バーチャルフィギュア大作戦2 電子の妖精を補完せよ! |
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「じゃあ、まずは艦長のお口の具合を計測だ」
サブロウタがぱんぱんと手を叩く。
「わたし、巧くありませんよ。舌短いですし」
ルリが申告する。全裸だ。サブロウタに命じられて、自分で脱いだのだ。ベッドの上にひざをついて、細い首をかすかに傾げさせる。
「巧くないと自覚しているということは、経験あるんだ?」
コンソールに指を走らせながらサブロウタが言う。
「――ないしょです」
ルリがすまし顔で答える。その横顔にセンサーが投げかける光の帯が走る。外見のデータも採取しているのだ。
ルリの肢体をセンシングしたデータは、この部屋に設置されたスタンドアロンのコンピュータに転送される。ひとつのスクリーンでは現在のルリそのものが、もうひとつのスクリーンではウリバタケが作った一三歳時のルリが、リアルタイムにレンダリングされている。
一三歳のルリの乳首のかたちが変化し、すこしだけ乳輪が大きくなった。現在の形状から、成長前の状態を推測して、データに改良を加えたのだ。胸のボリュームもすこしアップしたのだが、それはサブロウタが手動で元に戻してしまった。
「どうして改竄するんです? 三年半前のわたしは、そのデータよりも胸はありましたよ?」
「顧客の趣味ってのもありましてね。現実そのままが必ずしも喜ばれるわけじゃない」
サブロウタは苦笑を浮かべる。
「さあ、おしゃべりはそこまで。艦長、ハーリーのをなんとかしてやってください。このままほっといちゃ可哀想だ」
「サブロウタさん……艦長……」
ベッドの上で身体をちぢこまらせていたハーリーが震え声をもらす。
「じゃ、そゆことで」
ルリがハーリーに向きなおる。
「出して」
「艦長っ」
ハーリーは半泣きだ。センサーと化した性器は、データを入力してやらないと、どんどん切迫していく。ナノマシンがデータを求めてその場に滞留するからだ。結果として、さらに硬度とサイズが増してしまう。
でも、こんなシチュエーションでルリとそんなことをするだなんて――あってはならないことだと思う。
「だめです、艦長がそんなこと……脅迫されてするようなことじゃないです」
「――ハーリーくん、やさしいね」
ルリの頬がかすかにゆるんだ。黄金色の瞳が心なし和む。だが、次の瞬間には上司の顔と声にもどっている。
「マキビ・ハリ少尉。命令です。出しなさい」
「は、はいっ」
条件反射だ。ハーリーは股間を隠すために引き寄せていた膝をのばした。包皮につつまれたままの棒状の性器が、びくんびくんと脈打ちながら、ルリの前にさらされる。
その瞬間、ハーリーは激しく後悔する。包茎のハーリーのその部分はよく洗わないと匂うのだ。もちろん、こんなことになるとは思っていないから、今日はまだシャワーを浴びていない。しかも、さっきからずっと興奮のしっぱなしで、その部分はぬるぬるの液で濡れている。
ルリの指がハーリーのモノにふれた。
「うっ」
ハーリーは喉を鳴らした。亀頭の下あたりをつままれた。すこし冷たいルリの指の感触。それだけで発射してしまいそうだ。
「剥いても、だいじょうぶ?」
「え? はい……」
にゅち。
ルリの指が動いて、ハーリーの包皮をずらした。ピンク色の亀頭が顔をのぞかせる。完全には剥けきらない。恥垢がそんなにたまっていないのは、ここのところ、ルリのデータでオナニーばかりしていたからだ。
「かわいいね」
「え」
ルリがハーリーの性器を見つめながら言った。ハーリーは、なんとなく、ルリが誰かと自分を比べてそう言ったような気がした。こんな状況だというのに、ハーリーの心がうずいた。
しかし。
ルリの唇がハーリーを包んでしまうと、そんなことを考えている余裕はまったくなくなった。
「ああっ、艦長っ」
ハーリーはのけぞった。ルリがハーリーのモノをくわえている。温かいルリの口腔の感触。舌の動き。
初めての体験だ。だから、なにがなんだかわからない。頭のなかが灼熱している。あのルリが、あこがれの艦長が、目の前で自分の性器をしゃぶってくれている。
「くぅっ、はあっ」
女の子のような声をはなって、ハーリーは弾けた。前ぶれもなにもない暴発だ。
ルリの口の中にすこしもらし、いそいで離れたルリの顔に、残りの白濁液をぶちまけた。
とろとろの粘液がルリの鼻と頬にべっとりとつく。
「早すぎるっ! これじゃあデータ採取にならないぞ!」
サブロウタが文句を言った。
