ジャリン戦記 第二話
めがねっこ世にはばかる!(第二回)
さすがにベルカーンツは大学の街だけあって、おおきな書店や図書館のたぐいがたくさんあった。だが、目的地はやはり中央図書館だ。大陸有数の蔵書数を誇り、とくに封印された大書庫には魔導関係のありとあらゆる書物がそろっていると言われている。ザシューバも、やはりこの図書館で魔導の勉強をしていたからこそ、<ドリーマー>についてのなんらかの秘密を知りえたのだ。
おれとシータは、そろそろ昼時かという頃に、その建物にたどりついた。くだらない喧嘩で、少々時間をついやしてしまったためだ。
シータは落ち込んでいた。どんよりと暗い雰囲気を身のまわりにまとわせている。
「なんだよ、さっきから〜」
「マスターのせいです……あんな恥ずかしいことさせるから……」
すん、すん、とシータの鼻が鳴る。
「泣くな。なにが恥ずかしいんだ。主人のために自分の道具を鍛える。見あげた心掛けではないか。みんな感心していたぞ」
「笑ってましたあ!」
シータが声を高くした。
「指差して笑ってましたよお。もうお嫁にいけません!」
「ばか、最初っから嫁になんかいけねーよ」
おれは一蹴した。だいたい、大金をはたいて買ったホムンクルスをべつの男にくれてやるはずがない。
「……マスター、やさしくないです」
すねたようにつぶやく。たぶん、言ってほしかった言葉はべつにあるのだろう。そんなことはわかっているが、おれは言葉で女の気持ちをつなぎとめなければならないほど使えない男ではないつもりだ。
だから、態度でしめす。
「おらおら、もっぺん入れんかい、おらっ」
「いやっ、いやあ! おとうさ〜ん」
図書館の周辺の通行人が目をみひらく。
そりゃそうだろうな。いきなり女の子のスカートをめくって、張り型を押しこんでいるんだから。でも、とがめだてをするやつはいない。いたとしたら、あのバカ騎士の二の舞になるだけだ。
「うっ、ううっ」
「もう、落とすなよ」
おれは短く言い、中央図書館の中にはいった。シータが泣きながら内股でついてくるのが気配でわかる。なんだかんだいって、シータはおれと一緒でないと生きられない。そういう身体になっているのだ。
図書館の開架書庫は旅行者にも開放されていた。だが、誰にでも入れる場所にあるのは書店でも手に入るような本ばかりだ。求めるものがこんなところにあるはずない。
おれは司書の姿をさがした。司書というのはいわば書庫の管理人だ。そいつをしめあげて――ではなく、頼みこんで、ドリーマーについての詳しい文献をあさるつもりだった。
それらしき人物は見当たらず、貸し出しカウンターのところに、学生の臨時手伝いっぽい――アルバイトといえれば楽なんだが雰囲気こわすから使えないしなあ――女の子がいるだけだった。
ぶあつい書物を何冊もカウンターにおいて、そのうちの一冊を読みふけっている。
めがねをかけた、生真面目そうな女の子だった。鼻のあたりにうすくそばかすが浮いている。ちょっとした化粧で完全に隠せる程度のものだが、そういうごまかしの技術はわきまえていないようだ。グリーンがかったつやつやした髪を長くのばしているが、まとめかたにも工夫がないので、いかにもやぼったく見える。うーむ、素材は申し分ないのに、料理方法がなっていない、という感じだ。
「あー、もしもし」
「あ、はい、貸し出し希望ですかぁ?」
あわてて書物から目をはなし、女の子はおれを見あげた。
おれの風体をしげしげと見つめ――それから言いにくそうに、
「あのぉ、すみません。旅の方には貸し出しはできないんです。この館内でお読みになるぶんには自由なんですけど」
