うたかたの天使たち・外伝
南国のパラダイムシフト
第6話 一子ちゃん、ロリーナ王妃になる!?
断章 ロリーナ王国素描(5)
ロリーナはフリーセックスの国だ。
結婚していても結婚相手以外とセックスすることは普通だ。
ご近所付き合いがスワッピングというお国柄なのだ。
とはいえ、「結婚」に意味がない、という訳ではないらしい。
妻や夫という存在は、人生のパートナーとしてきちんと区分けされているらしいから、なんとも不思議だ。
結婚相手とは、セックス以上の何かでつながっている、とでもいうのだろうか?
ロリーナ人にそれを問うても穏やかに微笑むだけだ。
ただ一つの事実は、ロリーナにおける離婚率が限りなくゼロに近いということだ。
彼らは愛しあい、どちらかが死ぬまで添い遂げる。まあ、お互い、いろいろな相手とセックスはするのだが。
「結婚生活は地獄だ」と嘆く者はロリーナにはいないのだ。
ひるがえって、結婚相手としかセックスしてはいけない、という社会では、セックスとは子供を作る為の行為でしかないのかもしれない。
生まれた子供の血統を担保するために、不倫を許さない。なぜなら、子供に土地や財産を受け継がせる際に、別の血統が入り込んではまずいからだ。
そうだとした場合、社会の秩序や、経済的な理由が、貞節を求めているのではないだろうか?
多くの世界では、時代や文化にはよるものの、男性の婚外性交は大目に見られ、女性のそれは固く禁じられている。そういった傾向があるのも、血統の継承や財産の分与など、社会的な秩序を守る枠組みの方が、個人の幸せよりも重視されているから、と考えれば理解しやすい。つまり、女性が産んだ子供がだれのタネなのか、が、重要なのだ。つまり、そういった世界では、セックスは愛の行為ではなく、限りなく生殖の行為であるということだ。
どちらが良いのか、あるいは正しいのか――それについて考えることはあまり意味がないことだろう。
ロリーナでも、ロリーナ以外の世界でも、今日もまた、誰かと誰かが結婚する。
彼らの人生に幸あれかし。
第6話 一子ちゃん、ロリーナ王妃になる!?
「ねえ、ゆういちさん」
一子ちゃんが真顔で訊いてきた。
「この島、ちょっと変じゃないでしょうか?」
ちょっとどころではないと思うけれど。
初潮前の少女と合法的に性交――否、乱交できる国がまともなはずがない。
「まあ、それは別にいいのですが」
いいのかよ!?
「郷に入りては郷に従え、ともいいますし」
そうなのかよ!?
たしかに一子ちゃんはこの国にきてから、ずっとマイクロビキニだしな。桃山園のやつが「これがこの国の正装よ」と教えたからだが……じっさい、この国では女性の露出度は概して高いから、人を疑うことを知らない一子ちゃんが納得しても無理はない。
にしても、十五歳にしては立派なおっぱいもほぼ丸出し、おしりは紐バックだから限りなく完全露出で、ワレメをギリギリ隠している布の面積はほぼ人差し指一本にすぎない。
美少女の裸を見慣れているはずのロリーナ人たちも、一子ちゃんのドスケベボディには熱い視線を送ってくる。
じっさいモーションをかけてくる男も絶えることがなく、おれが側に張り付いていなければ、何発かまされていたことか……
一子ちゃんはセックスを握手のちょっと熱っぽいやつ、くらいに思っている節があるからな……キスには免疫がないのに。
どうしてこうなった。
「おかしいのは、みんな誰もちゃんと働いてないことです。お店の店員さんもいたりいなかったり……泥棒さんがきたらどうするんでしょう」
ああ、そういうことか。
なにしろロリーナは豊かな国だからな……。
農産物も豊富だし、それ以上に海産資源が豊かで、食料を手に入れるのにまったく苦労しない。砂浜に行けば貝は取り放題だし、釣り糸をたらせば入れ食いだ。至る所に果物が生っているしな。まるでど○ぶつの村のような場所なのだ。
さらに、ロリテレビのようなネットテレビ局にとって、表現の自由が百パーセント保証されているロリーナは天国のような場所で、ここをサーバ拠点にしているコンテンツプロバイダーは少なくない。莫大な額のロイヤリティがロリーナの国庫を潤している。
欧米の富豪が余生を過ごす場所としても人気が高く、税収は常に支出を超えている。
つまり、ロリーナ人はあくせく働く必要がないのである。実際にベーシックインカム制度も施行されていて、うまく回っているらしい。こんな社会に泥棒なんかいるわけもなく、ほとんどの犯罪とも無縁なのだ。
「へええ……理想郷ってあるんですね」
一子ちゃんは感心したように言ったが、もちろん、いいことばかりじゃない。
悪いことだってある……かな?
