〜うたかたの天使たち〜
気恵編+α

真夏の五芒星

−気恵−

「ザ・究極の固め技・はずかし固め!」

 おれは気恵くんの脚を取って大きく広げさせた。いわゆる股裂きだ。かんたんには閉じられないように腕と脚をからめる。

 気恵くんをふとんの上にあおむけにさせた状態で、百五十度くらいに大きく開脚させる。

「なっ、なんだよぉっ!?」

 気恵くんが動揺して叫ぶ。自分がどんなに恥ずかしい格好をさせられているかが一目瞭然だからだ。自分のほぼ目の前に、かぱっと開かれた股間があるのだ。

「この技こそ、バーリ・トゥードの世界でも相手を精神的に追い込む必殺技として恐れられている、はずかし固めだ!」

「こっ、こんなへんな技、かけるなよぉ……」

「いいか、気恵、プロレスとは忍耐だ! これからどんなことがあっても、ギブアップするんじゃないぞ」

「でっ……でもぉ……」

 おれは目の前にある気恵くんの股間をじっと凝視する。股ぐりの布は二枚重ねになっているから、その下の凹凸もわかりにくいのだが、さすがにここまで間近に見ると、気恵くんの大事な部分のおおまかな位置と大きさも見て取ることができる。それに、運動したせいだろう、その部分はたっぷり汗をかいて変色していた。

「気恵……負けるなよ」

 おれは励ましの声をかけつつ、気恵くんのその部分に指を当てた。

「ひゃあっ!」

 びっくりしたような気恵の第一声。だが、これからだ。

 スクール水着の布地は気恵くんの汗をたっぷり吸って変色している。健康な中学生の女の子の匂いがたちのぼってくるようだ。

 柔らかいデコボコの形を指でなぞる。

「ヘンなとこ、さわらないでよぉ」

「だからプロレス技だといっとろーが」

「こんな技知らないってば!」

 抗議には耳を貸さず、おれは水着ごしに気恵くんのワレメを刺激する。ひくんひくんとおしりが動くのがおもしろい。

「ああ……やめてえ……」

 水着の布地の色がさらに濃くなってきた。

「なんだ、気恵、ここ、湿ってきてるぞ? まさか、気持ちいいのか?」

「あ、汗だよっ!」

「そうかなあ……心なしかネバネバしてるみたいだけど」

 おれはぐいっとワレメの奥をえぐるように指を突きたてる。気恵くんの声が大きくなる。

「こんなの、プロレスじゃないよっ!」

「気恵、おまえはさっきから自分に言い訳ばかりしている。こんなのプロレスじゃない――だから負けても恥じゃない――でもな、そうやって勝負から逃げる心で、ほんとうにプロレスLOVEと言えるのか!? 剛竜馬に申し訳ないと思わないのか!?」

 自分でもなにを言っているのかイマイチわかっていないのだが、イタズラを続けたい一心でおれは熱弁をふるった。

「くぅっ……」

 気恵くんの顔が悔しそうにゆがんだ。

「わかったよ……もう弱音は吐かない! どんな技でも受けきってみせる!」

「よく言った! だが、はずかし固めの恐ろしさはこんなものじゃないぞっ!」

 おれは第二段階に進んだ。顔を気恵くんの股間に埋め、股ぐりの布地をがっきと噛む。

「な……なにを!?」

「ほふひへひゃふぅぅぅぅ!」

 水着の股間の紐状の布をくわえて、ぐいい、と引っ張る。

「やだっ! なにぃ!?」

 気恵くんがパニックにおちいる。水着の一番きわどい部分を引っ張られているのだ。

「やっ、み、見えちゃう……っ!」

 おれは水着をくわえながら、必死で目を動かした。布地とおマタの間にスペースができている。気恵くんの大事なところがちらちらと覗く。

 毛がちょろちょろ生えているのが見える。中二にしては、毛深いほうかもしれない。おれはさらに水着を引っ張る。お。ピラピラしている部分が――見えそうだ。

 もうおれ的にはその部分を見たい一心で、歯を食いしばる力を全開にしていく。

 ビリッ――ピリピリピリ――と布地が裂けていく。

「ああっ!?」

 その部分に突然おとずれた解放感に驚いてか、気恵くんが声をあげる。

 スク水の股間の部分に大きな破れ目ができた。おれの健康な歯の威力だ。

 破れ目のむこうに、気恵くんの下半身に刻まれた陰裂がはっきりと見えている。

 陰毛の繁る阜と、そこから絶妙のスロープを描いて胎内に切れ込んでいく谷間、クリトリスをおさめた包皮のふくらみ、そしてより複雑な粘膜組織の重なり――さらには排泄のための穴までもがおれの目の前に広がっている。

