うたかたの天使たち 外伝
美耶子のお仕事シリーズ Part7

 「男優のおしごと」

PART 3

運命のオーディション(前編)

 


1


 そして、その日がやってきた。

「子役オーディション……ですか?」

「そうよぉ、いっちゃんのおかげもあって『LINEで始まる恋だから』の第二期が決まったから、美耶子以外にもう一人、メインの子役を登場させる ことになったのよ」

「はあ……そうですか……」

「この役は、いっちゃん、あんたに深くからむキャラだから、オーディションにも立ち会ってもらうわよ」

「……わかりました」

 おれが桃山園に抗うことができるはずがない。今の人気と収入は美耶子と桃山園のおかげであることはおれにもわかっている。

 収入が増えたのに応じて、毎月の養育費も大幅に増やした。相変わらず元妻からの連絡はなく、香里奈の写真一枚送ってこない。肝心の香里奈からの LINEもない。こちらのメッセージへの既読はつくのだがーー会いに行けないのがもどかしい。

 美耶子主演のドラマの主要キャストをオーディションで選ぶというニュースは、子役志願の少女たち、そして愛娘を人気子役にしたいと熱望する親た ちをヒートアップさせた。

 急な告知にもかかわらず、一万通以上の応募があったそうだ。それも、八歳から十歳という制限つきでだ。

 書類選考、一次オーディションで絞り込まれて、この二次審査に残ったのはおよそ百人だ。

 どんな少女が候補となっているかは、当日、審査会場で発表される。 そのオーディションで、おれは特別審査員ということにされていた。




 当日。

 会場は秋葉原にあるオフィスビルの一フロアぶち抜きのだだっ広いスペースで、ふだんは小規模な見本市や商談会に使われることが多いらしい。

 奥には小さいながらステージが設営され、審査員用の長机がおかれた後ろのスペースには観覧スペースもあった。そして何台ものビデオカメラ。

 オーディションの様子は公開収録され、ネットで生中継されることになっていた。観客による投票やネット視聴者のコメントも選考の資料になるとい う。

 観覧スペースには、幸運にも抽選に当たった美耶子ファン、子役ファンがつめかけている。むろん男性客ばかりで、かつ年齢は高めだ。

「こーんにちはー!」

 ステージの上には美耶子がいた。「LINEで始まる恋だから」の都としてのメイクと衣装だ。タイトルが長いので、「ライはじ」と呼ばれているら しいが。

 観覧者たち――おれと同年代の連中だ――が口々に美耶子の名を呼び、歓声を送る。

「ライはじ」は美耶子が義理の父親、担任教師、いきずりの男(おれの役だ)、三人の中年男の間で揺れ動くストーリーなのだが、そのせいか、中年男 性から圧倒的支持を受けているのだ。

「パパ、せんせ、オジサマ――みんな元気ですかー!?」

 おおおおおお!

 おっさんたちが声をはりあげる。

「今日は、都に妹ができるってことで、とっても楽しみにしてます! 会場にいるオジサマたちや、ネット中継を見ているみんなの声も審査に影響する そうなので、都の妹をしっかり選んであげてねー!」

 はあああああああい!

 おっさんたちの声がうるさい。ネットでも、画面が文字で埋め尽くされていることだろう。

「それでは、ももちー、あとはよろしくー!」

 進行役は桃山園がやるらしい。美耶子はステージから立ち去る。かわって桃山園が小太りの身体に不似合いな高級スーツをまとって、登場。サングラ スも含めてアルマーニらしいが、似合ってない。

「おほほ、ご存じ、天才ディレクターの桃山園よ。ここからはあたしが仕切るわ」

 小指をたててマイクを握っている。

「今回のオーディションは、『ライはじ』で宇多方美耶子演じる都……って、相変わらずややこしいわね、美耶子がイクとき、役名いっつも間違うか ら、もう最初っから『みやこ』にしてるんだけど……まあいいわ。その美耶子の妹役を選ぶの。ご存じのとおり、『ライはじ』は超人気ドラマだから、 そのメイン級の役をゲットした子にはスターの座が約束されてるわ! みんなはそのスター誕生の瞬間の目撃者になるのよ」

