「あ……あかね!?」
「な、なんで裸なんだ!?」
大介とヒロシが固まっている。なにしろ、目の前に、学園のアイドルといってもいい、天道あかねの全裸があるのだ。それも、体育用のマットに横たわって、膝を立てて、大事な部分を丸出しにしている。
「ら……乱馬が……ふたり……?」
あかねが目をぱちくりさせる。だが、周囲にただよう煙が鼻腔に吸い込まれると、また、瞳が蕩けてしまう。
「ああ……乱馬……いっぱい……見て……」
自分から膝を手にとって、左右に広げる。
「うわあ……」
「信じられねえ……」
二人の高校生は、同級生の女子の秘められた部分を凝視した。喉仏が上下する。
たちまちジャージの股間が三角錐を形作っていく。わかりやすい反応だ。
そこに、出遅れた五寸釘が飛び込んでくる。
「あ……あれ……じいさんは」
五寸釘は倉庫のなかを見まわした。八宝斉の姿を探しているようだ。だが、しなびた老人の姿は用具室のどこにもない。大介たちが入って来たので逃げてしまったのだろうか。
血相をかえて入ってきた五寸釘を大介とヒロシが振りかえった。
「おいおい、五寸釘、おまえ、どうやって、あかねとこんな関係になったんだよ?」
五寸釘があかねをたらしこんで、こんなポーズを取らせて撮影させていた――そう理解したのだろうか。
「え、あ、ぼくは……その……」
「おれたちにもおすそ分けしてくれよ」
「いいよな、五寸釘」
大介もヒロシも表情がかわっている。双眸がとろんとなっている。五寸釘は思わず鼻と口を掌でおおった。通気のよくない用具室には香の匂いが充満している。頭の奥が熱く、白くなっていく。愛しい女性のイメージが湧きあがってきて、身体が震えてくる。むろん、そのイメージは裸のあかねそのものだ。
「あ、あかねさ……」
五寸釘はよろよろとあかねに近づいた。目の前に一糸纏わぬ姿のあかねがいる。うるんだ目で五寸釘を見つめている。ああ。これが、あかねさんの――
「待てよ、おまえはもうさんざん楽しんだんだろ」
大介が五寸釘を突き飛ばした。
「今度はおれたちの番だ。おまえは撮影でもしてろよ」
ヒロシもあかねの側に陣取りながら言う。
あかねの乳房に掌をおく。
ぴくん、とあかねが反応する。
「うわあ、あかねの胸、あったけえ……それにふわふわだ」
むにむにと指を動かすたびに、白いふくらみが形をかえる。
「あ……乱馬……強くしたら、痛いよ」
「おれ、ヒロシだけど」
「そんなこと、わかってるわよ、乱馬」
あかねには声は聞えているようだが、意味は正しく伝わっていないようだ。どこかで変調されているのかもしれない。
「まあいいや。それにしても……すげえな」
目の色をかえながら、ヒロシはあかねの胸を弄ぶ。
「ほんとうだ。まさか、あかねのオッパイを触れるなんてな」
大介もあかねの乳房に触れて、こねはじめる。
「乳首が立ってるぜ。すげええ」
生身の女の肌に初めて触れる少年たちは、プリミティブな感想をもらした。その体験はさらなる好奇心をかきたて、次なる行動への動機づけになったようだ。
「乳首、吸ってみようぜ」
「ああ」
少年たちは示し合わせると、同時にしゃぶりつく。
「ああっ! 乱馬っ……」
あかねがあえぐ。左右の乳首を同時に吸われるという体験に衝撃を受けているらしい。
「す……すごい……っ! どうして……ああっ!」
自分の胸を美味しそうに吸っている同級生ふたりの顔を交互に見る。あかねにはそれが乱馬に見えているのだ。
「乱馬がふたりで……あたしのお乳吸ってる……」
ちゅう、ぢゅう、ぶぱっ!
