◇「美耶子のガマンしている顔をもうしばらく見る」を選択
「うっ、くくうっ」
美耶子がうめいている。
さっきからけっこうお腹の音が激しい感じだ。
本人はトイレに行きたくてしょうがないようだが、保護者代理の権限で、おれが引き止めているのだ。てゆうか、身体をつかんで離さないだけなんだが。
「ね、ね、遊一、もういいよね? もういいでしょ?」
「だめだ、まだまだ、こんなモンじゃない」
おれは断言した。
「だって、もう、出ちゃう、出ちゃうよお」
美耶子が身体をうごめかす。幼いヒップが緊張しているのがわかる。はりつめた下腹部は、年齢が低くても、やっぱり美しい。
「お願い、おねがあい、ゆういちっ、トイレに行かせてよおっ」
「ほほう、お願いが出たか。美耶子はしかし、いつも口だけだからな」
「そんなことないよお、遊一ぃ、遊一お兄ちゃん」
「こんなときだけお兄ちゃんと言いやがって。まったく、口ばっか――口ばっかか」
おれは、美耶子の半開きの唇を見た。さっきからせわしなく息をしている。ピンクの舌が少しのぞいた。
「なんでもいうこと、きくからあ……おねがいい」
ほーう、そうか。