うたかたの天使たち 外伝
美耶子のお仕事シリーズ Part6

 「美耶子のバレンタイン大作戦」 〜2日目〜

死闘! 札幌ファンミーティング編

 

一日目のお話はこちら 


 

 二日目の札幌ロケはのっけから雲行きがあやしかった。初日のスローペースがたたり、ノルマが増えたからだ。その日だけで十数件ものロケをこなさなければならない。

 さすが大都市札幌は美耶子のファンも多く、バレンタインプレゼントの競争率も百倍以上にのぼったそうだ。応募にはロリTVの有料番組の視聴ポイントをためる必要があるから、当選者たちがいったいいくらロリTVにつぎこんだかは想像を絶する。

 ロリTVは定額で見放題というヤワなシステムではないのだ。人気番組――美耶子のような超人気子役が出演する、しかもガチなやつともなると、高額な視聴料を、しかも番組単位で、払わないといけないのだ。

 そんな苦労を経て当選した彼らをブッチして北海道を去るわけには行かず、怒濤のロケ地獄が始まったわけだ。

 思い返せば初日にあたった人々は幸運だった……

 あのときは美耶子にも余裕があって、サービスも細やかだった。

 当選率も高かったろう。たぶん、富良野の田所さんとか、あのあたりでは、ほかに応募者いなかったんじゃないか? 観光地の絵を押さえたい、とかで倍率無視で桃山園が選んだに違いない。

 ただ、幸いなことに、札幌は大都市だけに当選者の住所も比較的固まっていて、移動は効率的だった。

 逆にいえばそれだけ撮影が過密ということになる。

 さすがに今日は「1」が出てもオマケはなしにするよ、と美耶子も効率重視で臨んでいたが、あにはからんや、札幌市民は強運ぞろいか、朝から立て続けに「5」「6」「5」「5」の四連チャン。美耶子もびっくりだ。

 へとへとになって午前のロケを終えて、お昼ご飯は平岸の有名なラーメン屋へ。

 濃厚な味噌スープが力強い太麺にからみ、うまい。

 これでなんとか体力と気力を取り戻した美耶子は午後の撮影に立ち向かった……のだが。

「6」「6」「6」

 獣の数字じゃねーか。

 もしくはプロ野球の横浜ベイスターズの順位予測か。

 さすがにサイコロがおかしいんじゃないかと思って調べたが、異常はない。運か、運なのか。

 桃山園の仕掛けというわけでもなさそうだ。桃山園としても、スケジュールは気にしているはずだ。

 さすがに生本番の撮影となると、準備や後始末にも時間がかかる。美耶子の体力も削れる。ファンは夢のJS膣内射精をキメてスッキリ大満足だろうが、このままでは美耶子がもたない。

 だが、まだ札幌市内の当選者は十人も残っている。昨日の積み残しが効いている。

「やばいわね……このペースだと終わるのは深夜になっちゃうわ」

 ハンドルを握りながら桃山園が言う。

 時刻は午後三時を回っている。一人当たりの撮影時間を三十分としても、移動や準備を見込むと十時間くらいかかりそうだ。

「美耶子の調子は?」

「寝てます」

 おれは答える。後部座席で小さな口をあけて寝ている美耶子の絵をいちおう撮っておく。ほんと寝顔は宇宙一可愛いな……。

「ほんと、チンポを突っ込みたくなる口よね」

 おい。おまえはそれしかないのか……

「まあ、がきんちょの体力はもつと思うけど、あたしの方がたまんないわ……ただでさえ昨日は寝不足だったのに」

 桃山園がサングラスの奥の目をしょぼしょぼさせる。

 それはおまえが撮影と称して自室に美耶子を連れ込んで、朝まで解放しなかったからだろーが。どんだけハメ撮りしてたんだ。

「そうね……このままだとちょっとワンパターンでもあるし、趣向を変えることにするわ。なにしろ一人一人こっちから訪ねていくのは効率悪いし、向こうから集まってもらいましょ」

 全国のおにいちゃんの家に美耶子がチョコを届ける企画は早くも頓挫らしい。

「さっそく撮影場所の手配と当選者への連絡をお願い、よろしこー」

 全部やるのはおれかよ……

 

 

