ジャリン戦記

Episode :ダンジョン・シーカー


Text&Illustration by April fool


絵とお話 うづきはじめ


プロローグ

 

 足下の反応がなくなった。

 重さがない世界とはこんなものなのかもしれない――そんなことを思ったりする暇は、じつはなかった。

 おれの身体は宙に浮いていた。

 浮遊の魔法を使うことができたら、そのまま昼寝でもできそうな姿勢だ。

 だが、重力ってやつは意地悪なもので、おれのことを猛烈な勢いで引き寄せやがる。

 ちっ。いくらおれがいい男だからって、そりゃあねえだろう。

 頭上にぽっかり穴があいていた。おれが踏み抜いた――つか、突然消失しやがった床があったあたりだ。

 その穴から、エミィの顔が見えた。穴の手前でつんのめりかけた、そんな姿勢でかたまっている。メガネのむこうのお目目は驚愕とおびえの感情に彩られている。

 エミィの側にいたシータと目が合う。

 無表情のままだ。視線だけがおれの落下に合わせて、つ、と動く。

 もうちょっとうろたえろよ、ったく。永久の別れになるかもしれないってのに。

 おれは舌打ちしながら、奈落の底に落ちていった。

 

 ドリーマー騒動の震源地であるアルセア地方を目指して、おれたちはゲドラフ山峡に踏み入っていた。深き森をぬけた、さらなる辺境地帯である。いちおう道はあるが、ほかに旅人の姿は皆無だ。人家もろくに見掛けず、モンスターだの獣人だのが出没しそうな雰囲気がムンムンだ。

 だが、大陸の最北端に位置し、陸の孤島と呼ばれているアルセア地方に至る陸路は、この一本しかないのだ。

「それにしてもエメロンのやつ、よくもこんなルートを通って、ベルカーンツまで行けたもんだ」

 旅の連れであるエメランディア・パスカルは、アルセア出身の17歳。ドリーマー誘拐事件の手がかりを探すためのこの旅の、いわば、道案内だ。同時に、おれの夜のおもちゃでもある。ついでにいえば、駆け出し魔道士であったりもする。ついこの間まで、ベルカーンツの魔道大学に単身留学していたのだが、不品行な私生活のために街にいられなくなってしまったのだ。ひらたくいえば、不純異性交遊、神聖な職場で男とエッチしまくりだったのがばれたのだ。

「しょれはいったい、だれのせいですかあ!」

 おれの独り言が耳に入ったのか、エメロンが耳まで赤くして苦情を言い立ててくる。緑の色のたっぷりとした長い髪が揺れる。メガネのレンズのむこうの目がうるんでいるのはいつものことだ。あー、うるせーうるせー、無視だ無視。

 おれは空を見あげた。山間部に入ったせいか、太陽がすでに尾根にかかりつつある。

「それにしても、陽が短くなったな。早く集落に辿りつけねーと、また野宿だぜ」

「手持ちの食料も底を尽きましたしね。路銀も」

 おれのななめ後ろから、冷静というか、突き放したというか、他人ごとっぽいというか、冷めた声が聞こえてくる。シータだ。

「この前泊まった村で、マスターが乱痴気騒ぎをしなければ、まだ保ったはずなのですが」

 澄みきった貴石のような碧い髪をさらさらとなびかせている。お高く澄ました表情はまだまだ稚ない。外見上は12かそこらの少女だが、その実は人工生命体・ホムンクルスである。特別に調合した精液から単性発生させた人造人間で、魔法攻撃に対する高い耐性と、強い魔導力を持っている。おれの忠実なしもべのはずなのだが、最近とみに批判的なのはいかがなものか。

