うたかたの天使たち・外伝

南国のパラダイムシフト

第2話


断章 ロリーナ王国素描(1)

 
 ロリーナ王国は南太平洋にある数十の群島からなる国で、人口は全部あわせて一〇〇万人ほど。
 首都はコドモーナ。大ロリーナ島にあり、人口は三十万人だ。つまり人口の三割が集中している。
 公用語はロリーナ語、英語、日本語だ。住民の大半が日本語で日常会話できる。
   現地のひとびとの顔だちや雰囲気は日本人のそれにも通じる。ポリネシア系にアジア系の血が混ざっているためだろう。さらに、欧州系の移民も多いために、金髪や青い目をした人も少なくない。概してハーフっぽい美形が男女問わず多い。
  食生活も、近海からとれる魚と、地元の野菜や穀物を中心にしており、極端に太った人はほぼ見かけない。南洋の島でもタヒチなどとはちがうところだ。
  日本人っぽい親しみやすい容貌に、エキゾチックな肌と金髪、そしてスレンダーな肢体。それがロリーナ王国の一般的な人々の姿だ。

 ロリーナ王国にはかなり特殊な習俗がある。
 この国では、満六歳から結婚できる。
 多くの場合、童女は成年男子と、童児は成年女子と結ばれる。
 ロリ、ショタが合法なのだ。
 若くして結婚した者は壮年期に入ると、配偶者を老衰や病気で失うことになる。
 そうすると、今度は若い配偶者を求めるのだ。
 平均的なロリーナ人は男女とも一二歳くらいまでに最初の結婚をする。配偶者はたいてい三〇代、四〇代の大人だ。そして二〇~三〇年後、配偶者と死に別れると、八~一二歳の子供と再婚する。
 つまり、若いときは年上の配偶者から性の手ほどきを受け、年齢を重ねてからは若い配偶者にその手管を教え込む。
 そればかりではなく、婚外性交にも寛大だ。
 不倫、という概念がない。自由意志で、誰とでもセックスできる。
 そのために、というべきか、ロリーナ王国では性犯罪というものがない。特に年少者に対する性的暴行は何十年か、あるいはそれ以上の期間、まったく起きていないらしい。
 強盗や殺人など、凶悪な犯罪がまるで起きないのもこの国の特徴だ。
 日本が問題にならないくらいに治安がいいのだ。
 これについては、ロリーナ王国の性的習慣に起因するもの、という説がある。
 ロリーナの人々は、結婚後も多人数との性行為を頻繁におこなう。近所づきあい=乱交といってもいいくらいだ。日本で言えば、フォークダンスで相手を替えるくらいの感覚でセックスする。
 人々が性行為を通じて広くつながっており、暴力行為に至りそうな段階になると、調整がはいるのだ。つまり、対立するグループが性的に交わることで、トラブルを未然に防いでしまうらしい。これは霊長類のボノボにも見られるメカニズムだ。
 ロリーナ王国の離婚率の低さや幸福度の高さは、こうした独自の性愛観、結婚観によるものらしい。

 ロリーナ王国は数百年の歴史を持つ国だが、島国のために他国の侵略はおろか、内乱もほとんど経験していない。
 二〇世紀の一時期に日本の委任統治を受けたのがほとんど唯一の外国との接触で、その時期にロリーナ王国は急速に発展した。ロリーナ王国の公用語のひとつに日本語が含まれるのはその名残だ。
 だが、ロリーナ王国と日本の関係がいっそう深まったのは二一世紀にはいってからだ。
 きっかけは、AV――アダルトビデオである。
 ロリーナ王国の性的文化は特殊で、諸外国の規範とはかけ離れていた。そのことについて、ロリーナ人も一種の「引け目」を感じていたのだが、ある時期に日本からアダルトビデオやエロマンガなどのコンテンツが流入した。
 そこで描かれる性愛感が、ロリーナ人には非常にマッチしたらしく、「文芸作品」を輸入する感覚で、日本のポルノ作品が広まった。
 日本のAVやエロマンガが、「教科書」のように受け入れられたのだ。
 彼らにしてみれば、「異端」として蔑まれていた性文化に、「先進国」のお墨付きをもらったようなものだった。
 ロリーナ王国は一気に日本との距離を詰めた。
 ネットの時代になり、サーバのある国の法律に従ってコンテンツが管理されるようになると、ロリーナ王国の希少性が際立った。
 子供とのセックスが合法の国はまず存在しない。
「ロリTV」の運営会社が日本との合弁で設立され、世界中にコンテンツが配信されるようになった。
 美耶子の出演作品もその中には含まれていた。ロリーナでの美耶子の人気、知名度が一気に高まったのはこのためであった。


