〜姫ちゃんのリボン〜


Aprilfool

づきじめ


 あんなことが起こるなんて考えもしなかった。

 あたし、野々原姫子、十七歳。風立中央高校の二年生。

 愛子お姉ちゃんは十九歳の女子大生。妹の夢子は九歳の小学四年生。

 自分で言うのもなんだけど近所でも有名な美人三人姉妹――らしい。

 その三人姉妹が一列に並べられて犯されたのだ。

 日曜日のお昼近く。あたしは超朝寝坊をしていた。

 ふと気がつくと、階下で夢子の泣き声が聞こえた。

「なあにぃ、ユメったら、またわがまま言っておかあさんにしかられてんのぉ?」

 あたしはあくびをしいしい、階下に降りた。その時は忘れていたのだ。両親がひさしぶりに夫婦水入らずの海外旅行に出かけていることを。それは、母の作品がベストセラーになり、父がその映画化の監督に決まったお祝いと、映画のロケハンを兼ねていた。

 リビングルームに入ったとき、あたしの足はとまった。

 まったく見知らぬ男たちがいたのだ。

 見るからに人相が悪い四十歳くらいのずんぐりした男と、三十歳前後のひょろ長い男、そして二十代なかばに見える筋肉質の男だ。

 そして、ソファの上には、四十男に組み敷かれている愛子お姉ちゃんが――

 愛子おねえちゃんは裸にされていた。

 きれいな白いおっぱいを男がリズミカルに揉んでいた。

 最近はいっしょにお風呂にはいることもないから見ていなかったけど、かなり大きい。その愛子おねえちゃんの乳首が、ピンとたっているのがわかった。男の指がそれをつまむように引っ張っているからだ。

 愛子おねえちゃんは歯を食いしばっている。でも、顔が真っ赤だ。

 その顔を男がベロベロ舐めた。唇を吸っている。

 そうしながら、愛子おねえちゃんの脚を肩にかついで、腰を進める。ぬちゅ、ちゅる、という湿った音が聞こえた。

 愛子おねえちゃんの身体が痙攣する。

 入れられているんだ。

「ああっ! あっ!」

 こらえきれず、愛子おねえちゃんは声を上げた。

 夢子も裸だった。

 まだつるんつるんの身体だ。胸なんて、ポッチがふたつあるだけだ。あそこだって、縦線が入っているだけだ。

 それをひょろ長い男は舌と指で存分にもてあそんでいる。

 夢子のちっちゃな乳首を吸いながら、割れ目を指でなぞっている。

 丹念な動きだ。

 夢子は身体をよじった。

 気持ちよさそうだ。

 まだ子供なのに。

 「あ……くすぐったいよ」

 夢子が目を閉じたまま言った。

 割れ目が湿っている。固く閉じた亀裂の間から透明なしずくがこぼれていた。

 あたしも捕まった。筋肉質の男。凄い身体をした人。

 抱きしめられて、パジャマをズボン脱がされた。いきなりパンティの中に指を入れてくる。

 「いやっ! やめてぇっ!」

 わめいて、抵抗したけど駄目だった。

 「無駄だよ」

 男はふてぶてしく笑うと、爪であたしの敏感な突起をつついた。

 「いやあーっ!」

 あたしは身体をよじって、声を限りに叫んだ。

 「気持ちよく、してやる」

 男は、あたしの耳をしゃぶりながら、囁いた。

 パジャマの前をはだける。むろん、その下は裸だ。

 男はあたしの胸を絞りこむように握った。

 少しは大きくなったけど、それでも薄いあたしの胸。だけど、以前と変わったのは、乳首が大きくなり、色がやや濃くなったことだ。オナニーのしすぎじゃないの、といっちゃんにはからかわれるけど(最近のいっちゃんは意外にエッチな話題が得意だ)、そんなことはない。個人差があるということくらい、あたしだって知っている。それに、今の色だって、きれいなピンク色だ。他人とそんなに比べたことはないけど、濃すぎることはないと思う。

