うたかたの天使たち 第四話(6b)
(……)
苑子は答えない。
(やめたほうがいいか? だったらやめるけど)
おれは囁いた。
(……て)
苑子の吐息が匂った。苑子のつばの匂い。甘い香りだ。
(なんだって?)
おれは聞き返す。おれの呼吸も荒くなっている。すごく興奮しているのは自分でもわかっている。苑子の匂いにあてられているんだ。
苑子は――発情している。そういう匂いを出している。
だから、答えはわかっている。
でも、言わせたい。
(もっと、ちゃんと言えよ。でないと、してやらないぜ)
苑子がためらっている。でも、根がまじめだから、言えと命じられたら言う子だ。
(して……続きを……おにいちゃん)
(よおし……いい子だ)
おれは勇気百倍・やる気マンマンで、布団のなかで身体を入れ替えた。つまり、顔を苑子の下腹部に近づくようにした。
頭につけた懐中電灯を思い出す。これは、活用しなくてはならない。
スイッチを入れる。
苑子のパジャマズボンが半分脱げた状態で、視界にとびこんでくる。
これは、ぬがさないと、なにかとジャマだ。
ぱっぱっぱじゃまじゃまーだー
などと懐かしのアニソンを口ずさみながら、おれは苑子の下半身からじゃまなズボンを取り去った。
白パンだ〜。
むっちりした苑子の下腹部を、白い布きれが包み込んでいる。
おれは苑子の太股のあいだに顔を突っ込んだ。すべすべの太股に頬をこすりつける。しっとりとした肌の感触――触れるともちもちとした弾力――たぶん、同年代の女の子に比べると肉づきはかなりいい方なんだろう。
おれの目の前に、苑子の股間がある。白い布に微妙な凹凸があらわれているのが見てわかる。山・谷・山だ。
鼻を近づけて、匂いをかいでみる。
うわあ、だ。
もう一度、かごう。
おおおお、だ。
苑子のやつ、なんて濃い匂いをさせてやがるんだ?
よくよく見ると、白パンの谷の部分にしみができている。匂いの元凶はこれかもしれないな。もっとかいで確かめてみよう。
おれは鼻を谷の部分に押しつけた。口もつける。
鼻と口で苑子のパンツを味わいつくす。
ぽかぽか、苑子がおれのすねを叩いていやがる。やめて、という抗議か? それとも、もっとして、という要求か?
たぶん後者だな。もっとしよう。
おれはパンツごしに、苑子の割れ目を舐めた。舌で木綿の生地をえぐると、ざらざらを感じる。
パンツの生地にしみこんだ苑子の匂いが味覚になって、おれの舌をとろけさせる。
おれは今、苑子を食べているんだ、と思った。
苑子を味わっている。
美味だ。
だが、まだこれは前菜にすぎない。
これからだ。
これから、苑子をしゃぶりつくしてやる。