四日目(The forth day) 夜

 夕食の席で、まゆが楽しげに、学校でできた友達のことを話していた。

「でね、あゆみちゃんって子といっしょに帰ったんだよ。あと、さなえちゃん。ふたりとも、この近所なの。すごく気があうんだよ」

 まゆの話によると、クラス委員もしている優等生があゆみという名前で、その親友がさなえというらしい。その二人が、転校したてのまゆの面倒をみてくれているようだ。

「へー、そうなんだ」

 正直、おれは上の空だった。

 どうやって切り出したものか、と思いあぐねていた。昨夜のようにまゆから積極的に出てきてくれれば楽なのだが、どうやらまゆは、すっかり小学生モードに入ってしまっているようだ。

 けっきょく、こう切り出すしかなかった。

「まゆ、おふろ入ろうか、いっしょに」

「うん、いいよ」

 無邪気な顔でまゆがうなずく。おれの心のどこかがキリリと痛んだ。

 まゆはつるりとパンツを脱いで、先に湯船に入った。

「おにいちゃん、はやく」

 おれもトランクスを脱ごうとして気づいた。もう、できあがっている。やはり、これからまゆに対してエッチなことをしてやろうという昂ぶりが身体に出てしまっているのだ。

 タオルで前を隠して、風呂場に入り、扉をきっちりと閉める。そんなおれを、まゆは不思議そうに見ている。風呂場の扉を完全に閉めたのが初めてだったからだろう。今までは、密室で、二人きりになる雰囲気を少しでもやわらげるため、必ず扉をあけていたのだ。

 声のことがあるからな、とおれは考えていた。

 おれは、かけ湯をして――前は念入りに洗って――まゆの待つ浴槽に身体をしずめた。

「ざぶーん」

 あふれ出るお湯を表現してか、まゆがおどけた調子で言う。

 そのまゆを湯の中で抱き寄せた。

「まゆ、昨日言ったことおぼえてるか?」

「えっ?」

 おれはまゆの胸元に手をやった。びくっ、とまゆが身体をふるわせる。

「えっ、えっ?」

 とまどっているようだ。

 おれはてのひらに、まゆのふくらみを感じていた。

「おれの恋人になってくれるって言ったろ」

 ゆっくりと掌を動かしながら言う。ころころとした感触が掌をくすぐっている。まゆの乳首だ。

「ん……言った……よ……」

 まゆが切れ切れの声で応える。

「でも、おにいちゃん、そんなこと考えるなって……」

「ごめん、おれ、迷ってたんだ。ほんとはまゆのこと、すごく欲しかった。でも、昨日は勇気がなかったんだ。でも、まゆとこれから暮らしていくことを考えたら、まゆのこと、ちゃんと恋人にしたほうがいいと思ったんだ」

 どこまでが本気の言葉なのだろう、おれは自問してみた。答えは出ない。たぶん、これは本気なのだ。そうだ。おれはまゆのことが可愛い。だから、抱きたい。

「好きだ、まゆ」

「おにいちゃ……」

 まゆのあごをおさえ、唇を奪う。

「んむう……」

 まゆが少しだけあらがう。無理もない。まったくのファーストキスが、いきなりお風呂で、全裸で、胸をいじられながらのディープキスなのだ。

 おれは至福の思いで、まゆのちいさな口のなかの感触を楽しんだ。うそのように小さな舌に舌をからめ、まゆの甘い唾液をすする。そして、おれの唾液でまゆのなかをいっぱいにしてしまう。