 その乳首を、男は口に含んだ。

 ベロベロと舐める。

 男の唇は、まるでニトニトした軟体動物のような感触だった。

 それが、あたしの乳首を包み、刺激する。

 「ああ、いやあ……」

 あたしは思わず声をあげた。嫌悪感はある。が、それにも増して、鋭い感覚が脊椎をしびれさせた。

 「感じているな。乳首が立って来たぞ」

 男が笑いながら、指であたしの乳首を弾いた。

 そして、親指と人差し指の間にはさんで、キュッと力を入れる。

 固くなった乳首から腰に電撃が走る。

 「くうっ!」

 あたしは身もだえした。身体が崩れた。

 じゅうたんの上に腰が落ちた。

 男が薄笑いを浮かべながらのしかかってくる。

 もう、だめだ。

 「さて、あんよを開いて」

 男は、あたしの下半身からパンティをすばやく取り去った。

 「いやっ! やだったらぁ!」

 あたしは手で股間を隠そうとした。

 「無駄だ」

 男は強引にあたしの脚を開かせた。

 がばっ、と。

 あたしは反動で床に頭を打ちつけてしまった。痛い。

 その隙に、手をどけられてしまった。

 男は顔をあたしの股間に埋めた。

 ぺちゃぺちゃと舐め始める。

 「うああっ!」

 声が出る。

 舌の動きが、すごくて。

 あたしの……そこ。

 大地にも見せたことのない、そこ。当然だけど。

 大きく開かれて、見知らぬ男に舐められている。

 あたしは手で男の頭をのけようとした。

 だめ。男は両腕であたしの太股をがっちりと抱え込んでしまっている。

 次に脚に力を入れて、男にかにばさみをかましてみた。

 それもだめ。腰に力がこもらない。むしろ、股間に鋭い感覚が走って、気が遠くなりそう。

 ぢゅっ、ぢゅるるぅ。

 男は唇をすぼめ、あたしのそこをおいしそうにすすっている。

 そして、その力点が一番敏感な部分に達して……

 「くあうっ! あんっ……!」

 あたしの腰が浮いた。ゆっくりと円を描く。自分の意志じゃない。でも、止められない。

 「腰を振っておねだりかい、幼い顔をしてスケベだね」

 「いやっ! そんなこと……ない」

 「でも、おまえのここは大洪水だぜ」

 男は意地悪く、指先であたしの分泌したものをすくって見せる。

 透明なしずくが糸を引いている。

 「だって……」

 あたしは恥ずかしさと悔しさで顔をそむけた。

 「おまえたち三姉妹はこのへんでは評判だからな。映画監督の父親にベストセラー作家の母親、おまけに三人姉妹ともタイプの違う美少女だ。狙っていた奴は多かったぜ」

 男はあたしの恥ずかしい部分を指でこねくりながら、満足そうに言った。

 「一番上の愛子は清楚で可憐な女子大生。一番下の夢子はロリコン心をくすぐるアリスちゃん。知っているか? 愛子の着替えを盗み撮りした写真集や、夢子が公園でパンツ丸見えで遊んでいるところを撮ったビデオが、このへんのマニアの間には流れていたんだぜ。で、あんたは他の二人と違って固定ファンはいないが、おれは女なら何でもいいからな」

 「ひどい……」

 あたしは思わず抗議した。そんなことに文句を言ってもどうしようもないことだが。

 「ふふ、おれ以外の二人は、愛子と夢子をやれるなら死んでもいいっていうくらいのマニアだ。ま、おれはご相伴にあずかったというところかな」

 愛子おねえちゃんは、男のアレを舐めさせられていた。

 うちのおとうさんとそんなに変わらない年頃の男だ。気持ちよさそうに顔を歪めている。

 「そ、そうだ。気持ちいいぞ、愛子。おとうさんを、もっと気持ちよくさせてくれ」

 愛子おねえちゃんは、泣きそうな顔で、男のものをしゃぶりあげている。舌先で男のアレの先をつつき、棒の部分を何度も舐めあげる。男が命じるままに、しわしわの袋の部分にまで舌をのばす。

