らんま1/2 新婚編?

第二章 いけない特別授業! お姉さんが教えてア・ゲ・ル……

 

「ときに、早乙女くん」

「なんだい、天道くん」

 天道家の朝である。縁側に並んで座った中年男ふたりの顔は揃って青あざだらけだ。

「昨夜はちょっとまずかったかねえ」

「あかねくんの鉄拳制裁は効いたねえ」

「……まったく、じゃ」

 縁側に転がっている包帯のかたまりがぴくぴくと動いた。それはどうやら八宝斉らしい。

「こんな年寄りにまで暴力をふるうとは……なげかわしいのう」

「お師匠さまの場合は自業自得です。あのあと、あかねの寝室に忍び込もうとしたでしょう」

「傷心のあかねちゃんを慰めようとしただけなのに〜」

 八宝斉はいじいじと縁側に「の」の字を書く。むろん、誰も同意しない。

「それにしても、このままでは、無差別格闘流の後継ぎが生まれるのは、いつになることやら……」

 早雲がため息をつく。

「なんとか二人を結びつける方法はないものか……」

「ううむ……」

 早雲と玄馬は腕組みをして唸りだす。

「無理じゃない?」

 茶の間にやってきたなびきが歯ブラシをくわえたまま指摘する。

「まず、乱馬くんが女のあしらいを学ばなくっちゃね。あんなにがっついたら、誰だって逃げるわよ」

「うむ、確かに」

 玄馬がうなる。

「乱馬のやつめ、あの分ではまだまだ経験が足りぬと見える。その点、わしらの若い頃は、さばけた年増がいて、若者の筆おろしをしてくれたものだがな」

「そんな都合のいい話、そうそう転がってないよ。だいたい、そんな女の人、このあたりにいたりする?」

 早雲が呆れたように言う。だが、玄馬は真剣に悩んでいる。

「むむう……。なんとか乱馬に女性のなんたるかを手ほどきしてくれる、年上の優しいひとがおらぬものか……」

 そこに穏やかな微笑みとともにやって来たのは、天道家の長女、かすみである。

「そろそろ朝ごはんの支度ができますよ」

 玄馬と早雲、そして、なびきの視線がかすみに集まった。

「年上の……」

「優しい……」

「おねーさん、だわね」

「え?」

 かすみは小首を傾げた。

 

「あー、腹へった」

 日課にしている朝のロードワークを終えて、乱馬が天道家にもどってきた。

「かすみさーん、朝メシまだ?」

 声をかけながら、台所をのぞく。そのとたん、頭から水が降ってくる。同時に、柔らかいものがのしかかってくる。

「わっ! わわっ!」

 女に変身したらんまは、倒れかかってきたものをなんとか受けとめる。エプロン姿のかすみだ。どうやら水差しを茶の間に運ぼうとしていたところだったらしい。

「ごめんなさい、乱馬くん、だいじょうぶだった?」

 かすみが身体をらんまに預けながらあやまる。かすみのバストを腕に感じて、らんまは少しあわてる。もっとも、水をかぶったらんまの身体も柔らかく変化している。

「い、いや、おれこそ、いきなりぶつかって……ごめん」

「いいのよ。それより、乱馬くん、びしょびしょね」

 水を浴びせかけられて、らんまはひどい姿になっている。

「お風呂がわいてるわ。ごはんの前に入ってきて」

「うん。そうする」

 登校時間までにはまだ間があるし、ロードワークで汗もかいている。らんまはうなずいた。

 

 脱衣所で、らんまはポンポンと服を脱いでいった。

 女に変身するようになってずいぶん経つ。最初のころは、自分の胸を見て動揺したものだが、今ではどうということもない。股間もそうだ。鏡をつかってしげしげ観察していたころが懐かしいくらいだ。

 そんなふうに、女の身体には慣れきってしまっているというのに、どうしてあかね相手だと動揺してしまうのか、自分でも理由がわからない。

 もともと、女にはうといほうだった。中学時代まで、女の子とつきあう、ということも特になかった。まあ、修行の旅の連続で、ひとつところに居着くことがほとんどなかったせいもあるのだが。