考えたが思いつかない。
この国ではどんな不細工でもセックスの相手に困ることがないし、LGBTに対する理解もある、というより、もともと偏見がない。誰も性的マイノリティになることはないのだ。
つか、死因のトップが、女性は老衰、男性は腹上死という国が、幸福でないわけがない。
「日本でも、この国みたいにすればいいのに……」
すっかり一子ちゃんはロリーナ王国に魅了されたらしい。
そんなある日のこと、一子ちゃんはロリーナ王に求婚された。
ロリーナ王は、マジーニ・ロリンスキー三世。年齢は五十歳くらいだろうか。髪はやや薄いが、筋肉質で、たくましい。顔も彫りが深く、苦味ばしったイケメンだ。少なくともジローラモよりは阿部寛に似ている。
この王様、表敬訪問に訪れた一子ちゃんを一目見たとたん、気に入ったらしい。
歓迎パーティで、一子ちゃんを歓待したのはロリーナ王本人だったそうだ。
そこでどういう接待がおこなわれたか、訊くのを忘れたが、かなり熱烈なものだったらしい。
その直後の求婚である。情熱的なことだ。
「ミス一子、わたしの妻になってください!」
ちなみにロリンスキー王には上は六十五歳から下は八歳まで、およそ五十人もの夫人がいるそうだ。
一番年上の夫人は、ロリンスキー王が十歳の時に初めての結婚をした相手だという。
一番若い夫人は、まだ乳歯が残っている。
そのすべての妻に、ちゃんとお勤めの義務を果たしているという、絶倫かつ守備範囲広すぎの王様なのだ。
そのプロポーズに対して、一子ちゃんは深々と頭を下げてお断りをした。
「わたしには、心に誓った人がいます」
ま。おれのことだけどな。
「この人と結婚の約束をしています」
一子ちゃんはおれではなく桃山園の腕を取った。
な!?
「あ、間違えました、この人です」
と、おれの腕を取りなおす。
ちょ、なに、いまの!? 伏線!? やめてよ、一子ちゃん!
「最近、遊一さんのお腹、監督さんに似てきて……」
出てきたって? やばい。筋トレしないと。
だが、ロリンスキー王はなかなか納得しなかった。よほど一子ちゃんが気に入ったのだろう。第一夫人にするから、とまで言い出した。
これにはほとほと一子ちゃんも困ったようだ。
「どうしましょう、遊一さん」
どうしましょうって言われてもな。
「あたしにいいアイディアがあるわよぉ」
桃山園がサングラスをキラーンとさせて言いだした。
おい、よせ。あんたが口を出すとろくなことには――
「密着! チキチキ・ロリーナ王妃になるかならないか、身体の相性できめまSHOW!」
桃山園が叫ぶとともに、撮影クルーが謁見の間になだれ込んでくる。
いつの間にかメガホンを手に、桃山園が張り切っている。
「王様、そして学生、あんたたち二人が交互に一子とセックスして、より感じさせたほうが勝ち!ってことでどう?」
いや、どう?って言われても。おれになんの得があるんだ? 一子ちゃんはおれの方がいいって言ってるのに。
「甘いわね!」
ずびしと桃山園がおれに指をつきつける。
「ここはロリーナよ。セックスはあいさつのようなもの。でも、一生を添い遂げる結婚相手とのセックスは最高でなくっちゃ! そうでしょ!?」
そうでしょって言われてもだ。
「一子、あんたはどう思うの!? 王様はあんたを、そこの学生よりずっと熱烈にあんたを愛して、最高に気持ちよくしてくれるかもしれないのよ!」
おい、しれっと一子ちゃんを呼び捨てにするな。
「そんなことはありません! 遊一さんは誰よりもわたしを気持ち良くしてくださいます!」
一子ちゃんがめずらしく声を大きくした。それから、ハッと気づいたようにおれを見て、