 と、いうわけで。

 札幌市内、午後六時。

「バレンタイン記念、美耶子とおにいちゃんのファンミーティング、いん、さっぽろー!」

 きわどいマイクロビキニだけを着用した美耶子がカメラに向かって元気な声をあげると、背後にいたおよそ十人ものパンいちの男たちが「うおおおお」とか奇声をあげる。

 ここは、すすきのにあるラブホテルのVIPルームだ。十人以上が入れて撮影可能な場所を探して、なんとか交渉したのだ。

 当選者たちへの連絡も厄介だったが、札幌市内在住者がほとんどだったのと、来れなかったら当選取り消しの脅しが効いたのか全員集めることができた。

 それぞれ顔出はNGなので、当選者たちは全員、目出し帽着用だ。

 その男たちがブリーフやトランクスのみのパンツいっちょの格好で、マイクロビキニ姿の少女を取り囲んでいるのだから、もはや犯罪臭しかしない。

 さすがに地上波ならアウトだろうが、ロリTVはガチだから、これもそのまま無修正で放送される。

 というか、このパートは桃山園の発案で生配信だ。

 まったく思いつきだけで生きている男である。

 もともとこの企画は、一日かけて撮影した素材をネット経由で本社に送って、翌日の夜に配信していく予定だった。つまり一日ごとに撮った素材で放送する必要があったために、初日のスローペースに桃山園が苦言をていしたわけだ。(それを考えれば、昨夜深夜まで美耶子を離さなかったのは放送用の撮れ高を増やすためだったのか……)

 その予定をあっさり覆し、まず6時から生特番、「ファンミーティング・イン・サッポロ」を配信し、その流れで第一回の放送につなげることにしたのだ。

 ロリTVの編成担当者は顔面蒼白になったろうが、そこはドル箱女優・美耶子の番組であるし、桃山園もこの業界ではいちおう大物ということになっている。それにネットTVが地上波と違うところは、流す番組はチャンネル数に縛られない。

 問題があるとすれば告知が行き届くかどうかだが、その点、美耶子のツイッターのフォロワーは全世界に数百万人いる。美耶子が「おにいちゃん、みてね」とつぶやけばオールオッケーだ。

 放送機材と回線は、札幌のロリTVの協力会社に頼んで揃えてもらったが、カメラは桃山園がコントロールする固定カメラ2台と、おれの手持ちカメラだけだ。これで全世界にリアルタイム配信しようってんだから、桃山園は狂人か天才のいずれかだろう。そして、どっちに転んでも変態なのは変わらない。

「今晩から放送開始する『美耶子のバレンタイン大作戦』、おにいちゃんたち予約はオッケーですかー?」

 マイクロビキニの美耶子が可愛くグーを突き上げるのにあわせて、おおおー、と鬨の声をあげるパンいち目出し帽軍団。

 配信中の画面をPCでモニターすると、画面内でも「うぉおおーい」とか「予約済みなりー」などの書き込みがものすごい。英語や中国語、ハングル、謎の言語もある。

 予約というのは、有料番組の配信予約のことだ。この一本だけで、億単位のカネが動く。

 

「じゃあ、今日から始まる、バレンタイン大作戦のルールを説明しまーす!」

 美耶子がフリップを出して、サイコロの目の説明を始める。

「サイコロの目にあわせたプレゼントを美耶子があげるんだよ! これから札幌のおにいちゃんたちと実際にしてみるね!」

 おおおおー! と盛り上がる目出し帽軍団。

「しかも、ファンミーティングなので、特別ルール!」

 説明しよう、と桃山園の陰ナレが入る。陰ナレとは顔出しせずにナレーションすることだ。この番組では基本、おれも桃山園も映らない。

 ファンミーティング専用ルールとはこうだ。

 まず、当選者たちと美耶子でいくつかミニゲームをする。それがサイコロを振るかわりになる。勝った者がご褒美を得るのだが、それはもちろんエッチなものだ。しかも、より過激、かつマニアックになっている。

 このあたりは、急遽呼び寄せた当選者たちへの配慮だ。ゲームの勝者が自分のフェチを満たせるように、事前にリクエストをきいている。

 たとえば、自称・商社マンの桑原(仮名)氏の場合は、「女装した自分の尿道孔だけを吸ってイカせてほしい」もしくは「女装した自分をスケ番に扮した美耶子がいたぶりながら、騎上位で中出しフィニッシュ」というものだった。いずれも難易度高いな。

 扮装とかは無理、と言ったのだが、実は桑原氏、自分用のセーラー服と美耶子用の学ランを持参してきていた。

 このように参加者が持ち込んできた持ち物は多種多様で、バイブやら拘束具やら納豆やら蜂蜜やら、挙げ句の果てにはバター犬を持ち込んできた参加者もあり、美耶子ピンチすぎる。

 だが、そこまでやってこそファンへの感謝の気持ちが伝えられる、と間違った納得の仕方をして、本番に臨む美耶子はやはりプロなのだ。

 

「第一のゲームは――これー!」

 美耶子が出したフリップには「美耶子とくすぐりにらめっこ! ぽろりもあるでよ」と桃山園の汚い手書き文字で書いてある。

 ルールはいたってシンプル。美耶子をくすぐって笑わせ、さらにぽろりさせてポイントを競うというものだ。

 なにしろ美耶子はマイクロビキニだから、激しく身をよじったりすると、上も下もずれたり食い込んだりしてしまう。

 乳首ぽろりで1点、ワレチラ3点、アナル4点、くぱあ5点といった感じだが、実際のポイントは桃山園の独断で決まる。

 

