おれは暁美の処女まんこを目の前に手を合わせた。いただきます。
亀頭を割れ目にあてがった。
ぬちょ。
おお、今度はたっぷり濡れてるな。充血してふっくらした土手に裏筋をこすりつけるだけでも十分気持ち良い。
「あ……あ……タカオ……タカオおにいちゃん……」
暁美がうめく。うるんだ瞳でおれを見る。
「ママみたいに……ママにしてたみたいに……して」
12歳のかわいこちゃんのおねだりにあらがう術はない。それに保護者の承諾済みだし。
おれは、少女の粘膜にもぐりこんでゆく。依子さんのときとは違う抵抗感。
その中央部の薄い部分に先端を、ずびし、と。
「い! いたい!」
そりゃそうだ。血管も神経も通ってる膜を裂くんだもん。
「暁美――ああ、あたしの暁美ちゃん――がまんして、力をぬいて」
依子ママンが娘の手を握りながら励ます。つか、興奮してるだろ。
『わかるー?』
あそこからおつゆたれてるっーちゅーの。
『あとでまたしてねー』
了解。
でも、いまは、暁美をなんとかしてあげないと。
おれは暁美の身体の奥にもぐりこみ、その内部をさぐった。
きついな。
きついけど、やっぱり依子ママと味が似てる。なんだろう。愛液のぬちぬち感かな。それとも、筒のかたちかな。うまく表現できないけど、女体の神秘をかんたんに洞察できるほど、おれはまだ女を知らない、そういうことなのだろう。
にしても、母親(の幽霊だけど)の目の前で娘とエッチするのって、なんか背徳感があっていいよな。
「あぅ……いたいよぉ、ママ」
おれの動きに耐えかねて泣き声をあげる暁美のおでこを、依子ママはなでさすって唇を押し当てる。
ちちんぷいぷい、ぷぷいのぷい。いたいのいたいのとんでゆけー
それは母と子のあいだのおまじないなのだろう。
暁美の眉間のしわが消えた。身体からよぶんな力が抜ける。
『さあ、ガンガン動いていいわよー、遊一クン』
鬼母め。それにいつの間にかクンづけになってるし。
まあ、お言葉に甘えて、いっちゃおうかねー。
暁美の太ももを両脇にかかえ、ぐいぐいぐいと腰を押しつける。
奥の奥まで肉茎で一杯にして、それから――
パンパンパン!
腰を動かす。
おお、すげーこすれる。熱っ。
「あっ! ああっ! ひああっ!」
暁美絶叫。痛みよりも、その接触感の大きさに驚いたのだろう。
「お、おっきいのが、はいったり――でたりっ――あああああっ!」
ある一点に全身の神経が集中していると、触れあっているパーツそのものが拡大したように感じられるものだ。舌で歯をほじると、やけに虫歯の穴が大きく感じられるだろう。舌には神経が集中しているからだ。それにちょっと似ているかもしれない。
いま、暁美は体中でおれを感じている。たぶん、全身でおれを受け止めようとしている。
ふと、珠子を思う。
珠子はもっともっと小さな身体でおれを包んでくれる。
その想いは、愛しいな。
もっと大事にしてやろう。ま、次の機会くらいから。
『いいやつなのか、悪党なのか、わからんのう』
『ほおんとねー』
ちょっと! 声増えてるし! 珠姫と依子さん同時かよ!
『わらわは珠じゃ。宇多方家の祖先にあたる』
『まあ、これはごていねいに。河原崎依子ですわ』
自己紹介すな!
「お、おにいちゃん――タカオおにいちゃん――あたし、なんだか――ああっ!?」
い、いかん、暁美が感じだしたぞ。初めてなのに、すげーな。さすが依子さんの娘、素質抜群だ。
おにいちゃんもがんばるよ、タカオくんじゃないけどな。
亀頭で少女の肉襞をひっかきつつ、指でクリトリスを刺激してやる。
「あっ、あっ、あっ、はぁっ、はっ、うぅうう……」
呼吸がせわしなく、上半身が紅潮している。目がとろんとして、いきそうだぞ、こりゃ。
すごいすごい。小学生絶頂。
「タカオおにいちゃ――暁美、いい子になる――からあっ――おねが……っ」
よしよし、一緒にイッてあげよ。おれは生ペニスを暁美の体内深くにねじ込み、そして小刻みにピストン運動!
「いっ!」
きゅっ、と収縮する暁美。
「あああああッ!」
おれもっ! いくっ!
おれは暁美のなかで弾けた――
と思ったら、直前で珠子に取り憑いた依子さんがおれのペニスを引き抜いて、しごいていた。あああ、出る出る出るぅ――
びゅくびゅくびゅっびゅっ!
