五人いる男子は、みんな、唯のクラスメートたちだった。
「おおっ、ほんとだ! ほんとに鳴沢だぜ」
「あのビデオ、本物だったんかぁ、ちょっとショックだな」
「マジにやってたのかよ、長岡」
男子は唯のあられもない姿を無遠慮に眺めつつ、下卑た声をはなった。
「だから、言ったろ、唯ちゃんはぼくの肉人形だって」
芳樹がニヤニヤ笑いながら自慢たらしく言う。
「おお、疑って悪かった」
男子のひとりが黄色い歯をのぞかせて笑った。
「よ、芳樹くん……これ……なに……?」
唯はソファの上で唇をわななかせた。下半身を見られないようにスカートをもどそうとするが、それさえもうまくできない。
芳樹は頭をかいた。
「ああ、ごめんよ、唯ちゃん、やっぱり作品を発表する誘惑に勝てなくてさ、クラスの男子に鑑賞してもらったんだよ。そうしたら、にせものだ!なんて言われちゃってさ、それはモデルを買って出てくれた唯ちゃんの名誉にもかかわることだろ? だから、今日、実際に撮影しているところを見てもらうことにしたんだよ」
「そ……そんな……」
唯は大きな目を見開いて固まっていた。
その唯に男子生徒たちが話しかける。
「いやあ、芳樹のヤツにはボラれたけどな、なにせ鳴沢の本番ビデオっていうからさ、騙されたつもりで買ってみたら、これがすげえのなんの。ここ一週間、それで抜きまくりだったんだぜ? 本物だってことがわかって、さらに興奮度倍増だな」
「そうそう! おれ、昨日、クラブの後輩たちと鑑賞会しちまったぜ。本物だったって報告、してやらねえとな!」
「いやあっ! いやあああっ!」
激情にかられて泣き叫ぶ唯の肩に芳樹が手をふれる。
「だいじょうぶだよ、唯ちゃん。みんな、口がかたいから、秘密は守ってくれるよ――なあ、みんな」
男子生徒たちはいちようにうなずいた。が、目は笑っている。
「ほ、ほんと……?」
唯の歯がカタカタ鳴っている。
「おにいちゃ……りゅうのすけくんにはナイショにしてくれる?」
「ああ、保証するよ、なあ、みんな」
芳樹の言葉に、男子生徒たちの密やかな笑みが濃くなる。
「もちろんだ。りゅうのすけのヤツにはぜったいに言わないよ」
「ビデオのことだって、あいつの耳にだけは入らないようにしてるんだぜ」
「あいつはほかの女の尻を追いかけてばっかりだしな」
「それにね」
芳樹が唯に顔をちかづける。息をふきかけながら、囁きかける。
「正直、いままでの作品には不満があったんだよ。ぼくが、その、ナニしながらだと、どうしても画面が揺れちまうだろ? せっかくだから、もっときちんとしたものを撮りたくてね――ここにいる男子に協力してもらおうと思うんだ」
「え……? え……?」
唯は部室に充満している男子生徒たちを見渡した。
「いいだろ、唯ちゃん? さっき、いっぱいして、って、自分でおねだりしてたじゃないか。ぼくも約束したろ? 唯ちゃんがイヤっていうほどしてあげるって――そのとおりにしてあげるよ」
「そ……そんな……」
唯の顔が絶望にゆがむ。
その耳たぶを芳樹は軽くかんだ。腕は唯の身体に巻きつけて、胸を触っている。
「いいよね? 唯ちゃん」
く。
唯は言葉もなく、ただうなずいた。
「すげえっ! 最高だぜ! 鳴沢とこんなことできるなんてよ!」
男子生徒のひとりが、唯を下から突きあげながら叫ぶ。
「ほんとうだぜ! 入学以来ずっと目をつけてたもんな」
乳房をこねくりまわしながら、別の男子生徒が言う。
「おれだって! なんど鳴沢をオカズにしたことか!」
唯のヒップに吸いついている男子が負けずにわめく。
「お、おれ……いま、唯ちゃんにお口でしてもらってるぅ……」
歓喜の声をもらしたのは、唯の顔に下半身をこすりつけている男子だ。
「どうでもいいから、はやくしてくれよぉっ!」
あぶれた一人が地団駄をふんでいる。
芳樹はそんなシーンをビデオカメラで撮影中だ。ふだんの鈍重さとは無縁な身体のキレで、いろいろなアングルにレンズを向けている。
唯も男子生徒もみんな全裸だ。肉体がフレームいっぱいに躍動している。
四人の男子生徒に挑みかかられた唯は、懸命に舌をつかいながら、下からの膣の責めに耐えている。おしりの穴には指が出し入れされ、胸もいじくられつづけている。
「いいよ、唯ちゃん、すごくいっしょうけんめいな感じが出てて、いい!」
なんとか早くみんなをイかせようとしているのだろうか、精一杯に身体を使っていることが伝わってくる。
「おあっ! 鳴沢のおまんこ、気持ちいいぜっ! きゅんきゅん締めつけて……それに、すげえ腰づかいだ!」
男子生徒がうめく。たまらず、下から腰をはねあげている。
「そりゃあ、ぼくがたっぷり仕込んだからねえ、くっくっくっ」
結合部分を接写しながら、芳樹が嬉しそうに言う。まるで、自分の作品を自慢するようだ。
「なあっ、長岡っ! いいんだろ? 中に出しちまっても、なあっ!?」
切迫したその声に、芳樹は鷹揚にうなずく。
「もちろん。ぼくもいつも中で出してるしね。唯ちゃんも中出しされるのが大好きみたいだよ」
「んうっ!? んううううっ!」
ペニスをくわえさせられている唯が懸命に首を横に振る。涙を浮かべて拒絶の意志をあらわそうとしているようだ。しかし。
「ほら、たっぷり出して、って言ってるよ」
芳樹が勝手に通訳し、その言葉すらも聞えていない様子の男子生徒は、尻の筋肉を収縮させて盛りあがっている。
「ああ、いくいくっ! 出ちまうっ!」
「うふっ! むううっ! ひゃめ……へえええ!」
口をふさがれたままの唯は、ペニスを舌で押し出そうとしながら、逃げようとする。
だが。
「うおっ! おれも、だめだっ!」
唯の口に入れていた男が唯の舌の動きにするどく反応して絶頂に達してしまった。
びゅっ! びゅびゅっ!