「きゃははははっ! だぁめぇ! やああん、ひゃはははっ!」

 笑わせるためなら、急所以外のボディタッチが許されるというルールで、ファンたちは一人一分の持ち時間で、存分に美耶子とのスキンシップを楽しんだ。

 マイクロビキニは極小面積&ゆるゆるなので、もちろん、サービスカット満載だ。

 一人目の挑戦者のときから乳首チラ、われめチラを連発。

 未成熟な十歳の少女の身体のいろんなところが見えてしまう。

 もちろん、これは演出上の配慮で、見えそうで見えない。でもやっぱり見えちゃう、というぎりぎりのところをねらっているのだ。

 あくまでも、マイクロビキニ姿の小学生の女の子がくすぐられて身体をよじったり、おしりをくねらせたり、内腿にぐっと力を入れてこらえたりするところを見せているだけ――その拍子に、うっかり水着がずれて桜色の乳首がのぞいたり、それよりはやや濃い桃色の肛門がこんにちはしたり、ワレメに水着が食い込んだり、逆にゆるんでおまんこがばっちり見えたり――してもしょうがないじゃない。

 それが視聴者が見たい「ところ」なのだから。

「あははははは! もうだめぇ! こうさん! きゃはははは!」

 ファンたちに代わる代わるくすぐられ、美耶子も素で笑っている。

 汗みずくで、髪も振り乱して、澄ましたアイドルでも子役でもなく、ただの十歳の子供に戻っている。

 ファンたちも美耶子とのスキンシップを通じて、リラックスしてきた感じだ。

 絵的には、パンツ一丁の大人の男が、マイクロビキニ姿の少女を組み敷いて、腋をくすぐったり、足裏をぺろぺろしたり、耳元に息を吹きかけたりしているので犯罪っぽくて仕方ないのだが。

「第一のゲーム、しゅーりょー!」

 桃山園がダミ声を張り上げる。

「それぞれポイントはこうなっておりまーす」

 十名のファンたちがそれぞれ時間内で稼いだポイント、すなわち美耶子のお宝映像をどれだけ提供したかが発表される。このポイントは累計されていくが、同時に、第一のゲームでのトップにはごほうびが与えられる。

「いちばん美耶子を笑わせてくれたおにいちゃんにキッスのプレゼントだよ!」

 美耶子がリードしてのベロチューのプレゼントだ。

 さらにオマケで、美耶子の水着の中に手をいれてもいい権利が与えられる。

 幸運なファンは美耶子の舌と唇の感触を味わいながら、その身体の最奥部のぬるみを指先に感じることができるのだ。

 それだけで昇天ものだろう。

 実際そのファンは、手さえ使わずに射精してしまった。

 それを見守る男たちの股間には見事なテントが張られていた。

 

「第二のゲームは!」

 美耶子が仕切り直してフリップを掲げる。

「9人いるのでやきゅうゲームしよー!」

 せっかく全員勃起したので、それをバットにみたててみました、という遊びだ。馬鹿すぎる。むろん桃山園の発案だ。。

 男たちはパンツを脱ぎ、チンポを露出させる。

 そして、美耶子が投げたボールを打ち返すのだ。

 三振したら、0ポイント。打ち返せたらヒット扱いで、飛距離勝負。

 しかしなんというか、このゲームには美耶子がノリノリだった。

 ファンの男たちのチンポをしげしげと観察し、感想を述べていく。

「わあ、このおにいちゃんのチンポ、おっきい!」

 とか

「かわいい亀頭さんですねー、すっごく変わった形、かわいっ」

 とか

「毛むくじゃらでクマさんみたい!」

 とか

「おにいちゃんのチンポは恥ずかしがり屋さんかな? えいっ」

 とか言いつつ包皮を剥いたり――楽しみまくりだ。

 ゲームの待ち時間でペニスの立ちが悪くなると、魔法のような手さばきで勃たせてしまう。

 さすが子役のトップを張るだけはある。

 ゲームそのものは単純で、美耶子が投げるビニール製のソフトなボールをファンの男たちが股間のバットで打ち返すだけなのだが――

「おおーひっとだよー!」

「これは二塁打かな?」

「ざんねん、さんしーん!」

「すっごーい! ほーむらん!」

 と美耶子がおおはしゃぎ。

 なんのことはない。大人たちのチンポで小学生女児が遊んでいるだけだった。

 でも、楽しそうではある。

 さわったり、こすったり、においをかいでみたり――

 大人チンポを弄ぶ小学生女児。弄ばれて喜ぶ子役アイドルファンたち。

 世も末すぎる。

 ちなみに、ロリTVはネット放送で、日本の法律の支配下にはないため、ペニスはそのまま映している。これが地上波なら、黒いコンドームを着けたり、モザイクをかけたりするのだが――どっちにしろ、生配信だから加工のしようもないのだが。

