うたかたの天使たちXI
芸能界って、いったいどういうところなんだ。
おれは憂いの気分でいっぱいだ。
乱れている。
久遠かすみにしゃぶってもらいながら、おれの心は晴れない。
「監督のこれ、すごいですよー。元気げんきって感じー。おつかれさまのちんくさんとは違うって感じー、です」
おれはおそるおそる訊いてみる。
「やっぱり、あれかしら? ムー娘。のメンバーって、みんな……?」
「えー、当然じゃないですかー。監督だっていっしょでしょ? プロデューサーとか、プロダクションの社長さんとか、えらい人の楽しみってこーゆーことなんですよね? とか、逆に質問してみたりー」
じゃあ、まみっちも、ないぼんも、久地ちゃんも、みんな……そうか……。
だよなあ、おれがちんくでもそうするもんなあ。男だったらだれでもそうだよなあ。
かすみが竿を舌でなめあげる。勃っちまうよなあ。
男って悲しい。チンチンが充血してふくらむ、射精してしぼむ。たったそれだけのことが、男の人生のほとんどすべてなんだもんなあ。
「もう、いいわ。かすみんのおまんこ、見せてもらおうかしら」
おれは言った。もう開き直りだやけくそだ。これはこれで、男に殉ずるって気分だ。
「えへー、ちょっと恥ずかしいなー。こういうのは、ムー娘。のオーディション以来ですー」
はにかみながら、ソファに腰掛け、脚を開く。オーディションでそんなことを!? 浅ニャンではカットされてたノカー?
中一だけあって、お毛毛は薄い。うぶ毛みたいなもんだ。割れ目も子供っぽい。だが、その部分はやけに光っている。愛液があふれて土手を濡らしているのだ。
「えへー。監督と涼子ちゃんのエッチ見てたらこんなになっちゃいましたー」
「まあ、いやらしい子ね? のぞき見しながら、オナッてたんじゃないの?」
「えー、まーそんなとこッス」
かすみは悪びれずに答えた。
「なので、準備おっけーですよ、監督」
たしかにここまで濡れていたら前戯は不要だ。
「あ、監督。あたしも中出ししてくださいですよ? 幸い、今日、安全日だし」
にこっと笑う。八重歯が愛らしい。
ほんとうかよ。
「だって、そうしないと涼子ちゃんに勝てないじゃないですかー」
なんてプロ根性だ。えらいぞ。ごほうびだ!
ぬぷうっ!
「あっ……! 監督ぅ」
挿入すると、かすみの表情が一変する。
「あー、オチンチンが入ってくるよー」
「かすみんのマンコ、ぬるんぬるんじゃないの。ほんとに中一なの?」
うそみたいにスルリと入った。おれは、ちょっぴり失望する。アイドルがガバマンかよ。
しかし。
かすみが口元を歪めると同時に、膣が収縮した。きゅうきゅうとおれを締めつけはじめる。
おいおい、自分で締めたりできんのか、こいつ。
「どーですかー、かすみのアソコ、気持ちよい?」
「あ、あんた、ナニモノよ?」
「娘。は、競争激しいんですってー」
笑ってみせる。
どんな競争だよ。
それにしたって、こんな技、どうやって仕込まれたんだ?
「秘密レッスンがあるんですー」
「た、たいしたものね……っ」
一発抜いたばかりだってのに、もういきそうになっちまう。
おれは身体を入れ替えて、ソファに腰を落とす。かすみを上に乗せた格好だ。
かすみのはカメラのほうを向かせ、腰を振るように命じた。
「か、カメラ目線で、おしりフリフリ、するのよっ!」
「あ、はーい」
かすみのヒップが動きはじめる。
割れ目におれの肉棒が突き刺さり、すさまじくいやらしい眺めだ。上は服を着たままというのも、エロい。
まさか、トップアイドルの肛門パクパクを鑑賞しながらエッチできるとは想像しなかったな。おれはいったいどうしちまったんだ?
「あー、よくなって、きちゃったよー。あー、あうん」
鼻にかかった声でかすみがうめく。
おれは、かすみの尻を抱えて、下から激しく突き上げた。
「きゃあ、きゃあ、監督、当たってるー、すごいー」
13歳のアイドルの子宮に届いている。やばいぜ。
「あん、あんあんっ! 気持ちよいよー! いきそうだよー」
かすみが自分から腰を上下動させる。声が切迫していく。
「あたしのが先にいっちゃうなんて計算外だよー、監督もいってー、いってよー!」
泣きそうな声で必死に叫ぶ。
おれも最後の動きを加えていく。
かすみの膣がペニスに巻きついて、どくどくいっている。
「あっ! あー! すごいよー、すごすぎだよぉー! くうううっ!」
「だ、出すわよっ!」
「涼子ちゃんの時より、いっぱい出してー! おまんこいっぱいにしてえええっ!」
くあっ!
