阿鼻叫喚の光景だった。コナンは打ちのめされて、身動きもできない。
小部屋に設置されたモニターが、まるでこれまでのあらすじを伝えるかのように、歩美、哀、蘭がどのように落とされたかを伝えている。
そして、ガラスの向こうでは、その続きがまさに現在進行形でおこなわれているのだ。
太った男が歩美の肛門を犯している。
「哀ちゃんのおしりもよかったけど、歩美ちゃんのおしりも負けてないよっ! 最高だっ! 小学一年生の女の子のアナルっ!」
歩美はおしりに挿入されながら、自分の指を膣にねじ入れてこねくっている。
「ああああんっ! オチンチン気持ちいいよぉ……気持ちよくて気持ちよくて……死んじゃうよぉ……」
丸眼鏡の男は哀にしゃぶらせていた。哀は股を開いてしゃがみこみ、自分で肛門をいじっている。哀は男の男根をすするだけはなく、その肛門にまで舌を這わせていた。哀は男の肛門をおいしそうに舐めながら、いまもちろちろと排尿を続けていた。コンクリート床に、黄色い液体が溜まっている。
「へっ、おれがここでクソしたら、おまえ、食うか?」
「うん……うん……食べるよ……食べるから……おしりに入れてぇ……」
そして――蘭は巨根を胸ではさんでしごきたてていた。サングラスの男はすでに一度射精したのか、蘭の顔にも髪にも白い粘液がこびりついている。
「はあっ、ああっ! どうして? どうしておまんこしてくれないのぉ……?」
蘭は懸命に男根を乳房で刺激しながら、恨めしそうに叫ぶ。
「そりゃあな……うっ! 出ちまうっ」
サングラスの男はうめき、白濁液を放出した。
「はあ……はあ……」
顔と胸に粘液をかけられた蘭は、愛おしそうに精液をすくいとり、口にふくむ。
「精液おいしい……チンポ、もっとほしいよぉ……お願い」
男の体液を舌の上に乗せて味わいながら、蘭はサングラスの男に――そのペニスにすがりついた。
男は苦笑する。
「おいおい、おまえの処女を奪うチンポはこれじゃねえよ」
視線をガラスの方に――コナンの方に移す。
「どうやらゲストが到着したようですぜ、ボス」
それまで空気のようにカメラを構えていた男が身じろぎした。曲がっていた腰をしゃんと伸ばす。
小部屋のなかで、コナンは叫んでいた。
「鮫津社長!」
タキシード姿の鮫津がカメラを手にニヤニヤ笑っていた。
コナンの方を見ている。
「どうやら、謎を解いたようだね、少年。きみはいったい何者なのかな? とにもかくにもおめでとうと言わせてもらうよ」
ガラスの向こう側から、落ち着きはらった鮫津の声が聞こえてくる。コナンはガラスを拳で叩いた。
「ここをあけろ! 勝負はおれの勝ちのはずだ! 蘭を解放しろ!」
「そうしてあげたいのは山々だけれどもね……このままでは薬の作用で蘭くんがおかしくなってしまう。男のモノで鎮めてあげないとね」
鮫津はズボンの前をあけた。サングラスの男の凶悪な兵器とは比較にならないが、それでも成人男性の平均よりは大きいペニスが姿をあらわす。
「本来なら、この役は毛利小五郎にあたえるつもりだったんだ。娘を救うために、父親がわが娘の処女を奪う――いい趣向だと思わんかね? 毛利は家族を守るためなら、あえて妻を撃つことさえ辞さない男だ。このようなシチュエーションでは、かならず娘を抱くだろう。それを見たかったのだが」
鮫津はおのれの股間から生え出したものをさすった。
「まさか君に代役を頼むわけにもいかないしね。わたし自身で決着をつけることにしたよ」
「やめろっ! こんなことをしてなんになると言うんだ! それで亡くなった娘さんが喜ぶとでも思ってるのか!?」
コナンの叫びに鮫津は爆笑する。
「なにを聞いたふうなことを。娘が喜ぶか、だと? 当たり前じゃないか。もともとこの趣向はわが娘のために考えついたものなのだから」