 このゲームの結果も各参加者ことに加算され、さらにトップの飛距離を出したファンには美耶子からごほうびが出された。

「じゃあ、記念撮影、しよ!」

 ツーショット写真撮影がごほうび――ただし、主に映るのは性器だ。

 どういうことかというと。

 そのファンのチンポと、美耶子のおまんこのツーショットなのだ。

 ベッドの上に座ったファンと向かい合わせで美耶子が座り――ファンのチンポに美耶子の股間――マイクロビキニを極限まで食い込ませたワレメくっきりな状態――を押しつける。

 まるでペニスをマン肉で挟むような感じで、はい、チーズ! という塩梅だ。

 ペニスでいっぱい遊んだためか、美耶子はかなり興奮していて、ビキニの股間の布地もぐしょぐしょだった。演技でなくここまで濡らすのは珍しい。そのせいかテンションがおかしくなっている。

 言われなくても美耶子のほうから腰を上下させて、ファンのチンポをワレメでしごく始末だ。まったくもって、はしたない。

 

 第三のゲームでは、ファンの男たちだけでなく、美耶子もついにボトムレスになった。自分で脱いでしまったのだ。

 というか、濡れすぎて、愛液がたれてきてやばい。

 男たちのペニスに囲まれて、どうやら発情スイッチが完全に入ってしまったらしい。

 ファンの男たちのテンションも高まった。

「あの美耶子ちゃんが……」

「おれたちとエッチしたがってるんだ」

「サカっちゃてるよ……マジで」

 美耶子の表情は完全にメスのそれだ。

 ファンと一対一、一対二くらいで相対するときは、もっと余裕があった。今回のロケでもここまで美耶子ができあがったのは初めてかもしれない。

 美耶子からのリクエストもあって、第三のゲームの内容は、

「おにいちゃん、美耶子をクリでいかせてね」

 になった。

 ファンの男たちが順番に美耶子の股間を可愛がって、誰がいかせるかの勝負だ。

 不公平をなくすために、一人あたりの持ち時間は十五秒と短くして、何回も回ってくるようにした。

 クリでも膣でもアヌスでも、さわり放題、舐め放題。

 美耶子から「イク」の声を引き出せたら3ポイント、潮を噴かせたら30ポイント。一気に逆転可能だ。

 美耶子はノリノリで自分で性器を広げて見せた。

 子供らしい薄桃色の粘膜をあらわにする。

 クリの包皮も剥いて、ピンクパールを外気に晒す。

 膣口も開いて、内部に広がる女の子の秘密をファンたちにあますところなく見せつける。もちろんカメラでも押さえているから世界中に配信されている。

 愛液がじゅんじゅんとわき出てくるくらい、感じているのだ。

「美耶子のおまんこ、かわいがってぇ、おにいちゃん!」

 甘えた響きを持つ美耶子の声に反応して、男たちのペニスが反り返る。腹にくっつくらい屹立する。

 だが、まだ挿入はできないのだ。ゲームの勝者にならなければ。

 わいせつな映像を提供する立場(になってしまった)おれとしても、これほどいやらしい映像は見たことがない。

 発情した十歳の少女の剥き出しの股間を、目だし棒で顔を隠した全裸の男たち(二十代から五十代くらい?)が入れ替わり立ち替わり指でいじったり、舐めたり吸ったり、している。

 そして本気のアクメに導こうとしているのだ。

 狂気の光景だが、それは少女自身が望んだことであり、生中継で全世界に配信されているのだ。そしておそらくは将来的にはビデオソフト化され、最低限の修正は施されるにせよ、一般流通で販売されるのである。

なにゆえにこうなったのか、もはやわからないが、この世界では、この時間軸では、それが許されているのだ。初潮前の少女の「生殖にいたらない行為」であるがゆえ。

「あぅんっ! いいよ、いいよ、それっ、おにいちゃんっ!」

 クリトリスを擦られ嬌声をあげる美耶子。

「あんあんあんっ! いきそっ! でも、まだ……っ!」

「はいっ、十五秒経過っ! 次の人っ!」

 桃山園がスマホのストップウォッチアプリで時間を計っている。だが、そんなことをしなくても、次なる挑戦者が遅延プレイを許すはずがない。

 かわって美耶子の股間に陣取った男はためらいなくクリトリスの根本に舌をねじ込む。吸い上げる。

「あーっ! それっ! すごくいいよぉ! はあんっ! あんっ!」

 腰を突き上げる美耶子。子供サイズの小さなクリトリスでも性感をもたらす神経の数は同じだ。その分、繊細でありながら強烈な快感を美耶子にもたらしているはずだ。

「あっあっ! ふああああんっ! いくっ! ぃ……いくうぅっ!」

「イキました! 3ポイントぉ!」

 桃山園が判定役も兼ねている。まあ、美耶子をイカせた回数はおれと並んでトップクラスのはずだから、判定役には最適なのだろう。

 ガッツポーズをする目出し帽の男。もう誰が誰だかわからないが、名札には「クリスチャンセン後藤」と書いてあるから栗栖さんでいいか。あ、そっち本名か、まあいいや。

 変態の桑原さん(前述)もはりきって美耶子の股間に舌をはわせるが、イッた直後は不利だぞ。くぱあして粘膜を広げ尿道口を責める作戦のようだが、美耶子へのその責めはあまり得策ではない。

