ヴァリアブル・ジオ

武内優香編

女神は大忙し

 

 世界最強の女神は誰かッ!?

 それを決定すべく開催されるのが、世界の外食産業を裏から支配する蛇華グループが主催する、<ヴァリアブル・ジオ・トーナメント>だ。

 このトーナメントは優勝すれば数十億円ともいわれる巨額の資本が、そのウェイトレスが所属する店へ投下される。蛇華グループがどんな目的でそんなトーナメントを開催しているかは不明だが、不況でくるしむ外食産業のオーナーたちはこぞって、美しく、強いウェイトレスの育成にはげむことになった。

 格闘技の道をえらぶ少女たちにとっても、外食産業でのバイトは格好の修練と実益の場となったのだ。

 しかし、巨額の賞金の裏には過酷なペナルティも課せられていた。敗れた選手は、女性としてのありとあらゆる屈辱に身をゆだねることになるのだ。

 

 「うっ、うっ、負けちゃったよお……」

 武内優香は、重いからだを引きずるようにして、バイト先のファミリーレストランへ戻った。

 大会出場はいちおうバイトの一部なので、帰宅するためにはタイムカードを押さなくてはならない。試合で受けたダメージからはすでに回復しているが、優香の足取りは重かった。

「ぜったい優勝するってオーナーにいきまいちゃったからなあ……」

 自信はあったのだ。しかし、決勝の相手がとんでもなく強かった。

「蛇華麗美とかいったっけ……ボクももっと強くならなくちゃ」

 反省はしているが、いまはゆっくりと身体を休めたい。

 レストランは営業中だ。だから、裏口から入り、まっすぐオーナーがいる事務室に向かう。

「たいした大口だったな、え、優香くん」

 しょんぼりとした優香を出迎えたのは、オーナーの酷薄な視線だった。

「きみの武術の腕に期待していたからこそ、ほかの子よりもバイト料もはずんだし、割った皿も大目にみた。練習のために遅刻早退も許可した。なのに、このザマはなんだ」

「す、すみません……」

 優香は頭をさげるしかない。

「優勝さえしてくれていれば、この店はすくわれたのだ。だが、きみが負けたことで、すべてはダメになってしまった……。わたしも、破滅だ」

 オーナーはドス黒い顔色をしていた。

「そ、そんな……」

 破滅、とかゆわれたって……

「償いは、してもらうぞ」

 オーナーが言うと、事務所のドアが開き、数名の男たちがドカドカと入ってきた。有無をいわさず、優香の左右から腕をつかむ。

「な、なに!? ボクをどうする気!?」

 いくら武道の達人とはいえ、十七歳の少女にすぎない優香は、何人もの男たち――それも武道の心得があるようだ――におさえこまれてはどうしようもない。

「オーナーッ!?」

 彼女は身体をよじらせて、雇い主を見た。

 オーナーは笑っていた。狂ったような目つきだ。優香はぞっとした。

「――これがヴァリアブル・ジオのほんとうの姿さ。敗れた選手は飢えた男たちによってさんざんなぶられる。衆人環視のもとでな。そして、その様子は記録され、商品となる。その収益が店にフィードバックされることで、なんとかわれわれの店も生き残ることができるのだ」

「そんなっ!?」

 優香はもがきながら叫んだ。

「なあに、つらいのは最初のうちだよ。なにしろ向こうさんはプロらしいからね……」

 オーナーは幽鬼のようなやつれた顔でへらへらと笑った。

 

「いやぁっ! やだぁっ!」

 優香は男たちにおさえつけられ、ウェイトレスの制服をひきちぎられた。

「ああっ!?」

 年齢のわりには豊かな優香のバストが一気にこぼれだす。

 まるで水を入れた風船が揺れるような重量感がある。

 乳頭はちいさめで、ぷっくりと立っている。

「ほうう、デカパイだとは思っていたけど、そこまでとはね。うちの制服がよく似合っていたわけだな」

 オーナーは優香の乳房を値踏みするように見て、おもむろに手でこねはじめた。

「ひっ、オーナーっ!? いやっ!」

 裸の胸を中年男の大きな手で握り締められる感触に、優香は嫌悪と拒絶の声をあげる。

「ふん、こんなでかい胸をしているから脳がたりんのだ、バカ女めが。なにが、世界最強になるだ、ボクと自分のことをよぶ女は最初っから気に食わなかったんだ」

 ぶつぶつと口のなかでつぶやきつつオーナーは優香の桜色の乳首を指でつねった。

「いっ、いたっ!」

 苦鳴が少女の喉からもれる。

「じゃあ、はじめてください」

 オーナーが男たちに言う。

 年令も服装もバラバラの男たちはニヤニヤと笑いつつ、優香のスカートをめくりあげる。

「いやだあ!」

 優香は脚をじたばたさせて抵抗した。まっすぐのきれいな脚だ。適度に筋肉がついて、締まっている。パンティは実用的な白地の木綿のものだ。むろん、試合のことを考えて、生地も厚手のものにしている。