「ご、ごめんなさい……わたしったら勝手に……」
いや、いいんだ。
おれは一子ちゃんを最高に気持ち良くして、幸せにしてあげなくてはならない。
確かにその通りだ。
「どうやら、やる気になったようね」
桃山園がニヤリとわらう。どうせコイツのことだ。いい特番の企画が舞い込んだと思っているのだろう。
「もちろん、わたしも受けて立とう。いや――今回の場合はわたしが挑戦する立場だな。ミス一子に最高のセックスを教えてあげよう」
ロリンスキー三世が不敵に笑う。
おれと一子ちゃん、そしてロリンスキー三世は、謁見室にある巨大なベッドの上に乗っていた。三人乗っても全然余裕がある、スーパーキングサイズのベッドだ。なぜ、謁見室にベッドがあるか、だが、もちろん、王はここで客人――彼はストレートだから女性限定だ――をもてなすことがあるのだ。
ジャクジーもあるぞ。
「え……遊一さん?」
おれは一子ちゃんを抱きしめて、大きな目をのぞき込む。
マイクロビキニのおっぱいに手を這わせ、その弾力を楽しむ。
二人きりになったらいつもしていることだ。今でもほとんど毎日いっしょにお風呂に入っているしな。
「あの……王様もいるんですけど?」
お手並み拝見とばかり、すぐ近くでロリンスキー三世が余裕の笑みを浮かべている。
「監督さんたちも、撮影の人たちも……」
カメラに照明、そして音響スタッフ。桃山園はメガホンを手に、いろいろ指図をしてくる。
「審査には公平さが必要だからね、バッチリ全部撮影するわよ! ロリーナ王国の王妃誕生の瞬間を全世界にお届けしないとね!」
おれが負ける前提か? なめてもらっては困る。
まずは先攻だ。一子ちゃんを完璧に落としてみせるぜ。
おれは恋人の特権を行使して、一子ちゃんの唇を奪う。
以前なら悲鳴とともに突き飛ばされていただろうが、すっかり一子ちゃんはおれとのキッスに夢中だ。
おっぱいをもみしだきながら舌をからめると、すぐに一子ちゃんの目がとろんとしてくる。
「あの……遊一さん、できたら、二人きりのほうが……」
と、ためらいがちに言ってくる。
性的な知識がなぜか教えても教えても欠落する一子ちゃんだが、おれとの行為は特別、という意識はここのところかろうじて芽生えたといえる。
だが、今日は、今日という今日は、全員の前で一子ちゃんがおれの女であることを証明しなければならない。
おれは一子ちゃんのマイクロビキニのブラをずらして、まっピンクの乳首を露出させる。
撮影スタッフが息をのむのがわかる。色といい形といい最高の乳首だ。
すかさず舌先で乳首を転がし、吸い上げる。
「あっ! 遊一さん……!」
反応はいい。すぐに乳首もむくむくと体積を増やす。
ああほんとうにおいしいなあ、一子ちゃんのお乳。
甘いお汁――母乳が今にも出てきそうだ。
「そんな、胸、ばっかりぃ……」
甘い声をたてる一子ちゃん。
もう、みんなに見られていることも、撮影されていることも、気にならなくなったらしい。
「ここも、可愛がってください――ゆういちさん」
みずから、マイクロビキニのボトムを脱いで、性器を剥き出しにする。いろいろ仕込みすぎたな。一子ちゃんのおまんこまで全世界デビューしてしまった。カメラマンが股間にテントを張りながら接写している。
おれは一子ちゃんのおまんこを大きく広げて、奥の奥までカメラに映るようにして(まあ職業病というやつだ)、それからおもむろに愛撫を始めた。
「あっ、あっ、ゆういちさん、気持ちいい、ですっ!」
クリトリスをいじくりながら、膣穴を舌でほじくる。すぐににじんでくる愛液を味わいながら、アナルのご機嫌もうかがう。うん、今日もいい感じだ。