 あっという間に時間が過ぎたが、美耶子の尿道口をしゃぶりきった桑原さんはうれしそうだった。

 ぶっとい亀頭を美耶子に気にいられた鬼頭さんは、しっかりと予習済みだったか、美耶子のアナルを集中攻撃した。たっぷり唾をつけた指で、入口から3センチくらいの深度を責める。

「あひっ! お、おしりは、だめだよぉ……っ! ひゃはっ!」

 十五秒では不十分だが、それでも美耶子におしりを意識させることには成功した。むろん、今日も美耶子はアナルを使う準備をしているから、汚くはないのだ。

 クリを責める者、膣を責める者、アナルを責める者――そして尿道口にこだわる桑原さん。

 それぞれが美耶子をイカせるために精一杯だった。

 もうそうなると、美耶子の全身が性感帯になってしまう。

 その状態になると、もう、十五秒あれば誰でも美耶子をイカせることができるようになる。

「あああああっ! だめっ! クリちゃんだめっ! もうイクっ! いくいくいくぅっ!」

「はい三ポイント! 次のひと!」

「はああっ! おしりもすごいっ! いくっ! いっちゃうよぉ!」

「はいっ三ポイント! 交代!」

「はっ、はっ、はぁっ! 指マン、ぎもぢいいいいいっ!」

 白目を剥いてアクメる美耶子。

 連続して三ポイントを稼ぐ男たち。勝負がつくのは間近か――そのとき――

 ぷっしゃああっ!

「いひぎぃいいいいっ!」

 美耶子の性器が決壊して、大量の液体を噴いた。

「なんとっ! 潮吹き、三十ポイント! と同時にタイムアップ! 第三ゲームの優勝は――」

 美耶子の尿道孔を何度も繰り返し責め続けた桑原さんがしてやったりのドヤ顔でガッツポーズだ。

 どうやら、今まで知らなかった尿道孔アクメを美耶子は覚えさせられたようだった。

 

 

 男たちの辛抱も限界、美耶子の体力にも限りがあるために、第三ゲームまででポイント計算をおこなうことにした。

 その結果、一位、桑原さん、二位、鬼頭さん、三位、栗栖さんとなった。ほかの男たちも健闘したが、やはり第三ゲームのポイント獲得数が大きくものを言った。尿道孔責めで美耶子から潮吹きをゲットした桑原さんはもちろんのこと、アナル責めを徹底した鬼頭さん、クリ責めのテクニックがすごかった栗栖さんは、回ってくるたびに美耶子の弱点を突いて、的確にアクメを奪っていたのだ。いずれも、美耶子の性感帯の位置や感度をきちんと研究していたからだ。

「美耶子ちゃんの出ている番組や映画は、もうコマ送りしながら繰り返し見てますから!」

「とくに桃山園さんやゆういちさんが美耶子ちゃんとエッチしているシーンが参考になりますね!」

 鬼頭さんも栗須さんもさわやかにコメントするのは何か違うと思うぞ。

 桑原さんはもうプレイへの期待感からか、鈴口に大きな先走りの雫をためている。

「美耶子ちゃんのおしっこ穴かわいすぎです! これまで1万人くらい女の子のおしっこ穴を研究してきましたが、断然ナンバーワンです! 尿道孔クィーンです!」

 もうコメントも要領を得ない。というか、こいつらもはやファンの領域を超えてないか?

 撮影用に借りているラブホの残り時間もあるので、急ぎ出演者にはシャワーを浴びてもらい、その間に敗者たちへのインタビューをおこなった。

 いろいろな美耶子愛があるものだなあと思ったし、ようやくアイドルのファンミーティングのような感じになったのだが、時すでに遅し。

 だが、このインタビューが実は視聴者にとっては共感できるものだったらしく、リアルタイムに書き込まれるコメントにも好意的なものが多かった。忘れてしまいがちだが、これ生放送なんだよな。しかも世界中に。

  まったりした時間の後はいよいよご褒美タイムだ。

 

    だが、さすがに一人ずつでは時間がかかりすぎる。そこで、三人のファン代表と美耶子の4Pとなった。

 男達はもう戦友のような感じになっていて、4Pでも抵抗はないようだ。全員、期待の先走り汁でペニスをぬらぬらさせている。

 美耶子もシャワーを浴びて、そのまま全裸で登場。周りを取り囲むファンたちもやんやの喝采だ。

 ベッドを中心に、負けたファンたちが、やはり全裸で取り囲んでいる。思い思いにスマホやカメラで撮影している。桃山園が、全データをいったん預かることを条件に、動画撮影を許可したのだ。なにしろカメラはおれしかいない。ファンたちにも撮影させることで、さまざまなアングルの絵が手に入るものと計算したのだろう。生放送はともかく、のちにビデオソフト化することを考えると、桃山園の考えは実に抜け目ない。