第2話 苑子のビーチレポート大作戦

 苑子は海が好きだ。泳ぐのは得意ではないが、水着を着て、水辺でパチャパチャするのが大好きなのだ。
 ロリーナ王国に来て、まず「ビーチに行きたい!」と言ったのもむべなるかな、といったところだ。飛行機の中から、コバルトブルーの海に興奮しっぱなしだったのだから。
 ホテルに落ち着く時間も惜しみ、苑子は海に行きたがったが、あいにくおれは美耶子のイメージビデオの撮影に付き添わなければならなかった。仕事だから仕方ない。
「でもせっかくの外国の海だし、見てこいよ。次の小説のネタもみつかるかもよ」
 苑子はJS小説家だ。しかも売れっ子だ。次の作品の準備もしなければならない。
「うん、だよね、次はファンタジー書いていいんでしょ? なら、海は取材したいかも」
 おれ側の都合で、苑子にはいやらしい小説しか書かせていない。だって、JSの性体験ものは売れるんだもん。
 次こそはファンタジー書いていいよ、と苑子には言ってはあるが、やっぱり新作はエロくないといけないだろうな。
 おれが一緒に行けないと知って苑子は少し落ち込んだようだったが、初めての海外、初めてのリゾートビーチへの興味が勝ったようだ。
 引率は桃山園の部下であるAD(二十代 ♂)だ。
 
 したがって、これからの内容はADのレポートだ。というか、さすがはテレビマンというべきか、逐一ビデオを回していたので、映像が残っている。
 その映像を確認しながら、苑子の一日を追っていくことにしよう。
「えーっと、あのー、その――いま、ビーチに来てます……」
 顔を赤らめながら、たどたどしく苑子が映像の中でレポーター口調で言う。
 ADによる演出らしい。
 苑子は黄色いビキニ姿だ。小学六年生にはあるまじき双丘の、乳首周辺だけをかろうじて隠しているマイクロビキニ。股間も三角の小さな布が覆うのみで左右と後ろはほぼヒモだ。つまり、Tバックである。
 ふだんの苑子なら恥ずかしがって絶対に着そうもないデザインだが、南国の解放感からか、おれからのプレゼントとして渡されたためか、わりとすんなりと着たようだ。
「……って、これおにいちゃんに見せるんですか……?」
 上目遣いに訊いてくる苑子。眼鏡の奥の大きな瞳がかすかに潤んでいる。
 うんうん、とうなずくカメラ。
「これ……すっごく恥ずかしいよぉ……」
 胸元を隠す苑子。だが、その所作からはカメラを意識した乙女のしたたかな計算も見て取れる。
 おそらく、ADが「このビデオでおにいちゃんを悩殺しちゃえ」くらいの焚き付けはしたのだろう。おれが美耶子の現場につきっきりということに対する嫉妬の気分もあったのかもしれない。
 こいつは桃山園組の人間だから、おれと美耶子の関係も知っているし、そこからの類推で、苑子とおれの関係も感じ取っているのかもしれない。まあ、隠してもしかたないが。
 苑子の相手をしてやりたい気持ちはもちろんあるが、現場で身体を張っている美耶子をほったらかしにもできない。あとで埋め合わせはするつもりだが、初日については、身体が空いていたこのADに托すしかなかったのだ。この男は行きの飛行機の中ですでに苑子と意気投合していて、任せやすかったということもある。ADは仕事柄、子供の相手をするのに馴れているのだ。
 カットが代わり、紺碧の海が映る。まさに南洋の宝石のようなビーチだ。砂浜は真っ白で、それが彼方まで続いている。日本のビーチにあるような下品な飲食店や関連施設はなく、あちらこちらにパラソルがあるくらいで、人もあまり多くない。
「ここがロリーナ王国でも有名なリゾートビーチらしい、です……」
 苑子が砂浜をバックにレポーター口調で言う。完全にレポーターごっこにはまっているようだ。このへんはADの手腕だろう。子供をノセるのがうまい。「えーと、ふだんは、普通の人は入れない……えと……王宮専用ビーチ!?」
 カンペを読んでいたのか、苑子の声のトーンが後半で裏返った。
「えと、あの、みやちゃんの撮影隊ってことで特別に許可されたんだって……ほんとにすごーい」
 ちなみに美耶子のイメージビデオの撮影もこのビーチでおこなわれているのだが、差し渡し五キロ以上もあるビーチである上に、撮影場所は周囲から仕切られているので、苑子とニアミスすることはなかったようだ。
「王宮専用ビーチでは……えっと、飲み物も食べ物もタダ!? 王国でもえらい人たちしか入れないって……ふええ」
 ふええ、のあたりでは眼鏡の奥で目が@@みたいになっていた。