「ちっ、色気のないパンツだな。とっとと脱がしてしまえ」

 男たちの指がそのちいさな布地を奪いあうようにしてはぎとる。

「あああっ!」

 優香は絶望のうめきをもらした。だれにも見せたことのないあそこが、男たちの前にさらされてしまっている。それどころか、記録係という腕章をつけた男がビデオカメラまで回している。

「ふん、まだまだガキのおまんこだな。だが、ここで仕込んでやれば、ちったあ使い物になるだろう」

 男たちのうちの一人が楽しそうに言う。

 そして、陵辱は始まった。

 

「んっ、はああっ!」

 優香は声をあらげた。

 男たちの愛撫が30分以上続いていた。乳房をなぶられ、股間をもてあそばれた。

「うっ、うっ……」

 身体の力がぬけきっていた。

 男たちは、セックスのプロフェッショナルらしい。すばらしいテクニックだった。

 嫌悪しながらも、男たちの指が自分でも知らなかった性感帯をさぐりあて、開発されていくのを受け入れてしまう。

 乳首がピンと張り、股間では愛液がはげしく分泌している。

「うあっ、あっ……」

 クリトリスを舌で愛撫され、優香の腰がはねあがる。乳首も激しく吸われ、甘噛みされている。

「だめえ……ボク……ボク……うああんっ!」

 おなかのなかが熱くてたまらない。なにかがうねっている。ほしい。かたくてふといものがほしい。

 優香は自分から股をひらき、手で秘部をひらいた。

「はああ……あん……」

「そろそろ入れてほしいみたいだな、じゃあ、おれからいくかな」

 男の一人が勃起した男根をぶらぶらさせながら宣言した。

「そうだな。おまえがいちばん小さいから、処女破りには最適だ」

 仲間らしいほかの男が言う。

 言われた男が少しくやしそうに言い返す。

「ちっ、おまえらがでかすぎるんだ。おれだって18センチくらいあるんだぜ」

 ニヤニヤしている男たちの股間はいずれも20センチ以上の巨根ぞろいだ。

 おそらく蛇華グループがこうした荒事に使っているプロのコマシ屋たちだろう。

「じゃあ、いくぜ、お嬢ちゃん。ちっと痛いが、がまんしな。すぐに天国に連れて行ってやるからな」

「う……あ……?」

 もうなにがなんだかわからない優香は涙目で、男のしていることをただ見ている。

 男が優香の腰を持ち上げ、脚をひらかせる。

 男根の先端を優香の、濡れそぼってはいるが、まだ未通の膣口に押しあてる。

「うっ、ううう……」

 痛みを感じてずりあがろうとする優香をほかの男たちが笑いながらおさえつける。

「へっ、食べなっ!」

 男がぐいっと前へ進む。

 ぐりゅっ。

 ぐぱっ!

「あっ、ああーっ! いた、いたいいっ!」

 優香はわめいた。身体のなかでなにかが壊れた、そんな感じだ。逃げ出そうとするが、おさえつけられていてなにもできない。

「動くぜっ!」 

「あっ、ああっ、いたいっ、いたいよぉぉ」

 優香は泣き声をだした。

 だが、男は容赦なく腰をうちつける。

 ぶるるん、ぶるん、と優香の乳房が揺れ、自分の顔にあたる。それだけ激しいピストンだ。

 その光景をじっと見ている男がいた。レストランのオーナーだ。

「どうかね、優香くん、処女を失った感想は? それにしても、すごいおっぱいだねえ……まるでバレーボールみたいじゃないか、けけけけ」

 オーナーの口調があぶなくなっている。

「あっ、あうっ、うう、あう、あう」

 ペチンペチンとおのれの巨乳で顔をたたかれている優香は、オーナーの皮肉な声さえちゃんと聞こえていないようだ。

「ふふん、実は痛いだけじゃないんじゃないのかね? なんだか顔がキモチよさそうだよ」

「うっ、うううっ、ひうっ!」

 ひきつるような優香の声は、たしかに苦痛だけではないような切なさをふくんでいる。

 返事ができない優香にかわって答えたのは、優香をいままさに犯している男だった。

「当然さ、おれたちがヤッてるんだからな。こいつもすぐに自分からケツを振り出すぜ」

 腰を使いながらうそぶく。だが、その表情が少しずつ切迫していく。

「しかし、いい締まりだな。さすが身体を鍛えているだけあるな。うっ、くくっ、やべえ、出そうだ」

 男の動きがはやくなる。パンパンパンと、リズミカルに腰を叩きつける。

「オーナーさん、いいんだろ、中で出してもよ」

「いいとも。存分に出してやってくれ。実力もわきまえずヴァリアブル・ジオ・トーナメントに出場した罰だ。このわたしに大損害を出させたのだからな」

 許しをえた男はさらに強く腰をねじこみ、そして――

「うあっ、あっ、やだあああっ!」

 膣壁に射精の衝撃を感じたか、優香はわなないた。

 だが、陵辱はまだまだ始まったばかりだった。

 

