ゼロの使い魔

ねこにゃんNIGHT!2

記録水晶のかけら

  

 マリコルヌは信じられない思いだった。

 目の前の光景に。

 桃色ブロンドの美少女が顔を真っ赤にして、自分でスカートをたくしあげている。

 白くて細い脚の、その付け根部分と下腹部を覆う小さな布があらわになっている。

 ようするに、パンティ丸見え、だ。

 スカートをたくしあげているのは、ここトリスティン魔法学院に通う子女でも家柄的にはかなりの高位に属するヴァリエール公爵家の令嬢、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。ましてや、トリスタニア王国の女王の親友で、王位継承権さえ授けられている。

 まあ、胸は残念だし、性格も決していいとはいえない。

 しかし、ロリ属性があれば200%陥落間違いなしの童顔の美少女ときている。

 だが、マリコルヌ自身の好みはさておいても、口説きたいとはハナから思わない。なにしろ、彼女は――

 マリコルヌの友人であり、かけがえのない戦友、シュヴァリエ・サイト・ヒラガの恋人なのだ。

 つまり、目の前で、友人の恋人が自らの意志でマリコルヌにパンツを見せてくれているわけで――

 頭が真っ白になりそうだ。

 ええと。

 どうしてこんなことになったのかな。

 マリコルヌは必死で思い出す。

 そうだ。あの記録水晶を拾って――

 ***

 その記録水晶は、ウンディーネ騎士隊の従軍用の天幕の中に紛れ込んでいた。

 遠征から戻って、倉庫に戻す際に梱包を解いたところ、ぽろぽろといくつかこぼれ落ちたのだ。

 ふつう、記録水晶はかなり大きなものだが、それらは、短時間用のごく小さなもので、そのため今まで発見されなかったらしい。

 とりあえず、拾ったものはポケットに入れておくことにしているマリコルヌは、それもポケットにおさめ、そのまま忘れてしまった。

 それから幾ばくかの時が過ぎ、その記録水晶を再生する気になったのは昨日のことだ。

 記録水晶というのは、魔法の力で、術者が見た光景、聞いた音を特殊な水晶に封じ込めたものだ。

 暗号をかけずに記録されたものは、水晶再生機で再現することができる。水晶再生機というのはガラスの板に映像を浮かばせる魔法仕掛けの道具で、トリステイン魔法学院の図書館には誰にでも使えるよう自習室に備え付けてある。

 難点は、撮影した本人以外が再生すると画質や音質は落ちてしまうことだがそれはしょうがない。

 まあ、ろくなものが映っているはずがないが、そのときのマリコルヌはいつものように学園の女生徒にデートの誘いをし、玉砕した直後だったので、ほかにやることもなかったのだ。

 人気のない図書館の自習室で、適当にえらんだ水晶球を再生機に放り込む。

 すると、おぼろに映像が浮かび上がった。

 映像は、前回の遠征のものだった。

 泥酔した一泊目の夜の様子だ。

 例によって、もてない男共が天幕にこもり、痛飲していた。

 でてくる話題は女の子のことばかり。童貞どもの性的妄想のぶつけあい。

 こんなものを記録してどうなるというのか。

 マリコルヌはうんざりして再生をやめようとした。

 と。

『にゃん、にゃん、ご主人様、大好きだにゃあん』

 甘い声とともに、肌もあらわな少女があらわれたではないか。

 それは――顔はおぼろでよく見えない。術者も泥酔しているから、はっきりとは映らないのだ。声も、雑音がひどくて、冒頭の一声以外、ほとんど聞きとれなかった。

 だが、女なのは、長い髪と、くびれた腰、わずかに張り出したヒップでわかる――いや微妙か。なにしろ肝心の胸がない。女装した少年かもしれない。

 その少女か、少年かは、天幕のなかで踊り始めた。おしりを突き出して、振りたくる。そいつも酔っ払っているらしく、へべれけな動きだ。

 酔漢たちはおもしろがってやんやの喝采だ。その中にはマリコルヌ自身の姿もある。

「なんだ、こりゃあ? こんな芸したやついたっけか?」

 マリコルヌは首をひねる。なにぶん、あの夜のことはろくに覚えていない。とにかくひどい二日酔いで、天幕のなかが精液の匂いでやたら臭かったことだけが嫌な思い出として残っている。泥酔して大センズリ大会にでもなったのか――

