うたかたの天使たち 第七話

まふゆのファンタジスタ
真冬の幻奏者

珠子編

 観客がどよめく。

 ステージに引き出された少女を食い入るように見つめているセレブたち。

 いつのまにか、その筋の人たちに珠子は有名になっていたらしい。

 政財界のお偉方の身の上相談をやるようになってはいたが、別にマスコミに登場したわけでもないから、客の口コミで広がっていっただろう。

 凄腕の降霊術師――しかも、百発百中の占い師でもある――しかもロリ。

 セレブで、オカルト好きで、しかもロリな人たちにとっては、たまらん素材だったのかもしれない。

 いっておくが、健康な男性の90%は微ロリ好きで、50%はロリコン、10%は筋金入りのペドフィリアである。根拠はないが。

 しかも、知能指数が高かったり、社会的地位が高いほどロリコンが多い、という統計結果がある――はずはない。みんな隠しているからな。

 でも、童顔のアイドルが人気なのは、男の一般的な好みをあらわしているといえる。老け顔が人気なんて聞いたことがない。

 ついでにいえば、秘書も美人系よりも可愛い系のほうが人気が高いらしい。美人で有能そうなタイプよりも、庇護欲をそそるかわいこちゃんのほうが、お偉いさんのツボにはまるようなのだ。

 結論としては、金持ちの男にもロリコンは多い、ということだ。

 珠子は下着だけを身にまとっていた。白の――もちろんお子様パンツとシャツだけで、ブラなんてものは着けていない――というか不要だ。珠子は、おれがやったくまのぬいぐるみを抱いていた。ほかの女の子がいきなり全裸でステージに出されていたのに比べれば、これはいい扱いなのだろうか。

 下着姿の年端もいかぬ少女がぬいぐるみを抱いて立つシーン――それはおそらく観客の加虐心をよりそそる演出なのだろう。

 ライトに照らされながらも珠子は、ぬいぐるみよりも無表情だった。視線は中空に向けられている。まるで霊の憑依を待っているかのような――何も感じていないかのような――

「それでは宇多方珠子さんの競りをはじめます!」

 司会がハンマーでテーブルを叩く。

「今回は特別ルールでの競りとなります。上位入札者四名は、この場で、珠子さんを自由にする権利を手に入れることができます」

 観客がどよめく。期待値が高まっていく。この競り会場には、そういう趣向も可能な設備が整っているのだ。ステージにはマットが敷かれ、さまざまな器具が準備されている。競り落とされた少女を観客の前で犯して楽しむ――そんな外道なショーも日常的に行われているのだろう。

「落札者は、珠子さんの身体のどこにでも射精することができます。ただし、入札額によって、優先順位がつきます」

 一位が性器への射精優先権を獲得する。一位の者が珠子の膣内に射精しない限り、他の者も手は出せない。

 同様に、アナル、口、腋――に優先権が設定される。

 誰がどの部位に一番乗りするか――いずれにしろ、四人がかりでの凌辱が10歳の少女に加えられることになる。

「それでは、射精優先権の競りを開始いたします!」

 おおお、と声があがる。

「ふひひひ、こりゃあ負けられんなあ。珠子先生のおまんこへの一番乗りは譲れんて」

 荒重がおれを横目に見つつ楽しそうに言う。おれの存在をきちんと意識していやがる。

 もしかしたらおれと珠子の関係さえ知っているかもしれない。

「それでは、入札参加希望者はお集まりください」

 司会の男が宣言し、観客は――いや競りの参加者は歓声をあげる。

 荒重も当然のごとく立ちあがる。

 そして、珠子の操を切り売りする競りが始まった――

「そこまでです!」

 司会役がハンマーで机を叩き、競りの終わりを告げる。おれにとっては悪夢のような時間だったが、しかし、ほんとうの地獄はこれから始まるのだ。

「それでは、競り落とした皆様はステージにお上がりください!」

 荒重が鼻息もあらく、ステージへと向かう。一位で落札したのはやはりこいつだった。最後は信じられないような桁の金額を口にしていたと思うが――

 競り勝った男たちがステージにのぼっていく。あわせて4人――快楽のために、ふつうの人間が一生かかって稼げるかどうかというカネを費やすことができるセレブたち。

 珠子にはそれだけの価値があるのだろうか。

 たしかに美形だ。すくなくともおれは、アイドルや女優をふくめて、珠子ほどの美貌の持ち主にはお目にかかったことがない。しかも完璧なロリ体型だ。ワレメは深くて粘膜も淡いピンク、肛門も赤ちゃんのようなピンクだ。だが、だからといって――