なんかもっさりした口調だ。服装や髪型もやぼったいし、田舎モンだな。
「べつに本を持ちだすつもりはない。ただ、魔法関係の凝った内容を調べているんだ。奥の書庫をあけてもらいたい」
おれの依頼に女の子の顔がくもる。胸元には、準職員であることを示す認識票がついている。名前は、エメランディア・パスカルか。年齢は十七歳とある。ふーん、見かけよりもトシくってるんだな、というほどの年齢でもないが。
「えっとぉ、でも、奥の書庫は、正式な許可をもらわないと入れないんです。職員のひとはお昼ごはんに出ているし……」
「そんなことを言っている場合じゃない。ひとの命がかかっているんだぞ!」
おれは切迫した声をだした。てゆうか、相手のスローペースにイラついたというほうが正解だが。
「ひとの命ぃ?」
「シータ! こっちへこい」
おれは背後でぐすぐすいっているシータを呼びだした。
「はい、マスター」
シータは内股でよろよろと前に出る。むりやり奥までねじこんだので、歩くだけで痛いのか、顔があかい。いや、気持ちよすぎて興奮しているのだろう。
「こいつはおれの下僕だが、魔王を胎内に封印しているのだ」
「えええっ」
女の子がおどろく。ついでにシータもびっくりした表情になりかけたので、おしりをつねった。
「いっ」
首をすくめるシータを背後から抱えこむ。そして、耳元に作戦をふきこむ。
(ええっ、マスター、そんなのいやです)
小声で抗議するシータを無視し、おれはエメランディアに真顔をむけた。超ハンサムなおれの場合、確実に女の子の注目をあつめることができる。
「魔王の呪い……」
エメランディアの表情がかわっていた。興味津々、というやつだ。
「わたし、魔法医師をめざしているんです。魔王にとりつかれた症例なんて、めずらしいですねぇ」
お、のってきた。のってきた。
「そうだろ? どこの魔導医院でも見放されたんだ。もう、この図書館で文献を直接調べるしかない」
「なるほどぉ!」
女の子は納得したようだ。でも、すぐに困った、という表情になる。
「でも……やっぱりぃ、お昼休みがおわって、正式な職員の人が来てからのほうが……」
「そんな時間はないっ!」
おれはシータを抱きあげ、むりやり股を割った。ひん、と声をあげてシータは自分の顔をおおう。
「なっ、なにをっ」
するんでしゅ、と唇がうごき、エメランディアの動きがとまる。さすがに、同性でも、そんな部分をどアップで見るという経験はないだろう。
「これが応急処置の封印だ! こいつの胎内に巣食った魔王が飛び出してこないように、栓をしているんだ!」
シータの身体の底の穴にねじこまれた張り型がひくひくと動く。まるで、ほんとうに身体の内部からなにかがはじけ出そうだ。粘り気のある愛液が内奥部からしみ出してきて張り型を濡らし、まるで魔物の唾液のように見える。
「急いでくれ! 間に合わないかもしれん!」
「はっ、はひっ!」
エメランディアは顔面を紅潮させながら、よろめき立ちあがった。年齢のわりにエッチ方面にはからきし免疫がないらしい。カウンターの内側の、たぶん隠し扉をひらいて、大きな鍵束をとりだす。
「こ、こっちですぅ」
ふらつきながら、建物の奥に小走りに駆けだす。おれはシータを抱きかかえたままそれを追う。
「マスターは鬼です、悪魔です……」
涙目のシータがつぶやくがおれは無視した。ふん、おれが言ったことはあながちウソじゃないな。たしかにシータは魔王に取り憑かれているのかもしれないぜ。
魔導関係の書庫は巨大な扉で閉ざされていた。錠がやたらめったらついている。鍵なしでは、おれでも二時間はかかるな。むろん、かかっているのはそれだけじゃない。ご多分にもれず、封印魔法つきだ。