音をたてて吸いあげられ、舌をからみつけられる。
あかねは左右の乳房から送られてくる刺激に陶然となっていた。疼きっぱなしの身体が、さらに飢えていく。
ありえないはずの体験――二人の乱馬による愛撫――それも、さっきまでいた、ちんちくりんな乱馬とはまた別の乱馬らしい――さらに、もう一人の貧相な乱馬がカメラを構えている。写真を撮っているらしい。
今度の二人の乱馬の愛撫は、最初の乱馬のそれより乱暴で不器用だ。だが、その分、欲望がストレートに伝わってくる。胸にキスマークが刻まれていく。口唇による愛撫の刻印だ。ピンクの乳首が唾液に濡れてラメっぽく光っている。自分でもびっくりするくらいに立ってしまっている。乱馬にしか見せられない、恥ずかしい身体の変化だ。
「あかねのオッパイ、最高だ」
「ああ、ずっと、服の上から想像してたからな」
「そう? 乱馬……そんなに……?」
二人の乱馬から送られる賞賛に、あかねの意識が喜びに満たされる。
「あかねのやつ、おれたちのことを乱馬だと思ってるんだな」
「みたいだな」
二人の乱馬がたがいの顔を見て、にやっと笑った。
当然じゃない――あかねは朦朧とした頭で思う。ふたりとも乱馬なんだから、乱馬に決まってる。
「じゃあ、続けようぜ」
「五寸釘、ちゃんと見張っててくれよ」
二人目の乱馬が、カメラを構えている三人目の乱馬に命じた。
あかねには、その人間関係のバランスがよくわからない。三人とも乱馬なのに、不思議だなと思う。
だが、その疑念も、二人がかりの愛撫が再開されるとどうでもよくなってしまう。
「あ……ああっ」
大事な部分に複数の指が接触するのを感じて、あかねは声をあげた。
「これが……女のアソコかよ……」
大介が興奮と感動の入り混ざった声を、食いしばった歯の間から漏らした。
「それも、あかねの……だぜ」
ヒロシも同様だ。荒い息をして、その部分を凝視している。
「柔らかいんだな……」
「ぬるぬるだぜ……ぬ、濡れてんのかよ」
かわるがわる指で触れては感想を口にする。たがいの勇気を試しあっているかのようだ。
「こ、この、出っぱってるのが……クリトリス、か……?」
ヒロシがおそるおそる、突起に指を触れさせる。
「あんっ!」
あかねが鋭く反応する。その激しさに、ヒロシは指を引っ込めた。
「すげえな。感じてるぜ、あかねのやつ」
大介が唾を飲み込みながらうなずく。
「もっと、触ってみようぜ」
「ああ」
興奮が衝きあげてきたらしく、ヒロシと大介は指をむちゃくちゃに動かしはじめる。
「あっ、乱馬、痛いよ……もっと、優しく……」
あかねが悲鳴をあげるが、タガが外れた男子高校生たちの好奇心はとめられない。
指をあかねの中に先に入れたのはヒロシだった。
「いたっ」
角度がよくなかったのだろう、あかねが身をよじった。
「すげえ、熱いぜ、あかねの中」
泣きそうな声をあげる。
「おれにも!」
大介が無理に指を入れる。あわせて二本だ。
「ひぃぃっ!」
明らかに激痛にさいなまれているらしいあかねの声。
さすがにヒロシも大介もまずいと思ったらしい。指をぬいた。
「いまの反応って、あれ……だよな」
「ああ、たぶん……」
処女、という言葉が恥ずかしくて言えない――そんな純情さとは裏腹に、少年たちは、あかねの恥部の探索をさらに続けることになんの逡巡も見せない。
両側からあかねの太股をかかえて、大きく大きく広げさせると、その中心部をさらに左右に広げた。
ピンクの唇が左右に引っ張られて、粘膜でできたひし形の部位が露出する。その入口のやや奥まった部位に、少し白みがかった膜が息づいている。