「珠子先生……ああ、夢がかないます」

「占っていただいた時から、もうあなたのことしか考えられなくなって」

「またしかってください――おかあさんのように」

「初恋の人にそっくりなのです……」

 ステージに上がった男たちは珠子を取り囲んで口々に熱い想いを吐露した。初老に近い男たちがまるで少年のようだ。

 そうか――

 こいつらはすべて珠子の客だったのだ。そして、珠子の降霊術によって、自分の過去やトラウマを握る人物と再会を果たしたのだ。

 中には死んだ母や姉と再会した者もいれば、初恋の女性とまみえた者もあったろう。

 その女性たちへの想いが珠子へのゆがんだ執着になったのだ。

 珠子を競り落としたセレブたちは服を脱ぎ始めた。突き出た腹をこれみよがしに叩きつつ、まったく恥じるふうがない。ただし、顔は覆面ですっぽりとおおっている。目と口の部分が開いたデザインだ。

 その様子は、ビデオカメラによって記録撮影されている。その映像はステージ後方の大型スクリーンに映し出され、会場のどこにいても見ることができる。おれの目にもいやおうなく入る。

 珠子はそんな状況でも無表情だった。

 マットの上に座らされ、男たちに取り囲まれてさえ、一言も発しない。

「なんて細い……」

「赤ちゃんの肌のようだ……」

「足の裏まで柔らかで……」

「小学生の汗のにおいが……」

 無抵抗、無反応の珠子の手をとり、指先から腕まで舌をはわせる男は、有名な投資ファンドの総帥で、テレビの財テク番組でもおなじみの石坂透。

 シャツをめくりあげて、おへそに鼻をこすりつけている男は、外食チェーンから介護事業までを手広く手掛ける美樹本邦雄。

 M字開脚させた足の裏に固執する男は、パチンコ・パチスロのホール経営で知られ長者番付の常連でもある、金田順。

 そして珠子の股間に顔を寄せて陶然としている男が荒重だ。

 この四人の男たちの年収をあわせたら、いったいいくらになるのだろう。

 年齢の合計にいたっては、珠子の20倍に達する。

 分別盛りのはずが、珠子の肉体にむらがる男たちはさながら餓鬼のようだった。

「おちち……珠子ちゃんのおちち……」

 石坂がシャツごしに珠子の薄い胸をいじっている。

「乳首はどこかな? ここかな?」

 指先で突起をさぐる。珠子は無反応だが、薄い生地を押し上げるポッチは隠せない。石坂はその部分を執拗につまんだり。ねじったり、している。

「おへその形がいいねえ」

 美樹本は賛美しつつ、ぺろぺろと珠子のへそをなめている。見ているだけでもくすぐったそうだが、やはり珠子は反応しない。

「あんよ素敵だよ、よけいな肉のないお子様あんよ」

 金田はよほど珠子の脚が気に入ったのか、足指一本一本をなめしゃぶり、さらにふくらはぎを、太股をなめた。

「ふふひ、珠子先生、いい匂いですなあ」

 ふんぐふんぐ鼻をうごかし、珠子のパンツごしに股の匂いをかいでいるのは荒重だ。

 さしもの珠子もステージライトのおかげで汗ばんでいるのか、下着もしっとりしているようだ。

「乳首、立ってきた」

 石坂がうれしそうに言う。たしかに薄手のシャツをおしあげる胸のポッチのサイズが大きくなったようだ。

「どんな色かなあ……?」

 シャツをめくりあげていく。

 ふくらみのない平板な珠子の胸が露出する。淡い淡いピンクの乳首があらわになる。

「ああ、ぺったんこだ……すばらしい……」

 当然だ。珠子はまだ小学校四年生――ランドセルをしょって登校している児童なのだ。

 そのお子様の胸に石坂は吸いついていく。

 小粒の右の乳頭をついばみ、音をたてて吸い上げる。

 さらに舌をはわせ、肌色とほとんどかわらない乳輪をなぞるようにする。

「ほうほう、いいですな、子供のお乳、ご相伴にあずかりますか」

 言いつつ左の乳首にキスするのは美樹本だ。

 二人のおっさんが珠子の左右の乳首をなめたて、唾液をなすりつけている。

「……」

 珠子は無表情だが、時折眉をひそめる。

 石坂と美樹本に吸われた乳首が尖りをましていく。その突起を男たちが容赦なく指でこね、引っ張り、ねじる。

「おっぱい、少し大きくなったよ、珠子ちゃん」

「ほんとうだ、よかったねえ」

 男たちの責めで、赤いキスマークをつけられたおさない乳房。手形もついている。それほど強くにぎりしめられ、もみしだかれているのだ。

「石坂さんたち、飛ばしていますな」

「負けずに、下も脱がしますか」

「そうですな」

 金田と荒重はしめしあわせると、珠子のパンツをぬがしていく。

 観客がおおと声をあげる。

 視線がそこに集まる。

「やはり」

「美しいワレメ、ですな。ふっくらしていて」

 荒重と金田が両側から珠子の股を広げさせる。

 ビデオカメラにも、観客にもよく見えるように――

 10歳の少女の無毛の性器だ。発毛の気配さえない真っ白な丘に、一本たて筋が走っている。