 そこからは海で遊ぶ苑子の映像になった。
 波打ち際ではしゃぐ苑子。おっぱいゆれゆれだ。
 砂浜にしゃがんで砂遊びする苑子。Tバックのおしりをそんなにあげたらいろいろ見えちゃうぞ……
 ビーチパラソルの下の寝椅子でくつろぐ苑子。大きなサングラスをずらしてカメラに向かって笑いかける。お約束の南国風のフルーツジュースをおいしそうに飲んだり……
 またビーチに戻って大きなイルカ型の浮き袋にまたがって遊んだり……
 これ、ほとんどイメージビデオじゃね? 編集してテロップやBGMを入れたらそのまま売れるんじゃないか、と思える完成度だ。
 まあなにしろモデルが巨乳の小学六年生だからな。それに、愛くるしさではトップクラスだ。子役になったら、間違いなく人気が出るだろう――って、いかんいかん、何を考えてるんだ、おれは。だいぶ芸能界に毒されてきたようだ。
 そもそも苑子には作家という夢があるし、才能もある。今のところは体験的な官能小説しか書かせていないが(だって売れるんだもん)、いつかは本人も希望している子供向けファンタジー小説を書かせてやりたいと思っているのだ。


「えーっと、いま、王宮専用ビーチの中でも変わった場所っていうところに来てます」
 またレポートコーナーが始まった。
 すっかりカメラにも馴れたのか、苑子は噛みもせず、ごく自然な様子で言った。
 時間の経過がわかるのは、苑子の肌だ。真っ白な肌が赤くなっている。日焼けをしたのだろう。だが待て、苑子。その日焼け跡はけっこう物議をかもすんじゃないか?
 乳首とワレメのとこ以外、全部灼けているぞ……まあ、いいのか……
「変わった場所……っていっても、別にかわったところないよね……?」
 周囲はやはり紺碧の海に砂浜だ。こじゃれたレストハウスのような建物も見えるが、ビーチのほかの場所とさほど違うところはない。
 と。
 苑子の前をひと組のカップル――中年男性と十代なかばとおぼしい少女のカップルだ――が通り過ぎた。
 苑子が絶句する。
 彼らは完全に裸――全裸だったのだ。
「え? ええええ?」
 目を白黒させる苑子。カメラが周囲をパンで捉える。
 そこに居合わせた人々は全員、一糸まとわぬ姿だった。
 老若男女――老いも若きも、男も女も、一人残らず全裸だ。
 日本の放送倫理では、大人の全裸がカメラに映ることはない。AVでも性器にはモザイクが入る。
 だから、その映像自体はインパクトがあった。
 ロリーナ王国の女性は美人が多いから、なおのことだ。
 と。画面が揺れて、カメラマンが何かしているようだ。
「さ、ADさんまで――え? えええええ?」
 ADが自分の海パンを脱いだようだ。
 苑子が困ったように顔を手で覆うが、しっかりADの股間を見ているようだ。
「苑子ちゃんも脱げば?」
 ADが言う。
「郷に入りては、だよ」
「え、でもぉ……」
「苑子ちゃん、小説書いてるんだって? それもエッチなやつ」
 ここでそれを言うか、AD。ぶっこんできたなあ。
「ど、どどどどどうしてそれを!?」
 苑子がわかりやすくうろたえる。
「えー、だってけっこう売れてるでしょ? 現役JSの体験小説、ペンネームはSONOKOだし、目線入れてるけど作者の写真、どう見ても、苑子ちゃんじゃん」
 あらかじめ用意していたらしい、苑子の著作を出して、カメラに映す。
「あっ、それ映さないで……ひええ」
 苑子の最新作『こぶたちゃん飼育にっき』の文庫本だ。ぽっちゃりJS「こぶたちゃん」を徹底的に調教するお話で、露出あり、拘束あり、排泄ありのハードな内容だが、ほぼまるまるおれとのプレイを文章化したものだ。
 リアリティを増すために、挿絵のかわりに、プレイ中にスマホで撮った苑子の写真を加工して掲載している。表紙も、ボンデージスーツ姿で鼻フックをかけられた苑子が、アヘ顔ダブルピースしている写真だ。目元は加工してあるんだが、本人を前にすりゃ、まあわかるわな。
「ね、SONOKO先生、これも小説のネタになるんじゃない? 取材だよ、取材」
「しゅ、取材っていってもぉ……」
「外国だし、みんな裸だよ? これもいい小説を書くため、やってみようよ」
「ふえええ」
 真っ赤になって、恥ずかしがる苑子だが、もともと頼まれたらイヤとはいえない性格だし、ADもテレビマンらしく押しが強い。さらには、隠していたエロ小説のことがバレてしまっていることもあって、けっきょく、苑子はその場で水着を脱いだ。
「これで……いいですか?」
 まだ恥ずかしいのか胸とアソコを手で隠している。
「だめだめ! そんなんじゃあ、周りの人に笑われるわよ」
 ADにあおられて、おずおずと手をどかせる苑子。
 ぷりんとしたおっぱいと、無毛のワレメが露わになる。
「へえ、苑子ちゃん、おっぱい大きいねー。それに、まだ生えてないんだー」
「そんな……」
 ADのやつ、勃起してるんじゃねーだろーなー。苑子がさっきから下の方をちらちら見ては顔を赤くしている。


 