「乱痴気騒ぎはないだろう。ちょっと村の娘さんたちと遊んだだけじゃねえか」

「嫁入り前の娘5人、若妻4人を巻き込んで、三日三晩酒池肉林の大騒ぎをやらかすのが、『ちょっと』とは思えませんが」

「うむ。小さい村にしちゃ、若い女が多くてよかったよな、あそこ」

 おれはうなずいた。田舎の女ってのも、なかなか土臭くていいもんだ。まあまあ可愛い女もいるしな。

「飲食代はもとより、女性たちの夫や親から請求された慰謝料がいったいいくらになったと思ってらっしゃるんです?」

「んなもん払ったのか? みんな、向こうからやってきたんだぞ。このおれさまに魅せられて、食い物や酒を持参して、抱かれにきたんだぜ?」

「その《邪掌》でちょっかいを出されたのでしょう? 正気にかえった女性たちが村の長老に泣きついて、それで、わたしたちは追い出されてしまったのではないですか」

 シータがおれの左手を一瞥した。おれの左手には女を一発で参らせる力があるのだ。いいだろう。けけ。

「だから、おれが提案したとおり、夜のうちに村に火をかけて逃げちまえばよかったんだ。なあ、アシャンティ」

「なのにゃ。あの晩は風が強かったから、風上から火をかけたら一発だったのにゃ」

 おれの言葉に首肯したのは小柄な少女だ。ふわふわの金髪から三角形の耳――いわゆる業界用語で言うところの《ネコミミ》――が飛び出している。猫獣人と人間の混血で、名前はアシャンティ、最近加わった旅の仲間だ。外見上は10歳程度のお子ちゃまだが、発育の早いネコ獣人の血を引いているだけあって、自身ではもういっぱしの大人のつもりでいるらしい。物騒な物言いをするのは、もともとが暗殺者(アサッシン)の訓練を受けていたためで、盗賊のスキルも持っている。

「ねこちゃん、だめですよ、そんなことしちゃ。め。」

 エメロンがお姉さんぶってアシャンティに注意するが、ネコ少女は「んにゃ?」と首を傾げるばかりで、道徳教育が成功しているようには思えない。

「ともかくも、路銀も食料もなくなってしまって、このままではアルセアにたどりつく前に、われわれは干上がってしまいます」

 シータが指摘するが、んなこたーわかってる。くそ。

「まったく――甲斐性のない男というのは情けないものだな、ウニ頭よ」

 クソ生意気な声が背中の方から聞こえてきた。キースリング・クラウゼヴィッツ――ギルド監察官を名乗る、いけすかない野郎だ。大ぶりな剣を腰から吊り、剣の鞘と対になった優美な細工の入った甲冑に身を固めている。

「るせー! ウニ頭いうな! だいたい、てめーこそ、なんでこんなところまでくっついてきやがるんだ、このストーカー野郎め!」

「ふん。下賎の輩と戯言をかわす趣味はないが、独り言と思って聞くがよい、ウニ頭。ギルド監察官として、魔導の力を悪しき目的のために使う者あらば取り締まらねばならぬ。アルセアには、以前より、悪しき魔導の結社があると聞く――それゆえにわたしは行くのだ」

 ふっ、と顔をあげ、使命に酔っているかのようにまぶたをおろす。まつげが異常に長い。まったくムカつくツラだ。

 頭に来たので、おれは相手が厭がることを言う作戦――略して、おまえのかーちゃんデベソ作戦を敢行することにした。ちっとも略していないが。

「へん。かっこつけたって、馬なしじゃあ締まらねえぜ、どーしたんだよ、自慢の葦毛は?」

「くっ」

 キースの顔色が変わった。しめしめ。もっと言ったれ。

「そんな甲冑つけてよう、てくてく歩いてるなんて、笑っちまうねえ。いつから騎士は馬なしでもオッケイになったんだ? 馬がいないんじゃあ、騎士ならぬ奇士だよなあ」

 うまい! 山田くん、座布団2枚あげて。歌丸さんからは3枚持ってって。

 円楽さんの声が聞こえてきそうだが、残念、この世界には笑点も漢字もないのだった。(太華<シャイフーン>文字っちゅう、似たやつはあるけどな)

「わたしが銀天号を好きで手放したと思うのか。あれほどよき旅の友はなかった。忠良にして柔順、さらには勇気に富み、疲れを知らぬ、まさに名馬のなかの名馬。ああ、銀天……銀天……」