一子ちゃんもおれといつアナルセックスしてもいいように、準備は怠っていないからな。
「すばらしい、ミス一子。その心がけはロリーナ王妃としてふさわしい」
いや、だから、これはおれのためだって。
「ゆういちさん……今日は……どっちの穴で一子を愛してくれますか?」
今日はもちろん前穴だ。できることならこの一発ではらませて、一子ちゃんを永遠におれのものにしたい。
だからおれは言葉ではなく、キスでおれの意志を伝える。キスは一子ちゃんにとってはセックス以上に濃密な愛の行為だ。
一子ちゃんがキスを許すというのは、とりもなおさず、おれの子供を妊娠したい、という意味にほかならない。
だから、おれは一子ちゃんの中に挿入する。
もしかしたら、作品内で、おれと一子ちゃんがセックスするのは初めてかな?
すまんな、実はとっくの昔にセックスしてたんだ。そりゃーそーだろー、ほとんど毎日、いっしょにお風呂に入ってるんだ。こんなおいしそうなおっぱいやおしりを見せつけられて、おまんこだけはほっておく、わけがない。
一子ちゃんとの最初のセックスについては、また別の機会に紹介するかもしれないけどな。
でも、キスだけはじっくり時間をかけて慣らしていった。
Cから始まって、Aがゴールの物語ってわけだ。
それにしても、今日も一子ちゃんのおまんこは最高だ。
うねって絞ってしゃぶりあげてくる。
姉妹の誰よりも深くて吸い込みが激しい。天井の具合も、これが15歳の道具か、と思わされる。まさに宝具、天下の名器だ。
その深みに向かって思い切り――挿し貫く。
「ああああっ! ゆ、ゆういちさん!」
一子ちゃんがしがみついてくる。おっぱいが押しつけられ、さらなる力がわいてくる。この子を、幸せにしなければ、という想いがわきあがる。
「ゆういちさん、すごいです! あっ、あっ、あっ、わたし、わたしぃ……!」
いつものように一子ちゃんが登りつめていく。
というかおれの方が限界だ。一子ちゃんのおまんこ、良すぎる!
「ううっ!」
どびゅどびゅっ!と一子ちゃんの膣内でおれの精液が飛び散る。
「ゆういちさん……うれしい」
一子ちゃんはおれの愛を胎内で確認して、満足したのか、両目をとじた。アクメのあまり失神したようだ。
これで妊娠したらごめんな。でも、ここまでやれば、王様も思い知ったろう。一子ちゃんがおれを愛していること、そしておれが一子ちゃんを一番気持ちよくさせられるってことがな。
「では、次はわたしの番ですね」
ロリンスキー三世が何事もなかったかのように言う。
は?
あんた、この一子ちゃんのイキっぷりを見てもやる気なの? それに、今、一子ちゃんに中出ししたところなんだぞ?
「複数人プレイではよくあること。わたしは気にしません。それに、ここでやめたらミス一子が可哀想です」
なんだと? いったいどういうころだ。一子ちゃんはイキまくって、もう満足してるだろ? 失神するほどに。
すると、ロリンスキー三世はすこし残念そうに言った。
「ミス一子はまだ全然満足していません。あなたに気を遣って、イッたふりをしただけです。そんなことさえ理解していないとは……」
な、なんだと!? おれが一子ちゃんを満足させられていないだと……?
「くふふ、あんた気づいてなかったみたいねえ。あんたのセックスは単調で独り善がりなのよ」
メガホンを手に桃山園が笑う。おまえに言われるとムチャクチャ腹立つわ。
「美耶子だってあたしとしてる時、あんたのことワンパターンだって愚痴ってるのよ?」
それはさすがにウソだ! ウソだと言ってくれ! おれのアイデンティティが崩壊してしまう!
