薫はベッドに横たわり、脚を開いた。
膣口どころかその奥の処女膜さえあらわにしている。
そのあたりの恥じらいは薫にはまだない。恥ずかしいことは恥ずかしいが、自分がどう見られているかを自覚し、それゆえにわき出す羞恥というのとは質が違う。
皆本のモノはそそり立っている。さっきの射精の疲労はもうないようだ。むしろ、今まで以上にみなぎり、少女の花園を蹂躙したいという衝動にさいなまれているかのようだ。
「薫ちゃんもあたしたちと同じでお赤飯前だから、中出ししても大丈夫よ」
紫穂がこそっとそそのかす。
「でも皆本はんのすごい大きいから……薫のアソコに入らへんかも」
葵が眼鏡の奥の瞳を瞬かせる。潤んでいる。
「いいよ、試して」
薫はすっかり覚悟をきめた表情と口調で言う。
「せっかくのチャンスだもんな。ズバッといってくれ、ズバッと!」
「薫ちゃん、男らしすぎ」
「ほんまや、乙女の恥じらいはどこに?」
すっかりギャラリーと化した紫穂と葵のコメントを聞きながら、薫は不思議な多幸感に包まれていた。
こんなふうに、葵や紫穂に見られながら、皆本に愛されるなんて――いいんだろうか。
夢かもしれない。夢でもいい。皆本に愛してもらえるのならば。
「薫、いくよ」
皆本は薫の腿をつかんで広げさせた。大人の男の力を感じる。もちろん、サイコキネシスを使えば、皆本を床にねじふせることはできる。だが、肉体の力そのものは、圧倒的に皆本の方が強い。薫は小さなおもちゃのように広げられ、いじくられ、無力化されてしまう。
それが、たまらなく心地いい。
ぴこんと立ったクリトリスと小陰唇を皆本の指が優しくなで、それから、入口を求めて、左右の土手を広げていく。
「あっ……」
今までとは異なる皆本の迫力に薫は一瞬ずりあがる。
「こわいかい」
「ちょ……ちょっとだけ」
薫が泣き笑いのような顔になる。覚悟はずっと前からできている。でも、未知の領域に踏み入る瞬間にためらわない者はいない。
「入れるよ」
「う、うん」
皆本がペニスを薫のワレメに押し当てる。
秘裂の内側に皆本の亀頭がこすりつけられる。
「くっ……」
敏感な粘膜同士がふれあうことで大量の快情報が脳に送り込まれる。
「あっ、ああっ……みなもとっ」
「薫……っ」
亀頭が小陰唇の内にもぐり、膣口をまさぐる。
そこはとてもちいさく繊細で、潤ってはいたけれど、とても性欲の対象になるべきものではなかった。
むしろ、ひたすらに鑑賞し、愛撫をしたくなる少女のたからもの。
だが、覚悟完了済みの皆本はひるまない。
ぐいぐいと薫の穴に挑んでいく。薫の穴もがんばって拡張しようとする。
「皆本、入った?」
痛みに顔をゆがめながら、薫が訊いてくる。
皆本はそんな薫をだきしめ、唇をうばった。
「あっ、ずるっ!」
反応する葵。
「いいなあ、薫ちゃん」
紫穂はうらやましそうに自分の唇を指でおさえる。
「アンタはさっき、皆本はんのこと、むちゃくちゃしとったやん!」
「あら、それはそれ。キスは特別だもん」
そう。キスは特別だ。薫も夢中になってのぼせあがる。
――あたし、皆本にキスされてる。子供にするチューじゃなくて、大人みたいなキス……
舌がもぐりこんできて、薫の理性をまるごと溶かしてしまう。
薫の腰がくねる。
心臓が痛い。脳が痺れてどうにかなりそう。たまらず皆本の身体にしがみつく。
むちゃくちゃにしてほしい。皆本になら、身体を引き裂かれてもいい。薫ははっきりそう感じた。
「薫ちゃんのアソコ、すごくなってる」
「ほんまや。とろっとろやん」
見るだけでわかる。薫の性器は赤く充血し、奥からどんどん蜜をわきださせている。今までとは違う濡れ方だ。