 キースの声がくぐもる。痛恨の述懐というところか。

 と思いきや、ぐわば、キースが顔をあげる。憤怒の表情だ。

「それというのも全部おまえのせいだ、ウニ頭! 村オサの娘にまで手をだしおって! 怒り狂ったオサを鎮めるためとはいえ、なぜわたしの銀天を差しださなけりゃならんのだ!」

 うむ、そういえば。でも、あの娘、純情そうな顔して、男知ってたしな。それにしても、あの村長の切れっぷりはすごかった。シータたちも人質にされて危なかったもんな。その騒ぎをまるくおさめたのがキースの馬だったってわけだ。こんな辺境では、訓練された馬は一財産だからな。

「けっ、とかなんとかいって、おれの女たちに恩を売っといて、あとでヤッちまおうってんじゃねーのか?」

「ぶ、無礼なっ! わ、わたしが、そんな、ふ、不埒なッ」

 短気なキースが剣の柄に手をかける。ヤツがなにかというと抜きたがるのは魔法剣ヴュルガー。おれから言うのもなんだが、なかなかの力を秘めた剣のようだ。エセ騎士にはもったいないな。

 対抗上、おれも自分のカタナのコジリをあげた。カタナっつーんは、まー、じょーしきだと思うが、刃が上を向いた形で鞘におさまっている。これは一所作で斬撃するための工夫だ。抜かば斬る。それが侍の心ばえだ。問題はこのカタナのばーい、抜いちまうと、「にょほほ〜」とかゆいながら、羽根の生えた小悪魔が飛びだしてきてしまうことだ。くそう。

 ともかくもおれたちはにらみ合った。そこに割って入ったのがシータである。

「お取り込み中、申し訳ありませんが、そろそろ日が落ちます。落ち着きどころを探したほうがよいのではありませんか?」

「む。たしかに。さすがは、シータさん、よく気がつかれる。どこぞのウニ頭とはえらい違いだ」

 さっと闘気をひっこめて、キースがわざとらしく言う。

 ち、なんだよ、いい子ぶりやがって。

「あのう、あすこに、お寺みたいなのがあるんですけどお」

 エミィが木立の奥を指さした。夕闇に溶けこむようにして、石造りの古びた建物が見えた。なるほど、たしかに、打ち捨てられた寺のなれの果てらしい。

「ふむ。屋根があるんならそれに越したことはねーな。よし、今晩の宿はあそこにしよう」

 れっつらごー、と言いかけたときには、もうすでにみんな、寺に向かって歩きだしていた。しかも、キースのやつを囲むようにしてだ。ったく、むかつく。主役はおれだぞ!?

 

 その寺院は、どうやら神人の時代までさかのぼれるようだった。現在の技術ではとても造れないような見事な彫像――のかけら、とか、特殊な窯でしか溶かせない金属を精錬した細工物――のきれっぱし、などが散見される。どれも不完全なのは、盗掘者たちの洗礼をすでに受けたあとだからだ。あるいは、冒険者か。まあ、どっちにしてもさほど違いはない。

 いずれにせよ、その寺院は見捨てられてから数百年くらいは経っていることになるわけだが、神人時代の建造物がなべてそうであるように、この建物も驚くほど保存状態がよかった。ちょっと手を入れれば、またふつうに使えそうだ。

「わあああ、ひろいですねええええええ」

 無意味に声を反響させるエミィ。魔法の光を中空に浮かばせたので、室内は昼のように――とまではいかないが、ふつうに明るい。とはいえ、隅まで光が届かないほどの広大さだったりする。

「こんな辺境にまで、神人の遺跡があるとはな……いったい、どういう種族だったのだろう、神人とは……そして、天魔とは……」

 キースが感に堪えぬようにつぶやきつつ、ふらふらと歩いている。その側にはシータがいる。気に入らんな。

「ふわわ、湧き水がありますよう――あったかいですう」

 おれの側では、エミィがはしゃいでいる。石造りの祭壇――の残骸――のあたりから、ちょろちょろと水が湧き出しているのを見つけたのだ。おれもエミィにならって手で触れてみる。なるほどあたたかい。だが、せいぜいぬるま湯というところだ。