「ご……ごめんなさい」
ハーリーはあやまった。データ採取が失敗したことに、ではない。あっという間にイッてしまった自分が恥ずかしくて、ルリに対してわびたい気持ちだった。
「いいよ、ハーリーくんは慣れてなかっただけ」
顔じゅう精液まみれにしながら、ルリはうすく微笑した。
「艦長……」
「ハーリー、すぐに回復するだろ? 若いんだからさ」
データ採取のプログラムをリスタートさせながら、サブロウタが言う。
「艦長も、よろしくお願いしますよ。もっと裏筋舐めたりとか、鈴口のあたりをレロレロするとか、ほっぺたの内側でぐりぐりってするとか、工夫してくれなきゃ」
「だから、巧くないと言ったのに」
ルリはつぶやくように言い、それから一度、二度と、まぶたを瞬かせた。瞳に光が走り、小さなスクリーンが虚空に浮かび上がった。
「思兼のデータベースにアクセス。項目名はフェラチオ――テクニック一覧と実技マニュアルをダウンロード」
ルリの頬がちょっと赤らむ。検索したデータを閲覧したらしい。
「検索制限――あんまりマニアックなのは除外」
そして、おもむろにハーリーの性器――射精直後でさすがにしぼんでいる――に手をのばす。
包皮のなかに舌を挿し入れ、舌べらで亀頭をこする。そして、先端をちゅっと吸うと、尿道に残っている精液を吸いあげる。
「ああっ、艦長っ、すごいっ……」
ハーリーはシーツをわしづかみにする。腰がはねあがっている。
ルリは顔にかぶさってきた髪をかきあげると、指先でハーリーの亀頭を包皮ごしにしごきながら、舌を根茎の付け根から亀頭の先まで何度も往復させる。
たちまち張り詰めていく、ハーリーのペニス。
ほー、という表情をサブロウタは浮かべた。
「これは聞きしにまさる――電子の妖精は、サッキュバスの素質もあるみたいだな」
コンソールをさらに操作し、いくつかのセンサーを立ちあげ、自動制御に切り替える。
「――これは、おれもちょっと参戦しないとな。ハーリーだけじゃ、すぐに搾り取られちまう」
「あっ、だめ、だめです……艦長……あああっ」
かわいい声で、ハーリーがもだえている。
ベッドの上で、おしりをつんと立てて、ルリが年下の少年の性器を手と口で責めたてていた。
そのルリのヒップにサブロウタは手をのばした。
まだ、少年じみた雰囲気さえ残る小さなヒップだ。
サブロウタは指で、ルリの少女の入り口をかき分けてみる。
「……んうっ」
ハーリーのモノをくわえたままで、ルリが鼻を鳴らした。さっきよりも反応が強い。フェラチオをすることで、ルリ自身、興奮度がアップしているのだろう。サブロウタの指が侵入すると、きゅんきゅん締めつけてくる。中はぬるぬるで、熱く火照っている。
サブロウタは指を動かした。抜き差しするたびに、ルリのおしりが上下にゆれて、かわいいアヌスがひくひく動いた。
「電子の妖精でも、ここは臭いのかな?」
肌色よりわずかに濃い色をした排泄のための穴に、サブロウタは顔をちかづける。
左手の指で尻の山を横に開いて、アヌスの口を開かせる。
ルリの内臓の色が垣間見える。その部分は、ふつうならば体臭のもとになるアポクリン腺が密集しており、匂うはずだ。
だが、ルリには匂いがなかった。遺伝子操作された人間には、体臭はないのだろうか、とサブロウタは考えてみる。そういえば、ハーリーも人形のように愛らしくて、包茎であっても不潔な感じがしない。ふつうの人間とは、抗菌性がちがうのかもしれない。だいたい、人間の身体の悪臭の原因は細菌によるものが多いからだ。
サブロウタは舌をルリの肛門に這わせた。匂わない穴に面白みはあまりないが、しかし、ルリがここで感じることができるかどうかには興味があった。なにしろ、これは大事なデータ収集作業なのだ。この作業の成否に、多くのアストロノーツのささやかな幸福がかかってる。電子の妖精を抱いて、その愛らしさを味わうことができれば、過酷な任務にさらされている宇宙船乗りたちのストレスはずいぶん軽減するだろう。
るれろ、るれ。
舌先で粘膜をつつく。そして、先端を内部におしこんでいく。
「むっ、んんんんんぅ、ふううううっ」
ルリのヒップが小刻みに動く。どうやらかなり敏感なようだ。耐えきれなくなったのか、ハーリーのモノから口を外してしまう。
「んあうっ、ああっ」
「艦長はお尻もいいようだ」
サブロウタは笑いながら、膣に埋めた指を動かす。その部分も、驚くほどスムーズに指が出入りするようになっている。
「じゃあ、そろそろハーリーのセンサーで、艦長のあそこの中を調べることにしますか」