「女性は、女神なのです。すべての快楽と幸福のみなもと。だから、大切に愛おしまなければ」
言いつつ、ロリンスキー三世は、横たわっている一子ちゃんに覆い被さっていく。
エクスタシーの余韻にまどろんでいたはずの一子ちゃんが、片目だけパチっと明けて、あわてて閉じる。
起きてるの?
「ミス一子、もしもいやだったら拒否してください。わたしは怒ったりしません」
ロリンスキー三世は囁きながら、一子ちゃんの肩に触れ、そっと頬に口づける。
一子ちゃんがびくんと身体を震わせる。でも、抵抗はしない。
ロリンスキー三世の大きな手が一子ちゃんの肌を優しく撫でさする。
飢えを感じさせない、余裕に満ちた動きだ。
一子ちゃんを心地良くさせたい、そのための動きだ。
だから、いきなり乳房やお尻を触ることなく、一子ちゃんが「触ってほしい」場所を愛撫している。
一子ちゃんが拒否しない――いや、できないのはそのせいだ。
満ち足りていないところを、満たしてくれるから――
「あっ」
一子ちゃんが声を漏らした。自分でも驚いたように口をおさえた。
おれを見る。詫びるように――その視線が一番キツい。
「やっぱり、だめです……あっ!」
口だけの拒絶は、ロリンスキー三世の刺激が強まった瞬間、霧散した。
一子ちゃんの顔が上気して、目がとろんとする。
ロリンスキー三世は一子ちゃんの乳房を可愛がっていた。乳首も丹念に刺激している。 指で。 次に、舌で。
一子ちゃんの声がせわしなくなっていく。
「はあ……はあ……ああっ! あんっ! ああああっ!」
不意に一子ちゃんがのけぞった。
「あうっ!」
まさか――イッた? ちょっとおっぱいを刺激されただけで? ウソだろ?
だが、はあはあと胸を上下させる美耶子ちゃんは幸せそうに見える。
「ミス一子、続けてもいいかな?」
王の問いにこくんとうなずく一子ちゃん。
そこからは、ロリンスキー三世の独擅場だった。
一子ちゃんを裏返し、さらに腰を突き上げさせて、クリトリス、膣孔、肛門の三点責めを繰り広げる。
「あっ! あっ! あっ! 王様! そんなの……そんなのぉ……!」
一子ちゃんがイキまくってる。奉仕の精神の塊の一子ちゃんが、ただ、責められるだけになっている。
「ああああっ! はあああああっ! こっ、こんなの、初めてですぅ!」
それ! それは言ったらダメなやつ! 彼氏の前で言ってはならないやつ!
「こんな! こんなにキモチよくしていただけるなんてぇ! ありがとうございますうぅ!」
ああああ、お礼言っちゃったよ。初めてセックスする相手にお礼言っちゃったよ。ほぼ毎日セックスしてるおれの立場は――
「あっ! はっ! あっ! い、いっちゃいます、王さま……っ!」
一子ちゃんはロリンスキー三世の責めに息も絶え絶えだ。
おまんこを指と舌でほぐされている。おれの中出し精液が一子ちゃんの愛液で薄まってこぼれだしている。
まるで排水されているようだ、
「あっ! イクっ! イッちゃいます! 一子は、一子はぁ……!」
ビクンビクンと震える一子ちゃん。
おれの時より反応良くない?