「それでも、身体を拭うくらいはできそうですよねえ……しばらくお風呂に入っていないから、さっぱりしたいですう」

 エミィが髪を払って、うなじを露出させる。天然ボケのくせにけっこう色っぺえじゃねーか。不快ではない程度の汗の匂いがただよってきて、おれさまの股間が反応する。汗にはフェロモンが含まれているてのは、ほんとうらしいな。

「へっへっへっ、エメロンちゃん……」

 おれはエミィに忍び寄り、背後から、がば、と抱きついた。

 柔らかい身体の感触とともに、17歳の体臭を胸一杯に吸い込む。食べ頃のチーズを少しだけ想起させる、クリーミィな香りだ。

「あっ……だめですう、こんなところで……それに、身体洗ってないですしぃ」

 エミィが身体をくねらせる。けっして厭がってないところがさすがだ。

 考えてみれば、エミィの処女を破ってからまだひと月足らずだってのに――そうなの! この世界ではそういう時間経過なの!――こいつの身体の出来上がりようったら、ないよな。

 感じやすくて濡れっぷりも抜群、さらには苛めてもOK。いい声で鳴いてくれる。身体も柔らかいから、少々無茶な体位でもこなすし、むろん、アソコの具合もバッチリだ。おしりでもイケるし、フェラも上達した。このあいだなんざ、耳の穴をなめながら、いやらしい言葉を囁いただけで昇天してしまった。

 スカトロとかはまだ試してないが、こいつならやるね! あっちの世界にまで突き抜けちまうだろうな。

 まあ、それはともかく。

 おれは、エミィが着けている「いかにも魔道士っぽいローブ」の合わせ目に手を突っ込んだ。ローブの下は司書の制服だったという紺のジャケットとロングスカートだ。動きにくそーだったので、先日スリットを入れてやった。そのおかげで楽々ふとももをなでなでできる。まあ、スカートを裂いたとき、エミィがなかなか泣きやまなかったのには困ったが。「初めてのお給料で買ったいっちょうらがだいなしですぅ」とかゆって。

 その後、さんざん突っ込んで、黙らせてやったがな。

 などと回想しつつ、おれの指はエメロンのふとももを這いのぼり、汗でむわんとした領域に達する。

「あん……うふぅ……いけませんよう……もお……」

 エメロンが耳たぶまで赤くし、いやいやするように首を振る。

 下着ごしにでもわかる。もう潤いはじめてやがる。

 潤みの中心のやや上あたりを下着の上からポイントし、小刻みにこすってやる。柔らかい、ひたすら柔らかいその部分に、ほんのわずか、感触のちがう部位がある。

 そこを。

「やはあああん!」

 甘え声をあげたエミィの身体から力がぬける。おれが後ろから抱えてやっていなければ、その場に崩れ落ちていただろう。

 感じやすい身体だよなあ、うりうり。

「はくっ……くぅっ……」

 おれの指に合わせて身体をひくつかせるエミィ。そのローブをはだけ、脚を広げさせながら、耳元に囁いてやる。

「ほうら、ココ、せっかくだから洗ったらどうだ?」

「え? なんですかあ……?」

 とろんとした目でおれを見上げている。次の瞬間、その表情がいまさらながらの羞恥に彩られる。屈んだおれのひざの上に座らされ、大股開きを強いられていることに気づいたからだ。