 おおおおお……

 観覧者の中からも、気合いのようなものが醸成される。

「じゃあ、始めるわよ! オーディション、スタート!」




 都の妹役は「真知」という仮名が設定されていた。都の一つ下だが学年は同じ、事情があって遠く離れた祖父母のもとで養育されていたのが、都と同 じクラスに転入してくるところからシーズン2は始まるらしい。それ以上の情報は出演者たるおれにも知らされていない。

「じゃあ、出てきて!」

 桃山園の声とともに、小さな女の子たちがわらわらと出てくる。

 多すぎて、ステージに乗り切れない。

 少女たちはマイクロビキニ姿だ。乳首と割れ目を隠しているだけ。

 これだけ半裸の少女が群れると、かえっていやらしくない。そういった空間なんだと思えてくる。

 都の妹分、という形で売り出すために、オーディションにもJS2からJS4までの年齢制限がもうけられていた。

 その少女たちが、一人ずつステージで、自己アピールをするのだ。

 持ち時間はわずか一分。

 勝負の始まりだ。

「エントリーナンバー1番、野間ここあです! 八歳です! 好きな食べ物はあんころもちです! 歌とダンスが得意です!」

 ツインテールの美少女がプリキュアの主題歌を歌いながら、ダンスを披露する。

 子役志望だけにうまいものだ。

 しかし、桃山園は早々に遮った。

「あーはいはい、そういうのいーから」

 舞台で固まる桃山園は言い放った。

「ここあちゃん――だっけ? あんた、今ここでパンツ脱げる?」

「――え?」

「パンツを脱いで、カメラに向かって、おまんこ広げられるかって訊いてんの」

「そ……それは……」

「できないならいいわ。不合格よ、はい次」

「で、できます!」

 少女は懸命な表情で叫んだ。彼女たちは美耶子のような子役にあこがれてここに来ている。美耶子たち子役が、テレビや映画で裸になっていることも ――大人の男優とシテいることも――おぼろげながらにわかっているのだ。

「み、みててください……っ」

 少女は、おしりを突きだして、くねくねさせたかと思うと、マイクロビキニの布地をずらして、アヌスと性器を露出させる。

 いちおうは練習も覚悟もしていたのだろう。

 観客は野太い歓声をあげ、ネットでは「子供まんこキター!」の書き込みが踊る。

「そうそう、やればできるじゃない……でも時間切れね、お疲れ様」

 少女は下半身丸出しで退場させられる。結局、性器を見られて、ネット中継されただけで終わった。

「みんな、持ち時間で、自分が何を見せるべきか、わかったわよね? あたしや観客が求めてるのはなにか、よっく考えなさい」

 出番待ちの少女たちの顔色がかわる。

「エントリーナンバー二番、石神ジュノン、十歳です! おまんこ、みてください!」

 いきなり、水着を脱ぎ捨て、無毛の性器を広げて粘膜を見せつける。ブラもとって、幼い乳首を見せる。

 30秒間、全裸で、さまざまなポーズを撮ってみせる。

「まあ、芸がないけど、いいじゃない、ストレートで。とりあえず残りなさい」

 少女はガッツポーズ。

 続く少女も全裸になる――性器を広げて奥まで見せる。

 一方、裸になれない少女、脱いでもアソコが色や形がイマイチな少女はさっさと落とされていく。これは、まあ、理にはかなっている。女児の子役は 脱いでナンボだ。性器の美しさが売りなのだ。

 切れ込みの深いワレメ、無毛、ピンクの粘膜、そういった要素が、大人の女優にはない子役の武器だ。
 
「エントリーナンバー、十七番、香坂絵梨佳、九歳、クリが長いのがチャームポイントです!」

 指で包皮をずらして、年齢の割には発達したおさねを誇示する子もいる。

「へえ、いいじゃない。個性的よ。でも感度はどうなの? 自分でさわってみなさいよ」

「はい……」

 いつも触っているのか、なれた手つきでクリをいじる少女。

「あっ、あ! ビリって……! うん、ああ……!」

 子役オーディションの舞台でオナニーショウを始める。

「60秒の持ち時間でイケたら合格よ!」

「あっ! がんばり……ますっ! あああっ! あうぅうううっ!」

 小指の先ほどのサイズになったクリトリスをこすりながら、小学生女児がのぼりつめる。

「うーん、ま、おもしろいけど、真知のキャラじゃないわね。でもまあ、別の役ならありかも」

 こうした性的に熟れた少女には、子役としての仕事はけっこうあるものだ。まずは桃山園やスタッフの目にとまることなのだ。

 その後も審査は続いた。

 審査員の机の前でわざわざ脚をひろげ、膣の中まで見せるようにする子、アナルにバイブを入れてオナって見せる子、おもちゃのペニスをしゃぶって 審査員を挑発してくる子――少女たちの身体を張ったアピールは続く。