 まゆがのどをこくんとさせる。おれは心臓が破裂しそうなほどに興奮した。

 唇を放し、すぐさま、まゆの頬、首筋に押しつける。

 指は、まゆの膝の間にもぐっている。かたく閉じられた膝に、指をかけて広げていく。

「や……いや……」

 まゆの声が震えている。

 膝を閉じようとしている。おれはかまわず指を侵入させる。ぎこちない少女の抵抗など、たやすく破砕して、おれの指はまゆの股間にとどく。

「ひっ」

 まゆが首をすくめる。

 おれの中指がまゆのワレメのなかに侵入していた。

 柔らかくてぷにぷにしている。膣口のありかがわからない。

「いたっ、やめてえ」

「だいじょうぶ、すぐによくなる」

 おれは、まゆのあそこを探りつづけ、ついにほんのへこみのような、肉の合わせ目にたどりついた。

 中指を、沈めてゆく。

「あっ、うくっ」

 まゆが身体を折る。激痛があるらしい。

「おれの指が入っているの、感じるか? まゆ、おまえのなかに、指、入れているんだよ」

「痛いよ、おにいちゃん、もうやめようよ」

 まゆは涙目だ。

「だめだ、まゆ。もう遅いよ。もう、がまんできないんだ」

 おれは言い、まゆを抱きあげた。お湯からあがったまゆの肌は桜色に輝いている。

「脚を開いて、そう、浴槽におしりをおろして……」

 まゆはいやいやするようにかぶりを振る。おれは、まゆの脚を強引に開かせた。

 指で入り口をひらく。

 ああ。

 これがまゆのあそこだ。ちいさな立て割れの唇。その奥の粘膜の花びら。すべてが小作りで、すべてが愛らしい。

 おれは舌をその部分に押し当て、ねぶる。

「うう……やだよお……」

 まゆがしゃくりあげはじめた。おれは、しかし、まゆの泣き声にさらに興奮した。

 舌先で亀裂の上の部分をなぞり、それから、ピンク色の粘膜に刺激を与える。生意気にぷっくりとふくらんだ突起の部分を行きすぎて、膣をまもるピラピラをめくるように愛撫する。

「あっ、うっ、うっ……」

 まゆが薄い胸を上下させている。ちっちゃなピンクの粒だけが乳房の存在を主張しているかのようだ。

「まゆ、まゆ、ああ……」

 おれは、まゆの体内からにじみ出してきたものを舌先にうれしく感じながら、さらに激しく舌を動かした。

「んうっ、あ、はっ」

 まゆのあえぎが激しくなっていた。

 おれは、とどめとばかりに、まゆの一番敏感であろう突起に矛先をさだめた。

 まだ皮をかぶったままのそこに、舌をふれさせる。

「あっ! んうっ!」

 まゆがわなないた。脚を閉じて、おれの頭をはさむようにする。

「あうっ、あふ、おにいちゃ……こわ……こわいよお……」

 ぎゅうぎゅう脚でおれの頭をはさみながら、まゆが悲鳴じみた声をはなつ。

 ぺろり、と突起を舐めあげる。

「んはっ、」

 おれはさらに舐め、そして、その突起を唇でくわえて、ちゅっちゅっと吸う。

 包皮がすこしめくれたようだ。

 舌に芽の尖りを感じた。

「あうっ、ああーっ!」

 あまい匂いがたちのぼってくる。これは、まゆのおしりの穴から漂っている。まゆのおしりにも心引かれた。ここならば、膣よりも容易におれのものを受け入れるのではないか、と思った。

 もう、おれのものはどうしようもなく膨張している。

 結果がほしかった。手っ取り早い快楽が。射精したかった。

「まゆ、まゆ、入れるよ。まゆの中に、まゆの……」

「やだっ、いやだあっ!」

 まゆが抵抗する。

 おれはもう止まらない。

 まゆを後ろ向きにさせ、おしりを左右に思いきり開く。

 亀頭に唾をまぶし、アヌスにおしつける。

 尿道孔がまゆのアヌスに強く触れて、それだけで射精しそうになる。

「おにいちゃん、お願い、やめ……あうっ!」

 まゆが悲鳴をあげる。おれの侵略から逃れようと身体をよじる。

 おれはまゆを掴んで思いきり引き寄せた。

 めり。

 音が聞こえるような圧迫感がおれの先端を包み、それは灼熱の感覚へと変わった。

 柔らかな粘膜が急激な拡張に耐えきれず、出血をはじめる。

「ひいいーっ!」

 歯ぎしりするようなかんだかい声を放ち、まゆが身もだえる。浴槽のふちにかけていた手がすべったのか、バランスを崩し、浴槽のなかに沈む。

 まゆの頭が湯の中に落ちる。

 パニックに陥ったのか、痙攣的に手足をばたつかせる。

「うあッ……」

 その動きが伝わり、おれはどうしようもなく射精していた。

「あっ、あっ……」

 この世のものとは思えぬ快感にしばし茫然とした。

 それが、いけなかった。

 気がついた時には、まゆがぐったりしていた。

 あわてて抱き起こしたが、まゆは引きつけを起こしていた。喉奥からくぐもった声がもれている。

「ま……まゆ、まゆっ!」

 おれは事態の深刻さにおののいた。

 なんということだ、なんと……

 ――救急車を呼ぶよりほか、なかった。