「なんだと……!?」
「わたしの娘を、見せてやろう」
鮫津はカメラに接続した機材を調整した。小部屋のなかのモニターにひとりの少女の姿が映し出される。髪の長い、おとなしそうな顔だちだ。どこかで見たような気がする。いったいどこで――
「あっ」
コナンは声をあげた。そして、同時に鮫津の顔を見た時の違和感にも気づいた。
「石像だ……」
「その通り。メイズ・キャッスルの女神像は娘を、男神像はわたしを象っているのだ。つまり、試練とは、親子でありながら愛しあってしまったこと指すのだよ」
コナンの脳裏に恐ろしい推理が急速に形をなしていく。
「じゃあ、もしかして誘拐というのは――」
「さよう。わたしと娘が現世で結ばれるための狂言誘拐だったのだ」
狂人は悪びれる様子もなく言ってのけたのだった。
「娘が誘拐されて亡き者になったことにする。そして、このメイズ・キャッスルの地下でわたしと娘の愛を成就させる計画だった。このテーマパークは設計上、隠し部屋を作ることは容易だ。しかし、どこのだれが、客が多数訪れるテーマパークの地下に、死んだことになっている娘を隠していると気づくだろう」
鮫津は淡々と語った。
「だが、毛利小五郎がジャマをした。娘をかくまわせていた場所を発見して、突入してしまった。秘密の露見をふせぐためには――わが手で娘の命を奪うしかなかった」
コナンは身動きできない。なんという陰惨な犯罪者だろう。
「わたしの計画を妨害した毛利――その毛利にわたしの大望を果たさせてやろう――そう思ったのだ。愛娘との完璧な結婚――それはあらゆる父親にとっての理想のはずだ。それを毛利に味わわせて、おのれの罪を思い知らせてやろうと思ったのだ」
「狂ってる……」
コナンはつぶやいた。
鮫津は笑った。
「もちろん狂ってるさ。だが、みんな狂ってるのさ。この少女たちを見ろ! 可憐で清楚で、汚れを知らなかったはずの彼女たちが、いまはどうだ? 男根を求め、快感のためならあらゆる尊厳をなげうってしまっているではないか。これが人間の正体なのだ! そのことを、わたしは証明してやる」
鮫津が蘭に近づく。蘭はぼんやりとした目を鮫津に向け――そして、鮫津の股間を見つめた。
「チンポ……くれるの?」
蘭はうつろな声をもらし、股を開いて鮫津を待ち受ける。
コナンはガラスの壁を叩いた。今なら声も向こうに届くはずだ。
「蘭っ! 正気にもどってくれっ! 蘭っ!」
強化ガラスの壁は音も吸収するようだ。鈍い音しか鳴らない。それでも必死にコナンは壁を叩きつづける。華奢な拳の皮膚が破れ、血が噴きだす。それでも、コナンは諦めない。絶叫を続ける。
鮫津が蘭におおいかぶさっていく。蘭は自分から身体を開いている。嬉しそうに顔をほころばせる。じらされて、じらされて、ついにごほうびを受けとる子供のようだ。
「蘭――っ! おれの言うことを聞いてくれっ! おれだっ! 新一だっ!」
コナンは音声変換器を使って新一の声で叫んだ。
毛利蘭は夢のなかにいた。原色のけばけばしい淫夢だ。見知らぬ男たちに調教され、自分がどんどんいやらしくなっていく。最初はいやでいやでしょうがなかったことが、じきに気にならなくなっていき――ついにはそれなしではいられなくなってしまう。
蘭は、自分の口が、手が、胸が、男根を絶頂に導き、射精させられることを知った。
エッチになった身体は、どこを触れられても気持ちがいい。
その気持ちよさの前では、今までの生活はほとんど無意味なものにな感じられる。
大切な思い出さえ――例外ではない。
そして、いま、うずいてうずいてしょうがない場所へ、ついに男根を迎え入れようとしている。