 仕事柄、慣れているとは言え、次から次へと女児の性器を見せつけられるのは正直キツい。いちおう人の親でもある。

 と。観客が沸いた。

「一色みゆりです。九歳です」

 ひときわ目立つ美少女だ。ハーフっぽい顔立ち、髪は明るい栗色で、腰までの長さがある。どうやら染めているのではなさそうだ。

 ここまで出てきた少女たちも予備選考を突破してきただけに可愛い子揃いだったが、この子は際だって美しい。ある意味、優勝候補だろう。目鼻立ち だけなら美耶子よりも美形かもしれない。

 すでに全裸になっており、まるでフィギュアのように均整の取れた肢体を見せつけている。ほのかに膨らんだ胸、ピンと尖った乳首は薄ピンクで乳輪 はほぼ肌色。ワレメはむろん無毛で切れ込みは深い。

 著名造形師が理想の等身大ロリフィギュアを作ったら、こんな感じになるのかもしれない――

「みゆりちゃん、おまんこびろーんって広げて見せて」

 しかし、桃山園は超絶美少女にもそんな下品な要求をする。

「は、はい!」

 いい返事をして美少女はカメラの前で性器を広げる。

 見た目以上に度胸もあるようだ。

 膣口を露出させる。

 子供サイズの肉穴。可憐に広がる花びら――小陰唇も見事なピンクだ。カメラが寄って、奥まで映す。

 薄ピンクの粘膜がネットに乗って、全世界に配信される。

 観客の反応も、ネットの書き込みも、これまでで一番の盛り上がりだ。

「これは有望ねえ。でも、みゆりちゃん、あんた、真知の役って、けっこうヤリマン設定なのよ。誰とでもセックスしちゃうJSなの。その役、できる のぉ?」

 そうなのか。脚本をまだもらってないから知らなかった。だが、桃山園が口から出まかせに言っている可能性もあるが……

「できます!」

 これまた良い返事だ。

 新人子役にとって性交が可能かどうかは重要だ。とくに幼い少女の場合は、挿入が可能かどうかで仕事のオファーの桁が違ってくる。

「おっけー、じゃあ、本番審査よ」

 桃山園が手招き。みゆりの表情がぱぁっと明るくなる。

 チャンスを掴んだのだ。

 本番審査では、当然、子役として、男優のペニスを受け入れることができるかどうかが審査される。

 逆にいえば、短い持ち時間で自己アピールできず、本番審査に進めなかった子はほぼ脱落だ。ここまで桃山園が残した少女たちも、少なくとも真知の 役を掴むことはないだろう。

「ほほほ、まず、あたしが味見してあげるわ!」

 桃山園が下半身を丸出しにして、奇声をはなつ。

 この男のすごいところは、起用する子役はすべて自分で賞味するということだ。宇多方美耶子も例外ではなく、最初のオーディションでほとんどレイ プまがいの強引さでセックスまで持ち込んだらしい。それがきっかけで子役ブームになったのだから、わからないものだ。

