うたかたの天使たち 第七話

まふゆのファンタジスタ
真冬の幻奏者

一子編

 個室に飛び込んだおれは、いきなり一子ちゃんの着替えシーンにぶちあたった。

 下着まで脱いだ全裸の一子ちゃんだ。

 うおおっ! 待望のシチュエーションだが、なんか違う!

「エステって裸になるんですね、知りませんでしたー」

 相手が女性だからか、一子ちゃんはわりと平気な様子で係員に言った。ま、相手が男でも、そう変わらない気がするが、一子ちゃんの場合。

「このコースは特別な全身コースですから。服を脱いだら横になってくださいね」

「あのー、これやると、どれくらいきれいになれますか?」

 横たわりながら無邪気に質問する。

 女性係員は事務的な笑顔を顔に残したまま、一子ちゃんの両腕をさりげなく取って、ベッドに固定する。続いて、両足首を――なんだよ、このベッド、エステ用っていうより産婦人科にあるような――

 この女もグルなのだ――考えてみりゃあたりまえか!

「最高のエステシシャンが三人もつきますから、間違いなくお肌はツルツル、最高に美しくなりますわ」

「ほんとうですか?」

 自分がベッドに固定されていることも、エステの一部だと思っているのか無抵抗な一子ちゃんは、嬉しそうに言う。

「遊一さん、よろこんでくれるかな……」

 ほんのわずか、女性の顔に罪悪感らしきものが浮かんだ。

「……ええ、ごめんなさい」

「え?」

 女性はそそくさと部屋を出て行った。まるで逃げるかのように。

 そして、入れ替わりに入ってきたのは、三人の性感エステシシャンだ。いろいろな器具を入れたケースを一緒に運び込む。

「あ……よろしくお願いします」

 律儀に一子ちゃんはあいさつ。それから、ちょっとだけ困惑した声をだす。

「えぇと……男の方が、その、されるんですか?」

「そうですよ。聞いてませんでしたか?」

 性感エステシシャンの一人がしらじくしく言う。白衣を身につけ、帽子にマスク、いかにも医療従事者っぽい出で立ちをしている。

「この手のエステは男が担当するものですよ」

 そりゃ性感マッサージだろうが。でも、一子ちゃんには常識がないので、信じ込んでしまう。

「……はあ、そういうものですか」

「それではさっそく始めますね」

 男たちは細い目を光らせて、横たわっている一子ちゃんの裸を観察する。

「きれいな肌をしていますね」

「はあ……ありがとうございます」

「胸も、張りがあって」

「そ、そうですか?」 

 寝転がっても、平べったくならないのだ。天然ものなのに。

「でも、このエステを受けると、もっとお肌がスベスベになって、お乳の張りも出ますよ」

「彼氏もきっと夢中になりますよ」

 エステシシャンたちのネコなで声――キモい。

「そ……そうですか?」

 一子ちゃん、嬉しそうだ。くそう、こんなバカな――もとい――素直な子をだますなんて!

「じゃあ、さっそく始めますよ」

 言いつつ、一番細い男がオイルの容器を手にしながら言った。白衣の名札には田中とある。

「このアロマオイルを使ってマッサージしますからね」

 オイルを一子ちゃんの右腕にたらしていく。

「催淫剤――じゃなくて、お肌をツルツルにする成分がふくまれていますからね」

 言いつつ、骨張った掌でオイルを伸ばしてゆく。

「そうそう、すぐに身体が火照ってきますよぉ」

 一子ちゃんの左側に陣取った堅太りの男がうなずく。名札は山本だ。うやうやしい手つきでオイルを一子ちゃんの左腕に塗っていく。

「リラックスしてくださいな」

 佐藤という名札をつけた、浅黒い肌をした男がニヤニヤしながら一子ちゃんのふくらはぎへのオイルマッサージを始める。その位置だと、一子ちゃんの脚の間もまる見えだからな。ワレメを観察しながら、やわやわとマッサージを開始する。

