おれ、小鳥遊一。ちなみに、ことり・ゆういち、という。たかなし・はじめ、じゃないよ。念のため。
宇多方家は都内にけっこうな邸宅を構える旧家だが、とうに没落しまくっている。当主はすでに亡く、広い屋敷には、十五歳を頭にした五姉妹が寄り添って暮している。その女の子の園に大学一年、ヤリたいさかりのおれが下宿することになったのだから、さあ大変!
てなわけで、宇多方家に下宿することになったおれだが、家族の面々の反応は様々だった。
次女の気恵はあからさまに不快感を示した。おれを紹介する一子ちゃんに対して、「本気で赤の他人を住まわせる気かよ?」とキレさえもした。ショートカットでボーイッシュな感じのする女の子だが、性格も男っぽいらしい。以来、おれには口ひとつきかない日々が続いている。中三になりたての十四歳。
三女の苑子は恥ずかしがり屋らしく、一子ちゃんの影に隠れて、なかなか出てこなかった。だが、おれをちらちら見ては顔を赤らめた。苑子とは赤ん坊のとき以来だから、向こうは覚えていないだろうが、それでも一子ちゃんから聞くなどして、おれのことは知っていたらしい。ちょっとふっくらした小学六年生。
四女と五女は双子だ。便宜上、四女を美耶子、五女は珠子、としよう。姉妹だから似ているところもあるが、そっくりというわけではない。二卵性なのだろう。
珠子はお人形のように整った容貌を持つ美少女だ。だが、いるかいないかわからないほど目立たず、めったにしゃべることもない。さらにいえば、霊感が強いらしく、よく不思議な言動をとる。謎多き小学四年生。
それに対照的に美耶子はガチャガチャした性格で、やたらと元気だ。おれにもすぐになじんだ。おとな顔負けの皮肉屋で、いつもおれをからかって楽しんでいる。だいたい、十近く歳がちがうのに、おれのことを「遊一」と呼び捨てにしやがるもんな。ネコのような大きなツリ目が特徴で、珠子と同じく小学四年生。
そんな生意気な美耶子が真っ青な顔をして、おれの部屋にやってきたところから、お話は始まる。
「いったい、どうしたんだ?」
「……おなか痛い」
日曜の昼下がり、おれは部屋で惰眠をむさぼっていた。そこにやってきた美耶子が腹痛を訴えてきたわけだ。
「どうした? なんか悪いモンでも食ったのか?」
「し……しらないよ……」
お腹を押さえながら、美耶子が涙目で言う。まあ、そんなわけはないよな。おれも同じものを食ってるんだし。
「い、一子おねーちゃん、は……?」
母親がわりの一子ちゃんを探しているようだ。だが、あいにく一子ちゃんは買い物中。まだしばらくは帰ってこないだろう。
気恵くんも部活の休日練習に参加していて留守。苑子は友達の家に遊びに行っている。珠子はいても役に立たないがまたヘンな霊について、どっかへふらふら外出してしまっている。
つまり、この家にはいまおれと美耶子しかいないわけだ。
「いたいよぉ……しんじゃうよぉ……」
美耶子がべそをかく。ふだんは生意気なだけに、こうしおらしくなると痛快でもあるが、かわいそうにもなってくる。
しょうがないな。
「ちょっと、ここに横になってろ」
さっきまでおれが寝ていた布団に、美耶子を寝かせた。
膝をまげて、美耶子は仰向けになる。脚を伸ばすと痛さが増すらしい。
「スカート脱がすぞ」
「え……やだ」
「でないと調べられないだろ?」
「……うん」
美耶子は脂汗を浮かべながらうなずいた。痛みのあまり、抗がう気力もないのだろう。
おれは美耶子のスカートを脱がせると、白いおなかを鑑賞する。ちょっとぽっこりしてるかも。
とうぜん、パンツはお子様用のコットン100%だ。
おれはロリコンじゃないので、パンツくらい見ても平気だ! へ……へ、平気だもんね。
美耶子のすべすべのお腹に手をあてて、おれは聞く。
「痛いのは、どこだ? このへんか?」
盲腸炎だったら、右下腹が痛むはずだ。だが、違うようだ。それに、盲腸炎だったら、高熱を出すから、そうとわかるはずだ。
「じゃあ、ここか?」
ちょっと上をさわる。そこも違うようだ。
「うーん、じゃ、もっと下かな」
パンツの上から下腹を撫でる。
「う……っ」
お、このへんか?
さらに下を調べてみる。
柔らかいな、やっぱり――女の子だ。
おれは美耶子のおまたに指を這わせた。
小学生のおまたをパンツごしに触るなんて、さすがのおれとしても初めての経験だから、ちょっぴりだけど興奮する。
ちょっと趣旨がかわっているような気もするが、これはこれで治療行為だ。
「そこ……ちが……ぅよぉ……」
「だが、ここ、割れてるぞ? だから痛いんじゃないか?」
ワレメのあたりを指でぐりぐり……
「い……いたいのは、そこじゃないよぉ……ゆういちのバカァ」
美耶子が痛みに顔をゆがめながら抗議する。ごめんごめん。
ちょっと反省して、まじめに調べることにする。
どうやら痛いのは、左の下腹あたりらしい。盲腸炎ではないな。と、なると……だ。
「美耶子、おまえ、朝、ちゃんとトイレ行ったか?」
「え……行った……よ」
「大きいの、したか?」
「え……」
「ウンチ出たのか?」
美耶子は顔をしかめた。
「……してない」
「昨日は?」
「でなかった……」
なるほど、わかった。
「フンづまりだ」
「う、うそだぁ!」
美耶子が痛みも忘れて否定の声をあげる。
「子供のころはけっこうあるんだよな。便秘で腹痛を起こすっての」
おれも覚えがあるし。子供ってのは、たかだかフンづまりで、えらいパニックになりやがるもんだ。
「浣腸すれば、イッパツだ」
「えっ、ええ!?」
美耶子の大きな目が丸くなる。
おれは居間から常備薬の箱を持ってきた。中には、子供のいる家庭には必需の「イチヂク」も備わっている。
「さ、これで浣腸しろ」
イチヂクを渡されて、美耶子は呆然とする。
「で……できないよ、こわいよ」
本気で怖がっている。まあ、自分で自分に浣腸するってのは、子供にはムリかもな。でも、一子ちゃんはまだ帰ってきそうにないし、美耶子をこのまま放っておくわけにもいかない。
ここは、一肌ぬぐか。
「しょうがねえな……おれがやってやるよ」
ニヤニヤ。
「もっとおしりを高くして、ほら」
おれは美耶子を布団の上でよつんばいにさせた。その姿勢だと、よけいにお腹が痛いらしく、美耶子はうんうんうなっている。
「パンツずらして……自分でできるか?」
「いちこおねえちゃあん……」
一子の名を呼ぶが、彼女は買い物に出かけているのだ、留守なのだ。
「しょうがないなあ」
おれは美耶子のパンツに手をかけた。さすがにどきどきするが、でも、そんなことは言ってられない。
ずりずりと下げてやると、つるんとしたヒップがあらわれた。
かわいいおしりの穴が見える。苦痛のためか、きゅっとすぼめられている。
パンツをそれ以上さげたら、美耶子のアソコも全部見えてしまう。
なんというか、これってチャンスなんだろうか――?
脱がしちゃおうか?