「ひは」
おれのものをくわえたまま、一子ちゃんがたれ加減の目を大きく見張る。
一子ちゃんを引っ張って、おれの顔をまたぐようにさせる。
「はぷっ……遊一さん、恥ずかしいです」
ペニスを吐き出して、一子ちゃんが逃げようとする。だが、おれはむろん許さない。
「お願いだよ、一子ちゃんにしか頼めないんだ。おれの病気を治してよ」
「でも、この格好は……」
脚の間を見られるのは、一子ちゃんにも抵抗があるらしい。手で隠そうとしている。
「膿を出さないと、おれ、おかしくなっちゃうよ」
言っとくが、一言たりとも嘘はついていない。
一子ちゃんはうるんだ眼でおれを見つめている。
「苦しいんですね、遊一さん」
「うんすっごく」
「わかりました」
一子ちゃんは心を決めたように言う。
「やりかたをどうか教えてください」
「じゃあ、おれの顔の上にまたがって……」
「こう……ですか?」
恥ずかしそうに四つん這いになる一子ちゃん。
わお。絶景。
寝転んだおれの顔の直上に一子ちゃんのおしりがやってくる。
おしりとかワレメを見たことは何度もあるけど、その中心部にあるパーツを見るのはさすがに初めてだ。
端的に言えば、おまんこ、だな。
一子ちゃんのは、ちょっとだけ赤らんだ縦長の唇だ。もちろん、保証書つきのヴァージンだから、脚を広げさせても中味がほとんど見えないってくらいにぴっちりと閉じている。発毛は淡いほうで、陰唇のところは無毛だ。
おれは、指でその部分を開いた。むろん、この内部を見る一番最初の男になるためにだ。
一子ちゃんはおれのペニスを握ったまま、じっとしている。その部分に、これからどんなことをされるのか、たぶんいろいろ想像しているのだろう。
おれは一子ちゃんの性器を広げた。
ほおお、とため息をつく。ついつい見入ってしまう。
濃いピンク色の粘膜がおれの目の上、5センチのところにあるのだ。
指で小陰唇をかきわけて、膣への入口を見る。一子ちゃんの子宮への道のはじまりだ。白っぽいフタが見える。完全無欠の処女膜だ。
おれはべつに処女崇拝者じゃあない。好きになった女の子が、おれと逢う前にほかの誰かと関係していたとしても、それはそれで仕方のないことだ。だが、やっぱり、まだ誰にも触れられていない扉には、特別なものがあるような気がする。とくに、一子ちゃんのこの部分は――スペシャルだ。
おれは、一子ちゃんの処女膜に唇を押し当てた。
「ゆ……遊一さん、そんなところ……汚いです」
汚いどころか、こんなに美しい場所はほかにはない。
「一子ちゃんだって、おれのチンチン、舐めてくれているじゃないか」
「え……でも、それは……治療ですもの」
「一子ちゃんのココも様子が変だよ?」
おれは、ワレメのはじまりの部分で肥大を続けている、血マメのような感覚器官に舌で触れた。男のファルスに対応する、女の子の小さなおちんちん。
「一子ちゃんのも、大きくなってる」
ささやきながら、息をふきかける。
「あっ」
一子ちゃんがおしりを上げようとしたので、両手で抱え込んで引き寄せる。
逃がさない。
おれは、顔を一子ちゃんの股間に密着させ、その分泌する匂いを嗅ぎながら、舌を動かした。
突起部分を舌で舐めあげ、次に唇ではさむ。
「ほら、一子ちゃんも、おれのに同じようにして」
切なげに鼻を鳴らしながら、一子ちゃんがおれのペニスを口に含む。
シックスナインの体勢だ。一子ちゃんとお風呂に入るようになってから数ヶ月、ついにここまでこぎつけた。嬉しい。
「唇ではさんで、吸いあげてみて……こんなふうに」
ちゅうっ。
「はうんっ!」
びくびくっ、と一子ちゃんが反応する。
「どうしたの?」
「な、なんだか、痺れて……やっぱり、わたし、へんなんでしょうか……」
心配そうな声で訊いてくる。
「安心して。女の子はココを触ったり、舐められたりすると、びりびり痺れるものなんだ」
おれは優しく言い、さらに舌による刺激を加える。
舌先で転がしたり、包皮に軽く歯を当てたり、そこから突端を吸い出すようにしたり、ねぶったり――
一子ちゃんも、それを真似るように、おれのペニスにさまざまな愛撫を加えてくる。
「んふぅっ、んうう、んく……」
鼻から甘い声が漏れつづけている。けっこう、いい感じの音色が出てきたようだ。
「濡れてきた……一子ちゃんのおまんこ……」
おれは穴の状態の変化をつぶさに観察していた。
白い封印の奥から、透明な液体がぬろぬろと分泌されてきて、一子ちゃんが肛門をきゅうっと締めるたびに、とろっ、と垂れてくる。
処女膜にはもともと小さな穴があいているのだ。まあ、個人差はあるようで、穴の形もいろいろだし、中には完全にシールされている場合もあるそうだが……一子ちゃん場合は星型だ。
たまらなくなって、おれは指でその部分を左右にこじあけた。粘膜が引っ張られて、穴が大きくなる。
「ひ」
一子ちゃんの声質が変わる。痛みを感じているようだ。それでも、その穴を広げたい、奥を見たい、という欲求にあらがえない。
処女膜が伸びている。これをもっと徹底的にやれば――たとえば、ペニスをむりやりねじこめば――ピリッと裂けてしまうのだ。
入れたい……!