蘭はつぶやく。
――ぐちゅぐちゅになったこのいやらしい部分に
入れてもらえるのだ。
――男のひとのモノを
相手はだれでもよかった。サングラスの男の巨根にもときめいたが、鮫津社長のものでもいい。ほかの二人のどちらかであってもかまわない。
蘭はいまは「おんな」でしかない。女性器そのものになっている。だから選り好みはしない。「おとこ」であればなんでもいい。
腰を突きあげて、鮫津のペニスに自分から迎合しようとした。その時に――
その声はとどいた。
『蘭――っ! おれの言うことを聞いてくれっ! おれだっ! 新一だっ!』
工藤新一の声だった。蘭の混濁した意識が急速に醒める。
信じられない思いで蘭は声の方角を見やる。
ガラスの壁がある。ずっとだれもいなかった小部屋だ。だが、いまはそこに誰かいるらしい。かすかだが、ガラスを叩く音が聞こえる。小部屋には照明がついていないため、ガラスを叩いている人物の姿はわからない。だが、声は確かに――
『蘭っ! 正気にもどってくれ! そこから逃げるんだ!』
スピーカーから聞こえてくるのはまちがいなく工藤新一の、なつかしい声だった。蘭は身をよじりながら叫んだ。
「新一っ! そこにいるの!?」
『そうだ! おれはここだ! なんとか逃げるんだ!』
「でも……だって……」
目の前に鮫津がいる。恐怖がわきおこる。相手を押しのけようとする。だが、サングラス男が蘭を羽交い締めにする。
「はなして……っ!」
「どういうつもりか知らないが、いまさら清純ぶったって遅いぜ。もうおまえはおれのチンポをしゃぶりまくった後なんだよ。それに、薬の効力にさからったら――ほんとうに頭がいかれちまうぜ?」
耳元に男の声が響く。体臭が鼻孔から身体に入ってくる。蘭の意識が肉体の衝動に吹き消されそうになる。視界がぼやける――脚の間のうずきが鮮烈な痺れになって脳天に衝きあげる。
「あ……あ……だめ……だめよ……」
自分が自分でなくなってしまう。蘭はうろたえる。新一が見てる。見てるのに――
「新一ぃ! お願い、見ないでぇっ!」
『蘭!? どうした!? なぜ逃げない!』
「だめなの……だめなの……アソコがズキズキして、がまんできないのぉ……」
蘭は泣き声をあげる。いったんは閉じた脚をふたたびゆるめる。
『蘭! やめろ! やめてくれええっ!』
新一の絶叫。蘭はその声を聞きながら、昇りつめる。まだ鮫津のペニスは入口にさしかかっただけだ。それでも達してしまう。
「毛利蘭さん――ヴァージンをいただくよ」
「はい……」
押し入ってくる。異物だ。それはほんとうなら、新一のはずだった。最初に蘭の身体のその部分にたどりつくのは新一であるはずだった。だが――
めりめりと音が聞こえそうだ。鮫津のペニスが蘭の処女膜の中央の穴を押し広げて、そして、引き裂いていく。
「いっ……いた……いぃ……」
破瓜の痛みに蘭は絶叫する。のけぞった乳房が震える、鮫津が左の乳首を吸う。サングラス男は右だ。ふたりの男に同時に乳房を吸われる。股間は引き裂かれるように痛いが、おっぱいは気持ちいい。まるで身体が分離してしまったような奇妙な感覚。
『蘭……蘭……』
新一が泣いている。蘭は手で鮫津の男根に触れてみる。自分との交合点を確認する。
つながっている。おそるべき殺人者と。そして、蘭を、ただ復讐のためだけに凌辱しようとしていた人物に――狙いどおり犯されてしまったのだ。
泣くべきなんだろう、と蘭は思う。だが、不思議に悲しくない。ただ、つながっている、という事実だけが認識された。
――わたし、鮫津社長と、いま、セックスしてる。
「あっ……ああ……」