「えーと……これから、ロリーナ式エステに挑戦……します」
 全裸の苑子が、ふたたびレポーター口調になっている。ADに言われ、体当たりレポートを再開したらしい。
「えーっと、ここに寝るんですか?」
 腰ミノひとつの女性エステシシャン(美乳だ)に促され、台にうつぶせに横たわる。
 こんもりとしたおしりの山。
「*****、******?」
 ロリーナ語で何かエステシシャンは言い、「はい?」と苑子が聞き返すまもなく、エステシシャンはオイルを苑子の背中、おしりに垂らしていく。
「あったかい……」
 人肌にあためられていたのだろう、オイルをたらされて、苑子は気の抜けたような声をだした。
「はうあ……」
「苑子ちゃん、レポート、レポート」
 ADがカンペを苑子に見せる。
「あ、っはい……えーと、このエステはロリーナ独特のものだそうでえ……女の子の……え? あ? あそこ……を解きほぐして、リラックスさせるって……え? ふぁ? あああ……」
 エステシシャンは、苑子のおしりの山を広げ、肛門と性器にオイルを塗り込んでいた。
 苑子のおしりがはねあがり、広げられた穴の粘膜の奥までカメラにおさめられる。
「あ……あんっ……だ、だめえ……そこ撮っちゃ……あぅん!」
「だいじょうぶ、きれいに撮れてるし、スタッフしかみないから」
「でも……それ……みんな見るってこと……じゃあ?」
「ここはロリーナ王国だし。子供がエッチしてもいい、特別な場所なんだから、気にしない気にしない」
「気に……するよぉ……あうっ!」
 苑子はクリトリスを刺激されながら、アヌスに指を出し入れされていた。異国の過激なエステに翻弄される苑子。
 オイルには特殊な成分が含まれていたらしく、じきに苑子の反応が変わってきた。
「あっ……はぁ……はああ……」
 吐息が甘くなり、自分からおしりをくねらせはじめる。
 エステシシャンは中指を苑子の膣に、親指をアヌスに深々と挿しいれている。
 最初はゆっくり、じょじょに速度を上げて、苑子の膣壁と直腸粘膜を刺激する。
 オイルをまぶしているせいか、小さな肉孔にも指がずぶずぶ入っていく、
「あぅっ!」
  びくん!とおしりを跳ね上げさせる苑子。奥を探られている。
「はぁ……あ……ああー」
 それはどういう技術なのだろうか、ロリーナ王国のエステシシャンの技術、恐るべしだ。
 実際、幼女向けの性感マッサージの技術が発達しているお国柄だ。
 幼女の膣をほぐし、壮年の男とのセックスを容易にするのだ。
 このエステシシャンも普段、客に施しているマッサージを行なっているに過ぎない。
「お……おまんこと……おしりの穴がぁ……気持ちいいよぉっ!」
 すっかり快感の虜だ。
「前と後ろ同時とかぁ……こんなの……こんなの、初めてだよぉ……」
 小六でそんな経験あったら日本では大問題なのだが、ロリーナ王国ではむしろそれが普通なのだ。
 その痴態を、ADはあますところなく撮影している。
 苑子の蕩けた顔にカメラを寄せて、猫なで声で囁く。
「苑子ちゃん、このエステには続きが続きがあるらしいけど……する?」
「っあ……ぃう……つ……づき……?」
「男の人に替わってもらって、おちんちんでおまんこの奥までほぐしてもらうんだ……してほしくない?」
「えぁ……っ!? そ、それ、セ……セックス……じゃ……ぁ」
 さすがに戸惑う苑子。
「この国では当たり前のサービスみたいだけど? ちっちゃな子もみんなしてるみたいよ?」
 実際に、隣のベッドでは、苑子よりも年下らしい少女が、男性エステシシャンのペニスで性器をほぐしてもらっている。
 それどころか、あちこちのベッドで、女性客が性的サービスを受けている。
 これがこの国の常識――苑子も納得しはじめたようだ。
「でもぉ……おにいちゃん以外の人とぉ……」
 最後の逡巡だ。
「したくない? 苑子ちゃん」
 じゅっぷ、じゅっぷ、エステシシャンの指が苑子の膣とアナルを責め立てていく。
「ふあああああっ、指がぁ……すごいよぉ……ああああーっ!」
  子供は快楽に正直だ。そして、貞操観念は弱い。
「も、もうだめぇ! もっと……ぉ! もっと……してぇ! せっくす、してぇ……っ!」
  それにしても快楽に弱すぎないか、苑子よ。