「あ……気持いいです……」

 一子ちゃんが素直によろこぶ。

 確かに、男たちは手慣れていた。一子ちゃんの二の腕や肩、ふくらはぎに太股をたんねんにマッサージしてゆく。これは普通に気持いいだろうな、と思う。

 部屋の中には、オイルの芳香が立ちこめていた。花の香りのような、動物性のかぎろいのような――霊魂のおれですら、フラフラしそうな強い香りだ。

「なんだか……いい匂い……ですねぇ」

「でしょう? もっと力を抜いて、リラックスリラックス」

 田中が一子ちゃんの胸元、お腹にまでオイルを垂らしつつ、笑いかける。一子ちゃんも白い歯を見せた。警戒感がない。

 ――ほかの男と風呂に入っちゃいけない、という教育はしたんだが、エステはダメだ、とは言ってないしな……しかも、エステに行けって言ったのはおれだし……

 田中と山本が両側から、一子ちゃんの脇腹からお腹をマッサージする。くすぐったそうに身をくねらせた一子ちゃんだが、じきに快感が強くなってきたらしい。

「くすぐったいのに……なんか……ポカポカしてきました」

「でしょ? もっと熱くなってきますよ」

「そうそう……お嬢さんの身体は適度にふっくらして、理想的ですよ」

 田中と山本の視線は一子ちゃんのおっぱいに貼り付いている。ゆっくりと、掌は一子ちゃんのふくらみへと近づいてゆく。

「もっと脚を広げて……そうそう」

 佐藤も、太股の内側に掌を差し込み、もみ上げるように位置をずらしていく。

 一子ちゃんの全身がオイルで光り、甘い香りを放っている。

「ん……は……エステって……気持いいんですねえ」

 性感マッサージだよ、一子ちゃん!

「じゃあ、そろそろ、パストアップマッサージといきますか」

「え?」

「胸を大きくするためのマッサージですよ」

「女性の美しさをアップさせるにはこれが最適ですね」

 田中と山本がぬけぬけと言う。一子ちゃんにヤツラの嘘が見抜けるはずもない。

「はい、お願いします」

 頼んでるし。

 田中と山本はオイルを一子ちゃんのふたつのオッパイに垂らすと、掌でぎゅっとにぎりしめた。

「はぅっ!?」

 さしがに胸を握りしめられてびっくりしたのか、一子ちゃんが声をあげる。

「静かに」

「施術中ですよ」

「す、すみません」

 一子ちゃんは、自分のオッパイが二人の男たちによって揉みしだかれるさまをおっきな目を見開いて見つめていた。

 その顔が赤くなっていく。

「あのぅ……エステって……ほんとにこんな……」

「しますよ、普通」

「バストアップはエステの基本ですから」

「そ……そうですか……」

 柔らかいのに張りがある一子ちゃんの乳房が中年男の掌の中で形を次々と変えてゆく。

 オイルのおかげで、ぎゅっと掴まれても、余り痛みはないらしい。むしろ――

「んっ……あ」

 もれる声は、むしろ甘い。

「おや? 乳首が立ってきましたよ?」

 一子ちゃんのピンクの尖りが、確かにムクムクと大きくなっている。

「ここもマッサージしましょうね」

 田中と山本がそこにわざわざオイルを垂らし、すべりをよくした上で、指先でくにくにと責めはじめた。

「ひゃっ!? はっ! あ……っ」

 一子ちゃんが身体をよじる。だが、男たちは乳首への責めをゆるめはしない。

「おっと、固くなってきましたよ?」

 指先で乳首をピンピン弾きつつ、田中が訊く。

「ここは重点的にほぐしたほうがよさそうですね」

 山本も言う。舌なめずりをする。

「どうですか? もっとしてほしいでしょ?」

 顔を火照らせ、目をうるませた一子ちゃんは、意味もよわからず、こくこくとうなずいた。

「じゃあ、口でマッサージしますよ」

「いただきまあす」

 田中と山本は、しめしあわせて、一子ちゃんのオッパイに吸いついた。

「はうっ!」

 ぷりんぷりんの一子ちゃんのオッパイに、左右から中年男ふたりがむしゃぶりついている。

 乳首を舌でからめ、舐め上げ、さらに吸いあげる。

 かと思うと、掌で乳房をしぼりあげ、とんがった先端をテロテロと舌先で刺激する。

 性感エステのテクニックってやつか?

