うたかたの天使たち 第七話

まふゆのファンタジスタ
真冬の幻奏者

苑子の手記(3)

 おにいちゃんが予約した家族風呂は、パピイのおじさんに言われた待ち合わせ場所の隣でした。

 行きたくなかったのに、そこには近づきたくなかったのに――

 いやだって言ったら、おにいちゃんはあやしむと思います。そうしたら、パピイのおじさんとのことがばれちゃうかも――それだけはだめ。

 おじさんと顔を合わせたときのために、おにいちゃんには先に行ってもらいました。

 ふたつ並んだ家族風呂の脱衣所の前でしばらく迷いました。おにいちゃんのいるお風呂にすぐに入るか、それともその前におじさんに会って内緒にしてってお願いするか――

 でも、あのおじさんの前に出ると――声を聞くと――なぜか逆らえなくなってしまうんです。それがこわくて、おにいちゃんに言われた亀の湯の方へ入りました。

 脱衣カゴにはおにいちゃんが着ていたのと同じ旅館の浴衣が入っていました。

 ほっとしました。このなかにはおにいちゃんがいて、苑子のことを抱いてくれる。それだけで苑子は幸せだから――それだけでいいから――

 服を脱いで、洗い場に入りました。そこには――パピイのおじさんがニヤニヤ笑っていたのでした。

 

 考えてみれば旅館の浴衣は全部同じデザインでした。

 

 おじさんが苑子の身体をじっとみています。

 思わず前を隠しました。おっぱいも。でも、隠しきれないんです。

「よくきたね、苑子ちゃん」

 猫なで声でおじさんが言いました。

「さ、こっちへおいで?」

 手招きします。いや、こわいよお。

「おにいちゃん、どこぉ……」

 思わず声が出ました。すると――

「苑子?」

 おにいちゃんの声が聞こえてきました。え、どこ?

「おにいちゃん?」

「苑子さん?」

 また声がします。おじさんが無言で隣を指さします。仕切りの向こう?

「えーと、おにいちゃん?」

「おい、苑子、そっちいるのか?」

「えーと、うん、いるけど、おにいちゃんは……そっち?」

 おじさんが側にいることを悟られないように、苑子は精一杯自然な声を出そうとしました――でもきっと上ずっていたと思います。

「おまえ、間違ったな? となりだろ、そっち」

「え……でも、おにいちゃん、亀の湯だって」

 おじさんが声はださずに手を動かして、左右を入れ替える仕草をしました。お風呂場の名前はプレートがかかっているだけでした。パピイのおじさんが入れ替えたのでしょう。

「苑子、こっち来い。この際どっちでもいい」

 おにいちゃんがのんきな声で言ってきます。苑子は後ずさりしながら答えます。

「え、あ、うん、じゃ、一度服着てから、そっち行くね」

「待てない、すぐこい」

「え……でも」

 おじさんが近づいてきます。ほとんど物音を立てないように。でも、確実に。

「ここ、透き間があるから、抜けて来いよ」

 おにいちゃんの声が仕切りのすぐ側で聞こえました。そこは仕切りに透き間があって、植え込みが作られているだけでした。おにいちゃんの手が見えました。

 そこへ行けば、助かる。

「はやく!」

「う……うん!」

 おにいちゃんの声に励まされて、苑子はおじさんの横をすり抜けました。

 植え込みをかきわけると、おにいちゃんがいました。

 よかった……!

 でも。

「せ、せまいよ」

 その透き間は思ったよりも細かったのでした。それでもなんとか抜けられるかと思ったとき――

「うにゃ」

 苑子のヒップが強い力で押さえられたのです。

 いつの間にかおじさんが苑子の後ろに回っていたのです。

「どうした、はやくこいよ」

「お、おにいちゃん……」

 苑子の目の前におにいちゃんがいて、不思議そうな顔をしています。植え込みのおかげでおじさんの姿は見えないみたいです。苑子はとっさに言い訳を考えました。

「おしり……ひっかかっちゃった」

 そう言うしかありませんでした。よそのおじさんにおしりを抱えられてしまってるなんて――そのおじさんに今日、何回もいたずらされてるなんて――いえません、いえないよぉ。

「しょうがない、戻れ」

「うん……んしょ……あれ」

 おじさんは苑子のおしりを押さえたままです。戻らせてくれません。ど、どうして? 

 でも、苑子はその状態についてもおにいちゃんに説明しなくてはなりません。

「あの……今度は胸が……」

 もうめちゃくちゃです。でもおにいちゃんは信じたみたいです。おにいちゃんは、苑子の言うことはなんでも信じてくれるんです。そして真剣に接してくれる。いつでもそうなんです。たまに意地悪なこともするけど……

「ど、どうしよう、おにいちゃん」

 ホントのことは言えないけど、おにいちゃんに助けてほしい――泣きそうになりながら苑子は言いました。でも。

「うーん、旅館の人を呼んで来て、仕切を壊してもらうしかないな」

 そんなことしたら、大変なことになるよう。

「運動して汗をかいたらきっとすりぬけられるぞ」

 え?