「これって……これが……」
「ああ……たぶん……」
処女膜――なのだろう。
「やだ……乱馬……恥ずかしい……っ」
さすがにあかねが身悶えする。だが、二人がかりで押さえられ、その部分を隠すこともままならない。
あかねが動くたびに、薔薇のつぼみのような入口の部分がひくひくと動く。
少年たちの指がそこに入る。
入口でこねるようにすると、透明な液体がもりあがり、表面張力の敗北とともにこぼれ出してくる。
それを五寸釘が接写している。あかねの顔と性器がひとつのフレームにおさまるようにしているのか、距離をいろいろに変えながら、続けざまにシャッターを押している。
「五寸釘、あとで焼き増しな」
「あ、おれもおれも」
ヒロシと大介は軽口を叩きながら、あかねの性器をさまざまにいじくる。どう触れれば、あかねがどう反応するかを確かめているようだ。
「あっ……ひっ……くぅぅ……」
あかねはマットの上で腰をくねらせている。充血しきった性器からは、やや濁った分泌物があふれ出し、おしりの谷間をつたって、マットにしみをつくる。
「すげー出てる」
「どんな味だろうな?」
好奇心がそのまま行動にむすびつく。そういう年頃だ。大介とヒロシはかわるがわるあかねのその部分に口をつけた。
むちゅ、くちゅ、ぷちゅ……
舌でねぶり、あかねの愛液を味わう。
粘膜と粘膜が触れあい、唾液と愛液が音をたててまざりあう。
「あっ、ああん……乱馬ぁ……気持ちいいよぉ……」
あかねが甘い声をあげる。大介とヒロシの舌に股間をいたぶられつつ、鼻を鳴らす。
「すげえ……」
「これがあかねの味かよ」
発情した少女のエキスで口のまわりをベトベトにした少年たちは、一気に興奮の極みに達する。
「も、もう、がまんできねえ」
「おれも」
大介とヒロシはそれぞれジャージと短パンを脱ぎ捨て、下着も取り去った。
露出したペニスは鋭い角度で天を衝いている。真っ赤な亀頭が先走りの液体に濡れて、てらてら光っている。大介の方が茎は長いが仮性包茎だ。亀頭がより発達しているのはヒロシの方だ。
二人はたがいに睨みあった。
「おれが先だ」
「いや、おれだ」
攻撃的な空気がながれる。
「ぼくは……?」
カメラを手に、五寸釘はつぶやいた。
「おまえは撮影役!」
二人の声がハモった。
「う……うそだろ?」
乱馬はうめいた。
夢のような――かつて想像さえしたことのない光景が目の前で繰りひろげられていた。
天道かすみとなびきの姉妹が顔をならべて乱馬のペニスをしゃぶっている。
竿を口に含んでいるのはなびきだ。浴室の床に横たわった乱馬を妖しく見つめながら、亀頭に舌をからめてくる。
かすみは乱馬の陰嚢をたんねんに舐めている。まるで子猫の尻をきれいにしてやる母猫のような優しい舌の動きだ。
「気持ちいいでしょ? 乱馬くん」
いったん竿から口を外し、からかうようになびきが言った。
「い、いい加減にしろよ、なびき……」
「そんな強がり言ってもだーめ。ココがこんなになってるのに、な・ま・い・き」
なびきが指で、充血し笠のように開いた乱馬の亀頭を弾く。思わず乱馬は声をもらす。
「だめよ、なびき、男の子のその部分は敏感なんだから、優しくしてあげないと」
かすみが言いつつ、亀頭を撫で、唇をつける。ちろちろと舌先で鈴口をくすぐる。
「か……かすみさん……」
たまらない心地よさに乱馬は声を震わせる。
「もう。かすみお姉ちゃんはさっきたっぷりしたじゃない。今はあたしの番よ」
かすみを押しのけるようにして、なびきが乱馬のペニスを奪う。かぶりつくような激しさで、奥まで吸いこむ。