 「含むんだ。奥まで。おとうさんのものを、口にくわえろ」

 男は愛子おねえちゃんを自分の娘だと思っているようだ。ぞっとするような視線で愛子おねえちゃんを見詰めている。

 愛子おねえちゃんは男のアレを吸い込んだ。

 あたしはその時見た。

 愛子おねえちゃんが自分のアソコに指を這わせていたのを。

 中指を自分の中へ差し入れているのを。

 愛子おねえちゃんのアソコはキラキラ濡れて光っていた。赤く充血していて、トロリとした汁を垂らしていた。

 「うぐっ! 愛子、出すぞ、飲め!」

 男が切迫した声で喚き、愛子おねえちゃんの頭を掴んで腰を揺さぶった。

 何度も強く腰を振った。

 愛子おねえちゃんはむせ、顔をそむけた。唇から白濁した液体が飛び散る。

 「飲め、飲むんだ、愛子。おとうさんのジュースを」

 男は愛子おねえちゃんの顎を掴み、液体を吐き出すのを封じた。

 愛子おねえちゃんの目尻に涙が盛り上がり、つうっと頬をつたった。

 こくり、愛子おねえちゃんの喉が鳴った。

 男は、唇を歪めて笑った。

 「淫乱な娘だ、おい」

 愛子おねえちゃんのきれいな髪を乱暴に掴み、引き寄せる。

 「おとうさんのをきれいにしろ」

 愛子おねえちゃんは、男のものを―――それは射精したばかりで硬直を失なっていた―――に口をつけた。

 舐め始める。

 男は呻いた。呻きながら、愛子おねえちゃんの髪を引っ張る。

 「ふうう」

 愛子おねえちゃんは顔をしかめた。

 口の中で男のものが大きくなってる。

 「よおおし、愛子、四つんばいになって尻を差し出せ。入れてやる」

 愛子おねえちゃんは男の言うなりだった。

 白くて形のよいお尻を男に向けて突き上げた。

 男は愛子おねえちゃんのお尻を手をかけて、左右に広げた。

 みちゃり……と音とともに愛子おねえちゃんのあそこが口を開く。濡れ切ったピンクの襞が湯気すらをたてている。

 「入れてほしいんだな、そうだな、愛子。なんてすけべえな娘なんだ」

 男は、愛子おねえちゃんのあそこをいじくる。

 「ふあっ! あん!」

 愛子おねえちゃんは甘い声をあげる。

 「だがな、ここにはもう入れてやらん」

 男は指をずらした。

 お尻の穴に愛子おねえちゃんの分泌したぬめりをなすりつける。

 「ここだ。ここに、おとうさんのを入れてやる」

 「ひっ!」

 愛子おねえちゃんの声が上擦った。

 男は、逃げようとする愛子おねえちゃんを掴まえ、腰をこすりつけた。

 「うあっ! ひいっ!」

 愛子おねえちゃんが身体を震わせた。

 つながっている。

 男の腰と愛子おねえちゃんのお尻が。

 「入ったぞ、愛子。お前の後ろの穴に、おとうさんのが。さすがにここは処女のようだな」

 男が動く度に、おねえちゃんの身体も揺れる。

 「うああああ……あん」

 愛子おねえちゃんはむせび泣いていた。

 夢子は仰向けに寝ていた。

 男がのしかかり、舌を這わせていた。

 丹念に、丹念に舌をつかっている。

 まるで夢に仕える奴隷のようだ。

 左右の乳首を交互に舐める。

 ちゅぱっ、ちゅぱっ、音をたてて吸いもする。

小さな乳首は赤く濡れて勃起している。

 夢子はくすぐったそうに身をよじる。

 だが、顔は上気し、興奮しているようだ。

 「気持ちよくなってきたかい?」

 男は蕩けたような笑いを浮かべつつ、夢子の両足首を掴んだ。 

 股を広げさせ、まだぜんぜん発育していない股間を舌で清める。

 割れ目の間に舌を差し入れ、ゆっくりと上下する。お尻の穴まで舐めている。

 時に、吸い付き、強く吸い上げる。それが夢にはくすぐったいらしく、笑いにも似た嬌声を上げる。

 夢はなにかの遊びだと思っているのかもしれない。

 でも、気持ちはいいのだろう。息遣いは荒かった。

 男は、夢の割れ目に指を入れ、満足そうに笑った。

 「夢子ちゃん、濡れて来たよ。おませさんだね」