「じつはぁ、わたしもここ開くのはじめてなんです」
鍵束をじゃらじゃらさせながら、エメランディアが言う。頬が赤いのは、シータの股間を目撃したためだけ、ではないらしい。彼女もこの書庫をひらくことに興奮をおぼえているのだ。本フェチかもしれん。
「これって、鍵だけじゃダメでぇ、解呪の呪文が必要なんですよ」
言いつつエメランディアは、五つある鍵穴に次々に鍵をさしていき、手順書らしきものをひらいた。すると、口調がかわった。魔導士っぽい荘厳さをたちまちまとう。
「アピゴレヴメノス・カルポース、チキチキチータ・デレアスモース! われは求めたり、禁断の木の実、封印されたる知識の泉、それらのもたらす益と災いのすべて。われは約したり、その責めを受け、その報いに応じることを!」
アホだアホだと思っていたが、そんなにみくびったものでもないのかもしれない。少なくとも、このクラスの呪文が使えるということは、ちょっとしたものだ。
「というわけでぇ、開け!」
エメランディアが呪文を唱え終えると、鍵穴が光り、鍵が呑みこまれていく。
カチ、カチ、カチと機械仕掛の音が扉の中から聞こえてくる。複雑怪奇な魔導からくりが動いているのだ。
そして――
ぐいぎぎき、と重い音をたてながら、扉がひらいていく。
「ひょえええ〜ん」
すっとんきょうな声をあげたのはエメランディアだ。目が輝いている。きっかけがあったら、ここを開けたくてうずうずしていたにちがいない。
人ひとりが通れるくらいに扉が開くと、エメランディアがまっさきに中にとびこんだ。おいおい。
おれとシータもそのあとにつづいた。
それにしても、書庫内部は、図書館の建物の外観からは想像できないほどの天井の高さだ。内部の空間を魔法で歪ませているのかもしれない。上のほうはかすんでいる、というのは大袈裟だが、長いはしごがないととてもじゃないが手が届かない高さまで、びっしりと蔵書が詰まっている。
照明というものはないが、天井がすりガラスになっているので、そんなに暗くはない。それにしても、バカ高い本棚のせいで、まるで部屋の広さや位置関係がわからない。まるでうっそうとした森のなかを歩いているような錯覚に陥る。こりゃ、地図が必須だな。
「あひゃあっ、これはギュルビナ黙示録だわっ! 失われた七賢の著書のひとつ、ザスの書もあるうう。うひょひょ、これは、これは、空白のザブル朝七百年史を埋めるというザブルランティカ・パピルスぅ! し、しぬううぅ」
本フェチの正体をさらしたエメランディアは、書棚から手当たりしだいに本を取りだしては狂喜の声をあげている。
「おいっ! いいかげんにしろっ! この火急のときに!」
おれはエメランディアを叱りつけた。彼女は、はっ、とわれに返ったようだ。
「あ。すみませぇん、つい、取り乱してしまって」
「<ドリーマー>についての書物を調べたいんだ。手伝ってくれ」
おれは手短に要件をのべた。
「はえ? たしかぁ、お連れさんは魔王に取り憑かれていらっしゃったのでは?」
「だ、か、ら、<ドリーマー>がらみの魔王なんだよ、文句あるか!? あ!?」
おれはエメランディアの鼻先に頭を突き出した。先の尖った髪の毛がエメランディアのほっぺに当たるまで接近する。
「あう、いたい、いたいですぅ。わかりましたぁ」
「さっさと案内しろ! エメランディアとやら!」
「なんで、そんなにいばるんですかぁ……」
エメランディアは不満そうに唇を尖らせるが、おれが一瞥するとだまりこんだ。
「あと、エメランディアというのは長くて呼びにくいな。いまからエメロンと呼んでやるから改名しろ」
「いやですぅ!」
「だまれ、エメロン」