「うあ……や、やめろ、なびき」
かすみの愛撫が春の陽射しだとすれば、なびきのそれは雪のつぶてを含んだ烈風だ。どちらか一方だけなら耐えられるかもしれないが、硬軟強弱、それぞれ個性的な責めがかわるがわる襲ってくるのでは、とてものことしのぎきれるものではない。
乱馬は全身に力をこめて、暴発的な射精をこらえる。
「まあ、乱馬くんのココ、石みたい」
かすみが乱馬の睾丸をいじる。
「へー、すごいすごい、あたしにも触らせて」
なびきが乱暴につまむ。痛い。
「なびきっ! いいかげんに……」
怒鳴ろうとした乱馬の目の前に、なびきの股間が迫ってくる。
乱馬の顔をまたぐように、長い脚を動かす。
「乱馬くん、あたしのも舐めてよ。いいでしょ?」
なびきが乱馬の睾丸をつまんだまま、命令口調で言う。拒否したら、タマを握りつぶされそうだ。
それに。
乱馬はなびきの女性器を凝視した。濃いように思えたなびきのヘアも、性器の部分にはほとんどかかっていなかった。幼女のそれのようにきれいな縦スジが目の前にある。
「どう? あたしのアソコ」
「ど……どうって……」
乱馬は返事に窮する。きれいだ、と思ったが、その言葉は口にできない。
「ちゃんと手入れしてるんだから。いつ乱馬くんとこんなことになってもいいように、ね」
「う、うそだろ」
「どうかしらねー」
悪戯をはじめる子供の表情でなびきは笑うと、ふたたび乱馬のペニスに唇をつける。情熱的な吸引だ。
「う……ああっ」
「乱馬くん、勝負しましょ。このまま乱馬くんをイかせたらあたしの勝ち。逆にあたしをイかせたら乱馬くんの勝ち。どう? 受けて立つ?」
「な、なんだと!?」
押し寄せてくる快感に抗いながら、乱馬はなびきのヒップを引きつける。勝負、の一言に武道家の血がたぎる。
真っ白なスジを押し開き、内部の深紅の粘膜を露出させる。
なびきの女の部分がはっきりと見えている。
包皮から粒をのぞかせた真珠のようなクリトリスに、膣口につながる未成熟な花びら。なびきの秘部があまさず乱馬の目の前にある。
その部分は、すでに濡れていた。興奮した、なびきの匂い。
「なびき……みてろ……」
乱馬は、なびきのワレメの内部に唇をおしあて、天道家の次女の性器に反撃を開始する。
「はふぅ……ん……乱馬くん、いいわ」
ペニスから口をはずし、なびきが声をあげる。
乱馬は、なびきの花びらをかきわけ、ヒダの内部に舌をもぐりこませる。
なびきの分泌するものが口に入る。いつもクールな天道なびきの性のジュースは驚くほどさらさらしていて、たまらなく美味だった。
「あ……ああ……乱馬くんが、舐めてるのね、あたしのアソコ……」
自分の言葉に興奮をつのらせたかのように、なびきが情熱的にヒップをくねらせる。乱馬の顔にこすりつけるかのような動き。
「こんな……こんな感じ……おもしろいわ。こんな感覚を味わえるなんて……」
なびきが顔を上気させて舌なめずりする。そのまま、乱馬の猛り立ったシンボルにキス。
乱馬も懸命に舌を動かす。半分はなびきを圧倒し、優位に立つため。もう半分は、なびきの放つフェロモンに衝き動かされて。
二人はおたがいの性器をむさぼりつづける。
「まあ……すごい……」
かすみが目を丸くするほどの激しい攻防戦だ。
だが、じょじょに戦況は一方に傾いていく。
なびきのあえぎ声が大きくなっていく。
「あっ……はぅ……う……そんな奥まで……かきまぜたら……っ」
乱馬のペニスを握りしめながら、なびきが目をぎゅっとつぶる。
