまたぎこしたところで、苑子と男の姿がちらりと見えた。ようやくこの暗さに目が慣れてきたようだ。
おれは、大きなタンクの陰から顔を出した。
いる。
小さな明かりとりの窓からの光に照らされたのは、ちょっと腹が出かけのオヤジと苑子のツーショットだ。
「仔犬……いないんだったら、帰ります」
苑子がすこし不安そうな声になる。
「仔犬はいるよ。たぶん、人が来たから怖くなって隠れているんだよ」
オヤジは笑いを含んだ声を出した。ちょっと聞くと、優しそうな口調だったりもする。
「苑子ちゃん――だっけ、ちょっと、その下あたり、覗いてみてくれないかな?」
パイプが入り組んだ機械の一角を指差す。
苑子はしゃがんで、パイプの間を覗きこむ。
大きなおしりが突き出される。小さすぎる水着のボトムがおしりに食いこんで、ほとんど半ケツ状態になっているのだが、苑子は自覚していないようだ。そのおしりを、オヤジは凝視しつつ訊く。
「いたかい?」
「ううん――いないです。わんちゃん、大丈夫だから、出ておいで……」
苑子はいっしょけんめいに探している。ちちち、と舌を鳴らしつつ、仔犬が顔を出すのを待っているようだ。無邪気だなあ。
パイプスペースの奥の方を調べようと、苑子は四つん這いになって、高くおしりをかかげる。おいおい、そんな格好、おっさんの前でしたら……
「う……う」
案の定、男は興奮してきたらしく、水泳パンツをずりおろした。突き出た腹の段差の下からニョッキリ肉棒が突き出している。真っ黒で、いかにも臭そうなチンチンだ。
男は苑子のヒップにペニスを寄せていく。おいおい、いきなりバックから入れるつもりじゃないだろうな。
そっ、と男は苑子のおしりに手をふれた。ぴくん、と苑子が反応して、あいたっ、と悲鳴をあげる。急に頭を上げでもして、パイプに打ちつけたのだろう。
「な、なに、おじさん?」
「いたよ……仔犬が」
「ほんと?」
声がぱっと明るくなって、苑子が男を振り仰ぐ。眼鏡をかけていないので、苑子はちょっと目を細めている。そうすると、意外に大人っぽい表情になる。けっこう、将来は美人になるかもしれないな。
「ほうら、これが仔犬だよぉ」
男が自分のペニスをつかんで、苑子の顔につきつけた。
苑子はあっけにとられている。というか、よく状況がわかっていないのかもしれない。目、悪いし。
「え? それが? わんちゃん?」
「そう。名前はパピー」
おれはタンクの裏で笑いをこらえるのに必死だった。なにがパピーだ、あほか。
なんとなく、このおっさんの今後の行動を見物したくなってきた。苑子には悪いが、こんなおもしろい見世物はそうはない。
「パピー? でも、それ……おじさんの……」
苑子にだって、それくらいの知識はある。でも、これが一子ちゃんだったら、信じこんでいる恐れがあるな。
「おじさんの……なんだい? 言ってごらん」
おっさんはペニスを手で支えて、ふりふりさせながら、苑子に問いかける。苑子は頬を染めながら、顔をそむけた。
「……わたし、帰る」
苑子は立ち上がろうとする。それをおっさんが押し止めた。
「まあまあ……怒っちゃったの? ごめんね、ごめん」
「怒っては……ないけど」
苑子の語勢が弱まる。ああ、苑子らしいな。下手に出られると、ついトーンダウンしてしまうのだ。おれも、それでずいぶん無理難題を押しつけたりしたものだが……。なにしろ、頼まれたら、イヤって言えない性格なんだよな。
「このパピーが病気なのはほんとうなんだよ。ほら、こんなに腫れているだろ?」
びくんびくん脈打っているペニスを指さす。
「これは、悪い膿がたまっているせいなんだ。膿を出さないと、おじさんは死んでしまうかもしれない」
苑子の表情に動揺が走る。
「ほんとう……?」
おいおい、一子ちゃんじゃあるまいし、信じるなよっ。
だが、おっさんはここぞとばかりに言いつのる。
「ほんとうなんだ。おじさんの病気を治すの、苑子ちゃんに手伝ってほしいんだ」
「でも、わたし、病気の治し方なんて知らない」
「かんたんだよ。ちょっと、苑子ちゃんのおっぱいを見せてくれるだけでいいんだ。カンタンだろ?」
「え……でも……」
苑子がくちごもる。家のなかではトップレスになるくらいめずらしくない苑子だが、さすがに知らない男の前では、躊躇はあるのだろう。
「でも、体育のときとか、プールのときとか、教室で着替えてるだろ? 男の子がいる前でも」
「うん……でも、タオルで隠すもん」
「おじさんは大人だよ? 苑子ちゃんはお医者さんの前でも胸を隠すかい?」
おいおい、なんか穴だらけの論理を展開してないか?