「はーい、苑子ちゃんのオッケーとりましたー。じゃあ、入ってきていいよー」
   いつの間にか女性エステシャンが退場し、全裸の男たちに入れ替わっている。エステシシャンか――いや撮影スタッフの連中だな、日本人だし、顔にも見覚えがある。
 映像がADのハンディカメラだけではなくなった、オンエア用のしっかりしたフレームの絵にかわる。
「はーい、じゃあ、ここからは宇多方苑子ちゃんの、セックスシーン、撮影しまーす」
 ADの声が嗤いを含む。
「へへ、苑子ちゃん、おっぱい、ぷっくぷっくだねえ」
  苑子の小学生おっぱいが揉みしだかれ、乳首をこねられる。映っているのはADの手だ。
「お、おっぱい、だ、だめえ……」
 ピンピンに立った小学生乳首を指で弾かれて、苑子が甘く鳴く。
「吸っちゃおっと」
 ADの顔が初めてフレームに入る。ひげ面のブサ面だ。なんかムカつく顔だな。そのヒゲ男が苑子の乳首を音を立てて吸いあげる。
「やぁっ! あんっ! ADさん……だめぇ」
 言いつつ、苑子の声はいやがってないな……
「じゃ、苑子ちゃん、あんよ開いてねー、おまんこよく見せて」
 苑子の腿を掴んで、広げさせる。苑子はもう抵抗する気力もないようだ。
「こっちももうヌルヌルだね。エステ、そんなに良かったんだ?」
 愛液でとろとろの性器を広げられて、クリを指で刺激される。
「あああっ! き、きもちいいっ!」
 苑子の身体はすっかりできあがっている。たっぷりと快楽を注ぎ込まれて、膣からは愛液があふれ出している。
「もうすっかり準備できてるねえ、苑子ちゃんのおまんこ」
 スタッフたちも当然全裸で、ペニスも勃起している。苑子の乱れっぷりを撮影していたクルーなのだから当然といえる。
「じゃあ、苑子ちゃん、セックスしようか」
「ええ? でも……おにいちゃんが……うにやぁ……」
 クリとアナルを同時に刺激され、乳首もいたぶられて、苑子は蕩けてしまったようだ。ましてや、周囲の少女たちもみんな大人の男とセックスしている、そんな環境なのだ。郷に入りては郷に従え――苑子の意識も快楽に引きずられていく。
 ADはカメラに向けて苑子のおまんこを広げて見せ、そこに生の亀頭を押しつける。
「ああああ……あたってます、あたって……だめぇ……」
「苑子ちゃん、セックスするの嫌だったら、逃げて良いんだよ? でも、逃げなかったら、OKってことだからね。俺やここにいるスタッフのお兄さんたちとセックスするところをカメラで撮るからね」
 言いつつ、拒否する猶予は与えずに、ペニスを沈めていく。
「ああん、もう、はいって、りゅう……」
「だって、苑子ちゃん嫌がってないじゃん」
 ADは笑いながら奥まで侵入していく。
「なんか緩くない? すっぽり入っちゃったよ?」
「や、やだぁ……」

  