「けっこう、色っぽいな」

 踊り自体は拙いが、腰のなまめかしさはホンモノの女の子みたいだ。

 こんな芸を持っているやつが隊にいたなんて。この腰つきだったら、男でも、ことによったら一回お相手願いたいかも、とさえ思う、くらいにはマリコルヌは飢えている。

 マリコルヌは楽しくなってきて、べつのかけらを再生する。


 

 まんこ。

 いきなりドアップで映ったので、マリコルヌは噴いた。

 M字開脚しているらしい。

 まちがいなく女の子のアソコだ。

 くぱあ、している。

 無毛の、子供みたいに綺麗なまんこだ。ピンクの粘膜が広げられてすべてが丸見えだ。

 クリトリスや尿道孔、膣穴の奥の粘膜さえ見える。撮影者はかぶりつきだったのだろう。

 おれはいったいどういうことだ? あの天幕に、女の子がいた? しかも、アソコをみんなに見せているとか――

 マリコルヌは興奮しながら次の水晶球を再生する。

 豚のアップ。ブヒブヒいってる。

 一瞬で萎える。

 それはマリコルヌ自身の顔だった。

 映像の中のマリコルヌはなにやら、めちゃくちゃ興奮しているようだ。

 カメラが――いや、撮影者の視界がすこし広がる。

 マリコルヌは裸で、腰を前後にゆすっている。

 ピンクの長い髪が揺れている。

「あぁ!?」

 マリコルヌは口をあんぐりさせる。

 ピンク髪の少女が、マリコルヌのペニスをしゃぶっていた。

「こ、これって、ふぇ、フェラチオオオオ!?」

 少女は――少女だろう――胸は薄いが、ごくごくわずかに膨らんでいるし、それにさっきオマンコを見せていた子と同一人物なのは間違いない。

 愛しげにマリコルヌのペニスをしゃぶる少女の横顔――ま、まさか、いや、でもだって、あの遠征にはたしかについてきていた、し、しかし、そんなことが――

『あうっ、出る!――出すよ、ルイズ、飲んで!』

 映像のなかのマリコルヌがうめき、少女の口の中に射精する。

『んむっ! くぷっ!』

 苦しそうなその顔は、間違いなく――


 マリコルヌは汗まみれになりつつ次の水晶の球体を再生する。

 間違いなくルイズだ。

 同級生の美少女。大貴族ヴァリエール家の三女にして、王位継承権さえ持つ聖女。

 そのルイズの裸が映っている。何も身につけていない――ネコミミ以外は――

 小ぶりなオッパイ――小さいが、真っ白な肌にピンクの乳首が愛らしい。

 そのオッパイを背後からもみしだき、乳首をクリクリしているのはマリコルヌ自身だ。

 乳首を刺激されるたびに、ルイズの頬が赤らみ、気持ちよさげに表情を蕩けさせる。

 脚は広げたままで、オマンコもまる見えだ。映像がルイズの性器を大写しにする。この映像は、術をつかっている者の視界だから、つまり――

『あ、やあ……ん、そんなとこ……ペロペロしないでぇ……』

 ルイズの甘い声。赤く充血したルイズのオマンコ。肉の合わせ目が開き、クリトリスも、おしっこの穴も丸見え。

 そこを、赤い舌が這い回る。誰かが――この記録をしている男子生徒の誰かだろう――ルイズのマンコを嘗め回しているのだ。

『あーっ! ああああっ! だめぇ! サイトぉ、そこ、だめぇ!』

 ルイズの声が切迫する。

 視界がルイズの蕩け顔を映す。

 そのルイズの唇に舌を這わせるマリコルヌ。

 ルイズと舌をからませあう。

 イキ顔のルイズは、必死でマリコルヌのキスに応えようとしている。

 さらにルイズの性器のドアップになり、膣口まで舌にかき混ぜられる。

『んぅーっ! むぅーっ! むふっ! むふぅっ! みひぃいいいい!』

 口をふさがれているルイズの必死な声――そして、ルイズの性器がブルルッと震え、びしゃっと透明な液を噴き出す――

 そして、次の水晶球では――

 

 ペニスが、ヴァギナに突き刺さっている。

 深々と入り込み、出たり入ったりしている。

『いゃああああっ!』

 ルイズの声だ。だが、映像に顔は映らない。撮っているやつが、結合部分をガン見しているからだ。

『お、おおお! こ、これが、ルイズの……お、おまんこ!』

 これはマリコルヌの声。感動しているかのようにうわずっている。

『や、やだぁ! う、動かないでぇ……!』

 半泣きのルイズの声。映像は、広げられているルイズの性器。そこに出たり入ったりするペニス。

『は、初めてなのに……っ! あんっ! あああんっ!』

 ルイズとマリコルヌは座位で抱き合っているらしく、その、ルイズのおしりをマリコルヌが左右から抱えているので、結合部がバッチリ見える。

 幼女のそれのように小作りなルイズの膣は、初めて異性の性器を受け入れさせられ、その形に広げられていた。結合部位からは白濁し泡だったルイズの愛液がじゅぷじゅぷあふれ、さらには破瓜のしるしの赤いものさえ混じっていた。