「しゃぶれ、苑子。それしか抜け出す方法はないぞ」

 おにいちゃんのばかぁ――どうしてこんなときに限って意地悪なおにいちゃんになっちゃうのぉ?

「どうする? さっさとしないと人がくるかも」

「はうう……」

 だから、もういるのに。さっきから苑子のおしりをモミモミしてるよ……

「ひあっ!」

「どうした?」

「な、なんでもないよ、おにいちゃん……」

 言えるわけない。おじさんの指がおしりのあいだに入ってきて、あそこをこちょこちょしてるなんて。

 だ、だめだよ、おじさん――そんなに指を動かしたら――

 おにいちゃんがおちんちんを顔に近づけてくる。こんなことしてる場合じゃないのに……

 でも、おにいちゃん、勘弁してくれなくて――

 ペロペロする苑子の頭をおにいちゃんがなでてくれる。やさしい手の動き。こんなときでなかったら、最高に幸せなのに……

 おじさんに指の動きが激しくなる。クリと穴を指でぐりぐりされて。

 や、やだよぉ……で、でも、気持ち良くなってきてる……だめ……おにいちゃんのおちんちんしゃぶってるから、よけいえっちになっちゃう。

「お……おにいちゃん……」

「なんだよ?」

「ご、ごめんね、おにいちゃん」

 ほんとのことを言ったら、嫌われちゃうし――

 それに、苑子のアソコ……もう、濡れちゃってる……

「あやまることはねーだろ?」

「う、うん、でも――はうっ」

 お、おじさんの体重を感じる。おしりにまたがってきてる。え?

 オチンチン、入れられちゃうの?

 おじさんは答えるかわりに苑子のおしりの肉をつかんで左右に広げた。おまんこの穴も広がってる。あ……何か固いモノが押し当てられてる。

 もうだめ、限界――おにいちゃんに言おう。今ならまだ――

 でも、その時、おにいちゃんのが喉の奥まで入ってきた。むぅお……らめぇ……なのほぉ……

 ずぼっ――って感じがして、おじさんのオチンチンが苑子のアソコに入っちゃた。おなかが苦しいくらい……おっきいよぉ……

「むぅ、ふむぅ……んん……」

 おにいちゃんのおちんちんを噛んじゃだめだから、悲鳴もあげられない。

 前からおにいちゃん、後ろからおじさん――二本のおちんちんに責められてる。

 こんな、ことって……

 おじさんは容赦なく前後に動いてくる。

 奥まで入ってこられると、押し上げられてるのがわかる。おじさんのオチンチンの先っぽが苑子の子宮をぐいぐいって――あ、だめ、すごいょ……

「んっ、んふっ、むっううう……ん」

 いやなのに、だめなのに、鼻が鳴って甘い声がでちゃう。アソコが熱くなって、お腹のなかかき回されて、うねってる。

 パチンパチン、ちいさく音をたてながら、おじさんが腰をたたきつける。苑子のおまんこを好き放題に使ってる。亀頭がお腹の奥をこすってえぐって――

 も、も、わけが、わからな……

「ら、らめえ……らめぇ……ひっうう……」

 いかされちゃう、おにいちゃんがすぐそばにいるのに、パピイのおじさんのオチンチンで気持ち良くなって、イッちゃう。悪い子になっちゃう。

 おにいちゃんのオチンチンを握り締める。入ってるのがこれだったら――

 でも、おじさんの、おにいちゃんより――

「あくっ……うっ、うっ、き、きもちいいよぉ……」

 だめ、おにいちゃんと比べちゃ――おにいちゃんとするより気持ちいいなんて思ったら――

「はぁっ、ああっ……うああ、あっ!」

 おにいちゃんがオチンチンをこすりつけてくる。これがいいのに、これがほしいのにぃ……

 おまんこがとろけそうだよぉ……

「あうっ、あああっ、お、おにいちゃ……苑子、いっちゃ……うっ」

「おお、いけっ、いっちまえ」

 おにいちゃんが許してくれた。イッてもいいの?

 オチンチンをしごきたてる。これが、いま、苑子のおまんこの中でも動いてる――っ!

「はぅっ! ああっ、く……いくぅ……いくっ!」

 白くて熱いしぶきが顔に当たるのと同時に――お腹の奥にも熱いものが注ぎ込まれて……

 精液が苑子の子宮をいっぱいにしてる。しみるように広がってく。熱いのがたまってる。

 おじさんのが抜ける。抜けちゃう……あ……こぼれて……

「ほんとに抜けられたぞ」

 おにいちゃんの声が聞こえてくる。

 どうしよう……どうしよう……どうしよう……

つづく