 脚を広げさせられてなお、内部を見せることがない、完璧に閉じたワレメ。

「少女だ……」

「まさに……」

 荒重と金田の吐息があらくなる。

「クリトリスの包皮もふさがって……」

「でもちょっとだけ色づいてますなあ」

 大人の太い指が、珠子のその部分に侵入する。

 ワレメの上部からぷくっと顔をのぞかせた陰核包皮を指先で上下に動かす。

 ちらりと顔を見せる珠子の真珠。小粒で愛らしいクリトリスだ。

「……っ」

 さすがに敏感な部分をいじられては珠子も声をもらさずにはいられないのか。

 だが、表情はまだ静謐で、何も感じていないように見える。

「かわいいクリちゃんをくりくりっと」

 言いつつ、金田で包皮をぐいっとずらして完全に露出させる。さらに、指でつまんで、くいっと引っ張る。クリトリスの二本の足が伸びて、裏側までを見せつける。

「こっちもご開帳だ」

 荒重が、珠子の大陰唇をにゅっと左右に広げる。

 全部が――珠子の穴がさらされている。

 クリトリスも、その下の尿道口も、そして、小陰唇にまもられた膣への入口までも。肛門もつられて、少し広がって――意識したのか珠子がきゅっとすぼめた。

「尻穴もまる見えだ」

 荒重の指が珠子の肛門を左右に引っ張る。

 薄紅色の入口がめくれ、珠子の排泄の穴を男どもの前にさらす。

「……ゃ」

 珠子が唇を噛む。無表情が羞恥に負けて、赤らんでいる。

「はは、珠子先生もおしりの穴を見られるのは恥ずかしいのですかな? でも、これから、前後の穴ともたっぷりといたぶられるのですぞ。なにしろ、射精権をわれわれは買ったんですからなあ」

 金田と荒重が、珠子の性器と肛門をいじくりはじめる。

 ふとい大人の指を珠子の小さな膣にしずめ、かきまぜる。

 おしりの穴にも挿入する。

「う……く……ぅっ」

 珠子はかすかな声とともに、身もだえた。白い肌が上気し、汗が光っている――男たちの唾液かもしれないが。

「乳首が立ちましたぞ」

「ピンピンだ」

 石坂と美樹本が、珠子の左右の乳首をつまんで引っ張る。たしかに、豆粒のようだったサイズが少し長くなっている。

「こっちも立ってきた――」

 金田が珠子のクリトリスを指でつまんで、きゅっきゅとしごく。

「くぅっ……んっ!」

 ひくんっ、と珠子が腰をはねあげ、手足をちぢこませる。むろん、男たちは珠子の動きを封じると、乳首とクリトリスへの刺激をエスカレートさせていく。

「あ……ぅあ……んぅっ」

 小学生の裸体にむらがる中年、初老の男たち――

 彼らは少女の全身をねぶり、すすり、甘噛みした。

 かわるがわる珠子の股間に顔をうずめ、クリトリスを吸い、膣に舌を突き入れ、肛門までなめまくる。

 それ以外の者は珠子の胸を腹を手足を愛撫し、口づける。

 若い男とは違い、挿入をあせることがない。ねっとりとした愛撫×4人分。

「はぁ……ぁあ……」

 珠子は息もたえだえだ。そして、ついに――

「おお……これは……」

 珠子の股間に指を入れていた荒重が感にたえない様子でつぶやく。

「濡れてきた……」

 珠子の膣から分泌された透明なしずく。それを指にとり、糸を引かせてにんまりと笑う。

「少女でも女は女。珠子先生もわれわれの愛撫でだいぶほぐれてきたようですな」

「いやこれは甘露、甘露」

 争うようにして、珠子のアソコに口をつけ、愛液をすするセレブたち。

「次から次へと湧いて出ますなあ」

「珠子先生のおつゆは最高ですて」

「雑味がなく、若い味がします。さすがは十年もの」

「ワインとは違って、年数が若いほどよいものですな」

 広げられた珠子のアソコから、滴が、おしりのワレメをつたって落ちていく。

 普通の人生を送っている者には一生縁がないであろう、少女のM字開脚、愛液たれ流しシーン。

 それを演じているのは珠子なのだ。

「ぅ……ぁ……ああ」

 小さな声が漏れ出ている。今はカエルのように広げさせられた股に四人の男の指が何本も出たり入ったり、している。

「はぅっ……うっ……うう」

「かわいい声だ」

「もっと鳴かせてやりましょう」

「やっ……あ……あっ、あっ」

 粘膜をめくりあげられ、ぬるぬるの膣口をほじられ、クリトリスをこすりたてられる。肛門にも指が入り、ピストンのように抜き差しされる。

 珠子の腰が勝手にうねりだす。少女の身体にスイッチが入ったかのように――

「ほぐれてきたようですなぁ」

「苦労したかいがありますて」

「ではそろそろ、わしらのモノを準備しますかな」

 荒重が腹を突き出し、たるんだ尻をビシャビシャ叩いた。股間の黒い男根が首をもたげている。血管が浮き出し、ピクピクしている。

 石坂、美樹本、金田もそれにならう。色も形もサイズもさまざまなペニスが珠子を囲む。

 ぴ、ぴんちだ……

つづく