強烈すぎる快感から逃げようとするなびきのヒップをがっちりと抱え込み、乱馬はあごを動かしつづけている。
「どうでぇ、なびき! 穴がヒクついてるぜ」
勝負ごとになってしまうと、どうしても勝ちたくなるのが乱馬の性分だ。なびきの愛液で顔をびしょびしょにしながらも、声を強くする。なびきがそれに切り返せないのに力を得て、さらに、攻撃箇所を変えていく。
指の腹でクリトリスを押さえ、コリコリとこすりつける。
「ああっ、乱馬くん……! そこ、だめっ……!」
「なびきのここ、すげー固くなってるぜ。そんなにいいのかよ?」
真紅の粒を剥き出しにしながら、乱馬は笑う。その部分に舌をはわせ、音をたてて吸いあげる。
「んくぅっ! そこ、溶けちゃう……溶けちゃうぅ……」
ハスキーな響きを秘めたなびきの声が、くぐもって、消え入りそうになる。
もう、乱馬の男根を責める余裕もなく、身体を震わせる。上体をそらし、形のよい乳房を揺らす。オーガズムに身を委ねている。
「まあ、なびきったら感じやすいのね。それとも、乱馬くんが上達したのかしら?」
かすみは感心したようにコメントをもらす。
なびきは荒い息をしながら、けだるそうに額にはりついた髪をかきわける。
「あたしの負けね、乱馬くん……」
「ど、どうで……え」
乱馬も大きく胸を上下させている。同時に、一度は射精寸前まで追い詰められた男根が充血したまま、ぶらり、ぶらり、揺れている。
「勝った乱馬くんにはごほうびをあげるわ」
なびきが身体の向きを百八十度かえて、乱馬に顔を向ける。
脚は開いたままだ。
「あたしのここに、入れさせてあげる」
愛液と乱馬の唾液でてらてら光る女性器を指で示す。
「な……じゃあ、おまえが勝ってたらどうするつもりだったんだ?」
「そりゃあ当然、乱馬くんのオチンチンをいただくつもりだったわよ」
「き、きたねえ……!」
「あら? でも、ココは、入れたい、入れたいって言ってるわよ?」
なびきが乱馬のペニスをつまむ。乱馬は否定できない。たしかに、もう、なびきに挿入しないではおさまりそうにない。
だが――いいのだろうか。かすみだけではなく、なびきとも――
「だいじょうぶよ、あかねには黙っといてあげる」
にやり、なびきが笑う。
乱馬の張り詰めた肉棒を自らのぬるみの中に誘い入れていく。
粘膜と粘膜が触れあい、棒状の器官が筒状の組織に潜りこんでいく。雌雄がおこなう繁殖のための行為――交尾だ。それを早乙女乱馬と天道なびきがおこないつつある。
「おっと……いけない、撮っとかなきゃ」
なびきが傍らに置いてあったビデオカメラを手に取る。
「せっかくの記念だもんね……んくっ……あ、いたっ!」
撮影しながら、なびきの表情がゆがむ。
二人が結合している箇所を映し出したビデオカメラの液晶画面に、鮮やかな赤の一筋がながれる。
乱馬は慌てた。
「お、おい、なびき……おまえ、まさか……!?」
苦痛をこらえているかのようななびきの表情が、小悪魔的にゆがんだ。
「どう、乱馬くん、高く売れそうでしょ? 早乙女乱馬、謎の女の処女を奪った決定的瞬間――」
「ば、ばかっ! 初めてなんだったら、どうしてこんな――」
「いいのよ、どうせ、いつか誰かとするんだし。それが今日で、乱馬くんが相手だったってこと。得したと思いなさい」
言いつつ、腰を引きぎみにする。
「やっぱり……痛いな……指とちがって。こんな感じなのか」
目尻に涙が光っている。
乱馬のなかで、激しい衝動がわきおこる。
たまらなくなって、腰を突きあげる。
「あっ、痛い!」
「なびき……もう、おれ……!」