たまりにたまった高校生の精液が唯の顔にあびせかけられる。そのショックで身体の動きが止まった唯のヒップに男の手が巻きついて、逃げられないようにする。
「鳴沢あああっ!」
叫びながら、男がいっそう激しく膣を突きあげる。白濁液まみれの顔をゆがめ、唯がのけぞる。
「ひあっ! ふああああっ!」
「おおおおっ! いくっ!」
男子生徒がうめき、身体を震わせた。
「ああああ……だめえ……」
唯が泣き出す。
「赤ちゃんできちゃうよぉ……」
「次はおれだっ!」
唯のおしりをいじっていた生徒が、射精がすんだ男をおしのける。
べとべとの唯の性器に剛直を押し込む。挿入した箇所から、ごぷっと白濁液があふれだしてくる。
「うおおっ! ぬるぬるで、すげえ!」
その男子はわめきながら下から腰を使いはじめる。
「おれも!」
「おれもだ!」
まだ射精していない残り二名も唯の身体にペニスをこすりつける。一人は唯の胸の谷間にはさみ、もう一人はヒップに陣取った。
「ケツの穴、ひくついてるぜ――ビデオではケツでもやってたよな」
「ああ。さすがに二本挿しまではやったことないけどね」
撮影しながら芳樹は言う。それはそうだ。いままでは芳樹ひとりぶんのペニスしかなかったのだから。
「こんなに柔らかいんだ。は、入るよな?」
唯の肛門を左右にひろげ、その穴にペニスの先端をもぐりこませた。
「だっ、だめ! そこはっ、やめてえっ!」
唯がおびえを含んだ声をだす。あそこに入れられているだけでもいっぱいいっぱいなのに――
「うるせえっ!」
男は後ろから唯の髪をつかみ――リボンをほどいた。
まとめていた髪がほどけてながれる。そのさなかに、唯はおしりへの異物の挿入に悲鳴をはなっていた。
「ひっ、ひいいっ!」
「うおっ! 鳴沢のケツの穴、最高に締まるぜえっ!」
「ごっ、ごりごり当たってるぜ、すげえや!」
挿入しているふたりの男子が驚きと悦びのセリフを吐く。
その間も唯は喉の奥で声をくぐもらせつづけている。
「うっ……うあああっ! ひうううっ! おにいちゃ……たすけて……」
「鳴沢、舌休めんなよ、ほらあっ!」
唯のバストでペニスをこすっていた男が、たまりかねたように亀頭を唯の口許に押しつける。
「しゃぶれよ、鳴沢ぁ」
「うっ、あっ……うぷぅ」
唯は唇をひらいて男子の性器を口に含む。
男子高校生の洗っていないペニスの臭気が鼻奥につきあげてくる。
それでも、唯は舌を動かして恥垢をこそぎとっていく。全身を貫かれる感覚に、頭が痺れてもうなにも考えられない。
「すごいな、唯ちゃん、穴という穴ぜんぶにクラスの男子のチンポをくわえこんで――本物の変態なんだねえ……くっくっくっ」
芳樹は感にたえぬように笑い声をもらす。
「ああっ、鳴沢、鳴沢、鳴沢っ!」
「すげえ、すげえ……奥がざらざらで……うねってて……おあっ!」
全身汗みずくになりながら、健康な男子高校生たちは唯の身体に精液をぶちまけていく。膣奥に、おしりに、そして、顔に――
「んぷうっ! ひああああっ! まだ……出てるよぉ……」
唯がうめいている。その声にはすでに嫌悪の響きはない。鈴口からこぼれ出した精液を自ら指ですくって、そのネバネバの感触を確かめている。
その光景を見つめながら、すでに一度射精したはずの男たちの股間がまた蘇っている。
「二回目、いいだろ?」
自分でしごきながら、芳樹に訊く。芳樹はうなずく。
「もちろん――テープはまだたっぷりあるからね」
『ああああっ! いっちゃう……! いっちゃうっ! もおだめええっ!』
画面のなかで全裸の少女が絶叫している。前と後ろに同時に挿入されながら、ものすごく感じているようだ。
さっきは、男のペニスをしゃぶりたてながら、陰嚢を愛おしげに舐め、男の肛門まで舌で愛撫していた。よほどの好き者らしい。
体中を精液まみれにしながら、もっと、もっと、とせがむのだ。
『ま、またっ! きちゃううっ! きちゃううっ!』
長い髪を振り乱して悶えている。自分で胸をもみしだき、乳首をつまんで引っ張りながらのぼりつめていく。かなり豊かな胸だ。
