皆本は何もする必要はなかった。
紫穂のフェラチオは完璧だった。皆本にもそうそう経験があるわけではないが――プロでもここまでうまくはないのではないかと思えるほどだ。
「だって、ここをこうしてほしいって、皆本さんのオチンチンが言ってるんだもん」
慣れきった手つきで竿をこすり、亀頭のくびれ部分をなめ回しながら紫穂がほほえむ。
「こんな女の子、引いちゃう?」
もちろん、こんな体験は紫穂も初めてなのだ。
それでも、サイコメトリーの能力が強力なおかげで、何をどうすればいいのか分かってしまう。リミッターをつけていてさえ……
「皆本さんが感じる顔を見たいの」
魔性の女のような笑みを浮かべると、皆本自身気づいていなかった快感ポイントへの攻撃を開始する。
「う……あ……」
「まだまだよ、皆本さん、こういうのはどう?」
睾丸をマッサージする、だけではなく、玉袋ごと吸い込まれる。十歳の少女がタマなめの技術を駆使する。絶妙の吸いかげん。亀頭への刺激も忘れない。
「すごい……紫穂、きみは」
「口に出してもいいわよ」
なんでもないように言うと、紫穂は皆本を口粘膜全体で覆った。
じゅぷ、じゅろっぷ……
紫穂の口腔粘膜の温かさとヌルヌル加減に、皆本はおかしくなりそうだった。
「あ……くっ……」
シーツをつかむ皆本。まるで女の子のようだ。
そんな皆本を、薫と葵が食い入るように見つめている。
「萌えるぜ、皆本」
「ほんまや……かわええ、皆本はん」
「ふふ、皆本さん、かわいくなっちゃったわね。ここはどうかしら?」
指で、アヌスを刺激する。未体験の感覚にさしもの皆本も戦慄する。
「そ、そんなトコは……!」
「薫ちゃん、手伝って」
「おう!」
サイコキネシスで皆本の姿勢を変化させる。腰を高くかかげたおしめ交換ポーズだ。
「こら、薫! よせ!」
「ひゃあ、皆本のおしり、けっこーキレーじゃん。女の子みたい」
「バカ! こらっ!」
「おしりの穴、丸見え……皆本さんはずかしー」
紫穂がくっくっくっと笑う。
「み、皆本はんの……うわー、うわわー」
葵も覗き込んでくる。
「見るなー!」
「あら? オチンチンを触られたりするのは平気でも、おしりの穴は男の人でも恥ずかしいのかしら?」
紫穂はおもむろにそこに顔を近づけていく。
「さすが皆本さん、きれいに洗ってあるわ。不潔な男性は嫌われるものね」
「こ、こんなことをされるために洗ったわけじゃ……」
「気持ちいいことして、あ・げ・る」
紫穂の舌が、皆本のアヌスに触れる。
「うっ!」
「どう、こんな感じ?」
舌をまわすようにして、皆本の排泄の穴を刺激する。
「くっ! そんな……!」
「知らなかったでしょう? 男の人もおしりの穴で感じるられるのよ。皆本さんは特に敏感みたい……まさかソッチの気があるとか?」
「ま、まさか、賢木センセイと!?」
「うわっ、きゃー! いやや! 男同士なんてフケツや!」
それでも嬉しそうな薫と葵。
「ありえるか! そんなの!」
わめく皆本だが、自分でも意外なほどソコが気持ちいいことには動揺していた。
(もしかしたら……ぼく……アナルに目覚めたかも……)
「勝手にヒトの心を読んだふうに囁くな!」
皆本は紫穂をどなりつける。
「だーめ、皆本さんを目覚めさせてあげるわ。薫ちゃんと葵ちゃんも手伝って」
「おう!あたしらごのみに皆本を調教しちゃる」
「ウチのダーリンにあんま変な趣味植えつけんといてんか」
言いつつ薫と葵も参加する。
テレポートでローションを取り寄せる葵。それを指と皆本のアヌスにまぶす紫穂。
薫はサイコキネシスで皆本の姿勢を保ちながら、紫穂の指先の動きに興味津々だ。
「皆本さんのおしりのバージン、奪っちゃいまーす」
「バカ、やめろ! 紫穂っ!」
「あら? 皆本さん、覚悟したんでしょ?」
「覚悟の方向性が違うっ!」
「ふーん。でも、だーめっ」
ぬぷっ!