「ジャ、ジャリンさん、なにをぅ……」

「だーから、湧き水で洗ってやろうっていうのさ、おまえのアソコを」

「ひょええええ」

 とかなんとか叫びつつ、エミィが抵抗する。だが、むろん、そんなのは無視だ。おれはしたいことをするのだ。

 エミィの下着――旅暮らしの割に、いつもそこそこきれいなのを着けているのは感心だ――に手をかけて、ずりっと引き下ろす。

「ふええええ」

 情けない声をあげるエミィ。スカートははいているものの、スリットが凶悪だから、事実上、下半身はすっぽんぽんだ。緑の陰毛が萌えている。

 さすがにこの部分は、まっしろ、というわけにはいかねーよなあ、なにしろ、一日歩き詰めだし。汗の蒸れた匂いが立ちのぼってくる。むろん、それだけではなく、若々しい雌の匂いが適度にブレンディングされている。おしっことか、おしりのほうの匂いとか、そんなエッセンスも混ざっているようだ。

 んー。たまらんな。

「さあ、エメロンちゃん、バッチィおまんこ洗いまちょうねぇ」

 ちょろちょろと湧き出ているぬるま湯に、エミィの股間を近づけていく。

「はうんっ……ちょっと冷たいですぅ」

 体温よりもちょっと低いくらいの温度だが、蒸れた部分には冷たく感じられたのだろうか。エミィが、きゅっ、とその部分を引き締めたのがわかる。

 かまわず、おれはエミィのその部分を開いて、湧き水がよく当たるようにする。

「あ……ああ……へんですぅ……ちょろちょろと当たってるですぅ……」

「よぉく、揉み洗いしなくちゃなあ」

 けひひ、と笑いつつ、おれは指をくちゅくちゅと動かした。エミィのその部分はぽってりと充血して、指に吸いついてくるようだ。その感触を楽しみながら、粘膜を指の腹でこすってやる。

「はああっ、そこ……すご……ぃ……んふぅぅ」

 エミィのその部分がヒクヒクしはじめる。おうおう、穴がおれの指をくわえこんだぞ。こいつのまんこはキツキツのくせにぬるぬるで、気持ちいいんだよなぁ……

「あっ! ジャリン、ずるいのにゃ! メガネちゃんにエコひいきしてるのにゃ!」

 祭壇近くを嗅ぎ回っていたアシャンティがこちらに気づいて、駆け寄ってきた。

「ちょーどいい、ネコ。おれの両手はこのとーり塞がってるもんでな、チンポをしゃぶってくれ」

「りょーかい、にゃ!」

 ネコまっしぐら、と言うべきか、アシャンティは喜びいさんでおれの股間に顔を突っ込んでくる。おれの膝の上に乗っているエメロンのケツを顔で押しのけんばかりの勢いだ。

「ジャリンのチンポ、ジャリンのチンポ」

 歌うなよ。

 ネコミミをピクピクさせながら、アシャンティがおれの股間のボタンを外す。口をつかって器用なもんだ。さすが半分ネコだな。

 ずるり……ビンッ!……ドーンッ!

 擬音でわかってもらえようが、おれのモノは大きい。とてもじゃないが、十歳児相当のアシャンティの口にはおさまりきれない。そのかわり、こいつには舌技がある。

 ざり

 うひゃあ。

 ざりざり

 ひゃあああっ。

 背筋の毛が立つってこういう感じだよな。

 アシャンティの舌には小さなトゲがびっしりと生えている。ネコ獣人ならではって感触で、これがたまらないのだ。

 ちろちろと、先の尖った仔猫の舌が動いて、亀頭のへりをなぞっていく。

 ここんとこの特訓の成果が出てきたな。ごほうびに、左掌をアシャンティのふわふわの髪に入れ、耳の付け根をなでてやる。

「にゃふ……ふにゃあ……」

 とろけそうな声を仔猫がたてる。身体がしなやかに動く。身につけているのは、丈の短いタンクトップに、短パンだから、そんなふうに身体をうねらせると、短パンがずれて、おしりの割れ目が覗く。