暁美のおなかの上に、たあっぷりと。
「中出しは、だめー」
依子さんにしかられた。
ごめん。
依子さんは暁美の身体の後始末をしてあげ、着衣の乱れをもどした。暁美は夢見心地でされるがままになっている。子供らしからぬ行為の直後だというのに、なぜだかとても無邪気にみえる。
たぶん――暁美はこんなふうに甘えたり、あるいは叱られたり、ちょっと罰せられたり、したかったのではないだろうか。
それで、狂言誘拐などを仕組んだんじゃないかな――
まあ、だから、すべてが許されるわけじゃないけどな。
そんなふうにおれがほのぼのとした気分につつまれていたとき、とつぜん、あたりが光に包まれた!
「動くな! 誘拐犯め!」
それは強力な懐中電灯だった。
光のビームが幾筋ものびて、楕円のスポットゾーンをいくつも作り出している。
おれはぼうぜんとした。
警官隊だ。
その先頭には中年の恰幅のいいおっさんが立っている。
高級そうなスーツを着ているが、襟元は乱れ、顔は不精髭まみれで、かなり憔悴している。
「暁美!」
おっさんが叫んだ。
「パパ!?」
暁美が顔をあげる。暁美パパかよ!
「犯人を確保せよ!」
警官隊がいっせいに動く。
ひょええ、逮捕されちまう!
おれの一生が――遊んで暮らす人生設計が崩壊する。
走馬灯のようにさまざまな光景が目の前をひらめく。初めて道で100円拾ったときのこと――学校を休んだやつの給食のプリンをガメたときのこと――バレンタインデーでモテてた友人のチョコを大量に分けてもらったときのこと――もらった宝くじで1万当たったときは死ぬほど嬉しかった――って、こんなんばっかりかい!
「誘拐の現行犯で逮捕する!」
警官たちが殺到する。
「犯人確保!」
声があがる。
警官たちに取り押さえられた男はビニール袋を取り落とした。袋のなかから、お菓子やジュース、少女マンガ雑誌などがこぼれ出る。
「青山――きさま、なんということを!」
河原崎氏が怒鳴りつけた相手は、おれじゃなかった。
警官に押さえつけられているのは、コンビニから帰って来たらしい、本物のタカオくん――だった。
おれは物陰に退避して長い息をもらした。
小脇に珠子を抱えている。依子さんが憑依していようがいまいが、珠子の肉体の重さはかわらない。質量保存の法則ってやつだ。だから、軽々と運べたんだが――どうやら依子さんの霊は抜けたようだ。いつもの珠子の姿に戻って、寝起きのぼーっとした表情をうかべている。
それにしても、きわどい一瞬だった。
警官隊はどうやら、タカオくんを尾行していたようだ。そして、潜伏現場を突き止めた瞬間に逮捕に踏み切ったのだろう。
おれと珠子の姿は幸い見とがめられなかったようだ。警官隊の注意がタカオくんに集中していたおかげだろう。
暁美もしばらく朦朧としていたから、おれとタカオがいつの間にか入れ替わっていることに気づいていないようだ。
――ご都合主義ともいうが。
それはともかく。
河原崎氏は、哀れなタカオくん――手錠をはめられてうなだれている――を見据えている。
「恩を仇で返しよって。身よりのないきさまに目をかけてきたのを忘れたか!」
「社長……」
「よくも暁美を!」
河原崎氏はタカオくんを殴った。警官たちもお金持ちのやることには寛容なようで、とがめだてはしない。
タカオくんは黙って殴られている。
「ちがうの、パパ!」
暁美が叫んだ。
「タカオは悪くないの! ぜんぶ、あたしが考えたことなの!」
「なにをいっとる。おまえは、だまされて……」
「ううん……パパ、警察のみなさん、ご迷惑をおかけしてごめんなさい。このことは、あたしがやろうと決めて、タカオをむりやり巻き込んだの。タカオはあたしに力をかしてくれただけなの!」
「暁美、おまえ……」
おっさんの顔がゆがむ。
「こんな男とこんな場所で、いったい、なにをしていたのだ!?」
「社長、わたしは」
「パパ! タカオはあたしになにもしなかったわ! 指一本触らなかった!」
必死の口調で暁美がタカオくんをかばう。
でも、うそじゃないんだよな。微妙だが。
「青山、おまえはわたしをうらんでいただろう。だから暁美をそそのかして、こんな騒ぎをおこして、わたしに仕返ししようとしたんじゃないのか!」
「社長、それはちがいます」
タカオくんの顔が引き締まる。む。そうするとイイ男じゃねえか。さすがおれのそっくりさん。
「首になったのはたしかに悔しかったです。でも、社長を恨んだりはしません。それに、暁美ちゃんを傷つけたりすることはぼくは絶対しません!」
「タカオ……」
暁美はうるんだ眼でタカオくんをみている。
「む……む……! お、おまえらは……」
河原崎氏は顔色をはげしく変化させながら、出てこない罵倒の言葉を引きずり出そうとしている。
「あたし、ママに会ったよ、パパ」
きっぱりと、それでいてどこか縋るように、暁美は父親に言った。