 おしりの穴も広げられている。ピンクより濃い色の粘膜があらわになっている。排泄のための穴だというのにルイズのそこは美しいとしか言いようがなかった。美少女は肛門さえ美しいのだ。

 尻の穴の奥まで男どもに見られながら、初セックスをおこなう聖女ルイズの姿は、ある意味神々しくさえあった。

『ほ、ほんとは、サイトとっ……するはずだった……のにぃっ! ひぁッ! あぃッ!?』

 小ぶりな桃尻を上下させながら、ルイズはマリコルヌの上でのけぞった。

『ぼくだって、童貞を捨てる相手がルイズだなんて……』

 マリコルヌはルイズの肛門を指でいじくりながら、ペニスを膣奥にまで押し込む。おそらく子宮に届くまで。

『あああああっ! そ、そこっ! あ、あたってるのぉおお!』

 快楽に顔をゆがめる桃髪の美少女――

『あ、熱くて、きちゅきちゅで……最高だ!』

『やあああああんっ!』

 ルイズがしがみついてくる。マリコルヌのぷよぷよの身体に腕をまわし、腰をくいくいと動かす。


『ルイズのおまんこが、吸い込んでくるっ!』

『う、うそよ……! そんなこと、し、してないもん!』

 はぷっ、くちゅる……ちゅりっ……

 マリコルヌと恋人のようなディープキスをしながら、ルイズが否定する。

 だが、マリコルヌのペニスをルイズの膣がキュンキュン締めつけ、子宮口に亀頭を導いているのは事実だった。

『いやああ、当たってるのお! オチンチンがわたしのおまたの一番おくぅ……あ、あかちゃんのお部屋にコンコン!ってえええ!』

『すごい……すごすぎる……! ルイズのおまんこに吸い取られる……!』

 マリコルヌも快感に顔をゆがめている。

 本気汁をあふれさせながら、マリコルヌのペニスを吸い込むルイズの膣――とにかく、撮影者は一瞬たりとも結合部から目を離さない。

 マリコルヌの陰嚢がせりあがっていく。

 射精が近いのか。

『ああ、いく、いく、いくぅうう』

 マリコルヌの声。

 激しく出たり入ったりを繰り返すペニス。すっかりほぐれたルイズの性器は、ペニスを押し込まれるたびに変形し、悦びの音を奏でる。

『あ、あ、あたしもぉおお……い、いっちゃ……イッちゃう……っ!』

 ルイズの声が高まる。

 ビクビクッ! ルイズのヒップが痙攣し、アヌスがキュッキュッと口をすぼめる。

『あああああっ!』

 締め上げられたマリコルヌが声を上げながら絶頂に達する。

『出る! 出るっ! 出るうぅう!』

『だめっ! 中はだめっ! あかちゃんデキちゃ……ぅううううううっ!』

 マリコルヌがルイズのおしりをわしづかみ、引き寄せる。一番奥までペニスをねじりこみ、ルイズの子宮に亀頭を侵入させる。

『おおおうぅ!』

 ビュッ! ビュビュビュッ!

 大量の童貞精液がルイズの子宮内壁にぶっかけられる。

『あああ……だめって言ったのにィ……』

 涙目のルイズだが、声は蕩けている。

 結合部から、子宮に収まりきらなかった濃厚精液が、ぬぷぬぷ泡立ちながらあふれ出す。


***

 「な……なんだ、これは」

 映像を見終わったマリコルヌは呆然としていた。

 股間を思わず握りしめていた。先端からはカウパーがだだ漏れになっている。

 思わずオナニーをしていた。

 映像の中で自分が射精した瞬間、それがわかった。感触がよみがえった。ルイズの膣内の感触が。その温かさ、柔らかさ、湿りけに、重み、匂い、味などが、一気によみがえってきた。

 人生で最も気持ちよかった射精――その感覚が。

 ――と。

「明日の授業の資料って……なんで俺が手伝わなきゃいけないんだ?」

「あんた、自分の立場忘れたの? もともと、わたしの使い魔でしょ、つ、か、い、ま」

 廊下から男女の声が聞こえてくる。じゃれあうような感じだ。

 

つづく