 「えっ、夢、知らないもん。おもらしなんかしないもん」

 夢子は顔を赤くして反論した。

 「これはね、おしっこじゃないんだ。夢子ちゃんのワレメちゃんが、おにいちゃんのオチンチンを入れたいよぉって言っているのさ」

 「うそ、夢、そんなの入れたくないもん」

 「夢子ちゃんのワレメちゃんが食べたがっているのさ」

 男は顔を歪ませ、自分のパンツを脱いだ。

 体格には似合わない小さなアレだった。まるで子供みたいだ。

 でも、皮は剥けていて、赤い亀頭が露出している。

 「さあ、たべたべしようね」

 「えっ?」

 夢子が事態をはかりかね、疑念の声をあげるのも無視して、男は夢子の腰を抱き寄せると、自分のものをあてがって、一気に……。

 「ああ、いたあい!」

 夢子が泣き出した。

 「いたいよ、いたいよ、ひいいっ!」

 男は夢子の小さな身体を抱き上げて、自分の膝の上に置いた。

 夢子のおしりを腿で割り、大きく開かせた。

 結合部分が露になる。

 男のアレが、夢子のちっちゃな割れ目を押し広げ、深々と刺さっている。

 「ああ、きつい。きついなあ」

 男は泣きじゃくる夢子を抱え、上下に揺さぶりながら、こたえられぬように言った。

 「さあ、おまえさんも覚悟をきめな」

 立ち上がった男はあたしの頭を掴み、自分の股間に近づけた。

 男のアレがあたしの頬に当たる。熱い。硬い。

 「舐めろ」

 「いやよ……!」

 「舐めるんだ」

 「……いや」

 弱くなる声。

 男のアレが唇に当たる。キスしてしまった。こんなものに。

 「舐めろよ」

 「……」

 あたしはその硬いものに唇を押し当てていた。頭を押さえられて、どうしようもなかった。

 舌を出した。それはおぞましい臭気を放っていた。吐き気が込み上げてくる。

 舐めた。

 「亀頭を舐めろ」

 亀頭―――アレの先端のことだということはあたしも知っていた。それがこんな変な形をしているとは知らなかったけど。

 「へりを舌でなぞってみろ」

 男は難題を次々と出して来た。

 あたしも、一度踏み越えてしまった以上、今更いやとは言えなかった。

 舌先をとがらせ、亀頭のくびれた部分に沿って動かした。

 「うう……」

 男が呻いた。あたしの攻撃が効いているようだ。

 「口に、含んでくれ」

 あたしはいう通りにした。変な気分だった。男の命令に従うのが快感になりつつある。

 口が一杯になった。

 「しゃぶれ」

 あたしは頭を上下に振り、舌を動かした。

 男は満足しているようだ。声がなくなった。

 「うう」

 呻くと、腰を引いた。あたしの口からアレを抜き、自分で擦った。

 「口を開けろ」

 「え?」

 「開けていろ、そのまま」

 男は切迫した声で言い、アレをしごきたてた。

 すると、白い濁った液体が男のアレの先端から飛び出し、あたしのひらいた口に注ぎ込まれた。

 びしゃ、びしゃしゃ。

 慌てて閉じた唇に、鼻に、液体がかかった。

 精液だ、これ。うええ。

 あたしは顔面シャワーをかまされてしまったのだ。

 「飲め」

 いやだ。

 あたしはぺっぺっと精液を吐き出した。

 男は逆上した。

 「飲めと言っただろう!」

 あたしの髪を掴んで床に引き倒した。

 「いたい!」

 「ちくしょう、なめるんじゃないぞ」

 さっき、舐めろと言ったくせに。

 男は乱暴にあたしの腰を抱え上げた。

 脚の間に顔を潜り込ませる。

 激しく吸い始める。あたしのあそこを。

 「ああ、いやあ」

 吸われている。クリを。

 気が飛んでしまいそう。

 おしりが勝手にうねる。もっと、もっととせがむように。

 「めちゃくちゃにしてやる」

 男は顔を離し、あたしを四つんばいにさせた。

 犬のようだ。あたし。

 男はあたしのおしりを掴んで左右に開き、さらに舌で責めたてた。

 もうだめ。狂いそう。

 あたしは、はてしなく声をあげつづけた。