「いいわねえ、いい絵よぉ。さすがは美耶子のお姉さんねぇ。おまんこの色つやが最高!」
桃山園もノリノリだ。しかし、この映像、どうやって公開するつもりなんだ。
「あんたバカァ? ここはロリーナよぉ? ここ発信だったら、全世界に無修正で公開できるの。なんなら、今すでに生実況中よぉ?」
そうだった。ここはロリーナだった。ロリーナ王国は今やネット大国で、世界中の動画サービスの配信サーバがあるんだっけ。ここから配信される動画は性的なものに限っては完全フリーだ。
ということは、ロリンスキー三世の口と指でほぐされている一子ちゃんの痴態が全世界に晒されているわけだ。
「ミス一子、じゃあ、入れるよ?」
「は、はいっ! お願いしますぅ!」
ぬぬぬぬ。
ロリンスキー三世のペニスが一子ちゃんの性器に沈み込んでいく。
当然のことだが、ノースキン、生ペニスだ。
ロリーナ王国では、コンド-ムを使うのはむしろ「失礼」にあたる。セックスは愛し合うだけではなく、新たな命を生み出すための行為であることが「常識」だからだ。
セックスする以上は、子供ができる可能性はある。その可能性を前向きに受け止めるのがロリーナ人の考え方だ。国民の代表であるロリーナ王がもしも避妊を前提にしたら国民の支持を失なうだろう。(女性側があらかじめ避妊を望んでいたら避妊するのがマナーだが、そういう場合はセックスに同意すべきではないというのがロリーナでの「常識」だ)
ともあれ、ロリンスキー三世のペニスも一子ちゃんのおまんこに入ってしまった。
「おお! 思った以上です! ミス一子のおまんこ――素晴らしいです! わたしが過去のセックスした中でも最高の気持ち良さです!」
確かに、一子ちゃんのおまんこは素晴らしい。ヌルヌルで、狭くて、狭いのに奥がぐっと深くて吸われる感じがして、奥で亀頭が当たる部分がザラザラしていて、カズノコ天井というらしいが、そんなもんじゃなくて――
全てのオナホ制作者を絶望させる、天然神まんこなになのだ。
宇多方姉妹はみんなすばらしいまんこを持っているが、一子ちゃんにはかなうまい。もちろん、妹たちも時間と共にさらにすごいまんこに育つかもしれないが、その時にはきっと一子ちゃんまんこはさらに先に行っているだろう。
長姉の貫禄と言うべきか。
ヴァイオリンの音色は、時間と、演奏者の技量がものをいう――という。
一子ちゃんという楽器を奏でてきた男たちのペニスが、一子ちゃんの、この、奇跡のような膣を産みだしたというのか?
この女の子の奇跡のような身体は、おれだけではなく、たくさんの男達のペニス、そして愛撫によって育まれたものだったか?
おれは、調教された最高の楽器である一子ちゃんを、ただ愉しませてもらっていただけなのかもしれない。
「あっあんっ! はあ……あああっ……王さま……ぁ!」
一子ちゃんが音色を奏でている。
王様がねっとりと腰を遣いながら、一子ちゃんの粘膜を太いイチモツでひっかいて、甘い声を引き出している。ほんとうに演奏しているかのようだ。
緩急をつけて、突くときは突き、捏ねるときは捏ねる。
そのたびに一子ちゃんの声が赤く、大きくなり、おっぱいがぶるぶる震える。
少しずつロリンスキー三世の動きが激しくなり、ストーロークが深くなっていく。
『あっ! あっ! あん! はっ! あ……あああああ! いいっ、ですうっ!:」
一子ちゃんがあえぎながら、ロリンスキー三世の背中に腕を回す。
二人の身体が密着し、自然にキスする形になった。
わお! 王様、やっちゃった! 一子ちゃんの乙女回路が発動して、王様ってば突き飛ばされるぞ……って、一子ちゃん!?