 それに――美耶子は撮られると異様に興奮するからな……

 

 まずは生フェラから。

 順々にしゃぶってビンビンにさせていく。

 美耶子のやつ、しゃぶりながら割れ目に指を入れてオナってやがる。誰にも指示されていないから、これは美耶子みずから楽しんでいるということだ。

 もうビショビショだな……

 三本のペニスの下拵えをすませると、美耶子はベッドの上で大きく脚を広げて、10歳の無毛の性器を十数個のレンズの前で惜しげもなく晒す。

 小学生のピンクの粘膜が愛液で潤っている。最近のスマホのカメラの性能は言わずもがな。フルハイビジョンは当たり前、下手すれば4Kの超高画質で記録されている。

「美耶子、準備できてるよ? 一番になった、おにいちゃん――桑原のおにいちゃん、来て」

「ああおお、もお、ついに! ついに美耶子ちゃんとおぉ、セックス!

 桑原さんは奇声をあげつつ、美耶子に覆いかぶさる。

「おにいちゃん、あわてないで……おちんちん、入れるところ、カメラに映るように、して」

 美耶子に諭され、桑原さんは姿勢を整える。

「こ……こうかな?」

 亀頭を美耶子の膣口に当てる。

「あ……吸いつく……すごい」

 美耶子の膣壁は潤っている。演技かどうかはつきあいの長いおれにもわからないが――美耶子は発情しているように見える。

「ちっちゃい穴なのに、ヌルヌルで、ああ、吸い込まれる!」

 桑原さんのペニスが美耶子の膣に沈んでいく。

 ネット生放送だから、修正一切なしだ。

 挿入シーンもそのまま流す。

 いかに子役の性器は地上波でもセーフとはいっても、大人のチンポはそうではない。

 だから、子役と大人のガチセックスシーンはネットならではなのだ。

 特別な映像だ。だから会員制のインターネット放送でしかみることができない。

「すごいっ! マジすげええええっ! 美耶子ちゃんのおまんこ、気持ちよすぎる……っ!」

 何回かピストンしただけで桑原さんは美耶子の膣内で射精する。

 あっけないほどだが、いくら熱烈なファンとはいえ、美耶子の膣は狭小で湿潤で粘膜がぴちっとまとわりついてくる。そして子供の体温の高さ。プロの男優がコンドームをしていても一分もつかどうか。ファーストコンタクトでしかもナマ挿入なら、誰でもたいていそうなる。

「ほんとうに……マジヤベぇ! これがセックス!? すげえ! 尿道口よりすごいかも!?」

 少女の尿道口をこよなく愛する桑原さんはもしかしたら実践では童貞だったのか? もしそうだとしたら、この先たいへんだぞ。どんな女とヤっても物足りなく感じることだろう。成人女性との行為と、美耶子たち子役とのそれは異質な体験だ。それを今後も体験したければ、専門の竿男優になるしかない。さもなければ犯罪者一直線だ。

 

 

 続いて鬼頭さん、来栖さんが美耶子にかかっていく。

「み、美耶子ちゃん、ア、アナルいいっすか?」

 アナルマニアの鬼頭さんはやはりそっちかを選ぶらしい。

「もちろん、いいよ?」

 美耶子は今日ももちろん処理済みだ。

 この世で一番美しいと絶賛される、10歳の肛門を広げて見せる。

「きれいにしてあるから、ナマでもだいじょーぶだよ?(はあと)」

 子役ファンが選ぶ、なめまわしたい膣穴ランキング、クリトリスランキング、アナルランキングの三冠を輝いた美耶子である。その穴に実際にぺニスを入れられるとなったら、どんなファンだって狂喜乱舞するだろう。

 美耶子が手ずから鬼頭さんのぺニスにローションをまぶす。

 鬼頭さんの亀頭がテラテラ光る。爆発寸前にそりかえっている。

「美耶子のおしりの穴、楽しんでね」

 バックスタイルでおしりを突き上げ、肛門を左右に広げる。アナルくぱぁで鬼頭さんを誘う。

「あああ…… 美耶子ちゃんのアナルまんこに……おれのチンポが……おおおっ!」

 大きく笠が開いた松茸のようなぺニスを美耶子のおしりの穴に沈めていく。

「は……入ってくるよぉ……鬼頭のおにいちゃんのおっきなおチンポがぁ……美耶子のおしりの穴にぃ……っ! ふっあっ! あんあんあんっ!」

 亀頭が完全に埋まり、さらに侵入していく。いや、美耶子が巧みに腰を使って、導きいれているのだ。

「こっ……こんな広がって……飲み込んで――あつっ! 美耶子ちゃんのおしりの穴、火傷しそうだっ!」

 子供の体温は大人よりも高いせいもあるのだろう。また、ローションの潤滑性能があってさえ、子供の直腸は細い。それで締め付けられたらどうなるか。

「だめだっ! 出るっ! こっ……こんなの、我慢できないっ!」

 ゲームでは、美耶子の性感帯を翻弄した鬼頭さんでさえ、「実際に挿入したら」こんなものだ。

 子役とのセックス体験は、どんな熱心なファンであっても、その想像を超えるようだ。

 ほんの数回のピストンで――いや、たぶん挿入した時の衝撃で――

「うあああっ! 吸われるっ! 美耶子ちゃんのおしりの穴の奥でっ! 全部出るぅうっ!」

 ビュッビュ! ビュビュビュビュッ! そんな擬音が聴こえてきそうな腰の振動、のけぞっての痙攣。

 