なびきの太股を固定しつつ、下から腰を跳ねあげる。なびきを奥まで突きあげる。
「ひゃっ! 乱馬くんっ! そんなに……突いたら……っ!」
悲鳴じみた声をなびきがあげる。
「画面、ブレちゃうじゃないっ!」
「そ、そんなこと言ったって、止まんねーんだよ!」
もう下からでは物足りない。もっと密着したい。
乱馬は自分から動いて身体を入れ替える。
「なびきぃっ」
上からかぶさるようにして、なびきに挿入し直す。
ぐいぐいと奥までペニスを突き込んでゆく。
「あっ……んん」
組み敷かれたなびきが甘い声を出す。一瞬だが、たしかに表情が蕩けた。
が、すぐにいつものクールな表情にもどる。
「乱馬くん、今の、ちょっと男らしかったわよ」
「おめーも、ちょっと女っぽかったぜ」
「ナマ言ってんじゃないの」
にやっと笑って、カメラを構えなおす。乱馬の顔と、結合部分を交互に撮る。
さすがに乱馬はへきえきする。カメラを向けられながらでは、集中できない。
「ほら、どうしたの、乱馬くん。『ハメられ撮り』されながらだと、萎えちゃうの? それでも男の子? あたしは痛いのがまんしてるってのに」
なびきが挑発してくる。なにくそ、と乱馬の負けん気に火がつく。
「カメラの前で、イかせてやるぜ」
「いいわ。できるもんなら、やってみなさい」
「このこのこのっ!」
乱馬はなびきの太股を抱きかかえると、激しく腰を前後させた。なびきのそこは充分に潤っていて、初めてでも動きは滑らかだったが、かなりキツい。
なびきの方はといえば、まだ痛いのか、乱馬が動くたびに眉根を寄せているが、悲鳴は出さず、ビデオを回しつづけている。
乱馬もそれに負けまいと意地で腰を動かし続けた。だが、じきに夢中になっていく。なびきの内部の感触に魅了されていく。
「なびきの中……キュウキュウで……すげえ……」
かすみのそれとも違う感触だ。どちらがより良いということでもなく、それぞれの味があるのだとわかる。
なびきの表情も変化している。痛みとは別の感覚が押し寄せているのか、切なげに鼻を鳴らしはじめる。
「ん……んんう……乱馬くんのが……当たってる……奥に……」
なびきの子宮を乱馬のペニスが突いているのだ。ビデオカメラを抱きしめるようにして、なびきが荒い吐息をもらしつづける。
「痛いのに……痛いのが……なんか……よくて……あ……ああっ! あんんっ!」
「おれも……出ちまう……出ちまいそうだ……なびきの中で……やべえ!」
「ら、乱馬くん、いいから、出してっ! いっぱい……っ!」
なびきが絶叫する。
乱馬は激しくなびきの奥にこすりつける。反射的に収縮するなびきの膣壁に絞られて、射精のためのトリガーが引かれていく。
「で、るっ!」
乱馬がすべてを解き放とうとした瞬間――
「はーい、そこまで」
なびきが腰を引く。結合が外れる。
「えっ!?」
射精寸前の乱馬は茫然とする。
先程までの乱れっぷりは微塵も見せず、なびきが言う。
「さて、問題よ。いま、いったい何時でしょう?」
なびきがビデオカメラの液晶画面を示しながら質問する。画面には時計の表示がある。答えはそこに表示されている。
「あらまあ、たいへん! お洗濯を始めなきゃ!」
かすみも気がついて立ちあがる。
「乱馬くんもなびきも、早く学校へ行かないとだめよ。ちょっと遅刻しちゃうかもしれないけど、授業にはなんとか間に合うわ」
「そ……そんな……」
乱馬は爆発寸前の股間を見つめて、情けない声をもらす。
その耳元になびきがささやく。妖しくて、甘い吐息を吹きかける。
「続きは学校で、ね……?」