 一子ちゃんが激しく反応している。

「あっ! はっ、あっ! お、おっぱい……気持、いい……っ」

「お嬢さんのオッパイ、おいしいですよ?」

「そうそう……甘い味がしますよ」

 田中も山本も楽しんでいやがる。一子ちゃんの身体のあちこちをいじくり、味わいつつ、乳房をいたぶっている。

「一五歳にしては大きなオッパイですなあ」

「おれたちがもっと大きくしてあげますよ」

 ちゅううっ……ぢゅぽん、と音をたてて、一子ちゃんの胸を吸いあげる。かと思えば、乳首を甘噛みし、あわい歯形をつける。

「あううっ! んんっ! ひゃっ……だ、だめ……っ」

「いい反応ですな……ではこっちはどうかな?」

 佐藤が一子ちゃんの内股を揉みあげ、ついに終点にたどりつく。

 無防備なワレメ。その部分に佐藤が指がオイルを塗り込んでゆく。

「ひぅっ!」

 一子ちゃんが腰を上下させるる

「そ……そんなとこまで……さ、さわるんですか?」

 涙声になっている一子ちゃん。嫌悪というよりは、性感帯を責められすぎたためだろう。

「もちろんですとも。当ホテルのエステは、女性を芯から美しくするのがモットーですからね」

 言いつつ、ワレメを指先でやわやわとくすぐる。

「はあ……」

 佐藤は一子ちゃんの身体から力がぬけるのを確認して、ニタニタと笑う。

「さすがは特製の催淫ローション……処女でも淫婦に早変わりだ」

 そして、おもむろに、陰核を覆った包皮に指先をかけて――

 ぬくっ。

「あふっ!?」

 その部分を露出させられて、一子ちゃんが声をあげた。

 男たちの視線がその部分に集まる。

 女の子のオチンチン――クリトリスだ。

「大きくなってる――立派なもんだ」

 感心したように佐藤は言い、おもむろにその部分を刺激し始めた。

「くああっ! ひゃあああっ!」

 今までは比べものにならない一子ちゃんの声。むき出しのクリトリスをいたぶられて、激しい快感にもてあそばれている。

「はちきんればかりに充血してるじゃないか、ああ?」

 笑いながら、佐藤は一子ちゃんのクリットをつまんではこすりたてる。

「うぃぃっ! ひゃああっ!」

 身もだえする一子ちゃん。左右から押さえつける田中と山本も、一子ちゃんの股間に空いた手を伸ばして、いじくりたおす。

 ちゅむっ。

 勃起したクリトリスを吸いたてる佐藤。くそう……っ!

「あっ……はっ……あっ……あ……それ……すっ……すごいですぅ」

 エステだと信じ込んでいる一子ちゃんは素直に快感を受け入れている。声が裏返っている。 

「どうです? わがホテルのクリトリスエステは?」

 ねーだろ、そんなもん!

「と、とっても……気持いい……です」

 一子ちゃんは依然として、これがエステのコースだと思いこんでいるらしい。

「そろそろ、具もいただくかな?」

 クリトリスを舌先で刺激しつつ、佐藤が一子ちゃんのワレメを広げていく。

 ピンク色の粘膜があらわになり、閉じこめられていた愛液がぴゅるっとしずくをしたたらせる。

「おお……きれいなまんこだ」

 その筋の男たちにしても、一子ちゃんのアソコは賞賛に値するらしい。まあ、有閑マダム相手のコイツらからすれば、一子ちゃんのようなスレてない少女はめったにない獲物だろうしな。

「これ……処女膜か? ひさびさだな、こんなにきれいに膜が残っているの」

 一子ちゃんの膣口を広げて、内部を鑑賞していやがる。

 肉の穴の入口から少し入ったところに、膜がある。もっとも、真ん中には穴が空いていて、月経の時はそこから月のものが出る。逆に、指とか入れることも可能だ。もっとも、ペニスのような太いものは通らないから、ビリッ、といく。これが初体験の時の出血だ。ただ、この処女膜、人によって厚さや柔軟性も様々だから、セックスしても破れない場合もあるらい。女体の神秘バンザイ。

 そんなことはどうでもいいが、一子ちゃんのその部分はおれのものだ。こら、汚い指で触るんじゃない。

 だが、生き霊の悲しさ、ぶんなぐってもスカるだけ。

 そうこうするうちに、男たちの責めが一気に一子ちゃんの性器に集中していく。

「まんこの穴に指入れちゃおっと」

「じゃあ、おれはおしりのアナ――こっちもピンクか」

「おれは尿道口舐めてやるぜ」

 まったく、なんて役割分担だ。全員うらやましいじゃねーか。

 一子ちゃんの下半身の三つの穴が、同時にいたぶられる。

 田中の指は膣をかきまぜ、肛門は山本がほじくり、尿道口には佐藤の舌がはりつき、舐めまわしている。

「あっ……や……あああっ! そ、そこ……っ、ぜんぶ、だめです……ッ!」

 一子ちゃんはもがくが、寝台に縛り付けられ、さらには男三人に押さえつけられている。

「ああっ! エステ……すごすぎます……っ!」

「スペシャルコースですからねえ」

 田中は指の動きを早めていく。山本、佐藤も、責めのピッチを上げていく。

 一子ちゃんは限界だ。

 全身に汗をかき、上気させ、あえぎくねり、うねりながら、絶頂に向かっていく。

 そして――

「はあああっ! 気持いい、気持いいですぅ……ッ! はうあッ……!」

 一子ちゃんは腰を激しく振りたくり、愛液を飛び散らせた。

 処女なのに、性感エステで絶頂を迎えさせられてしまったのだ。

「あぅ……っ! はっ……はあ……はああ……」

 ヒクヒクしつつ、一子ちゃんは半失神状態――

 

「ふっ、イッちまったぜ」

「ちょろいもんだな」

「じゃあ、そろそろおれたちも気持よくなるコトしようぜ」

 男たちは言い、服を脱ぎすてる。

 三本のペニスが邪悪に屹立し、息もたえだえな一子ちゃんを完全包囲した。

つづく