『出してっ! おまんこの中に出してえっ! 精子でいっぱいにしてえっ! おしりにもっ! おしりにも出してっ! ああああああっ!』
淫猥な言葉を吐きちらしつつ、少女はのぼりつめたらしい。激しくわななきながら、気をやる。男たちも同時に果てたようだ。容赦なく、少女の身体のなかに射精しているらしい。
「す……すごいな、このビデオ」
りゅうのすけは激しく興奮して、食い入るように画面を見つめていた。。
「だろ? ぼくの秘蔵コレクションだよ」
芳樹がニヤニヤしながら自慢する。
「いきなりウチに押しかけてきたと思ったら――いったいどういう風のふきまわしだよ。おれにこんなモノを見せるなんて」
「いやあ、親友のりゅうのすけくんとは秘密をわかち合いたくてね」
「なにが親友だよ……。それにしたって、なんだよ、このビデオ、あそことかはバッチリ映ってんのに、なんで出演者の顔だけモザイクなんだ? 声もなんか変調かかってるみたいだし」
「それは、ほら、素人が出演してる流出モノだからさ」
芳樹はゆったりと説明する。
「そうか……。にしても、おしいなぁ。この女優、すっごく身体とか好みなんだけどなあ。顔が見てみたいよ、ほんと」
りゅうのすけは残念そうに言う。そこに、芳樹が注意を喚起するように画面を指差した。
「あ、ほら、ここ、ちょっとモザイクが薄いよ?」
画面では、ことが終わったあと、少女が男たちの前で放尿をしようとしていた。
しゃがみこんだ少女が自分の股間を覗きこむようにしている。
少女が顔をあげた。確かにモザイクは薄めで、だいたいの顔形が判別できる。
「うっ!?」
りゅうのすけが一瞬うめき声をあげるのを芳樹は横目で眺めていた。
「どうしたのさ、りゅうのすけくん――まさか女優さんに見覚えでも?」
「いや……まさか……な」
りゅうのすけがつぶやく。
『これから、ピーが、おしっこ、します。見ててください』
変調されているが、愛らしいことは疑うべくもない声で少女が言った。ピーの部分は、自分の名前を言ったらしい。
少女の尿道口がふるえ、液体がほとばしる。
と同時に、膣口から、白濁液がぬろぬろとこぼれ落ちはじめる。
『あはっ……ゆピーのおまんこから、みんなの精子がでちゃってます……」
ピーのタイミングが一瞬ずれ、名前の最初の音が聞こえたようだ。りゅうのすけはますます画面に近づいた。
少女は放尿しながら、自分で性器を広げ、膣に充満していた精液をかき出してみせた。
『ゆピー、すごく気持ちよかったです。また、クラスのみんなにしてほしいです……』
うっとりとした口調で言い、それからおしりをカメラに向けた。まるい肉づきのいいヒップをさらして、自分で肛門を開いた。そこからも白濁した粘液があふれ出している。
『ピーい、おしりも好きになっちゃった。おまんことおしり、同時に射精してもらったとき――死んじゃうほど気持ちよかったの』
そして、少女は最後にピンク色の性器を思いっきり広げて見せながら言った。
『こんどは、おにいちゃんも一緒に、エッチしたいです……』
画面がブラックアウトした。ビデオが終わったのだ。
「どうだった?」
芳樹はりゅうのすけを覗きこんだ。りゅうのすけは額に噴き出ていた汗を手でぬぐった。
「まあ……すごかったな」
「感想はそれだけ?」
「ビデオを見るぶんにはいいけど、ちょっと淫乱すぎるよな」
りゅうのすけは吐き捨てるように言った。
「まるでケダモノだ。女の子にはもうすこし恥じらいってもんがないと」
「ふうん……」
芳樹はニタニタと笑う。
「なんだよ」
そのときだ。ドアが開いて、唯が顔を出した。ティーカップを載せてたお盆を持っている。
「……おにいちゃん、お客さんでしょ? お茶いれたよ、入っていい?」
「唯……?」
りゅうのすけは、はっとしたように、一瞬テレビのほうを振りかえり、みずから何かを打ち消すかのように首を強く振ると、ドアの方に顔をもどした。
「おまえは入ってくるな。ここには芳樹がいるからな。半径3メートル以内に近づくんじゃないぞ」
「くっくっくっ、きっついなあ……」
芳樹は唇をふるわせながら、唯の身体に仕込んだバイブレーターのリモコンスイッチを「強」にした。