 左手を伸ばして短パンの中に指をすべらせ、おしりの割れ目をなでなでする。アシャンティの小柄な身体には、こんなふうに手が届いてしまうのだ。

「んにゃ……くすぐったいにゃ」

「舌をやすめんな」

「はいにゃ」

 従順なのは良いことだ。だれだ、ネコに芸を仕込むのは無理だと言ったやつは。こんなによく言うことをきくぜ。まあ、調教する側のテク次第ってことだがな。

 再び動きはじめた仔猫の舌の感触を尿道付近に感じつつ、おれは、つい、っと指を曲げて、アシャンティの肛門をいじくりはじめる。

「んふっ! にゃふっ……!」

 アシャンティが息をもらすが、おれの言いつけを思いだしたのか、舌は止めない。

 よしよし、いいぞ。そろそろ本来のサイズになってきたぜ。

「はにゃ……にゃ……おっきすぎて、おくちに入らないにゃ……」

 アシャンティが唇を茎に押しつけながら、声をはずませる。

 赤黒い見事な逸物がおれの股間から生えでている。われながら立派だなあ。うっとり。

「さあ、エメロン、外側だけじゃなく、奥のほうまで洗ってやるぜ」

 おれの膝の上でぐったりしているエミィを床に這いつくばらせながら、おれは囁く。尻をかかげさせ、スカートをめくりあげる。エミィのまあるいヒップが丸出しだ。

「にゃうっ! ずるいにゃ! ジャリンのを大きくしたのはアシャンティなのにゃ!」

 ネコミミが抗議するが、とりあえず肛門を指で抉って黙らせる。身体を痙攣させて、声も出ないようだ。ケダモンはケツを責めるに限る。

「ジャリンさぁん……こんなところで、だめですよぉ……キースさんもいるですのにぃ……」

 いかに広く、薄暗いとはいえ、仕切りがあるわけではない。キースが寺院の屋根や壁に気を取られていなければ、おれたちのしていることすぐに気がつくだろう。

 でも、べつにいーし。

 やつに見せつけてやるのも一興だ。むろん、当然、あったしまえだが、混ぜてはやらない。

「はうう……恥ずかしいですぅ……」

 いやがっているようで、決して逃げようとはしないエミィの尻におれはまたがった。

 ずりずりずり、と挿入する。

「あ……か……はぁ……」

 エミィのメガネがズルリとずれる。長いまつげに涙がたまっている。かまわず、おれは奥まで突き入れる。

「うくぅっ!」

 子宮を押し上げられて、エミィが苦しげにうめく。じりじりと亀頭を押しつけて、エミィの生殖器の一番奥の部位をさぐる。

「あ……つぃ……ですぅ……奥が……おなかが……」

 エミィの声がくぐもる。

 クリだけじゃなく、膣で、それどころか子宮でも感じるようになっているのだ。おれが鍛えてやったおかげだ。

 おれはエミィを突きまくってやる。エミィが自分の指を噛んでいる。声を抑えようとしているらしい。ムダ、ムダ、ムダぁ!

 さらに激しくバックから責めると、エミィの声質が変化していく。

「はあっ、あはぁっ! ジャリンさぁん……強すぎますぅ……あぁっ!」

「にゃふぅぅ……アシャンティもぉ」

 肛門縛りの術(おれが命名)から抜け出したアシャンティがおれの腰にしがみついてくる。もう、自分で短パンを脱いで、よれよれゆるゆるの白パンツも脱いでしまっている。細い脚の付け根は無毛のワレメである。

「アシャンティにチンポ入れて欲しいのにゃぁ……孕ませて欲しいのにゃあ」

 子供に、しかも半分ネコにそういうこと言われてもなあ。

 だが、アシャンティは本気らしく、ヒップをおれの方に向けると、自分でワレメを開いて誘惑してくる。ふだんはピッチリと閉じた桜色の陰唇が縦長の口を開いて、血の色をした内部の粘膜を晒している。その上には、排泄のための穴も見える。さっき、指でいじくったせいか、その部分も充血しているようだ。濃厚な雌のフェロモンが漂っている。

 猫獣人のメスはケツの穴の臭腺から、自分の発情した匂いを撒き散らすのだ。

 いいだろう。発情サイクルに入ってるんなら、ブチこんでやってもいい。いずれにしろ、今後、一緒に旅をしていくためには、アシャンティにも自分の道具を鍛えてもらわねえとな。