 三位の栗須さんは、先の二人と美耶子のセックスを目の当たりにして、すでに一発放ってしまっていた。手をすこし添えただけで出てしまったのだ。

「ああ……うそだろ……」

 呆然とする栗須さん。そりゃあ、いくら刺激的なシーンを目の前でみたといっても、これはない。番組的にも困る。

 栗須さん(たぶん50代)は、指や舌のテクはあるが、年齢的に二発目は難しそうだ。

 4位の人の繰り上げ当選か……という考えが浮かび始めた瞬間、美耶子が栗須さんの股間に舌をはわせた。

「栗須のおにいちゃんのおちんちん、おいしー。もっとなめてあげるね」

 だらんとした中年男のぺニスを美耶子が舐めまくる。

「あああ……美耶子ちゃん……そんな、ほんとにおいしそうに……」

 ぺろぺろ、子猫のように舌をうごかし、飛び散った栗須さんの精液も舐めとってきれいにしていく。

 栗須さん、たちまち復活。

「おお……」

 とは本人の驚嘆の声。

「美耶子のおまんこに、栗須のおにいちゃんのおちんちん、入れてくれる?」

 つり目の子猫フェイスで美耶子がせがむ。

「桑原のおにいちゃんが中出しした後だから、イヤ?」

「み、美耶子ちゃんのおまんこに入れられるなら……! ぜんぜん気にしないよ……てか、おれの精液で美耶子ちゃんのおまんこ、満タンにしてやるっ!」

「きてっ!」

 栗須さんが美耶子に覆い被さる。

 もちろん、みなぎったぺニスを美耶子の膣にガチ挿入だ。

 おじさんファンの生チンポで極狭の膣壁をこすられて、美耶子が甘く悶える。

「すごっ! 栗須のおにいちゃんのオチンチン、すごく、いいっ!」

「美耶子ちゃんのおまんこ、おおおっ! 包み込んで、締め付けて、舐め回して――なんだこれ!? ほかの女のなんてゴミじゃねーか! うおおおおっ!」

 栗須さんもたちまち果ててしまう。桑原さんが中出しした美耶子の膣内にさらなる精液を注入する。

「ず、ずるい! 一位はおれでしょ? もっぺん! もっぺんさせて!」

 桑原さんが股間をおったてて叫ぶ。

「ぼくも……美耶子ちゃんのアナル最高だったけど、やっぱりおまんこにも入れてみたいっす!」

 栗須さんも続く。

 おいおい、これじゃあ埒あかないぞ、放送時間ももう残り少ないのにどうやって締めるんだ、と思ったときだ。

「いいよ、おにいちゃんたち! 美耶子はみんなのために来たんだもん! みんな、いっしょにえっちしよ! 美耶子のおまんこもおしりもおくちも――お手々や腋だって――おにいちゃんたちを幸せにするためにあるんだもん!」

 美耶子が三人のファンたちに呼び掛ける。

「おおおお!」

「美耶子ちゃん……!」

「天使すぎる……!」

 男たちが美耶子に掛かっていく。

 ある者は膣に挿入して昇天し、ある者はアナルに挿入してその快楽に目覚める。そしてまたある者は美耶子の口の中で真の幸福を感じるのだ。

 倫理的には許されるはずはない。大の大人たちが10歳の少女に群がり、その身体をむさぼっている。あらゆる穴に性器をねじこみ、射精を繰り返している……ようにしか見えない。

 だが、実は大人たちは癒されているのだ。満たされているのだ。美耶子という少女から愛を受けとることで。その愛は無尽蔵だ。

「すっげえ……! 美耶子ちゃんのオマンコに、マジ気持ちよすぎっ……す!」

「うっおおお! こんな気持ちいい穴が美耶子ちゃんのおしりにあいていたなんて!」

「おっお! 舌がからみついて! 美耶子ちゃんのかわいい顔にまたぶっかけるよっ!」

「うんっ! おにいちゃんたちのオチンチン、美耶子のなかで動いてるの、わかるよっ! おまんこで、おしりで、おくちで、もっと気持ちよくなって……んぅっ! うううううっ!」

「うわっ、締まる……だめだっ! また射精るっ!」

 びゅくっと腰がはね、何回めかの吐精が美耶子の膣内に注がれる。

「あああっ! もう、信じられないほど……! アナルに直出し……!」

 小学生女児の肛門に金玉を空っぽにされたとろけそうな顔。

「か、かわいいっ! 美耶子ちゃん、おれたちの精子でべとべとなのに、なんでこんなに可愛いんだあっ!」

 