「ったく……考えてみりゃあ、妙な話だよな。修行には女は不要、なんつって、おふくろのところを飛びだしといて、おれには早く結婚しろっつーんだからな、うちの親父は」

 勝手なものだ、と思う。らんまはぶちぶちつぶやきながら、まずは冷水をかぶる。

「ちめて〜!」

 胸を震わせながら、らんまは水のしぶきを飛ばす。これで肌を引き締めておいて、湯につかると気持ちがいいのだ。

 さて、とばかりに浴槽のふちをまたごうとしたときだ。

 浴室の扉が開いた。

「乱馬くん、湯かげんはどお?」

 かすみの声だ。らんまは何の気なしに振りかえって、仰天する。

「かっ、か、かすみさん……なんで……っ!?」

「わたしも濡れちゃったから、一緒に入ろうと思って」

 そこには、いつもとかわらぬ穏やかな表情を浮かべつつ、一糸まとわぬ姿のかすみが立っていたのだった。

 

(な……なんで、こんなことになっちまったんだ)

 らんまは椅子の上でちぢこまっていた。

 背後にはかすみがいる。お湯を含ませたタオルで、らんまの背中を流している。お湯を全身にかけられると男にもどるらんまであるが、湯に浸かったタオルで身体の一部をぬぐわれるくらいであれば変身はしない。

「乱馬くんとお風呂に入るのは初めてね……あ、いまは、らんまちゃん、かしら」

 楽しそうにかすみがしゃべっている。強すぎず弱すぎず、絶妙の力かげんでらんまの背中をこすりながら、だ。身体が接近しているので、なにかの拍子に胸の先端がらんまの背中や腕に当たる。そのなんともいえぬ感触に、らんまは知らず上気した。

「乱馬くんもあかねちゃんと婚約したんだから、もう弟も同然ね。わたし、ほんとうに弟が欲しかったのよ」

 弟となら風呂に一緒に入ってもかまわない――という理屈なのだろうか。らんまはなんと答えていいやらわからず、困窮する。

「あかねちゃんを、よろしくね、乱馬くん」

「ああ……えっと……はぃ」

「女の子の身体はデリケートなんだから、昨夜みたいに乱暴にしたら、だめよ」

「はあ……」

 らんまは曖昧にうなずく。そのらんまの胸元に、石鹸の泡をまとったかすみの掌がのびてくる。

「ひゃっ! かすみさん!?」

 まさか肘打ちを入れるわけにもいかず、らんまはかすみの掌におさめられた自分の乳房を見下ろすしかない。優しくかすみの指が動きはじめる。

「胸を触るときは、こう……優しくね」

「かっ……かすみさん……なにを……」

 今まで感じたことのない刺激に戸惑いつつ、らんまはかすみの手から逃れようとする。だが、かすみが身体を密着させてきて、それもできなくなる。振り払うためには、暴力を振るわなくてはならないからだ。あかね相手ならばともかく、かすみが相手では、ちょっとした当て身でさえ大ごとになりかねない。