「姉妹でも美耶子ちゃんのとは違うなあ」
 ADは桃山園班だから、リハやテストで何度も美耶子とセックスしているのだ。
「やぁ……みやちゃんと比べないでぇ……」
 美耶子は入口が狭くて、いきなり締められる。
 その点、苑子の性器はふわふわで、抵抗なく一番奥まで届く。
 でも、本領はそこからだ。
「おっ? なんか、じんわり締まってきた……」
 苑子は身体はふんわりしているが、インナーマッスルはけっこうしっかりしている。宇多方姉妹の中でも隠れ力持ちなのだ。
「ん……ADさんのオチンチン……おにいちゃんともパピーのおじさんとも違う……」
 結合部をみつめながら、苑子の目が潤んでいく。苑子の経験値が上がっていく。三人目、か。
「やだぁ……えっちすぎるよぉ……」
 きゅん!
「おおおお、すごっ、苑子ちゃん、締まってきて――ギチギチに……」
 ADが驚いて声をうわずらせる。
 苑子の膣圧の振れ幅はすごい。まさに女体の神秘だ。
「苑子ちゃん、すごいよ、これ、名器なんてもんじゃない……っ!」
 ADの尻が激しく動く。苑子とのセックスを楽しんでいる。
「あひっ! ひぅんっ! そ、そんなにうごかっ、ないでぇっ!」
 奥までADのペニスで満たされて、苑子の表情は快楽で染まっている。嫌がって見せようとしても、無理だ。
 ADは腰を使いながら、苑子のJS最高峰の「苑子っぱい」をもみしだく。ピンピンに立った乳首を吸い上げる。
「ああああっ! おっぱい、だめぇ!」
 苑子が顔を手で覆う。もう全身ピンクだ。興奮の極みだ。
 ぎゅうっと乳房を握りしめられ、乳首をしゃぶられる。
「ひんっ!」
 苑子の声は悲鳴じみている。軽くイッているかもしれない。
 子役の演技混じりのセックスではない。リアルなJSビッチの性行為だ。苑子はもう立派な淫乱少女になってしまった。
 エロ小説家として鍛えすぎてしまったせいか――いや、ロリーナ王国の海と空がそうさせてしまうのだろう。この美しい国では、裸の男女は抱き合い、愛し合うのが自然なのだ。
 ADは苑子の腰を掴み、激しくペニスを出し入れする。粘膜同士がこすれあう、湿ったイヤらしい音が高まっていく。 
「ほらっ……いくよ! 苑子ちゃん! 中で、出すよっ!」
「いやあああああっ! あつあっあっ! 中はダメだよぉ……っ!」
 苑子は両脚を押し広げられ、これ以上なく女芯を晒し、犯されながら、弱々しく抵抗する。
「みやちゃんと違って……わたし、生理あるからぁ……赤ちゃん、できちゃっ……うっ」
 ADは苑子の唇をふさいだ。
 強引に舌をねじ込み、黙らせる。
 子役物でのタブー発言をこれ以上させないためだ。
 子役は妊娠しないから、それは性行為ではなく、猥褻ではない、というのが大原則だ。そのロジックが崩れたら、それは単なる児童ポルノになってしまう。
「むぅ……ふぅ……はふ」
