まゆ、それから

薔薇色の涙


 ジェフリーはまゆの股間にまわると、まず、その入り口を指で確かめはじめた。

「あっ……ああ……」

 もう、まゆは悶えるだけだ。抵抗するどころではなかった。タクローに指でいたずらされてからは、もうなにがなんだかわからなくなっている。

「なんだ、もうベトベトじゃねえか。すけべな小学生もいたもんだぜ」

 指をねじりこみながら、ジェフリーは笑う。

「だが、おれのはでかいからなあ。裂けちまうかもな」

 ジェフリーは、まゆの足首をつかみ、左右に大きくひらかせた。無残にまゆの股間を外気にさらし、赤く充血した秘部の扉を指でこじあけていく。

「うううーっ、うっ」

 まゆは身をよじる。痛みはある。優しさのかけらもない指で一番敏感な部分をいじられているのだ。だが、その乱暴さに感じている部分もある――自覚はないが、そうなのだ。

「処女膜――なんてあるわけねえな。しっかし、最近のガキはなにを考えているのかねえ」

 嘆いたふりをしてジェフリーがため息をついて見せる。

「ジェフリー、早く入れちまえよ。おれもうガマンできねえぜ」

 タクローがいきり立ったペニスを握りしめながら要求の声をはなつ。一度射精したヒムロも同様に屹立している。

「わかった、わかった。いま入れるからよ」

 ジェフリーは巨根をまゆの膣の入り口――華のつぼみのように肉が合わさった部分に押し当てた。

 ゆっくりと先端を沈めていく。肉の合わせ目がひろがり、亀頭を覆ってゆく。

「う……あああ」

 太くて熱いものが自分の中に入ってくる。

「あっ……おおき……い」

「だろ? へへっ」

 ジェフリーは唇をゆがめて笑いながら、男根を埋めこみ続ける。

 めりめり、と音がしそうな入り方だった。

 だが、まゆはそれに対して、

「うあっ、あああっ、いいっ!」

 ただ、快楽の声をはなつだけだった。

 じっさいに、膣にジェフリーのものが埋まった瞬間、ものすごい充足感があったのだ。

 粘膜が、この刺激を欲していたのだ、とおもった。

 指ではやはりだめなのだ。男のペニスの凹凸と適度な硬度と、その体温がなければ物足りないのだ。

 良明に対する罪悪感が一瞬胸にきざしたが、ジェフリーが腰を動かしはじめると同時に、その感情もうせた。

 ぎゅぽ、ぎゅっぽ、という、密着感のあふれる音とともに、ジェフリーのペニスがまゆの中を出入りする。

 その光景に興奮したのか、タクローがまゆの口につっこんできた。

 あぶれたヒムロはたまらず自分でしごきはじめた。むろん、ジェフリーが終わったら、すぐにも挿入してくるだろう。

 ジェフリーに比べればはるかにおさないタクローのペニスをしゃぶりながら、まゆは強烈な快感に身をゆだねていた。

「むぶ……うはあ、ああっ、ああー」

 亀頭を舌先でつつきながら、睦声は切らさない。

「いひぃぃ、あはああん」

 抑圧していたものが噴出していた。

「なんちゅう小学生だ……すげえな」

 ジェフリーさえも驚きの声をもらす。タクローにいたっては、気持ちよさのあまり、白目をむいている。

「おっ、おれ、もおっ」

 まゆの口のなかに、タクローも漏らしてしまう。

 一滴のこらず飲みほし、尿道をさえまゆはすする。もう、無我夢中だ。

「おれも、そろそろ、だな」

 ジェフリーは顔をゆがませた。

「なかに、出すぜ」

 宣言して、ピストン運動のピッチをはやめる。

「あん! あん! ああん! あはっ……あ」

 まゆの意識も真っ白に灼けただれている。その意味するところも忘れて、射精をまちわびている。

 おさないおしりを懸命に振り、オスの子種を吸い取ろうとしている。

「うがっ」

「あああああっ! あーっ!」

 膣壁に、そして子宮の一部に、熱い粘液の噴出を感じて、まゆはアクメに達した。

 その一瞬に――良明の面影がひらめいて――溶けた。

 ――まゆに休む間はなかった。待ちわびていたヒムロがまゆに命じる。

「おい、まゆ、ケツをあげて、こっちにむけろ。バックからやってやるぜ」

 そして、まゆは、命じられたとおりにした。

 

 夜だった。

 まゆは家路をたどっていた。

 もうずいぶん遅い時間だが、それでもアパートには誰も待っていないだろう。まず、帰って、着替えて、それから銭湯へ行こう。

 身体にたまった少年たちの精液を洗い流したいし――あれから、三人の少年はそれぞれ三、四回は射精した――コインランドリーで、汚れた下着も洗いたい。

 こうなると、良明が夜遅いのはありがたかった。顔を見なくてもすむからだ。

(どうなっちゃうのかな……わたし)

 星など見えない夜空を見あげ、まゆはふと思った。

 ただひとつわかっていることは、遠くない未来に、ふたたびあの<ラビアン・ローズ>に行くだろう、ということだ。

 そのことだけは、確信があった。

 

これもひとつの終わり方