「せめて、エミィってよんでくださぁい。お友達はみんなそう呼んでますしぃ」
「ふん、勝手に友達よばわりされても迷惑だな!」
根拠なくおれは胸をはり、エメロンは半泣きになった。
「グズグズするなっ! 世界の危機なんだぞ! ほら、魔王が封印を破ろうとしているのがわからないのか!?」
おれはシータを指差した。シータは下腹部を押さえながら、恥ずかしそうに演技する。
「魔王が、封印を、ゆさぶってます。いまにも、出て、きそうです。いそいで、ください」
セリフ棒読みじゃねえか、コラ。あとで折檻だな。
しかし、エメロン――エミィはとりあえず事態を彼女なりに理解したようだ。
「<ドリーマー>関係の蔵書はぁ……たしかこっちです」
手にした手順書を見ることもなく、小走りに駆けだした
それにしても、迷路のような書庫だ。本棚には分類名や番号がふられているが、それらを暗記するだけでもひと仕事だろう。司書という職業がなりたつわけだ。おれならごめんだ。エロ本の管理ならともかく。
たっぷり五分くらいは走ったろう。先にエミィがへばった。
「はうはう。たしか、このあたりがそうですぅ」
ぐるりと一帯の書棚を手でしめす。
おいおい、ここにあるだけでも背表紙を見てまわるのに何日もかかりそうだ。
「多すぎる! もっとしぼりこめないのか!?」
「でもぉ……。<ドリーマー>という概念は曖昧ですし……」
「アルセア地方にいた、ヴィアーツァ伯爵って知ってるか?」
とにかく検索条件を絞りこんでいくしかない。とてもではないが、これほどの数の書物をしらみつぶしに当たっている時間はない。
「アルセア?」
エミィはびっくりしたようだ。
「なんで驚く、エメロン」
「エミィですぅ……。あの、わたし、アルセア出身なんです。学校にはいるためにこっちへ来たんですけどぉ」
「ほう、そうか。ならば、ヴィアーツァ伯爵の娘がドリーマーだったということも知っているな?」
「……え……あ……まあ」
エミィの歯切れが――もともとよくなかったが――さらに悪くなった。
「なんでどもる。なんか知っているな?」
「そんなことないですぅ。わたしたち、子供のころからそのお話を聞かされて育ったんです。寝るまえに飲み物をのんじゃだめだよって」
エミィの顔が赤くなる。おれは鋭い洞察力を発揮した。
「ははあ、エメロン、おまえ、おねしょの癖があるんだろう?」
「そんなことありません! もう何年も……はうっ」
あわてて口をおさえるが遅い。
「ということは、十二、三歳になるまでしていたってことだな!?」
「してないっ、してないです!」
エミィが耳たぶまで真っ赤にして否定したときだ。
がごーん、という音がした。
「はえ!?」
エミィは弾かれたように扉の方角を見やった。巨大な扉は、書棚の森ごしにも見てとれる。それほど巨大なのだ。
そして、その扉は閉まっていた。ある程度時間がたつと自動的に閉まる仕組みなのだろう。
「ひゃあああっ!」
悲鳴じみた声をエミィはあげた。
ふだんのスローペースはどこへやら、脱兎のごとくエミィがすっとんでいく。こういうたとえが許されるとしたら、エイトマン的な走りだ。
「いったいなんだよ、もう……」
おれとシータはうんざりした顔を見あわせて、そのあとをえっちらおっちらと追いかけた。こんなに広いんなら動く歩道でもつけろよな。
扉の前では、エミィが狂ったように手引書のページをくっていた。
「あああっ、緊急開扉の呪文が載ってないぃ! どおしよおぉ!」
「どうしたんだ、ねしょんべんたれエメロン」
結果的にエメランディアよりも長い名前になってしまった。
エミィは抗議もせず、うるうる目をこっちに向けている。やばいな。また惚れられたか?