「ほらほら、みゆり、まんこ、もっと広げなさいよ――でないと落選よ?」

「は……はい!」

 九歳のみゆりが懸命にひろげた性器に、無造作に挿入する桃山園。当然のごとくノースキンだ。

「い……っ! うっ!」

 小さな、濡れてもいないこどもまんこに、ローションだけたっぷり塗り込んだとはいえ、中年男の生チンポをねじこむのだ。

 小さな子なら泣いてしまってもしかたない。

「がんばるノヨ、みゆり!」

 そばに来て声援を送っているのは金髪の美女だ。みゆりの母親だろう。このひどいオーディションは、もちろん保護者の許可済みなのだ。

「ほら、おかあさんもがんばらなきゃ。みゆりちゃんがスターになれるかどうかの瀬戸際よぉ?」

「は、はイ」

 声援を送っていた母親は金髪に鳶色の瞳で、三十になるかならないかくらい、さすが子役志望の母親だけあって、女優もかくやという美女だ。おっぱ いも大きい。

「失礼しまス」

 母親は服をはだけ、ブラもはずして、乳房を露出させる。釣り鐘型の美乳だ。乳首も薄いピンク。

 乳のサイズはF近いだろう。今からでも熟女系グラビアならモデルができそうだ。

 そのおっぱいを、まさにこの瞬間、自分の九歳の娘の性器をナマ姦している男の顔に押し当てる。

「ふああ、これはロリにはない楽しみよねえ、パツキン人妻パイオツさいこー!」

 おっぱいにむしゃぶりつく桃山園。乳首を吸い上げる。

「みゆりちゃんも吸ったおっぱいを味わうことで、みゆりちゃんの子役の特性もわかるのよぉ」

「あああっ! 監督サマ、みゆりをよろしくお願いしまスぅ!」

「ママぁ……」

「ハーフ美少女のっ……九歳おまんこ突きながら……っ! 金髪ママのおっぱいをぺろぺろするの、最高じゃない? みゆりちゃんの合格の可能性、出 てきたかもぉ?」

「あああっ、ホントっ、ですカ!?」

「でも、競争率高いから、おかあさん、もっとがんばったほうがいいかもよぉ?」

「な……なんでもしまスぅ! させてくださイ!」

「じゃ、とりあえず、娘のまんこに中出し、しとくわねえ」

 桃山園は、排泄感覚で、九歳の少女に最初の生殖活動を教え込む。

 びゅっ! びゅっ!

「ああああぅ、なんか出てるぅ……」

 まだお赤飯前の少女でも、子宮に注がれる中年男の精子には反応してしまうのか。幼いながら雌の表情を浮かべている。

 そのすべてが中継され、配信されている。

 投票カウントが一気にはねあがる。

「うふふ、じゃあ、つぎはママンの番よぉ」

 娘の膣からペニスを抜いて、白い粘液の糸を鈴口から垂らしながら、今度は母親のヒップに狙いを定める。

「あああ、奥さんのでか尻、いいんじゃない? 子持ちにしてはおまんこもキレイだし。旦那とは週何回ヤッてんの?」

「いヤああ……みゆりの前デぇ……」

「言わないならオーディション終了よ」

「Th、三回……四回くらいですぅ……」

「まあ、けっこうお盛んじゃない。今夜もするのぉ?」

「し……しまス……みゆりが寝たら……しまスぅ」

「じゃ、今夜の夫婦生活の刺激にするといいわよぉ」

 みゆりの目の前で、みゆりの母親にバックから挿入する。

「娘のオーディションの会場で、AV女優みたいに撮影されながら、ファックしましたって、旦那に言うのよぉ……!」

「は、はい、報告しまス……というか、この配信も見てると思いまスぅ……!」

「娘と女房がオーディションで、あたしのチンポに犯されてよがっているところをネットで見てたら――旦那は狂っちゃうんじゃ?」

 みゆりママのオッパイを揉みしだきながら、桃山園が腰をたたきつける。

「ほらあ、ほらあっ! 人妻に中出しっ! カワイイ女の子を孕むのよぉ! そしたらその子も子役にしてあげるからあ!」

「ああああっ! COMINGっ! イっちゃうっ! 危険日なのに監督さんに中出しされて、妊娠、しちゃうううううっ!」

「おうっ!」

 どぴゅどぴゅどぴゅっ!

 容赦なく人妻の生膣に射精する。初潮前の子役志望の少女とするのとはわけが違う、ガチの種付けセックスだ。

 桃山園のやつ、いいのか……マジでデキても知らないぞ……それともそこまで仕込み済みなのか――正直、わからない。

 すくなくとも、桃山園はオーディションを楽しんでいる。

 この後も、気に入った美少女はホンバン審査に持ち込み、母親が好みであれば親子ともども食いまくっていた。


後編につづく


外伝6-2