「うひっ!?」
「皆本さんの中、熱いわ……生きてるのね」
「あ、あたりま……こら、紫穂、指動かすな」
「どう、皆本さん、感想は?」
「へんな気分……ってちがーう! ぼくはそんなんじゃ……あっ!」
おしりの穴を小学生女子児童にいじくられてへんな声を出すようになるとは、皆本光一の人生プランにはなかったことだ。
チルドレンに関わった時点で、皆本の運命は狂ってしまったのかもしれない。
紫穂の指の動きに皆本は翻弄される。望んでいるように指が動き――読み取られているからだが――快感が高まっていく。
「あらあ、皆本さんのオチンチン、さっきよりすごくなってる……どしてかなー?」
紫穂が意地悪さ満開でささやきかける。
「う……っ」
肛門を刺激しながら、紫穂の舌は陰嚢をの合わせ目を這い回り、あいた手ではペニスをこする。
恐怖の三点責めだ。
「ほうら、出しちゃいなさい」
「紫穂っ! いま、今出したら……っ!」
皆本が悲鳴じみた声をあげる。角度的に自分に顔射を決めてしまうことになってしまう。
「自分にぶっかけちゃうのよ、ほらほら、うりうり」
「この女、真性だ」
「ほんまや、Sやな」
薫と葵がおびえを含んだ視線を交わしあう。
「いじられてもいないくせに、見ろよ、太股にたれまくってるぜ」
紫穂の白い内腿に雫が幾筋も伝っている。
しっかりと閉じられた性器から透明な愛液がどんどん漏れだしているのだ。
「虐めることで気持ちようなるねんな……深いわ」
「皆本さん、イッて! わたしのためにイってぇ!」
唇を歪め、半目になった紫穂がさらに責めを強めていく。皆本の直腸をえぐり、ある一点を激しく刺激する。皆本は何がなんだかわからなくなり――
「うっ! はああっ!」
ぱああああ。
花が咲いて皆本は快楽の園に旅立つ。
次の瞬間、熱くて苦いシャワーが顔面に降り注いだ……
「はああ……さいっこー」
お肌がツヤツヤになった紫穂がため息をつく。
全裸のままベッドの上でくつろいでいる。
「紫穂、あんたって子ぉは……ほんま怖いなあ」
葵があきれたように言う。
「皆本、しっかりしろ! おまえはまだ大丈夫だ!」
体育座りをしている皆本を必死で薫がなぐさめている。
「あたしがまだなんだぞ! これで終わりってゆーなよなー!」
皆本は薫に揺り動かされても、ただブツブツと何かつぶやきつづけている。
「こらあ、紫穂! 皆本が完全に壊れたじゃないか! あたしの番なのに!」
「ったく、しょうがないわね」
紫穂は、しかしそれなりに上機嫌で皆本の側ににじり寄る。小動物的な警戒感とともに身をすくませる皆本。ずいぶんすり込まれてしまったらしい。
「皆本さん、さっきはごめんなさい。皆本さんがあんなにオシリが弱いなんて知らなかったの。でも、大丈夫。薫ちゃんはもっとオシリ弱いから」
「えっ!?」
自分のヒップをおさえる薫。最近ポコッと出てきた10歳のおしりだ。
「薫ちゃんのおしりの穴、すっごく感じやすいし、柔らかいの。あー、もしかしたら、オチンチンも入っちゃうかも?」
「えっ、えええ!?」
メガネの奥で皆本の目がらんらんと輝いていた。
「ね、薫ちゃん。皆本さんとおしりでエッチしたいわよね?」
「紫穂ぉ……」
「おしりで失った自信はおしりで取り返さなアカンねん。薫、覚悟しい!」
「とほほ……普通にしたかったのに……」
それでも薫は皆本の前で四つん這いになる。自らおしりの穴を広げて見せる。
「皆本……あたしのおしり、使っていいよ」
「あっ……ん……ああ……」
薫は肛門に集中する皆本の責めに息をあらげた。
執拗な指と舌での責め。
紫穂が言った、「薫の弱点はおしり」というのは出任せだったが、その部分を愛撫されるのは薫としてもイヤじゃなかった。
特に、穴を広げられて、舌でえぐられるのは――最初のくすぐったさを超えると、強烈な快感だった。
自分のいちばん汚い場所を愛しい皆本に愛されているというのも、そそる。
もちろん、恥ずかしさもとてつもないが――
犬のような格好で、皆本におしりを与えている。その自分の姿も、たまらない。
「皆本……あたしのおしり……どう?」
「薫のおしり……おいしいよ」
獣のような荒い息づかいの皆本の舌が排泄の穴のまわりを這い回る。
「あうっ……それ……いい!」
やや距離を置いて――といっても同じベッド上で。