「パパはみんなのために頑張る人だって、不器用だけど立派な人だって、言ってた。あたしもそう思うよ。ごめんね、パパ――」
「あ、暁美……」
河原崎氏は対応に困りつつ、しかし、差し出された娘の手を取り、そして引き寄せ、抱き締めた。
「心配したんだぞ――この――バカ娘」
「ごめんなさい、パパ。あたし悪い子だったよ。タカオが叱ってくれたの、罰してくれたの。だから――タカオは悪くないの」
「わかった――もう、わかったから……」
河原崎氏は泣いていた。暁美もぽろぽろ涙を流している。
おれにはみえた。
そこには家族がいた。
河原崎氏と暁美と、そして依子さん。そう。珠子の身体から抜け出た霊体が白い翼で夫と娘を包み込むように抱いているのが、おれにはみえた。ふたりが素直になれたのは、きっと、そのおかげだ。
三人は完全に調和し、満たされていた。暗い地下なのに、光に満ちた、一幅の絵画のような情景だ。
手錠を外してもらったタカオくんは、自分が自由になったことに気づくことなく、頬を涙で濡らしている。もしかしたら、彼にも依子さんが見えているのかもしれないな。そんな気がする。
彼はこの家族をよく知っていたのだろう。だから、依子さんの死で家庭が崩壊して、暁美が暴走するのを、黙って見ていられなかった。きっとそうだ。
警官隊のなかにも貰い泣きをしているやつがいる。
なんだよ、みんないいヤツじゃねーか、そこはかとなく。
警官隊に伴われ、河原崎氏と暁美、タカオくんたちが引き揚げてゆく。狂言誘拐も立派な犯罪だ。いくら暁美が未成年者だといっても、まったくお咎めなしというわけにはいくまい。また、タカオくんも狂言誘拐に協力した罪は厳然としてある。
だが、きっと大丈夫だ。家族の絆を取り戻した彼らは、試練を乗り越えていくにちがいない。
うん。一件落着だな。
依子さんもきっと安心して天国へ行けるだろ。
――めでたしめでたし
『というわけにはいかないわよ、ふー』
どわわっ! なんだよ。耳に息をふきかけられたぞ。
見えないが、感じる。左肩の上に、だれか、いる。
『さっき約束したじゃない。あとでまたエッチしてくれるって』
依子さんかよ? さっき、あんな感動的な家族の絆を見せたってのに……
『あたし、この世に未練があるのよねー。特にさあ、エッチ関係? 生きてるときはそれなりに操堅かったしさ、あたしー。その分、反動が出たのか、死んでからすっごくエッチになっちゃってー、若い子に取り憑いてオナッたり、男引っかけて青姦したりするんだけどー、なかなか成仏でき(イケ)ないのよね〜』
悪霊じゃねえか、それ。色情霊っていうんだぞ。
『その点、さっきはよかったわー……珠子ちゃんに取り憑いたら、もう感度最高!』
なんだよ! 暁美を罰して成長させるためじゃなかったのかよ!?
『あれは、あたしがエッチしたかったから。そんだけー』
ぎゃふん!
『というわけだから、また取り憑かせて! ね、エッチしよー!』
霊体が迫ってくる。珠子の身体に入り込もうとしている。
そこに割って入った冷たい気配。
『待て女。わらわが先じゃぞ。もともとその約束で、地下道に入ったのじゃ』
肩の右側がぐっと重くなる。珠姫か。
『したがって、珠子の身体を使う優先権はわらわのものじゃ。この遊一とまぐわうのもわらわじゃ』
『えー、そんなー、いーじゃない、ちょっとくらいー』
『だめじゃ、だめじゃ。おぬしはさっきしたではないか。今度はわらわがするのじゃ!』
珠姫のやつ、いつもと違うな。なんだか、やきもちをやいてるみたいだ。
ふたつの霊体が珠子にむらがっている。本来ならすげーホラーな光景だが、なんつーか、もう慣れた。
『わらわじゃ!』
『やだー、あたしぃ』
慣れたのはいいとして、珠子にふたつの霊体がむりやりもぐりこもうとしているぞ。なんだか、レイプされてるみたいだ。
「おまえら、いい加減に――」
見かねたおれが声をあらげかけたときだ。
珠子がおれに、ぺとっ くっついた。
手で霊体を払う――いや、祓った、というべきか。
白い光がフラッシュし、霊体たちは珠子から弾き出された。
『た、珠子? おぬし……』
『あらーん、さっきまではこんなにガード固くなかったのにー』
「や」
珠子がおれにくっついたまま、可愛い声で言った。
「今日は、あたしの、ままで、する」
「お、おい、珠子……」
珠子はおれから離れない。髪のいい匂いがする。
しかし――じゃあ――珠子はぜんぶ――承知で――? うそ。
『しかたないのう。珠子の身体じゃ好きにせよ』
『あうー、気が向いたら、また貸してねー』
珠姫と依子さんの気配が消える。霊界に帰ったのか?
気がついたら、地下道で二人きりだ。
しかも、珠子はおれに抱きついて離れない。
どきどきしてきた。
どうしよう。
こうしよう ↓
……その後、珠姫が憑依してない珠子に地下道の帰りかたがわかるはずもなく、おれたちは迷子となってしばらく地下道をさまようことになりました、とさ。