「気恵、全部見えちゃってるよ……かわいいアソコも、おしりのアナも」

「み、見るなあ……っ! くそっ、これくらいでっ!」

 気恵くんが歯を食いしばっている。羞恥に耐えているのだ。

 考えてみれば、女子プロレスラーも水着で激しい格闘を繰りひろげているわけで、ハミマンくらいは日常茶飯事だろう。そんなことには動じない強い心の持ち主でなければ、とてものことプロにはなれないのだ、たぶん。

 おれはさらに気恵くんに試練をあたえるべく、剥き出しになった性器に指を当てた。

 クリトリスのあたりをつまんで、もむようにする。

「うあっ! ゆ、遊一、どこ触って……」

「ここ、効くだろう? 負けを認めてギブアップしたらどうだ?」

 指先でその部分をつまんで転がすようにしながら、おれは気恵くんに降伏勧告する。むろん、反発を期待してのことだ。案の定、気恵くんは屈伏を拒絶した。

「だれが降参、するもんか……っ!」

 よしよし。もっとたっぷりいじくってあげようじゃないか。

 おれは気恵くんの一番感じるであろうポイントを徹底的に責めた。すぐに、その部分が充血して固くなってくるのがわかる。包皮からぽつんと顔を出してきたところを迎撃する。

「ひっ! そこは……だめぇっ!」

 顔を真っ赤にして、汗みずくになりながら、気恵くんが声をあげる。どこをどういじられているか、自覚はあるみたいだ。さすがは中学生、自分でそこを触った経験はけっこうあるのだろう。

「んうう……ううふ……んっ!」

 おれの指がクリトリスをこするたびに身体をヒクつかせ、鼻を鳴らしている。

 ビラビラの部分がどんどん潤ってくるのが手に取るようにわかる。クリを責められて、愛液があふれてきているのだ。顔を近づけて匂いをかぐ。汗の匂いとブレンドされた気恵くんの性の芳香――甘酸っぱくてたまらないかぐわしさだ。

 おれはがまんできなくなって、顔をその部分にうずめた。指で入り口を開くようにして、花びらに口をつける。気恵くんのエッチなジュースをすすりあげる。

「ああっ!? ゆういちが……舐めてるぅ……」

 気恵くんがかすれ声を出した。

「だめだよぉ、そんな……うあっ!」

 その声はじょじょに大きく、そして声質が切なげになっていく。

 おれは気恵くんの性器に舌を挿しいれていく。まちがいなく未使用の気恵くんの膣に、唾液にまみれた肉べらを送りこんでやる。

「あ……あ……あ……」

 気恵くんは息もたえだえに、虚空を見つめている。

 だが、まだプロレス魂は折れていないのか、ギブアップすることなく、おれの攻撃をしのいでいる。ううむ、手ごわいな、なんつったりして。

 おれはとどめをさすべく、水泳パンツをずらした。とっくに勃起しまくったペニスは、さっきからパンツのなかで痛くてたまらなかった。顔をのぞかせた亀頭は、すでに先走りでぬるぬるだ。

「気恵……おれの必殺技を伝授してやるぜ。名づけて、ドリル・ア・ホール・ペニスドライバー!」

 露出させたペニスを気恵くんに見せつける。

 さすがに気恵くんの表情に恐怖がうかぶ。

「だめっ、入れたら……だめだってばぁ……」

 気恵くんがふとんの上でもがく。だが、おれはがっちりと気恵くんの両脚を固めている。汗まみれの二人の肉体がさらに密着度を高める。

 室内の熱気は、もはや熱帯のジャングル並みだ。そのなかで、繰りひろげられる攻防戦。気恵くんの抵抗、それを押えつけるおれ。荒い二人の息づかい。

 まさに平成プロレスの名勝負という感じだ。

 おれは気恵くんの性器に、ペニスをあてがった。先端を、ぬるぬるになっている肉のくぼ地にもぐりこませる。

「ゆ、ゆういち……ほ、ほんとに入れちゃうの?」

 泣きそうな顔で気恵くんが問いかける。

「あ、姉貴はどうするのさ……苑子たちは……」

 そんなことは知らん。おれは行為を続ける。

「気恵、力を抜け」

「う……うん……」

 さすがは中学二年生、苑子や美耶子たちの時とはちがい、「裂けたらどうしよう」という心配はしなくてもいい。むろん、おとなの性器と比べて明らかに未成熟なのだが、それでもじゅうぶんにおれのペニスを受け入れてくれそうだ。

