うたかたの天使たち 第四話(9a)


9.お口にどっかん!

 とにかく、このままではまずい。苑子はどうやらもう声をセーブできなくなってきているようだ。

 おれは片手でスウェットのズボンとトランクスをずらして、自分のものを露出させた。

(苑子、おれのも舐めてくれよ)

 位置関係からいって、苑子の顔の側に出現したはずだ。

 苑子が息をのむのが感じられた。

 まあ、暗くてよく見えないだろうが、ナニが眼前に現われたのか、理解できていないかもしれない。

(できるだろ? 口にくわえるくらい)

(……でも……)

(頼むよ)

(う、うん……)

 苑子は素直な、よく言うことをきく女の子なのだ。

 おれの息子に、苑子の手がふれてきた。ちょっと冷たい苑子の指の感触が心地いい。

 そして、苑子の息を亀頭に感じた。体温の接近、そして――

「おほっ」

 おれの方が声を出してしまったぜ。

 あったかくて、柔らかいものに、おれのペニスの先端が包まれた。

 苑子のお口だ。

(いいぞ、苑子。その調子で、唇でもむもむしてくれ)

 アバウトな指示だが、苑子にはそれで充分だったようだ――というより、いまの苑子に、舌を巧みに使えなどと指示してもしょうがない。

 たどたどしくも、懸命に、苑子が唇を動かす。

 もむもむ。もむもむ。

 ひょえっ、かなり気持ちいいぞ。ぎこちないけど、苑子がきまじめにおれのチンポをくわえていると思うと、それだけでもたまらなくなる。

 その感謝の意味もこめて、苑子の大事なところを念入りに舐めてやる。穴を舌でほじり、沁み出してきたものをすすり、そして、時折はクリトリスにも刺激を与えてやる。

 苑子の腹筋が激しく収縮している。太股のはさみつけも強い。だが、口はおれのものでふさがれているので、声は出ない。鼻息だけが切なく聞こえてくる。

(んふぅっ、ふう、ふっ、ふっ、ふっ……んんんんっ)

 おれは指を苑子の中に挿しいれてみた。

 ちっちゃな穴だ。

(んーっ!)

 苑子の鼻のうなりが激しくなる。

 指の腹にぴらぴらしたひっかかりを感じる。処女膜かもしれない。その奥はねっとりとして、指をしめつけてくる――すごく、熱い。

 奥を、さらにえぐる。

(ふむんっ、ふむっ、ふぐぅぅぅぅ)

 必死ささえ感じさせる苑子の唸り――その響きが、苑子の口蓋に伝わって、おれのペニスをも震わせる。ああ、くそう、たまらんぜ。

 ちゅぽん、音がして、苑子の口からペニスがぬける。おれはそのまましごきたてて射精したい欲求をこらえて、苑子の股間から離れた。かけふとんをかぶったまま、苑子の顔にまたがるようにする。

 懐中電灯の光に、苑子の顔が浮かびあがる。眼鏡がずれて、曇っている。涙と、そして鼻水も出ているようだ。頬が上気しまくっている。

(さ、苑子、もっぺん、しゃぶるんだ)

 おれは屹立しきったものを苑子の口に押しつけた。

 苑子はおとなしく口を開いて受け入れる。

 ぺちゃぺちゃ、音をたてながら、舐めはじめる。

(そうだ。うまいぞ……)

 おれは苑子のほっぺたを手ではさんで、もにもにとマッサージした。

(先っぽだけじゃなくて、棒のこっち側――裏っかわも舐めてくれよ)

 言葉で導きながら、実際にペニスの裏筋を苑子の唇に押しあてる。

 苑子の鼻が亀頭にあたって、気持ちいい。さらに、苑子の舌が動きはじめると、もう。

(うっ……)

 にじみはじめたのがわかる。

(おにいちゃん……これでいい?)

 苑子が舌の動きの合間に聞いてくる。懸命な目をしている。

(ああ。気持ちいいよ)

 おれは答え、射精が近いのを感じていた。

(苑子の口の中で、ビュッと出すよ)

(出す……って、なに?)

(精液さ。学校で習ったろ)

(せ……)

 苑子はそれ以上、言葉を続けられない。おれが、苑子の唇に剛直を押し込んだからだ。

(舌を、動かすんだ。まとわりつかせるように……うっ)

 おれは苑子の顔を両手ではさんで、上から腰を打ちつけた。

 苑子は必死でそれに耐えている。

 歯が少し当たるが、かえってそれさえ気持ちいい。

 かけふとんがずれていくが、もう気にしていられない。

 衣ずれ、息づかい、そして、性器と口腔粘膜の触れ合う音――くちゅくちゅ、かぽかぽと鳴っている。

 小学生の女の子の口に出すなんて、とんでもない罪だ。それがわかっていながら、止められない。

 睾丸が内側から融けそうだ。熱い塊が暴れながら、衝きあげてくる。

「出すぞっ、出るっ……!」

 おれは苑子の喉奥に自分自身を押しこんだ。苑子がじたばたと暴れている。苦痛を与えているのだ――ごめん、ごめんよ――でもっ!

 びしゅっ!

 自分自身が爆発したのを感じた。

 苑子の口のなかで、快感が炸裂していた。

 たっぷりと――射精していた。