ぼくは少女を湯槽から出し、椅子に座らせると、全身に石鹸を塗りたくった。

 少女の裸身はたちまち泡で覆われた。

 指先から、足の裏まで、たんねんに洗った。

 少女が待っている。

 そのことがわかると、意地悪な気持ちがむくむくと湧きおこった。

 だが、その悪魔的な思いのなかには、泣きだしたいほどの喪失感がともなっていた。この気持ちは、どうにもうまく説明できない。

 ぼくは少女の股間以外はすべて洗ってやった。

 そして言った。

「あとは自分で洗うといい」

 少女の瞳に恐怖が走った。

 もの問いたげに、ぼくを見あげようとして、すぐに視線を落とした。

 少女に石鹸を手わたした。さあ、とぼくは促した。

 石鹸を持つ少女の手が細かく震えた。

 少女の膝は固く閉じられているのだろう。

 自分ではその開きかたがわからないのだ。

「できないのかい?」

 ぼくは訊いた。

 少女は哀しげにうなずいた。

 まるで所有されることを欲しているかのようだ。

「洗ってほしいのかい?」

 かすかに、少女はうなずいた。

 ぼくは少女の手から石鹸を受け取り、少女の膝の間に手を入れた。

 膝がゆるい。

 ぼくは少女の脚を大きく開かせた。

 石鹸を擦りつけた掌で、少女の股間を洗った。

 少女は目をぎゅっとつぶり、歯をくいしばっている。

 ぼくは何度となく少女の芽を指先にとらえた。

 そのたびに少女はくぐもった声をもらし、身体を痙攣させた。

 指に、泡とはべつな成分の液体がからみついてくる。少女のやわらかい入り口から分泌しているのだ。

 ぼくは泡と少女の分泌した液がたっぷりとついた中指を、少女のちいさな扉に押し当てた。

 少女は身体をかたくした。

 するり。さほどの抵抗もなく、中指は第二関節まで入った。

「ん……ふ……」

 なにかをこらえているかのように、少女は鼻から息をもらしている。

「この奥に、あるんだ」

 ぼくは少女の濡れた髪に鼻をおしあて、その耳元にささやきかけた。

「宮殿があるんだ。ぼくだけの――」

「こわい」

 痛い、とは言わなかった。少女は自分の股間から視線をそらしたまま、つぶやきつづけた。

「こわい、こわい……こわいの……」