「皆本さん、おしりフェチだったのね」
「新たな一面発見や」
「なくて七癖っていうしね、まだどんな性癖を隠してることやら」
「ええねん、それでも。そんだけ皆本はんとの距離が縮まったってことやもんな」
「それに、薫ちゃんがしてもらってるアレ、気持ちよさそうだもんね」
「うちらも後でしてもらお」
紫穂と葵はうなずきあう。
女の子のお尻の穴はちっとも汚くない。
ましてそれが薫のものだとしたら。
皆本は、薫の肛門の香りを吸い込んだ。そこはえもいわれぬ少女の香りがした。ただ芳香というだけではない、生身の明石薫の匂い。
世界最強のサイコキノ、というよりは皆本の人生にひょんなことから関わり、いつの間にか家族のような存在になった少女、明石薫のおしりの穴を味わう最初の男になったわけだ。それを別に望んでいたわけでもないのだが。
ふと、皆本の脳裏に未来のビジョンがすべりこむ。
育ちきった薫の肢体。ふくらんだ乳房、くびれた腰、張り出したヒップ。そして、きれいに手入れされた恥部。
ベッドの上で薫を組み敷いている男。薫は甘い声で鳴いて、そのたわわな胸を揺らす。
「オマエはココが好きだったな、破壊の女王(クィーン・オブ・カタストロフィ)」
男の指が薫のアヌスをえぐる。薫の声が一段とたかまる。男がその唇にペニスを近づけると、薫はがっつくようにそれをくわえる。慣れている。巧みに舌で亀頭をさばく。
男は薫のアヌスをいじくり、舐め吸い、薫は男のペニスをほおばる。69の形だ。
(なんだ、このイメージ!?)
「おまえをこんなにおしりで感じるようにした男の、名前はなんつったっけなぁ……?」
いたぶるような声。
薫は一瞬つらそうに目を閉じ、それから観念したように――
「皆本」
「はっ!?」
「皆本……おしり……ひりひりしてきた」
幼い薫がこっちを見ている。
いつしか、皆本は薫を自分の上にまたがらせ、ペニスをしゃぶらせながら、おしりの穴を責め続けていたらしい。さっきのビジョンと同じように。
あれはなんなのか。かつて、伊・9号に見せられた未来予知のように鮮明な。
皆本自身はエスパーではない。もしもあれが誰かエスパによって見せられた予知夢だとしたら。
そんなはずはない。あんな未来があるはずがない。
「皆本のオチンチン、もっと舐めていいか? 紫穂みたいに巧くないけど」
「え、あ……うん」
「あと、おしりの穴ばっかだと、ちょっと変態チックだから……アソコもいじってほしいな」
見ると、薫のおしりの穴の周囲ばかり赤くなっている。
その舌のワレメは未使用なまま、ぴったりと閉じている。
「わかった。ごめんな、薫」
「いーよ、別に。あたし、アソコで感じるとかよくわからないし。おしりもいやじゃなかったし。皆本にされるんならさ」
言うなり、照れ隠しのように皆本のペニスをくわえる薫。あいかわらず不器用なフェラチオだが、熱意は感じる。
皆本はそんな少女の性器を広げる。
まったくの無毛、小さな花びらに、おしっこの穴。そして、子宮へ続く入口。そこを広げたら、薫のすべてを見たことになってしまう。
その扉を開けてしまったら、もう――
未来を変える一瞬とはこういう刻かもしれない。
皆本は、薫の恥部を広げた。
「あ……っ! 皆本……っ」
広げられたのがわかるのだろう。見られているのがわかるのだろう。薫の声が泣きそうに湿り、それからとろけるように変わっていく。
皆本がその部分に触れて、指を動かし始めたからだ。
身体の大きさがつりあわないから、互いの性器に口づけることはできない。だが、皆本は薫の小さなクリトリスをくすぐり、尿道口をマッサージし、そして膣に指をうずめた。
そこは明らかに狭く、葵のように濡れそぼってもいなかった。
その部分は、薫はまだまだ未成熟なのだ。
10歳なのだから当たり前だが。
「はあ……はあ……皆本……あたしの、どう? へんじゃない?」
「へんじゃないよ。かわいいよ」
本音だった。
皆本がそこを広げるまで、異性からの接触は一切なかったはずの薫の秘部。その粘膜の色と形、そしてサイズを、皆本は確かめていた。
「あたし、女っぽくないから。紫穂みたいなテクニックはないし、葵みたいに感じることもできないけど、でも、皆本に気持ちよくなってほしい」
だから――
「皆本の、入れて、いいよ」