「……おじさんはお医者さんじゃないでしょ? お医者さんだったら、自分で病気治せるはずだし」
「うっ」
子供に論破されて詰まってるんじゃねーよ、ヴァカ。
「うう……」
おっさんが身体を折り曲げた。苦しげにうめいている。
「ど、どうしたの、おじさん」
「くっ、くるしい……っ、苑子ちゃんがおっぱいを見せてくれないと……死んでしまうかも」
おいおい……でも、苑子相手には有効な手段だったりするんだな。
「し、しっかりして」
「お、お願いだ、お願い……おっぱいを、見せてくれえ……このままだと死んでしまう!」
「わ、わかったから、見せるから、死んじゃだめ」
ほら、やっぱり。
「は、はやく……見せて……くれっ」
股間をおさえながら、おっさんがせかす。苑子は水着の上に手をやった。
「さわったりは、ぜったいしないでね」
苑子が上目づかいで男に懇願する。逆効果だぞ、苑子。よけいおっさん、ヒートアップしてきた。
「はやくっ! はやくっ!」
苑子は肩ひもを外した。それだけでは、胸の肉にぴっちりとはまった水着はずり落ちはしない。
ずるっ、と皮をめくるようにして、苑子は水着を下ろしていく。
ぷりん、と音がしそうな反動とともに、小学生にしては脂肪の乗った乳房が露になる。あいかわらず、乳首の色が薄い。
「おおおっ、ぷよぷよのおっぱいだあ!」
おっさんが奇声をあげる。股間から突き出たものをしごきはじめる。
苑子は目を丸くして、そのありさまを見ている。いくら近視でも、すぐまぢかで繰りひろげられている光景だけに、ナニがどうなっているかくらいはわかるだろう。
さすがに物珍しいのか、ソレから目が離せないようだ。
「ね、さわらせてよ……お願い」
男は左手を苑子の胸に伸ばした。苑子は胸をかばって後退る――が、背中がすぐに機械類に当たってしまう。
「さわらないって、約束でしょお」
「だって、触らないと、おじさんの病気、治らないよ、お願い、お願いだよおお」
たぶん四〇近いのではないかと思われる大人が、半泣きで懇願している。情けないのを通りこして、ある意味立派としか言いようがない。
「でも……だって……」
苑子は困っている。目の前で必死に懇願されて、どうしたらいいか、わからなくなっているらしい。
「一生のお願いっ!」
おっさんに詰め寄られて、苑子はついにうなずいてしまう。
「ちょっ……ちょっとだけだよ」
「わあいっ!」
お許しが出たとたん、男は苑子の胸にむしゃぶりついた。
「やんっ! 触るだけ……って」
「だから、お口で触っているだけだよぉ」
などと言いつつ、男は苑子の乳首に吸いついた。
掌で右の乳房をモミモミしつつ、左の乳首を舌でいじくっている。
「やっ……やあん……っ」
苑子が身をよじって逃げようとするが、男はむろん、それを許さない。背後の機械類に押しつけて、苑子の自由を奪う。
「ああ……乳首が立ってきたよ、苑子ちゃん」
左胸の乳首を舐めあげたあと、こんどは右胸を吸いはじめる。男のつばに濡れた苑子の左乳首はたしかに膨張しているようだ。それを男は指でつまんで、くにゅくにゅと変形させる。きゅっと引っ張っては離す、さらにつまんでこねる――執拗に乳首を責める。
「だめえっ! やめてぇっ!」
苑子が悲鳴をあげている。いやがっているのは間違いないが、しかし、身体が反応しているのも事実らしい。苑子の胸は敏感だからな。
「はあはあ……気持ちいいんだろ? こんなに乳首コリコリさせちゃって……」
男は荒い息をしながら、苑子の胸を弄んでいる。
「気持ちよくなんかないもん……っ」
「うそだね……だって、ほら、ここも……」
男の指が苑子の下半身に――ピチピチで、ふつうでもワレメの状態がわかってしまうショーツの部分に達する。心なしか、その部分の生地が変色しているように見える。
「いやあっ! そこは……だめぇっ!」
「やっぱり、濡れてるよ……熱くなってる……小学生のくせに、おっぱいをいじられて感じるなんて……なんてエッチな子なんだ」
指を動かしながら、男は言葉でも苑子を責めたてる。