 店内に優香の声がひびきわたる。

「ああっ、あうん、はあっ、キモチいい、キモチいいようっ!」

 いったい何人目の男のモノを受け入れさせられたのだろう、優香にはもう記憶がなかった。

『お店にきていただいたお客様に還元しなければな』

 オーナーのひとことで、裸の優香はレストランの店内に引きだされた。そこにはこんな看板が出ていた。

『本日、スペシャルランチメニューをご注文のお客様に、当店ウェイトレス武内優香を15分間ご試食いただけます』 

 スペシャルランチメニューは五千円と高価だったが、だれひとり文句は言わなかった。

 いま、優香をバックから責めたてているのは、店の常連の浪人生だった。前々から優香にあこがれていたらしい。

「ああっ、最高だ! 優香ちゃんをおしりからヤれるなんて!」

 優香のヒップの肉をつかみながら、浪人生は感極まったようにさけぶ。

「なんてきれいなオシリの穴なんだろう。ううっ、ぱくぱくひらいたりとじたりしているよ」

 尻の山を左右に開き、おのれのペニスを優香のヴァギナの奥深くに挿しいれながらも、浪人生はアナルにずいぶんご執心のようだ。

「ねえ、優香ちゃんのアナル、いくら?」

「優香はまだそちらは処女ですから、三万円はいただきませんと」

 オーナーがうやうやしく頭をさげる。浪人生は興奮しきっており、財布から壱万円札を三枚つかみだした。

「予備校の授業料なんてどうだっていいよ! 優香ちゃんのアナルにブチこめるんなら!」

 オーナーはかねを受け取ると、優香のうしろの穴にローションをぬりたくった。

「ひうっ、ううう……」

 排泄物をひり出す穴をローションでマッサージされて、優香はくぐもった声をもらした。気持ちいいらしい。

 オーナーは中指を優香のアヌスにしずめ、数回抜き差しした。

「くあっ、ああっ、そこはあ……ああっ」

 たまらないような、優香の声。

「準備ができました。どうぞ、さめないうちにおめしあがりください」

 オーナーの言葉を待ちかねていたように、浪人生は優香の膣からぬいたペニスをその上のもうひとつの穴のそばに移動させた。

「いくよ、優香ちゃん、おしりに、入れちゃうよ」

 興奮しきった声。もう、目は血走っている。

「やっ、やだあ……ボク、そんなとこ、入んないよぉ……」

 わずかにおびえたような声。それがさらに浪人生の嗜虐心をあおったか。

 ずいっ。

「んあああーっ! ああーっ!」

 ローションのせいか、わりとすんなりと浪人生の男根を優香のそこは受け入れた。

 浪人生はうひぃ、とうめいた。白目をむいている。

「さっ、最高っ! 優香ちゃんのアナル、熱くて、きつくて、もう……っ」

 キレたらしい。鬼のような表情でピストン運動を開始した。

 優香のヒップに体重を乗せ、押しつぶすような勢いで責めたてる。

 完全に優香を支配した快感に酔いしれている。

「うあっ、ひぃっ、ボク、おかしくなっちゃうぅぅっ!」

 大きく広げられた肛門に男の性器をねじりこまれ、優香は床に顔をおしあてて被虐の炎を燃やしていた。痛みもあるはずなのだが、優香の喉を鳴らしているのは、快楽の叫びでしかない。

「どっ、どうしてっ、こんなっ……あはあっ!」

 優香は泣きむせんでいた。

 その優香のおしりのなかで、浪人生は弾けた。

 

「はあ……はあ……ああ……んん」

 優香は床のうえで大きく胸を上下させていた。

 そんな姿勢でも、形崩れしない張りきったバストは、しかし、男たちが放った白い粘液にまみれていた。

 むろん、あそこにも、アヌスにも、口にも、大量の精液が注ぎこまれていた。

 売り上げはすばらしいものだった。一時的にだが、レストランは経営危機を脱せるかもしれない。

「よくやってくれた、優香くん……おかげでずいぶんリカバーできたよ」

 オーナーが札束を数えながらにったり笑った。

 蛇華グループがさしむけた男たちも、仕事は済んだとばかりにすでに引き上げていた。むろん、録画されたビデオテープといっしょにだ。このテープはほどなく<ヴァリアブル・ジオ・トーナメント>のマニア向け記録として、ほかの出場者の陵辱シーンと編集されて、会員制クラブなどで上映、販売されるだろう。その一部はインターネットなどにも乗るかもしれない。そういった素材を使って、パソコンゲームを作っている会社などもすでにあるようだ。