「ん……ちゅるぅ……はぅん」
普通にキスしてるんですけど。むしろ、夢中で舌をからめてるんですけど。
なぜだ!? 一子ちゃんにとって、セックスはハグのちょっと情熱的なやつくらいだが、キスは本当に愛する者同士でする聖なる行為であって、ほとんど子作りに等しかったはず。
それなのに、会ったばかりのロリンスキー三世と、濃厚なディープキスをするなんて。
ロリンスキー三世は、一子ちゃんと舌と舌をからませて唾液を交換しながら、ペニスを激しく一子ちゃんの性器の奥に叩きつけている。
ふたりとも汗をたっぷりかいて、肌を上気させながら、しっかりとセックスしている。愛し合っている。
「ミス一子! これがわたしの想いです! 受け取ってください!」
「ああっ! 王さま! 奥まで、届いてますぅ! す……すごいっ! あああああーっ」
叫びつつ、自らロリンスキー三世の唇を求める。
「んんんん! むううううううっ!」
脚はしっかり王様の腰をロックしている。
「だいしゅきホールドじゃない。一子、孕む気マンマンね」 ハンディで撮影しながら、桃山園が言う。
ロリンスキー三世のペニスが一子ちゃんの膣に入ったり出たりするさまを接写している。結合部からは一子ちゃんの本気汁がじゅぷじゅぷ泡立ちながらしぶきを飛ばしている。
ずん、と突く度に一子ちゃんは痙攣し、アヘってのけぞる。
そのピストンの動きがさらに早く強くなる。
ずん! ずん! ずん! ずん! ずっずっずつずっっっっっっっっ!
「あふっ! ひっ! ひゃっ! あっ! ああああっ! あんっ! あんっ! あんっ! あんっ! あんっ! あうんっ!」
一子ちゃんはシーツをひっつかみ、悶えまくる。
ロリンスキー三世は大きく腰をたたきつける。子宮口を亀頭で強く突き上げている。
「あっ! いきます! いくいくいくイっちゃう! 一子、イっちゃいますうううううっ! あひいいいいん!」
ぶるぶる震えながら一子ちゃんがオーガズムを迎える。
「ミス一子! 出すッ!」
ロリンスキー三世が一子ちゃんの胎内で射精したことがわかる。その射精の衝撃度は一子ちゃんのわななきでそうと知れる。
「はあ……はあ……はあ……あ……」
荒い息をする一子ちゃんの口元にロリンスキー三世が唇を寄せると、また自然に舌をからませ、唇同士を重ねる。
前戯のみならず、後戯も怠らないない。
キスしながら、一子ちゃんの身体を優しくなで回す。
「はあ……王さま……こんな気持ちよかったのは……はじめて、です」
甘い吐息をもらす一子ちゃん。
その頬を撫で、軽いキスをする。
「ミス一子、あなたは素晴らしい女性だ。やはりわたしの妃になってほしい」
「え……でも……」
「貴女を一番感じさせた男を伴侶に選ぶべきです」
押してくるロリンスキー三世。
「え……え……」
混乱した一子ちゃんがおれを見る。
「ちょ、待てよ!」
相手が王様であることも忘れ、キムタク張りにつっかかりそうになったおれを止めたのは桃山園だった。
「はいはい、そこまで-」
「な、なんだよ、あんた!」
抗議するおれに桃山園は涼しい顔で言う。
「次はあたしよ」
言いつつ、ロリンスキー三世から場所を奪い、一子ちゃんに密着する。こういう時に場所を譲るのはロリーナの習俗だ。王とはいえ、それは変わりがない。
「え……? 監督さんもするんですか……?」
一子ちゃんは驚きつつもあどけなく訊く。
「なんだよ、あんた! あんたまで参加するっておかしいだろ!?」
これは、一子ちゃんの結婚相手を決める戦いなんだぞ!
「ばかね、これはあんたのためにやってんのよ」
おれに向かって桃山園は小声で言う。
は? おれのため?
「あんたと王様のタイマンで、あんたが勝てると思ってるの? 一子のさっきの反応見たら勝敗は明らかでしょ?」
うっ……それについては反論できない。おれとしかしないはずのキスをロリンスキー三世に許したのがその証拠だ。
「だからよ。あたしとすることで、王様から受けた快楽はいったんリセットされるわ。それで勝負はわからなくなる。もしも一子があんたのことを本当に好きなら、ワンチャンあるかもよ」
そ、それはそうかもしれない。ロリンスキー三世から受けた快感がすごすぎて、一子ちゃんは一瞬ロリンスキー三世のプロポーズを受けそうになっていた。
桃山園が割って入ってこなければ、一子ちゃんはOKしていたかもしれない。
桃山園に一子ちゃんを抱かれるのはイヤだ。こいつにだけは……という感覚がある。
だが、それでも。ロリンスキー三世に一子ちゃんを奪われることを思えば――
「くっ! 許す!」
くっころ、みたいになってしまったが、おれは認めてしまっていた。
「うふふ、彼氏の許可を得たわよぉ。さ、一子、脚を広げなさいよぉ……!」
一子ちゃんの許可は別に取る必要を感じていないらしい。
「こ、こうですか……?」
全然受け入れてるし!