蘭はあえいだ。鮫津が動き始める。破れた処女膜がよじれて、巻き込まれている。その部分はピリピリ痛むが、じらされつづけた性感が男根のおかげで急速に盛りあがっていく。
奥まで突き入れられる。声が出る。甘い声だ。自分でもいやらしいと思う。淫乱なのだ。新一の目の前で犯されて、感じている。
鮫津が唇をもとめてくる。拒めない。舌が出てくる。蘭も舌を出す。
唇を接触させないで、舌先だけをからめる。いやらしいキスだ。鮫津の唾液がヤニくさい。鮫津の唇がかぶさってくる。蘭は自分から舌を挿し入れた。
くちゅくちゅとディープキスをしながら、蘭は新一がどんな顔をしているだろうかと想像する。悔しがっているだろうか、怒っているだろうか――
ごめんね、新一――そう思うと興奮がつのってくる。鮫津の舌が愛おしい。鮫津の男根が貴重に思える。それらが、蘭をいやらしくさせているからだ。
「はっ、はあっ、ああ……社長……もっとぉ……」
「気持ちいいのか、あ? 毛利蘭、おれの罠にはまって、薬漬けにされて、友達の目の前で処女まで奪われたのに、気持ちいいのか?」
腰を叩きつけながら鮫津が訊いてくる。蘭はうなずく。必死でうなずく。
「気持ち……いいです……っ! あっ、はあ、痺れ……痺れて……んあうっ、社長ぉ」
「社長じゃない、お父さんと呼べ。おれはおまえの父親だ。おまえはおれの娘なんだ!」
「うくっ……! は、はい……お、お父さん……」
「初めてのくせに、自分で腰を使うのか……この淫乱娘め。父として恥ずかしいぞ」
「ああっ……だって、お父さんの、凄くて……おしり、とまら……な……いいっ!」
「よぉし……じゃあ、淫乱娘へのおしおきに、たっぷり中で出してやるぞ……いいな?」
「はい……っ! おねがい……お父さん……」
「おまえはほかのガキどもとはちがう。中出しされたら妊娠するかもしれないぞ? いいのか?」
さらに激しいピストン運動に、蘭は声をはりあげる。もうどうなってもかまわない。新一が見ていてもいなくても、どうでもいい。
「はいっ! はいいっ! いいですっ! 中で出してください!」
「お父さんに中出しされて孕みたいのか? ああ?」
「ひぃっ! いひぃぃぃっ! うああああああっ! おとうさんっ、孕ませてぇっ!」
「よしっ!」
鮫津がうめいた。積年の憎悪を子種にかえて、蘭の胎内奥深くに植えつける。
びゅるるうっ! びゅくるうっ!
年齢からすれば異常なほどの量の精液を蘭の子宮に浴びせかける。蘭は衝撃でわなないて、熱いしずくを放出させる。
「あ……は……ふあ……」
ずるり、鮫津が男根を抜いた。精液が糸を引いて蘭の膣口からこぼれ出した。
コナンは蘭の痴態を見つめていた。
鮫津との一回戦が終わっても、蘭の餓えは満たされなかったようだ。
サングラスの男がバックから蘭を犯した。鮫津のとき以上のよがり声を蘭は出した。おもしろがって、サングラスの男は蘭に淫語を教えこんだ。蘭は大声でそれらの言葉を絶叫するようになった。
「おまんこ気持ちいいっ! 蘭のおまんこ蕩けちゃうっ! おまんこの奥にスペルマかけてっ! ああああっ! お腹のなか、精液だらけにしてえええっ!」
続いて固太りの男が蘭のアナル調教を始めた。その場で浣腸され、アナルセックスを強要された。最初は嫌がっていた蘭も、すぐにアナルにハマった。
「肛門裂けちゃう……裂けちゃう……融けちゃうよぉっ! ひあああっ!」
ついには、肥満男にアヌスを犯されながら、丸眼鏡に膣を与えた。さらには鮫津が参加して蘭の口を犯した。三本のペニスから飛び散る精液にまみれながら、蘭は絶頂に達した。
コナンは張り詰めた股間を露出させて、手でこすっている。
勃起はする。だが、射精はできない。コナンの身体は精通していないのだ。
コナンは泣いた。泣きながら手淫を続けた。