 さんざん舌で口中をかきまぜられて苑子は完全に蕩けている。
 雌として墜とされている。
 むしろ自分から、ADの腰に両脚をからめて、「だいしゅきホールド」の体勢を作ってしまっている。
「じゃあ、苑子ちゃん、いくよ! 俺のザーメン、子宮で受け止めてね! どうせ受精しないけど!」
 ADが激しくピストンする。
 苑子はおっぱいを小刻みに揺らしながらアクメに達してしまう。
「んっああああああああっ! いくうううううううっ!」
「おーっ、出る出る出るっ! 宇多方美耶子ちゃんのお姉さん、小六の苑子ちゃんにナマ中出し……っ!」
 二度、三度、強く腰を押し込む。
「っ! ほんとに……出て……あああああっ!」
 ADの精液を膣奥に感じたのか、苑子がびくんびくん震える。
「ぁうっ! あああぁっ! おにいちゃんじゃないのに……セーシ中出しされちゃった、よぉ……ふぁっ、ああああああっ!」
 中出しされてのマジイキだ。雌の本能全開で受精モードに入っている。
 ADのチンポがぬるっと抜けて、苑子の膣口からドロドロザーメンがこぼれ落ちる。

 


 そこからは、スタッフや現地のロリーナ人も混ざっての乱交だ。
 十人くらいいたんじゃないか。
 もとより、スタッフたちには苑子ファンが多かった。ぽっちゃりタイプは子役には少なく、誰しも苑子のおわん型――というよりふんわりプリンJSおっぱいに興味津々だったのだ。
 みんな、苑子のおっぱいをもみたがり、吸いたがり、挟みたがった。たしかに小学生とセックスする場合、パイズリは難しい。
 苑子のおっぱいはある意味、奇跡だった。
 JSならではの初々しさを保ちながら、パイズリ可能なサイズを満たしている。
 そしてもちろん、雄の本能である生膣中出しも――
 苑子の12歳の子宮には、すでに二桁に達する牡たちの遺伝子が打ち込まれていた。
 ちなみに苑子には受胎能力がある。おれだって、ナマでやってても外出しが基本だ。
 妊娠した場合の父親鑑定は厄介だろう。
 その中には通りすがりのロリーナ人さえ混じっているからだ。
 ただ、ロリーナ王国の法律では、父親がわからない子供は政府が手厚く保護することになっており、むしろ最高の環境、教育が与えられる。
「はぁ……はぁ……」
 精液と涙とよだれでぐちゃぐちゃの苑子のアップ。
 白い肌はキスマークだらけで、今もロリーナ人の舌が這い回っている。
 ぽっかりあいた膣穴から、十人分の精液を垂れ流しながら苑子はレポートを締めくくる。
「ロリーナ国の……ビーチから……宇多方苑子がお送りしましたぁ……」
 にぱぁ。
 そして――人気JSエロ小説家の次回作が決定した。『南の島のこぶたちゃん~孕むまで帰れま10~』、実体験小説にくわえて、無修正映像のダウンロードコード付きだ。
 これは――売れてしまうなあ……


つづく