 美耶子が心のそこから幸せそうな笑顔で――

「おにいちゃんたち、だぁあいすきっ!」

 

 

 アイドルの熱烈なファンならば誰でも思うはずだ――そのアイドルとセックスしたい、と。

 だがそれは夢だ。それは夢なのだ。

 ふつうなら絶対に叶わない夢。

 それが叶う。叶ってしまう。

 宝くじの一等よりもおそらくはるかに高い確率で――

 ロリテレビに年間にある程度貢げば――

 現役小学生の美少女と、セックスできる――可能性がある。

 それがこの世界の現実なのだ。

 

 といっても、スキンなしでの挿入、生膣射精をOKする子役はさすがに多くはない。それもVIPでもない一般のファン相手にだ。

 ファンと向き合いたい、ありのままの姿で――

 

 その心意気やよし――といいたいが、三人のファンが代わる代わる美耶子の膣やアナルに射精したらどうなるか――

 リアルに美耶子の子宮が男たちの精液で満杯になり、誰かがつっこむたびに精液カクテルが噴き出すことになる。

 さすがの美耶子も果てのない連続中出しには耐えきれず――

「ああああああっ! やっ、あああああああ! いくぅ! いくうううううううっ!」

 演技を忘れてのガチイキモードだ。

「おなかのなかっ! おまんこっ! あつっいいいいいい! おにいちゃんのセーシで、あふれちゃうっ!」

 ふつうの少女なら、こんな経験はしない。法的にもできないし、肉体が耐えられない。

 だが美耶子は、北海道ロケの二日間だけで三十人近くの男の精液を幼い子宮に浴びせられ、その倍の男の精液を飲み干している。それが子役の仕事とはいえ、過酷の一言だ。

 もしかしたら性的虐待に該当するのではないか――そう思える現場もこれまで幾度もある。

 過去、男優三十人相手の輪姦シーンや、巨根のインド人男優との本番撮影では、美耶子が死んでしまうのではないかと恐怖を感じたことがなかったわけではない。

 だが――

「いくいくっ! 美耶子、マジで、ホントに、いくうううううっ! いっちゃうううううっ!」

 ガクガクガクっ! 全身を震わせながら、マジイキアクメ顔をカメラにさらす。

 びしゅううっ! 歓喜の潮吹きとともに。

 それにあわせて、周囲を囲んでいたファンたち(勝ち残れなかった人たち)も見抜きで射精する。

 濃密な男の体液のシャワーを浴びながら、美耶子は果てた。

「締めのBGMいれるわ。美耶子のアップ中心で、ね」

 チェック用のモニターを覗いていた桃山園が指示を出す。いちおう番組の進行は忘れていなかったようだ。

 番組終わりの曲が流れ始める。

「んふふっ! おにいちゃんたち、みんな、すっごーく素敵だったよ!」

 おさまりきれない白濁液を膣口とアヌスから溢れ出させながら、美耶子はカメラに向かってにっこりと微笑む。

 素人のファンと4Pを演じて見せて、この笑顔だ。美耶子は女優なのだ。それも天性の。

 この映像を通じて、美耶子は数十万、いや数百万、あるいはもっとたくさんのファンを興奮させ、満足させ、ついには感動させる。それを成し遂げる女優を天才と呼ばずしてなんとする。

「全国のおにいちゃんたち、これから行くから……待っててね! もしも会えたら美耶子と遊んでね!」

 最高の笑顔で生配信は終了した。

 

 

 札幌ファンミーティングは大成功に終わった。

 三人の当選者たちはもちろん大満足。人生の目的を果たしきったくらいの幸福度だったようだ。勝ち残れなかった者たちも、生配信終了後、余韻さめやらぬ美耶子にイロイロしてもらったので、文句も出ようはずもない。

 視聴者数は全世界で相当数にのぼったようだ。またもロリTVの社員たちに特別ボーナスが支給されそうだ。

 そういうの、こっちには回ってこないんだよな……

 美耶子のギャラは契約で決まった金額から変わらねーし……

 ファンがらみの仕事は美耶子は基本断らないし、ギャラにはもとよりまったく興味がない。宇多方家の方針でおこづかい制だし、月二千円だしな。(そのかわり、誕生日とクリスマスには「なんでも欲しいもの」を買ってあげる約束をさせられている。なぜか、おれの金で)

 ともあれ、ファンを大事にする――それが美耶子のモットーだ。

 キモオタとの握手を渋るアイドルもいるというのに……まあ美耶子のはやりすぎだと思うが。

 アイドルモードに入ると、すべてのファンと繋がろうとするのだ。

 それがいいことなのかどうかは、まだわからない。

 ファンと繋がる全国縦断ツアーは、まだ、最初のセクション、北海道を終わったばかりだ。

 

北海道編 おわり