「放して……くれないと……うっ」

 らんまは乳首をつままれて、声を噛み殺した。耳の後ろが、確かにビリッと来た。

「ここは特に敏感な場所だから、宝物を扱うようにしてね……。乱馬くんがしたようにしたら――」

 かすみは爪をたてた。激痛がらんまの脊椎を駆け抜ける。

「いでっ!」

「痛いでしょ? だから、だめ」

 爪を当てた場所を慰撫するように、かすみの指先が動いた。

「あ……あ……」

 ピンク色をした乳首が起ちあがっていく。生理現象とはいえ、いやらしい眺めだ。

「乱馬くんの乳首……すごく感じやすいのね。もう大きくなっちゃった」

「かすみさん、いったい、どういうつもりで……」

 振りかえろうとしたらんまの唇に、かすみが自分の唇を当てた。

 粘膜同士がぶつかって、刺激のパルスを発振する。

 目を閉じたかすみのアップを目の当たりにしたらんまは、自分が夢をみているのではないかと思った。こんなシチュエーション、あるはずがない。

 でも、当たっている唇の感触はホンモノだ。さらに、舌が入ってくる。

 らんまの舌にからみついてくる。

 年齢よりも落ちついて見えることの多いかすみだが、頬を上気させてらんまに口づけているその表情は、むしろ少女のように初々しかった。それでいながら、舌は、貪婪に動いて、らんまの口の中をかきまわしている。

 こんなキスは初めてだ。あかねとのキスは、唇と唇をただ合わせるだけのものだったし、まれに舌を入れたとしても、それはただ入れただけだ。こんなふうにからみあわせて、歯の裏――口蓋からなにからを舐めまわすような濃厚なものではありえない。

「んぷ……はあ……」

 らんまの開いたままの唇から、かすみの舌がはなれる。透明な橋がかかって、つうと糸を引いている。

「あかねとも、こんなふうにキスをしてあげてね。女の子はキスが大好きなの」

 らんまは、ぽうっとしたままで、かすみの言葉をただ聞いている。

 いつの間にか、かすみと向かい合うかたちになっている。

 真っ白なかすみの裸身が目の前にある。

 髪はタオルでまとめていて、そこだけが布で隠されている。あとはすべて露だ。

 水を弾きそうなほどに張りきった乳房も、その先端の桜色の尖りも、女性らしくくびれた腰も、そして、大きく張りだした腰の下のある一点――黒い繁みも、今は隠されてはいない。

 らんまの呼吸が苦しくなる。いまは自分も女だというのに、どうしてこんなに興奮してしまうのだろう。

「乱馬くんには、女の子のこと、もっと知ってほしいの。せっかく女の身体になれるんだから、どこがどんなふうに感じるか、実地に調べてみたらいいんじゃないかしら」

 ね? というようにかすみが首を傾げて、らんまを覗きこむ。手はらんまの肩から背中を撫でて、背筋のあたりをくすぐっている。その指の往復運動が腰のあたりに届いたとき、ぞくぞく感がらんまを襲った。

「あっ……あ」

「ここが気持ちいいの?」

 なおもかすみが指をうごかす。腰椎のあたりだろうか、背骨と腰骨の微妙な間隙に、その不思議なポイントはあった。ふれられると、すごく心地いい。

 でも、たぶん、自分で触っても、そんなふうには感じないのだ。

「ここは、どう? 乱馬くん」

 かすみの指が脇腹を撫でる。

 くすぐったがりの乱馬は、いつもなら、そこを撫でられたら身をよじって笑いだすはずだった。だが――

「ああっ!? んうっ……」

 口から漏れたのは笑いではなかった。

 身体を不思議な電流が駆け抜けていた。

「女の子の身体にはスイッチがあってね、それが切り替わったら、くすぐったい場所は気持ちのいい場所になるのよ」

 かすみが囁くように言う。優しいお姉さんが出来の悪い弟に、夏休みの宿題の答えを教えてあげているかのように――

「気持ちいい場所がわかってきたら、いろんなところが良くなっていくのよ」

 指がらんまの身体のあちこちをまさぐった。石鹸の泡が広がっていく。そのたびに、らんまは声を出していた。

「かわいいわ、乱馬くん……」

 かすみがらんまの乳首を吸いあげた。

 ずきゅうん、と頭のなかで銃声が鳴って、らんまは大きくのけぞっていた。

「そろそろ、いちばん大事なところを触るわね」

 かすみの声が遠くのほうから聞えてくるような気がする。らんまは思わず膝をゆるめている。そこに指が届くのを期待する。だが、それは裏切られた。

 かすみは両手をのばして、らんまのヒップを抱えるようにした。そのふたつの山を掌でつつんで、ゆっくりと揉みはじめる。

 やわらかなタッチだ。けっして、がっついていない。刑事の尋問にたとえれば、胸ぐらをつかんで自白を強要するのではなく、容疑者の出身地からやんわりと訊いていく――そんな感じだ。