美少女アイドルのぬるぬるの胎内に亀頭を突き刺し、精子をはじけさせた。
子宮に直ぶっかけしちまった……
余韻でおしりをくねらせながら、かすみもオルガスムスにうちふるえている。
そのときだ。
スタジオの扉がガタついた。
「なによ、まったく……冗談じゃないわ!」
桃山園の声が聞こえた。やばい。
「……監督すごいー。こんなの初めてですよぅ……」
「お、おほほ。そ、そうかしら」
言いつつおれは気が気でない。おれは急いでかすみを立たせるとセットの裏へと押しこんだ。むろん、脱ぎ捨てられたパンティとホットパンツの回収もわすれない。
「あーん。まだ後始末してないですー」
「いいから。ティッシュあげるから、テキトーにやんなさい」
「うわ、ひどー。監督のこと、いいなーと思ったのが、超だいなしですよー」
それでも、人が入ってきたということは理解したとみえ、そそくさと裏手からスタジオを出て行く。
「監督、あたし、涼子ちゃんよりがんばったでしょー? 審査、よろしくですー」
最後の念押しだ。うなずくしかない。
ほっ。
なんとか変装もばれずにすんだ。われながら、強運というか、ご都合主義というか。
おれは帽子にメガネ、つけ髭を取り、スタッフジャンパーを脱いだ。
変装解除、終了だ。
「まったく、どうしてもっと早く助けてくれないのよ! このうすら!」
桃山園が入ってくる。サングラスをかけた青年をヘッドロックして、メガホンで頭をしばいている。完璧な八つ当たりだ。
助監督だっけっか、無抵抗だなー。殴られっぱなしだが、悲鳴ひとつあげないぞ。
桃山園はスタジオ内を見回した。
「きい〜、小石川も久遠もどうしたの? 開始が一時間や二時間遅れたくらいで帰っちゃうなんて!」
地団駄を踏む。すげ。地団駄をほんとに踏むやつ、初めて見た。
「あの……」
スタジオに美耶子が顔を覗かせた。
「次はわたし、で、いいんでしょうか?」
「あんた、三番目の子ね……いいわ、はいんなさい。あんたから始めることにするわ」
桃山園はあからさまにいらつきながら、美耶子を差し招いた。と、サングラスの男に向き直る。
「助監、あんたは、小石川と久遠の控え室に行って、カメラテストの順番が変わったって伝えるのよ。あたしが怒ってた、って、ちゃんといっとくのよ」
おまえが遅刻するからだろう――もっとも、そうなったのはおれのせいだけどな。
サングラス男を追い出して、桃山園は美耶子に向き直る。
「ほらほら、グズグズしないで、とっととスタンバイしなさいよ」
美耶子はソファの前で凝固していた。
むりもない。生まれて初めて撮影用のスポットライトを浴びているのだ。しかも、目の前には大きな業務用のビデオカメラと、難しい顔をした「監督」がいる。あがらないわけがない。
「ちゃっちゃとやるわよ。あたしがスタートって合図したら、台本の36ページ、シーン25の独白部分を演じるのよ」
「は……はい」
めんどくさそうに桃山園はカメラハンドルを握る。
「スタート」
美耶子はこうべを垂れた。雰囲気が一変する。精神集中している。みるみる別の人格が宿っていく、ような。
おれはセットの陰から見つめながら、息をのんだ。こんな迫力、涼子にもかすみにも感じなかった。
桃山園も固唾を飲んで美耶子を凝視している。
美耶子が顔をあげる。憂いをおびた複雑微妙な表情――まさか、美耶子にほんとうに女優の才能があったとは……
「あの……」
美耶子が口を開いた。
「せりふ、忘れちゃいました」
こけた。
桃山園もマジこけですよ。
まあ、考えてみれば、たったあれだけの時間で台本を暗記できるはずがないよな。
「な、なんなのよ、あんたはっ!」
ずりおちたメガネのフレームを直しながら桃山園はわめいた。
「せりふ覚えてないなんて、あんた、やる気あるの!?」
「や、やる気は、あります」
美耶子は声を上ずらせた。自分でもちょっと後ろめたいんだろうな。
「一生懸命読んだけど、わからない漢字もあったし」
まあ、小学生だからなー。ふりがなつきじゃないときつかったかもな。