 おれはエミィの中からペニスを抜くと、そのまま、アシャンティの小さなおしりをわしづかみにした。おうおう、片手で両方のおしりの山をむにむにできてしまうぜぇ。こんなちっちゃなおしりにブチこんでいいのかぁ? 倫理的にどーよ!? みたいな。

 まあ、獣人ハーフには人間のルールは通用しない。それに、やつらの基準でいえば、二歳はもう大人だしな。

 どう考えても違法性はない、と確認したおれは、遠慮なくアシャンティの性器に侵入した。

「あにゃっ! にゃあ! うぐにゃあ……」

 やっぱり痛かったのか、アシャンティの声が引きつる。でも、おれ的には挿入を継続する。だって、気持ちいいし。

「ジャリンの……大きいにゃ……裂けてしまうのにゃ……」

「大丈夫だ。もう何回もしてるだろ」

「にゃ……うっ」

 ああ、三分の一も入らないぞ。まあ、獣少女のちっちゃなきんちゃく袋に亀頭が締めつけられて、かなり気持ちいいけどな。

「はあ……ネコちゃんのあそこに……ジャリンさんのが……」

 メガネがズレたままのエミィが声をふるわせる。

「残酷だけど……エッチな眺めですぅ……」

 前回、アシャンティを尋問していたおれを人非人扱いしたくせに……えらい違いだよな。

 エミィがアシャンティの身体をまさぐりはじめる。頬や耳に唇をつけ、タンクトップの下に差し入れた指を動かして、仔猫少女の乳頭をいじくる。

 キースに見られるかもしれないってことを、もう忘れてるよな、エミィのやつ。

 そういや、キースとシータの会話が聞こえてくる。反響した声がさまざまに混ざり合って、内容が聞き取りにくいが、奥の方の壁の造りについて議論しているようだ。学術的な用語が混ざるので、詳細は割愛するが。

 とりあえず、おれはアシャンティの膣のなかで小さなストロークのピストン運動をおこなった。

「ふっ、ふっ、ふっ……にゃあ……うにゃあ……」

 アシャンティも必死で耐えている。膣を締めようとしているようだ。

 だが、膣そのものが短いので、もうひとつ気持ちよさが募ってこないな。ピッチリとはりついてくる感じは悪くはないんだが、射精には至りそうにない。コイツは、まだまだココを鍛える必要があるよな。せめて子宮が使えるようにならんと、おれを満足させられんぜ。

 しょうがないから、せめてイカせてやろうと思って、肛門にずぶずぶと指を挿し入れる。

「はにゃあっ!」

 おほっ、声質があからさまに変わるなあ。続いて、奥を中指でツンツンしてやる。むろん、左手でだ。邪しまな波動を直腸の粘膜に送ってやる。

「あうっ! にゃふぅっ! 気持ちいいにゃ……」

 やっぱりケダモンは尻がいいみたいだな。さらに指を動かしてやると、鼻にかかった声で鳴きはじめる。

「るるるる……にゃふるるるるぅ! にゃああんっ!」

 仔猫が産毛を逆立てて、極まっていく。膣が絞られる。射精をせがむかのように、子供のおしりが痙攣する。

「出して……ジャリン、ほしいにゃ……子種がほしいにゃああっ!」

 仔猫がはしたなく叫びながら腰をふりたくる。

「だめー。また今度な」

 言いつつ、とどめをさしてやる。指とペニスのダブルピストンだ。

「にゃはっ! にゃあああ……なごおおおぉぉぉ……る」

 最後は舌を出したまま、絶息したようにぐったりとする。イッたらしい。

 ペニスを抜くと、白く泡立ったネコ少女の分泌物がこぼれ出してくる。まあ、次回は中出ししてやってもいいかな。でも、今回は――

「シータぁ……ごはんだよぉ!」

 おれは寺院の奥にむかって声をはりあげた。

 前に泊まった村では、村のお嬢さん、奥さんたちとお近づきになるために、精液を使い切っちまったからな。あと、エミィは底なしだし、ネコの調教もしなくちゃならないだわで、シータにはしばらく食事をさせていない。