 おしりをマッサージされることで、意識が下半身に集中していく。同時に血流もだ。おしりの穴がひくついているのが自分でもわかる。恥ずかしくて、おしりの穴をきゅっと締めると、それと連動して、前の方にも、ずん、と。

「あっ、あくっ……」

 らんまは声をもらす。なんだかむしょうに切ない気分だ。今まで経験したことのない感情――ふしぎ――だけれども、いやじゃない。

「乱馬くん、前もさわってほしい?」

 かすみが、まるで今夜のおかずのリクエストを受け付けるときのように、優しく微笑んだ。らんまは頬を熱くしながら、うなずいた。なぜだか、すごく甘えたい気分――そういえば、いまのらんまが浮かべているだろう表情を、昨夜のあかねも浮かべていたような――気がする。

 だが、昨夜の乱馬には、あかねの気分を察してやる余裕などなかった。

(そうか……あかねは、もしかしたら、訊いてほしかったのかもしれない……どうしてほしいか)

「らんまちゃん、してほしいことを言ってみて?」

 呼び方をかえて、かすみが答えをうながす。あたたかい視線をらんまに向けながら。

「あ……あそこ、を……さわって……ください」

 らんまは恥じらいながらおねだりした。

「いい子ね、らんまちゃん」

 かすみはごほうびのキスをらんまに施しながら、指を股間に押し当てていった。

 

 触られるのがこんなに気持ちいいことだなんて、知らなかった。

 かすみの指がなぞる部分に沿って、神経が歌いはじめるのがわかる。血管が広がって、細胞が活性化していく。

「あっ、あんっ、はああ……ひあっ!」

 感じる場所をひとつひとつ確かめるように、かすみは指をずらしていく。らんまはかすみに抱きついていた。その良いにおいのするすべすべの肌に顔をあてていると、なんだかとても安心できた。愛撫に身をまかせてもかまわない。いやらしい声を放って、乱れてしまっても許される――そんな気がした。

「らんまちゃん……かわいいわ。食べちゃいたいくらい」

 かすみがらんまの耳元で囁く。らんまの脳のなかで悦びの泉が噴出をはじめる。女の身体は、言葉でも感じることができるのだ。

 細くてしなやかなかすみの指が、らんまのクリトリスを弄んでいる。

 もとが男の身体であるのにもかかわらず、らんまのクリトリスは小さめだ。しかも、包皮がかぶっていて、先端も出てこない。幼児のペニスをさらにちいさくしたような――女の子のオチンチンだ。

 少しだけ色づいたそれを、かすみの指が解きほぐしていく。決して強すぎないタッチで、かるく円を描くようにして刺激する。

「はっ、あ……かすみさん、ソコ……すごくいい」

「そうでしょ? 女の子の大事な場所よ。優しく、優しくしてあげると、たくさんごほうびをくれるのよ」

 ごほうび? らんまの熱に浮かされた意識には、その言葉の意味するところがわからない。だが、イメージはできる。ぬらぬらと濡れた、赤い花びらが――

「まあ……らんまちゃん、こんなに濡れてる」

 かすみの指がらんまの中に入ってくる。

 異物の初めての侵入に、らんまは、わずかな恐怖と――それにまさる快美感を受け取った。

「むりやりじゃなくて、きちんと手順を踏めば、女の子の身体は扉をあけてくれるのよ」

 かすみの指がらんまの中でゆっくりとうねりはじめる。

「らんまちゃんのここ……とっても熱いわ……」

「あっ、かすみさんっ! ああっ!」

 らんまは胎内でうごめくかすみの指がもたらす感覚に、はしたなく声を放った。勝手に腰が浮いてしまう。

「気持ちいいのね、らんまちゃん? 大事なところに指を入れられて、感じちゃったのね? いやらしい娘」

 かすみの声がらんまの意識をさらに惑乱させる。さらに、かすみに耳の穴を舐められると、どうしようもなくなった。

「ああっ! あはあっ! きもち……いい……よおっ!」

 乱馬にとって、女の身体になってしまう体質は、ただ恨めしいだけだった。身軽になる分スピードはアップするかもしれないが、パワーも耐久力も格段に落ちる。リーチも短くなるから、格闘では圧倒的に不利だ。