「キスで発情しちゃったのね」
「薫はキスによわいんか!」
「というより、精神的な問題ね」
紫穂が訳知り顔に解説する。
「葵ちゃんが身体で感じるタイプだとしたら、薫ちゃんは心で感じるタイプなの」
「な、なんやの、それ! ウチがめっちゃやらしい子みたいやん! それやったら紫穂はどうやねん!」
「わたしは、人を感じさせるが好き。感じさせるのは快感に限らないけどね……苦痛とか屈辱とか敗北感とか……」
くっくっくっ、と黒い嗤いをもらす紫穂を眺めつつ、妙に納得する葵である。
「そんなことより、見て、あの薫ちゃんの幸せそうな顔」
皆本に唇を奪われた薫は半目を閉じて陶然としている。
「あんな薫の表情、見たことあれへん」
「ふだんは私たちのことを無意識にでも守ろうと気を張ってるしね。皆本さんとのことでは逆に張り合うところもあるでしょ。でも今回は――」
「みんなでしてるんやもんな……隠すこともないし」
「わたしたち、薫ちゃんの一番幸せな顔を見てるのかも」
言いつつ紫穂は薫に慈愛に満ちたまなざしを向ける。
「そうかもな」
なんてきもちいいんだろう、皆本にだっこされること。
なんてなんて誇らしいんだろう、皆本に身体をいじくられること。
なんてなんてなんて……言葉にできないくらいにうれしい、皆本にキスされて、女の子として扱われること。女の子の部分を愛してもらっていること。
そして、それは薫だけじゃない。葵も紫穂も同じように愛されている。みんなの価値が皆本によってさらに高められたような。
薫は幸福感のただ中にいた。信じがたいほど。
だから濡れていた。おしりまでたれるほど。
皆本を受け入れたいから。これほどの幸せをくれた皆本を自分の身体で満足させたいから――
入れてほしい。奪って欲しい。後悔なんかしない。するはずがない。
10歳の自分は皆本のことが大好きだ。18歳になってもこの気持ちは変わらない。たぶん、18歳の自分は言うかもしれない。「10歳の頃よりずっと皆本のことが好き」と。でもちがう。
この瞬間の気持ちに、もっと、とか、ずっと、なんてありはしない。
皆本は戸惑っていた。薫に挿入したい欲求にさいなまれている。
亀頭を薫の小さな小さな膣にもぐり込ませる行為をやめることができない。少しずつ入口をこじあけ、広げていく。
もちろん無理に決まっている。葵にそうしたように、薫もクリトリスを責めるなどして、いかせてしまうべきなのだ。今の薫に対しては、挿入は暴力行為にしかならない。わかっている、そんなことは。
それでも、薫のあまりのけなげさに、皆本の牡の本能が目覚めてしまったかのようだ。
「皆本……入った?」
「いや、まだ……痛いか、薫?」
「ううん……大丈夫。入れてほしいんだ。皆本を気持ちよくさせたい」
皆本を見つめる薫の視線も濡れている。
目の縁にあふれる涙は痛みによるものだけではない。
「薫……っ」
思わず突き進んだ皆本は、少女の粘膜の温かさと湿潤さと強烈な狭さを感じた。
「つっ!」
もう少しで突き破れる。膜を破壊することで。
皆本は、薫の膣に包まれる三秒後をイメージしながら、一気に腰を――
「はーい、そこまで、そこまでー」
紫穂が割ってはいる。
「ウチらをほったらかしにして濃厚な恋人プレイしくさって」
葵も妨害に荷担する。
紫穂は、薫と皆本の性器をさわさわして、ほら、やっぱり、という顔をする。
「皆本さんのモノ、薫ちゃんに入れたら、裂けちゃうわよ。そうなったらさすがに騒ぎになって、皆本さんはタイホ確実ね」
「その前に局長はんに殺されるんちゃう?」