「ふふん、これできみもこの業界からぬけだせなくなったね。<ヴァリアブル・ジオ・トーナメント>に複数回出場している選手は、みんなこうやって陵辱のはてに、それが快感になってしまった者たちなのだ。格闘技とセックス、それはかけはなれているようでいて、じつは表裏一体のものだ。強さを求めるものは、同時に快楽を激しく求めるのだよ……って、きいちゃいないね」

 オーナーはあきれたように、床にころがっている優香を見おろした。

「あっ、あっ、まだ……たりないのぉ……」

 優香はもだえつつ、みずから胸をもみしだき、指で乳首をつまんではこねている。唇のまわりについた精液をなめとり、ぺちゃぺちゃ音をたてて味わってもいる。狂った味覚では、男が放出した臭い汁さえミルクのように感じられるのだろうか。

「はああん、あん、ここにほしいのお……」

 そこが空いてしまうと寂しくてたまらないのか、優香は自分の指でヴァギナをかきまわしていた。

「すっかり淫乱キチガイになってしまったな」

 軽蔑しきった表情をオーナーは浮かべている。

 うるんだ目で優香がオーナーを見あげる。オトコ、と認めたのか、その顔が泣きそうにゆがむ。

「オーナーぁ……お願いだよう、ボクの……ボクのおまんこに、はめてよお……」

 オーナーの足もとににじりより、すがりつく。男の足に自分の股間をこすりつけて、わななく。

「メスブタめ!」

 オーナーがまとわりつく優香を打擲する。たあいなく転げる優香。

「拳法の達人がきいてあきれるな……」

 オーナーは蔑みの唾液を優香の顔に吐きつけた。

「これがほしければ、はいつくばって、大きくしてみせろ」

 ジッパーをおろし、だらりとした男根を優香に見せる。

 優香は子犬のような声をたてて、オーナーの股間にむしゃぶりついた。

「はむ……むむ……ボク……これ、好き……」

 数時間前まで処女だったとは思えない巧みさで、優香はオーナーのペニスをたんねんに口唇で愛撫した。亀頭を舌で清め、竿をちろちろと舌先でくすぐった。やわらかい玉袋をひとつずつ口におさめ、舌でマッサージする。

「ふん……こういうことばかり飲み込みがはやいな。ろくに注文取りもできなかったクズのくせに」

 眉をひそませつつも、オーナーの男根は屹立していた。

 うれしそうに優香がそれを口中ふかく吸いこむ。

「う……む……。そろそろいいだろう、股をひらけ」

 屈辱的な命令にも優香は諾々と従った。豊満でありながら引き締まった若い肉体をおしげもなくひろげる。

「ふん……淫乱メスブタめ、おまえのほしいものをやろう、ほらっ」

 オーナーの黒い男根が、ぬぶぶぶ、と音をたてて、優香の性器にねじこまれていく。

「ああっ、ひあーっ!」

 満たされたような、優香の叫び。

 だが、入れただけで、オーナーはじっとしている。

「わたしは動かないぞ。ほしければ自分で腰をつかえ」

 勝ち誇った支配者の口調だ。

「んっ、んっ、んふっ、あはっ」

 優香は自分から腰を動かしはじめた。

「ひうっ、ボクの……クリに……かはっ!」

 肥大したクリトリスにオーナーの陰毛が当たると、ものすごい快感があるらしく、激しく腰をふって、オーナーの下半身との接触面積をふやそうとする。

「オーナーぁ……突いてよお、ボクのおまんこ、かきまわしてほしんだよお……」

 自分が動くだけでは充分な刺激をえられなくなったのか、優香は涙声でせがんだ。

「ふん、奴隷のくせにナマイキだな……まあ、よかろう。これからわたしのためにせいぜい働いてもらわなければならんからな。来年の<ヴァリアブル・ジオ・トーナメント>では優勝を狙いつつ……毎日こうして性奴隷としても勤めてもらうぞ。いいな?」

 オーナーの言葉に優香は夢中でうなずいている。

「うんっ、はいっ、ああっ、オーナーのが、ボクのなかで、ううっ!」

 動きはじめた男根の感触に優香はわれをわすれ、はしたない声をあげながら、絶頂へとかけあがっていった。

「うあっ、ああんっ、ああああっ! ボク、ボク、イっちゃう、イっちゃう、いあああああああーっ!」

 ――かくて、武内優香は次なる<ヴァリアブル・ジオ・トーナメント>にむけて始動したのであった。