「ふん、お話にならないわね。テストするまでもないわ。あんた、失格よ、失格」
「そ、そんな」
「当然じゃない。せりふも覚えてなくて、どうしてお芝居ができるっての?」
「う……」
美耶子がうつむいた。大きなアーモンド型の瞳がうるうるっとなる。よく知らない大人から怒鳴りつけられれば、美耶子でも泣いちゃうのか。しょーがないな。ここは助けに入って、そのまま連れて帰ろう。
と、思ったんだが。
「わたし、テストを受けます。だって、なにもしないまま帰ったら、推薦してくださった窪塚のおじさまに悪いし、応援してくれてる家族にもちゃんと報告できないもん!」
おおっと。もう少しでセットの陰から出るところだった。
桃山園は腰に手をあてて、美耶子をしげしげと見た。値踏みするような、いや〜な目だ。
「ふふん、言うじゃないの。窪塚プロデューサーのお気に入りってわけね。おもしろいわ」
ちょび髭を指でひねくりだす。なにかしら、よからぬことを考えているらしい。
「この際、ガキんちょ相手もいいかもね。窪塚のお気に入りをあたし色に染めちゃったら、あとあと、使えるかも」
薄い唇を、紫がかった分厚い舌がべろうりとなめる。
それから、口調をかえる。猫だっていやがりそうな、甘いトーンだ。
「あんたの心掛けしだいでぇ、テストしたげてもいいわよ?」
「ほ、ほんと!?」
美耶子の表情がぱっと明るくなる。
「ほんとよぉ。あんたが、あたしの言うことをなんでもきくって、約束してくれたらねぇ」
もう見え見え。ふつうなら、その言葉の裏にどんな意味がひそんでいるか気づきそうなものだが、美耶子はやっぱり子供だ。素直に提案に飛びついた。
「言うことききます!」
「ほんとぉ?」
「ほんとです!」
「ほんとに、ほんとぉ?」
「ほんとに、ほんとです!」
「泣いたり、大声出したりしたらだめよぉ?」
「まかしとけ!」
ちょっと返事おかしかないか、美耶子よ。
ともかくも、桃山園も美耶子も、ちがった意味でやる気満々だ。
「じゃあ、ソファに横になりなさいな」
「はい!」
ソファに、ばふっと着地する。スカートがめくれて、白パンがちらり。
指示どおり、そのまま横たわる。
「おほほ、元気ねえ」
笑いつつ、桃山園は美耶子に近づき、スカートの裾をつまんでめくりあげる。
パンツ完全露出。おへそまで見えている。
「わきゃ!?」
美耶子はあわててスカートを直そうとする。だが、桃山園は美耶子の腕をつかんで、それを許さない。
「なあに、もう約束忘れたの? なんでもいうこときくっていったばかりじゃない?」
「そ、そんなの……」
パニクっているのか、言葉が出てこない。
その隙に桃山園は美耶子の両手首をコードで結わえた。どっから出したんだ、あんなもの? つーか、スタジオだからな、そこいら中に転がってるといえば転がっている。
「や、やだあっ!」
悲鳴をあげて、逃げようとする。桃山園は、余裕を持って美耶子の胴をつかみ、ソファに引き戻した。
手首を縛めたコードをソファの手摺り部分に巻きつける。
美耶子、身動き不能。
「おーほっほっ! 観念なさいな。芸能界で生きていくにはこれくらいのこと、あたりまえなんだから」
なんてやつだ! 演出家の立場を利用して、女の子にエッチなことをしようとするとは、見下げ果てたやつだ。まさに人間の屑!
――なぜだろう、ちくちくハートが痛むぞ。
桃山園のやつ、美耶子のブラウスのボタンをぷちぷち外していく。
「いやっ! なによぉ!?」
美耶子の上半身を覆う下着――ノースリーブのインナーが露わになる。
「うおほほほ。あんた、ブラもまだなの? お子様ねえ」
「う、うるさいっ!」
牙をむき出しにして、美耶子が吠える。
しかし、桃山園は楽しんでいる。こいつ、真性だな。
「騒いでも、む、だ。ここには誰も来ないわよ。さあ、おっぱいを見せてもらおうかしら」
肌着の裾をつまんで、つい、と引っ張りあげる。
ほんのわずかに隆起しているだけの美耶子の胸が、ぷるん、と小さく震えつつ、あらわになった。
い、いかん、これはまずいぞ……!