「うっ」
「くっ」
ありがちなカタストロフが同時に思い浮かんだのか、薫と皆本の動きがとまる。
それでも、おしいところまでいった薫としては抗議せざるを得ない。
「でもっ、あたしだけこれでおしまいなんて、ずるいよ!」
「あら、これでおしまいなんて誰が言ったのかしら?」
紫穂が掌にローションをたらしながら視線を流した。口元が邪悪に歪んでいる。
ローションは、葵がどこからか「お取り寄せ」したらしい。
「だから、薫ちゃんは、お、し、り、でするの(はあと)」
「え、やっぱり?」
固まる薫に葵が囁きかける。
「ただし、ウチらもやで。ウチらチームやし、公平にせな」
「そうそう。誰が最初に皆本さんにアナル処女を捧げるか、賭けましょ」
ローションを薫のおしりと、度分のおしりにぬれたくりながら紫穂が言った。
「皆本さんのココもヌルヌルにしておかないとね。葵ちゃん、お願い」
「わかった、ウチ、がんばる」
葵が手にローションをまぶしつつ、緊張を顔にみなぎらせる。
「葵?」
「皆本はん、じっとしといてんか」
葵は、皆本のペニスをおっかなびっくり、つたない手つきで握りしめ、ローションを塗りたくっていく。
一方、紫穂もローションを薫のヒップにたらし、肛門の周囲をなでさすっている。
「あっ、あっ……紫穂ぉ、つめた……っ」
「がまんしてね、薫ちゃん。これも、皆本さんと結ばれるためよ」
「でも、お尻でなんて……」
「あたしたちみたいな子供が大人とセックスするときは、おしりのほうがいいのよ」
「そっか……そうなのか……」
納得する薫だが、もちろん、紫穂にだまされている。エロエロ魔人の薫とはいえ、自分自身のことになるとからっきしなのだ。
「準備できたで、紫穂」
はー、はー、いいながら葵が報告する。皆本のペニスはさっき以上に屹立して急角度を保っている。
「こっちもOKよ」
紫穂が、葵のアナルの調整を終えて涼やかに言う。
皆本は自分の人生を振り返っていた。
物心ついた時から天才と呼ばれ、じきに自分が他人と違うことを自覚した。自分にとっては当たり前で明白なことが、他の人間にとっては難問であること。普通の人は自分のようには計算も記憶もできないということ。データを解析し、最善手を思いつくという実に簡単なことさえできない人間が責任のある立場にいて、あまつさえ日本の国政さえ左右しているということ。
小学生の時に特別にプログラムに入れられ、それからは、普通の人間と交わる機会さえ奪われた。
天才としてのエリートコース。
だが、今、皆本の目の前には、三つの小さなおしりが並び、それぞれ肛門を広げて、皆本の挿入を待っている。
こんな将来はついぞ想像しなかった。していたとしたら変態だ。
「ウチ、ウチからしてぇ」
「おっ、おい、皆本、さっきの続きだからな、わかってるよな、あたしだろ?」
「あら、まずはわたしので試してみたほうがいいわよ。粘膜接触で、どういうふうにしたら、小学生とアナルセックスを成功させられるか、教えてあげる」
みっつの肛門が皆本を誘っている。もちろん、その下には三本の亀裂が、ピンクの花びらをちょっとだけ覗かせている。
いつか、その亀裂をも、こうやって三人並べて奪う日が来るのだろうか――皆本は思った――たぶん、その日はそう遠くはない。
皆本は、まずは最初の挿入をはたすべく、愛しい少女のヒップに手をかけた。
「あっ、ああああああっ! 皆本ぉ」
「皆本はんっ、あああああっ!」
「すごいっ、皆本さんっ! ぃひぃっ!」
少女たちの喜びを秘めた悲鳴が寝室にこだました。
チルドレンと皆本の夜は始まったばかりだった。