一子ちゃんのこの部分にペニスをもぐりこませて、ヒダの感触と熱を感じたい。毀れるくらいに激しく突きたい。子宮にペニスの匂いをこすりつけて、おれだけのものにしたい。
こみあげてくる欲求があまりにも強くて、おれは射精しそうになった。
なんとかそれをこらえて、愛撫にもどる。一子ちゃんの入口周辺をていねいに舐めて、愛液を味わう。すこし酸味を感じる。閉ざされた部分を舌で圧迫すると、その少し奥の部分がきゅうっとすぼまるのを感じた。
「うあっ……あうう……くぅ……」
一子ちゃんはもはやおれのものをしゃぶる余裕を失っているようだ。おれの愛撫を受けて、声がずいぶん大きくなってきている。たぶん、ジャングルゾーンの外まで聞えているだろう。
「へんです……へんなんです……遊一さん……わたし……」
もだえ声の合間に、自分の感覚に対する疑問を発する。
「身体が、熱くて……遊一さんのお手当てもできな……はああ」
「どう? 気持ちいい?」
「わかりませ……んくぅぅっ、身体が、勝手に、動いて……」
ひくんひくん、ヒップを蠢かせる。
肌をピンクに上気させて、一子ちゃんがのけぞった。やわらかいおっぱいがおれの腹に押し当てられたり、離れたりして、その刺激もこたえられない。
「イキそう? 一子ちゃん」
反応からすれば、絶頂は近そうだ。だが、一子ちゃは首を横に振りたくる。
「行くって……どこへですか……」
「いいから、感じて」
舌と指をつかって、一子ちゃんのクリトリスを集中攻撃する。一子ちゃんはあたりはばからぬ声を放ちはじめる。さっきから、植物の影から誰かがが覗いているような気がするが、この際おれもかまっていられない。
「あっ、はあっ、なにか……なにかが……なにかが来ますっ! あああっ!」
「おれのもしごいて、一子ちゃん……一緒にいこう」
一子ちゃんはなんとかおれの言葉を理解したようだ。おれのペニスを握って、上下に擦過する。先端に何度もキスする。半ば意識の行動らしい。
おれは、一子ちゃんのクリを指でぎゅうぎゅう押しながら、愛らしい膣の入口に舌を差し入れた。
「んああああっ! いぃぃぃっ! きますっ……くるぅっ!」
一子ちゃんが昇りつめる。同時に力いっぱいおれのペニスを握りしめて、亀頭を吸いあげた。
おれも弾ける。
尿道をザーメンがものすごい速度で駆け抜けていく。
おれは腰を跳ね上げていた。びゅくびゅく、発射している。
「よかった……」
ぐったりと体重を預けてきながら一子ちゃんがつぶやく。
「膿……出ましたね……」
精液まみれになりながら、一子ちゃんが安堵したようにほほえむ。
おれのなかで何かが切れた。いや、すでに何回か切れているのだが、さらに頭の深い部分でプッツンした。
「一子ちゃん!」
おれは起き直って、一子ちゃんにのしかかった。射精したばかりだというのに、もう屹立状態に戻りつつある。
「もう、だめだ、一子ちゃんのあそこに入れさせて!」
「ゆ、遊一さん……?」
おれは一子ちゃんの腿を抱えて、広げさせた。そこに自分の腰をかぶせていく。
背後にたくさんの視線を感じる。ギャラリーが増えたようだ。ええい、見たけりゃ見せてやる。この瞬間、なにより大事なのは一子ちゃんを愛することだ。
亀頭を一子ちゃんのワレメにこすりつける。ヌルヌルになっているその部分は思ったよりもすんなりと開いて、先端部分を受け入れた。
一子ちゃんがびっくり顔になる。
「遊一さん、何をなさってるんです?」
「膿が、まだ溜まってるんだ、一子ちゃんのおまんこの中でチンチンを擦らないと、治らないよっ!」
「わたしのそんなところに入れて、膿が出せるんですか?」
心底不思議そうに訊いてくる。まだ痛みは感じていないようだ。さらに沈める。亀頭の半分くらいが一子ちゃんの内部におさまった。
「あの……よその方が見てますけど……」
一子ちゃんがためらいがちに指摘する。背後のおっさん連中がすごいことになっている。身を乗り出しているやつもいる。
「気にしなくていいから――力ぬいて」
「はあ……」
一子ちゃんが身体を横たえる。おれはさらにのしかかる。いよいよ切所だ。処女膜貫通の瞬間だ。
ピリッ――
「あっ、いたぁっ!」
一子ちゃんが初めて苦痛に顔を歪ませた。おれは声を封じるために、その唇を唇で被った。一子ちゃんのまぶたが激しく上下した。まつげが長いので風が起こる。
おれは腰を沈めていく。ひとつになる。ついに、一子ちゃんと――
「いやあっ!」
いきなり突き飛ばされた。
おれはひっくり返って。後頭部をタイルに打ちつける。
な、なにが起こったのだ?
一子ちゃんは口をおさえて、大きな目をうるませている。
「ゆ……ゆ……遊一さんの……ばかあっ!」
唇を手の甲で ごしごしと擦っている。なんだ?
「急に、せ、せっぷん、するなんて……」
大きな目からぽろぽろと涙がこぼれる。なにかがおかしい。
「ひどいです……わたし……初めてだったのに……」
おっぱいまるだしのまま、声をあげて泣きはじめる。
そうか。
そういうことか。
性に関する知識がゼロの一子ちゃんは、人前でフェラチオしたりすることは平気なのだ――というか治療行為だと信じているのだ――たぶん、セックスだって、「膿を出すため」だったら、していただろう。
だが、キスはだめなのだ。
接吻は聖域だったのだ。
乙女回路がスパークしてしまうのだ。
おれは遠ざかる意識のなかで、歌を詠んでいた。
風呂場にて 頭鳴るなり 法隆寺
げに複雑な おとめごころよ