「ごめんなさあい!」
いきなりあやまられた。おれとしては、こう答えるしかない。
「だめだ。ゆるさん!」
「ゆるしてくださぁい」
エミィは泣きはじめた。床にぺったし座りこんで、無防備な姿だ。
「そうだな、ゆるしてほしければパンツを見せろ」
「見せたらゆるしてくれるですか?」
涙目でエミィが訊いてくる。おっ、これは、もしかすると。
「エミィさん、いったい、なにがあったのです」
スカートのなかを覗きこもうとしていたおれの前に、シータがさりげなく割り込んできた。
おれとエミィに任していてはいつまでたっても話が進まないと思ったのだろう。その判断は正しい。
「じつはぁ、扉がしまってしまったのです」
「そんなことは見ればわかる。しかも、『扉がしまってしまった』などとベタなシャレを言いやがって。そんなのならおれでも言えるぞ――このトッポイ辞書だれんだ?――トッポイジージョの」
「マスター!」
あう。下僕に叱責されてしまったぞ。
エミィはしゃくりあげながらたどたどしく説明する。
「この扉は魔法で開閉するんですけどぉ、中からは魔法がきかないんです。ですからふつうは外にも術者が居残ってぇ、作業が終わるまで開いたままにしておくんです」
「そうか……。まあ、今回は緊急事態だったからな。しょうがないじゃないか。外からあけてもらえばいいんだろ?」
「それがぁダメなんです!」
エミィが泣き声をあげる。ええい、ピーピー泣きミソなやつだ。どうせならよがって泣け!
「この書庫はぁ空間と時間を魔法で歪めてあるんです。扉がひらいている間だけ同じ時間が流れているんですけど、閉じたら、書籍の保存モードに入っちゃうんですよぉ」
「わかりやすくいうと、どういうことだ?」
「このなかではぁ、時間がほとんど流れなくなってしまうんです。外の世界でお昼休みが終わってぇ、職員のひとがここを調べてくれるまでに、わたしたち、ミイラになってしまいます」
「なんでだ! 書庫のなかの本は保存されるんだろ? だったら、おれたちもこのなかで何百年過ごそうが外では一瞬だろ?」
「ちがいます、マスター。この閉じられた世界の時間はごくゆっくりとしか進みません。でも、わたしたちの身体は外の世界の時間律に従おうとします。かといって外の世界の時間と同期しているという保証はまったくないのです」
シータが冷静に説明する。
「つまり、時間はゆっくり流れているのに、おれたちの腹はいつも通りに減るし喉もかわく。といって、外の世界で昼休みが終わって、ここの異常に気づくのはいつになるかわからない、ということだな」
「そうです。これはゆゆしい事態です」
と言いつつ、シータは落ちついている。
床につっぷしてメソメソ泣いているエミィにむけて、シータは話しかけた。
「エミィさん、泣かないでください。この図書館について知識を持っているあなただけが頼りなんです。さいわいなことに、この書庫のなかには膨大な書物があります。こういう封印の魔法を解除する呪文や技術について書かれた本が、どこかにあるのではないでしょうか?」
「はっ」
エミィは顔をあげた。
「そういえばぁ……」
「心当たりあるのか?」
「<ドリーマー>についての記述があった<ウェリギリウスの真言>という本にたしか、時間と空間の封印とその解除についての技術が……」
「書いてあるんだな!」
「たぶん……。わたしも読んだことないんですぅ。先生が……はう!」
エミィは喉にサカナの骨をつまらせたときのように突然しゃくりあげ、言葉をのんだ。と、それから、そろそろと口をひらく。
「――<ドリーマー>というのは、世界の因果律を無視してすべてをつくりかえる異能力のことですからぁ……時間と空間の封印についても関りがあるんですぅ……とおもいますぅ。だから、きっとここを抜け出すヒントが書かれているんじゃないでしょうかぁ」
「ふん。だが、これは好都合だな。さがしものがはからずもひとつにまとまった。それが当たりかどうかわからんが、まずは<ウェリギリウスの真言>をさがそう」
というわけで、われわれは書物の森のなかへとふたたび踏み入ったのであった。