「うそぉっ! ちがうよぉ!」
「だめだ! こんなエッチな子にはおしおきが必要だなっ」
これまでの懇願調から一変して、男は強気に振る舞う。苑子が濡らしていたことで、自信を持ったのだろう。
「ほらっ、こっちにおしり向けて――ぐっと突き出すんだ」
「いやあ……」
泣きべそをかきつつも、大人の力には逆らえない苑子は、言われたとおりに背中を向けて、ヒップを心もちあげる。そのふたつに割れた白い桃に掌をあててもみしだきながら、男はため息をつく。
「はああ……なんてすてきなおしりなんだろう。これが小学生のものなんて、信じられない。まるで女神さまだよ」
尻の山をぐにゅぐにゅかきまぜるようにしながら、盛り上がったワレメの中心に顔をおしあてる。大きく呼吸をして、匂いを愉しんでいるようだ。
「いやだよ……やめてよぉ……」
苑子は機械を取り巻くパイプに抱きつくようにして、なんとか姿勢を保っている。脚に力が入らないらしく、がくがくと震えている。
「ふひっ! ふひひっ……!」
鼻息というか吐息というか、息を荒げながら、男は、その苑子の下半身をつつむ最後の一枚に手をかけた。
ずりずりと水着を下げていく。真っ白い苑子のおしりが露出していく。割目の部分がいちばん白い。日焼けをまったくしていないからだ。
薄桃色の粘膜が――おしりの穴が顔をのぞかせる。ほとんど色素の沈着のない小学生の肛門だ。
「苑子ちゃんのおしりのあな、拝見〜」
「ひゃぅっ!」
小動物のような声をあげる苑子。
男は苑子の肛門に指で広げて、内部の粘膜まで鑑賞する。
「なんてきれいな色だ……肛門までかわいいなんて、さすが小学生」
「い、いやだよぉおお、そんなとこ、みちゃやだああ」
泣きべそをかく苑子。
「ああ、そうだね、ごめんごめん、苑子ちゃんはおまんこを見て欲しいんだよね」
「え、ち、ちがうよぅ……」
「ちがわない、ちがわない。じゃあ、パンツぜんぶ脱がすよ」
「脱がしちゃだめぇ!」
苑子が悲鳴じみた声をあげて抗おうとする。だが、その抵抗がただ腰を左右に振るだけなので、よけい男を刺激するだけになっている。小学校高学年の女の子のおしりフリフリを至近距離で見せられて、理性を保てる男が果たしてこの世にいるだろうか? いや、いない!(断言)
「やだあああああっ!」
男に強引に水着のボトムをひきずりおろされる。
「おおお、これが苑子ちゃんの……お、お、おまんこかあ……!」
そこにはすっぽんぽんでおしりを(律儀に)掲げている少女がいた。
肛門はおろか、真っ白でモチモチした恥丘と、それを縦に分かつピンクの亀裂まで剥き出しにされている。
「苑子ちゃん……濡れ濡れだよ……小学生なのに、こんなに興奮するなんて、いけない子だ、苑子ちゃんは」
「うそ……そんなこと、ないも……んぅっ!」
苑子の声がくぐもる。
男の指が苑子の亀裂をなぞりはじめる。上下に動かし、離すと、指との間に粘る糸が伸びる。
「やっぱり濡れてるじゃないか、苑子ちゃん」
「やっ! やだああっ! そこに触ったら、だ、だめだよぉ! それは……エッチなことだよ!」
「そりゃあ、そうだね。小学生はこんなエッチなこと、しちゃいけない」
「だ、だったら……」
「小学生のくせに、知らないおじさんにおまんこを見せて、気持ちよくなっちゃう苑子ちゃんは、いけない子だね!」
「え、ええっ!?」
「おしおきだ……苑子ちゃんのおまんこにたっぷりとおしおきしてあげないと……」
男は苑子のおしりをつかみ、いたぶるように言いつのる。
「苑子ちゃんのおまんこに、かたあくなったおじさんのオチンチンを入れるからね。中でグリグリ動かして――それからいっぱいいっぱいあったかいジュースを飲ませてあげるからねえ……」
「……やだ……やだよぉ……助けて、おにいちゃん……たすけて……」
苑子が蚊の泣くような声でささやく。
男は、ケケケ、と妖怪のような笑い声をあげつつ、苑子のボリュームたっぷりのおしりの山をつかみ、大きく左右にと開き、苑子の膣口を剥き出しにした!
「やあああっ!」