 女になっていいことなんかひとつもない――食い物をおまけしてもらう時をのぞいては――と思っていた。

 だが、ちがっていた。

 すごく「いいこと」があった。

 じょうずに触られると、ものすごく気持ちがよいのだ。男のときとは比べ物にならないほどに。

 女に変身する体質になってから、好奇心から女の身体で自慰を試みたこともないわけではなかった。だが、自分の指ではとてもではないが、こんな快楽を得たことはなかった。いや、これは快楽、というレベルではない。もっともっと、凄いものだ。

 それは圧倒的な幸福感だ。自分の身体の奥から、いっぱいの「しあわせ」が、ほとばしるようにあふれてくる。

(女の身体が、こんなに凄いものだったなんて……っ!)

 らんまはあえぎながら、意識の端でふっと思う。まるで快感の玉手箱が身体の奥底に隠されていて、その秘密の扉が開け放たれてしまったかのようだ。

「はあっ! はあんっ! かすみさんっ! もっと……もっと……奥まで、いじってえ……っ」

 男のときであれば、ぜったいに口にしないであろう睦声を、らんまは漏らしていた。

 身体が女であるときも、らんまは極力男であろうとした。ものの考え方や、口調も、男のときのそれを貫こうとしてきた。だが、それは無理なのだ。身体が女である以上、その機能が開花させられてしまえば、心も女になる。

 心と身体は別々にあるのではない。それらは別ちがたく結ばれているのだ。

 だから、いま、らんまは《女》だった。初めての絶頂に追い立てられつつある、女そのものだった。

「らんまちゃん……そうよ。女の子の身体の秘密を知れば、男の子に戻っても、上手に女の子を扱えるようになるわ……そして、あかねちゃんを可愛がってあげてね」

 かすみは教え諭すように言いながら、らんまの中にうずめた中指を抜き差しさせる。らんまはこらえきれぬかのように、おしりを揺らしはじめる。

「ああっ! あんっ! あんぅ……いいよぉ……いい……お股のところが気持ちいいっ!」

「らんまちゃん、いきそう?」

「はっ、ああっ、いきそう? いくっ……て? い……いいい……いっ!?」

 らんまの腰の動きが速まり、小刻みになっていく。

「あああああっ! あっ! い、くううううっ!」

 かすみの指を引き絞りながら、らんまは絶叫した。あたたかなしぶきが股間から噴きだす。

 びゅくびゅくと潮を噴きつつ、らんまは気をやった。

 ぐったりともたれかかったらんまを、かすみは抱えあげる。女になったらんまは、かすみよりもずっと小柄で、体重も軽いのだ。

 かすみは、らんまとともに浴槽に入ると、あたたかな湯に浸かった。

 乱馬の朦朧とした意識のもやがわずかに晴れた。周囲がとても温かい。快適だ。

 頬の柔らかい感触に気づいて、乱馬はようやく目をあける。

 そこには、女の胸があった。見たことがないような奇麗な乳首が、間近にある。乱馬は女の胸に顔をうずめるようにしていたのだ。

 浴槽のなかで、乱馬はあわてて身体を起こした。

 裸のかすみがそこにいる。乱馬の記憶が連続しはじめる。

「かっ、かすみさ……わっ!」

 浴槽で立ちあがった乱馬は、自身の股間が張り詰めていることに気づいて、あわててそれを手で隠す。

 かすみは、そんな乱馬を優しく見つめている。

「ね、乱馬くん――さっき勉強したこと――こんどは男の子の立場で試してみる?」

続くような……