 シータの食事っつーのは、おれのザーメンのことだ。精液起源のホムンクルスは、生誕してから最初に体内に受け入れた精液の持ち主に永遠の忠誠を誓うように身体ができあがっている。白き血の誓い、と呼ばれる、それがホムンクルスの掟なのだ。

 シータの白い顔がこちらを向いたのが、魔法の炎に照らされて、ちらりと見えた。

 だが、すぐにキースの方に向き直る。キースは、なにやら熱心に天井やら床やらを指差して熱弁をふるっている。あっ、シータの肩を抱いたぞ、てめえ。

「シータ! 早く来なさい! 言うこときかない子は、ごはん抜きにしますよ!」

 しっかし、シータのやつ、おれを無視して、キースの手を引っ張って移動しはじめたぞ。もっと奥に行く気のようだ。なんだなんだ、それは!

「ちっ、しょーがねーな」

「ジャリンさぁん……」

 気がつくと、メガネが目の前に迫っていた。

「切ないですぅ……」

 エミィだ。自分でローブを脱ぎ捨て、ジャケットもシャツもはだけて、おっぱいも丸出しにしている。大きな丸い乳房を自分でこねながら、うるんだ目で見あげている。

 そういや、こいつ、途中でほっぽったままだったな。

「ようし、エミィ、上に乗ってみな」

 おれは床に尻を落とし、エミィの好きにさせることにした。

 頬を染めながら、それでも躊躇することなく、エミィがおしりを乗せてくる。

 潤った性器でおれを包みこむ。

「おうっ!」

 思わず声が出てしまう。エミィのその部分は――なんだか――進化してるみたいだぜ。

「んふ……んん……ジャリンさぁん……」

 抱きついてくる。唇をおれの唇にあわせ、自分から舌を入れてくる。

 腰を前後にゆすっている。陰毛がこすれあって、気持ちいい。

 なんという心地よい重みだろう。柔らかくて、あたたかくて、絶妙の感触だ。未成熟なシータやアシャンティとはやはりちがう。女の妙味だ。

 やべえ、出そうだ。こんなに早く……かよ。

 おれは驚きつつも、エミィの尻の動きをサポートする。たがいにより強い快感を求めあうためにだ。

「うっ、出るっ」

「はあううぅ……ジャリンさぁん……待って……もう少し……はああああっ!」

 なんとか意地で射精をこらえ、一拍二拍と奥を突く。

「ぃぅ……っ、くぅっ……! ジャリンさぁぁぁぁん!」

 エミィがイッたのを確認する暇もなく、おれもすべてを解き放つ。

 びゅくっ! びゅびゅっ! びゅるぅぅぅっ!

 その時だ。

「きっさまああああ! なにをしておるかあああ! 神人の聖なる寺院でぇぇぇっ!」

 聞き慣れた怒声が背後からぶつかってくる。

 顔をそちらに向けて見ると、ヴュルガーを振りあげた騎士モドキが顔を真っ赤にして駆けてくる。その後ろに、シータが無表情で立っている。こころなしか肩をすぼめたようにも見えるが――気のせいだろう。

「ひょっ、ひょええ、キースさぁんっ!?」

 われに返ったエミィがあわてておれから離れ、なにを思ったか、祭壇の残骸のほうに向かった。

 むろん――途中でけつまずき、盛大にすっころぶ。おしり丸出し、中出し精液を逆流させながら、である。

 と、その際に祭壇のどこかを押したのだろうか――

 ごごごごごこご。

 ずごが。

 どしゃーん。

 いろいろな動作音がいっぺんに始まって、同時に終わった。

 その時には、もうもうたる土埃とともに、祭壇の下にぽっかりと穴が開いていた。

 どうやら地下迷宮への入口らしい。

 やれやれ。どうやら冒険の始まりのようだな。

 

つづく〜