「入れるぞ」

「んう……うう……」

 もぐっていく。気恵くんの身体に道をつくっていく。まさにドリル・ア・ホールだ。

「いたい、いたい、いたい……よお……っ」

 処女膜貫通の圧迫はさほど感じなかったが、気恵くん自身には破瓜のダメージはあったようだ。苦しげに顔をしかめ、熱い息を吐いている。

「がまんしろ! 痛みに耐えてこそ、真のレスラーだ!」

 言いつつ、おれは気恵くんの上から腰を叩きつけはじめた。

「いたいぃぃ……いたああ……うくぅぅっ」

 気恵くんは苦しそうにうめき声をあげ続けている。ちょっとかわいそうだが、すごく気持ちがいいのも否定できない。

 気恵くんの中はものすごく熱くて、しかも筋肉の収縮を強く感じる。愛液で潤った柔肉がからみついてきて、蕩けそうだ。

 現在の形は砧とかいう体位に似ているが、プロレス的にいえば、逆さ押え込みに近いかもしれない。気恵くんの両肩をふとんにおしつけて、高くかかげさせたヒップに真上からペニスを挿しこんで、ぐりぐりとえぐる。

「気恵、フォールだ! ワン、ツー……」

 必死で気恵くんは肩を浮かせる。レスラーの本能だろうか。

 また、上から突いてやる。浅く速いピストン運動だ。

「ああああああっ! うああああ……あっあっ!」

「また肩がついてるぞ、ワン! ツー! ス……」

 気恵くんは身体をねじってスリーカウント直前で逃れる。カウント2.5くらいだ。

「いいか、スリーカウントになったら、中で射精するからな」

「な、中は……ぜったいだめぇ」

 涙目で気恵くんが訴える。おれは大きくうなずいて見せた。

「中出しがいやだったら、カウント2で返すんだ、いいな!? これが特訓の仕上げだ!」

 そして、宣言どおり、フィニッシュに向けて、腰の動きをさらに強く激しくする。

 上からのしかかりながら、腰を激しく打ちつける。気恵くんの奥の奥まで突きまくる。ものすごい快感で、今にも爆発しそうだ。

 気恵くんも必死で肩をあげようとしている。

「ワン! ツー! スリ……」

 カウント2.7!

「ワン! ツー! スリィ……」

 カウント2.9!

 まるで全盛期の全日本プロレスの四天王対決のようなスリリングな攻防だ。ところで、たまにカウント2.9999!とか絶叫するアナウンサーがいるが、1万分の1秒ってどうやって感知するんだ?

「はああっ! はあっ! ゆういちぃ……わたし……もぉ……もぉ……」

 気恵くんが切なげに声を震わせる。激しいおれの責めに、限界を迎えようとしているらしい。汗にぬれた肌からたちのぼる匂いはまさに女のそれだ。

「ああああっ! すごいよぉっ! おなかのなかが灼けちゃううっ! とけるぅ……とけちゃうよぉおおっ!」

 空中に掲げた脚を痙攣させ、気恵くんはのぼりつめていく。もう肩をあげるどころではないようだ。おれは気恵くんの身体の一番奥の奥にペニスをこすりつけて、最後のカウントを数える。

「ワン! ツー!」

 一瞬の間。

「スリーっ!」

 打ち鳴らされるゴングのかわりに、弾丸のようにザーメンを噴出させる。

 びゅっ、びゅっ、びゅるるるぅっ!

 気恵くんの聖なるリングにおれの精子の塊がぶちまけられていく

「あっ、あ……ああああああっ!?」

 ガクガクと身体をゆさぶりながら、気恵くんは絶叫する。おれの射精は十秒近く続いた――

エピローグ

 軽くノックの音がして、ふすまが開いた。氷がガラスに当たる音がする。

「お勉強はどうですか?」

 冷たいカルピスのグラスをふたつお盆にのせて、一子ちゃんが顔をのぞかせる。

「あ、帰ってたんだ。プールどうだった?」

 おれは、一秒前まで気恵くんと唇を合わせていた、その気振りも見せずに、一子ちゃんを振りかえった。

「ええ、もう、たいへん。美耶子は水着を忘れるし、珠子はプールに沈んで三十分以上浮かんでこないし、苑子は知らない人に連れていかれそうになるし」

 別働隊にもいろいろあったようだなあ。

「じゃ、がんばってね、気恵も」

 一子ちゃんが微笑みを残して、部屋を出ていく。気恵くんが椅子の上で大きく息をつく。気恵くんはタンクトップを着けているが、下はまだ裸のままだ。おれが身体で隠していたが、角度によっては見えていただろう。

 おれは気恵くんの股間に手を差し入れた。

「今晩……一子ちゃんたちが寝たら、またスパーリングな」

 入口をこねながら囁きかける。

「……うん」

 汗をいっぱいかきながら、気恵くんは小さくうなずいた。

おわり


2002/7/26