「いやあ、いいっ! ああん!」

 クリを、襞を、おしりの穴を、男は舌と歯でいじめ抜く。

 あたしは昇りつめようとしていた。

 こんな感覚は知らない。初めて。

 ああ。

 指が入って来た。苦しい。でも。

 「二本も指が入ったぞ。本当に処女か?」

 憎らしい男の傲慢な声。

 だが、その指が動き出すと、あたしの思考は塗り潰される。

 何も考えられない。

 中がかき回される。子宮が、ああ、あたしの子宮がうねっている。

 も、もう……

 「ああっ!」

 あたしは床に頬を押し当てて、崩折れた。

 よだれが唇の端を濡らしていた。

 「いっちまったか」

 男のふてぶてしい声が降った。

 「でも、おれはこれからだ。お邪魔するぜ、姫子」

 男はあたしのおしりに乗って来た。

 割れる。

 ああ、さっきよりも凄い。

 指なんてもんじゃない。

 男のアレが、あたしの中に入って来た。

 大きい。身体を占拠されたみたいだ。

 「いっ……たい」

 圧迫感が鋭い痛みをともなってあたしを襲った。

 男は構わず、動く。

 「さすがにきついな。だが、いい感じだ。名器だぜ、姫子」

 男のアレが、さっきあたしが舐めた肉の棒が、今あたしのお腹を埋めている。

 処女を奪われた。犯された。あたし、今、セックスしている。

 男のものが身体の中で動いている。それは熱の塊だった。

 「うっ、やめ……もう、お願い」

 あたしは衝き上げてくる感覚に動揺した。

 痛いのに、哀しいのに、もっとしてほしいような気がしてくる。

 もっと強く衝き上げて欲しい。

 それを口にしてしまいそうなおびえがある。

 男はあたしのおしりを征服した。あたし自身を征服した。

 もう、すべての命令に対して服従する義務があたしにはある。

 そんな気がしてしまう。

 激しい自己憐憫があたしを襲う。

 「姫子」

 男はあたしに覆い被さり、熱い息を吐きかけた。腰を痙攣的に動かしながら。

 指をあたしの顔に当て、唇に差し入れる。

 「うん……あ」

 「中に出すぞ」

 「いや……いや……」

 あたしは力なく首を振る。

 耳に指が触れられる。

 も、もう。

 あ……

 「うっ」

 男が呻く。

 熱い。

 熱いよお。

 しずくが飛び散る。

 あたしの中に、広がっていく。

 「うう……」

 男は大きく息を吐いた。

 「よかったぜ……姫子」

 あたしは返事をしなかった。あえぎながら、目をぎゅっとつむっていた。

 愛子おねえちゃんのかぼそい声が聞こえている。男に強いられているのか、それとも自分からか、いやらしい単語を口にしている。きれぎれの高い声は、絶頂が近いあかしだろうか。

 夢子は嗚咽をつづけている。でも、感じているのが痛みだけではないことは、せりあげる嗚咽のあいまの激しい息づかいでわかる。夢子の歳でも、いく、ことがあるのだろうか?

 「これでおしまいじゃないぜ。なにしろ、おまえたち三姉妹は近所でも有名だからなあ……」

 男がわらった。そのとき、玄関のチャイムが鳴る。

 大地の顔があたしの脳裏をよぎった。助けて――でも、このありさまを見られたら――

 男は下半身むき出しのまま、インターホンのところへ行き、外とふたことみことしゃべった。

 玄関のドアが開く音がして、複数の足音が廊下の床を鳴らした。

 「おう、遅かったな」

 「ああ、けっこう初対面のやつも多かったし、人目につかずにここまで来るのに手間取ってな」」

 入ってきたのは、風体も年齢もバラバラの男たちだ。七、八名いる。

 「じゃあ、記念すべき、野々原三姉妹ファンクラブの第一回目のオフ会をはじめるかな。メインゲストの三姉妹の仕込みもすんだところだしな」

 筋肉質の男がせせら笑い、それからあたしを見た。

 「言ったろ――あんたたち三姉妹にはファンが多いってな」

 その夜――ずうっと風は暴れつづけていた。

おしまい