がくえん おうじゃ
学園王者2
〜真奈の異常な漂流〜
第九回 悪戯(承前) 

15h

「あたし、ショタじゃないもん……」

 水のなかで、う〜、とうなる。

 でも、真奈は岸にあがった。誘惑に抗しきれなかったのだ。

 ふだんは自分がエッチなイタズラをされている。ちょっとした仕返しだ、と思った。

 男の子の身体に興味がないわけではない。それに、シンダラーのような大人の男は怖いし、無気味だが、ハルキのはかわいらしいし、きたない感じがしない。まるで植物の未成熟な芽のようだ。

 くー、すー。

 ハルキは寝息をたてている。まるで天使の寝顔である。ほんとうに美形の子供なのだ。

(大きくなったら、もてるだろうなあ)

 真奈は想像した。でも、ハルキがそういう年齢になったころは、真奈はそろそろ三十路が見えるころだろう。そうなったら、とてもじゃないが相手をしてもらえないだろうな、と思う。ちょっと癪だ。

 股間に、ちょこんと生えている。白い鞘におさまった性器――いや、まだ性器ではない。排泄のための器官だ。鞘の下にはくるみの殻のような丸いものが、ひだのある袋に包まれて鎮座している。水遊びしたせいか、ちぢこまっている。

「かわい」

 真奈は、鞘にちょん、と触れてみた。

 ぴく、と鞘が動く。

「おもしろい」

 今度はつまんでみた。奇妙な手ざわりだ。硬いようで柔らかいようで。皮の下で、コリっとしたものが動いたようだ。

 皮を上下に動かしてみた。女の子雑誌で見たことがある。男の子はこうやってオナニーするのだ。

 真奈の指のなかで、ハルキのものが少しふくらんだ。

「わっ」

 びっくりして指をはなす。しげしげと観察した。

 半立ちになったそれは、ぴくんぴくん動いている。

「これが……ボッキするってことなのかなあ」

 真奈は胸をおさえた。はっとする。掌がふれた、自分の乳房がなんだか張っているような気がする。乳首が立っている。水からあがってちょっと寒いからだ、と思おうとした。興奮しているわけじゃない。でも。

 股をこすりあわせてみる。ぬるっとする。ああ――濡れちゃってる。

 これを触ったせいだろうか、真奈はハルキの側に座りなおして、その尖ったものにふたたび触れてみた。さっきよりも大きく、固くなっている。おとなのそれとはむろん比較にならないのだろうが、さっきとはえらいちがいだ。小指くらいだったものが、親指大にはなっている。もっと大きくなりそうだ。

 と、ハルキの目が半開きになった。

 びっくりして真奈は手を放した。ぷるん、とハルキのオチンチンが震える。

「お、起きてたの?」

「真奈おねーしゃん、ひどいでし」

 ハルキは涙目になっている。

「ねむっているすきに、オチンチンにイタズラするなんて、でし!」

「ごっ、ごめんなさい!」

 真奈はうろたえた。ほんとうにどうかしていた。なんてことをしてしまったのだろう。

「これは、レイプとおんなじでし、ひどいでし、うあああ」

 泣き出した。真奈は平身低頭するのみだ。

「ごめんなさい、――あやまっても許してもらえないかもしれないけど――なんでもするから、泣かないで」

「……ほんとでしか?」

 涙をとめて、ハルキが訊く。

「ほんとよ」

「ほんとにほんとでしか?」

「ほんとにほんとよ」

「じゃあ、まなねーしゃんのあそこ、ちゃんと見せてほしいでし」

 にったら、とハルキは笑った。さっきまでの可憐な涙がうそのような笑顔だ。

「えっ、ええっ!?」

 真奈は膝立ちであとずさる。よく考えたら、いまの真奈も全裸なのである。ようやく気がついて股間を隠す。

「だめっ、そんなこと」

「なんでもするって言ったでし」

「そんなあ……」

「さっき、真奈おねーしゃんは、ぼくのチンチンをじっくり見てたでし」

「お、起きてたのぉ?」

「ノーコメント、でし」

 にやにやとハルキは笑う。はめられた、と真奈は思う。

「約束でし、約束」

 ハルキは満面に笑みを浮かべていた。

つづく!