「あたたかい」

 少女は目をつむったまま、言った。

 ぼくは少女を膝のうえに抱きしめて、一緒に風呂に浸かっていた。

 右の掌は、少女の心臓の位置を包むように掴んでいる。

 ぼくは掌に、少女の柔らかないのちを感じていた。

 悪戯に、少女の乳首をつまんでみる。

 硬く、尖っているのを感じた。

「吸わせて」

 ぼくは少女に言った。

 少女は何も言わなかった。

 その細い身体を持ちあげ、こちら向きにした。

 少女は抵抗しなかった。

 ぼくはちいさな乳首をくちに含んだ。

 長い時間、吸った。

 少女が、その間だけ母に思えた。

 

 

 少女の白い腕がぼくの頭をきつく抱いていた。

 息遣いが、切ない。

 ぼくは少女の乳首を舌で転がした。

 思い切り淫靡な気分を盛りあげて。

 そうしなければ、愛しているという気になれなかった。

 少女の胸が赤く染まっていた。

 ぼくの吸った跡。

 それは痛々しい傷跡のように見えた。

「ごめんね」

 とだけ、ぼくは言った。

 ぼくは少女の背中にまわしていた腕をはずし、紅潮した頬をなでた。

 湯のなかで自由を取り戻した彼女は、ぼくに背を向けた。避けているのではないことは微妙に身体を寄せてきたことでわかった。

 ぼくは腕を少女の脇の間に差し入れ、少女の乳房を掌のなかに納めた。

 ささやかなふくらみを、ゆっくりと揉んだ。

 乳輪を摘み、乳頭を指の腹で押した。

 少女の身体に震えが走るのがわかる。

 膝が、湯のなかで揺らいでいる。

 そこは海のように思えた。

「どんな気持ち?」

 ぼくは少女に囁きかけた。

「きもちいい?」

 少女は顔を伏せた。

 答えない。

 ぼくは焦りはしなかった。答えすら求めてはいなかった。

 少女の腹を撫で、その下をまさぐる。

 彼女の股間はゆるやかに開いていた。

 指を割れ目に押しあてて、答えを待った。

「あ……」

 少女はびくりと震え、髪が湯にほどけていく。

 ぼくは指を動かさなかった。

 ただ、一点のみを強く押した。

 反応があった。

 熱い芽を感じた。

「……」

 苦しげに少女は身をよじった。

 よじるたびに、ぼくは指に力をこめていった。

「あっ……!」

 少女は小さく叫び声を上げ、不意に身体から力が抜けた。

 それが答えだった。

 ぼくは指を外し、少女に言った。

「さあ、お立ち。洗ってあげよう」