「そうそう、そこに、ぶち込むわよぉ!」
「あっ、あっ!? あ、ああ!」
桃山園が一子ちゃんのおまんこに挿入する。
この状況下でコンドームなど着けるはずもなく、生チンポだ。
「おおおおっ! これはっ! こんなおまんこをこれまでノーチェックだったなんてぇ!」
出し入れしながら桃山園が言う。
「宇多方姉妹は全員名器だけど、この子が一番かもね!」
そういう言い方をしたら、全員とヤッてるみたいじゃないか。美耶子は仕方ないとして、珠子や苑子や気恵くんまで……したのか、こいつ!?
「あっ! あっ! か、監督さん、いきなり……奥までぇ……!」
一子ちゃんが身体をそらし、おっぱいを弾ませる。
そのおっぱいを桃山園は両手で掴んで揉みしだきながら、一子ちゃんの奥をえぐる。
「王様とさんざんやって、ここもトロトロになってんでしょーが。亀頭に吸い付いてきてるわよ!」
腰をつかいながら、一子ちゃんのおっぱいに吸い付く。音をたてて乳首をしゃぶり、ちゅうちゅうと吸う。
「あんっ! はっ! 監督さん、つ、強いですぅ……!」
ジェントルで巧みだったロリンスキー三世とはまた異なる、下品でねちっこい愛撫だ。
「きゃんっ!」
一子ちゃんが悲鳴をあげたのは、桃山園が一子ちゃんの乳首をかんだからだ。
「あんた、こういう方が好きなんじゃないの? 奥がきゅっとしまったわよ?」
「ち、ちが……ああぃっ!」
乳首が伸びるほど引っぱられ、苦鳴をもらす一子ちゃん。
「ふふ、やっぱりねぇ、おねーちゃんもM寄りなのねぇ」
ヘラヘラと笑いながら、桃山園は一子ちゃんのおっぱいを手で張る。
パチン、という音がして、一子ちゃんの肌にピンクの跡が浮かび上がる。
「ああっ! 痛い!」
おい、暴力をふるうのはやめろ!
割って入ろうとした俺を留めたのはロリンスキー三世だった。
「あの男、なかなかやる。ミス一子の欲望をうまく引き出しているじゃないか」
いや、あんた、これを掘っておいて良いのかよ!?
「これはプレイであって、暴力ではない。ミス一子の表情を見たまえ」
一子ちゃんはおっぱいを叩かれて痛みに顔を歪ませて……だが、目がとろんとしている。声も痛みを訴えるというよりは、次なる打擲を期待しているかのように、甘い。
「ああ……監督さん、もう、ぶたないでぇ……! あっ! ひゃあんっ!」
叩かれて、明らかに喜悦の声をあげている。
「虐められて喜ぶなんて、さすがは美耶子のおねーちゃんねえ?」
桃山園は一子ちゃんの膣から湯気がたちそうなペニスを引き抜いて言う。
「もっとしてあげるから、四つん這いになりなさい」
一子ちゃんは命じられるまま、犬のように腰を高く掲げる。
充血した膣口からは、本気汁とともに、先に放たれたおれとロリンスキー三世の精液も零れ出てくる。
その一子ちゃんの雌穴に、桃山園は深々と挿入する。
「はああっ!」
髪を振り乱す一子ちゃん。
「じゃあ、ケツドラム開始よぉ!」
一子ちゃんのおまんこをバックから突きながら、おしりを掌でリズミカルに叩き始める。
ペチペチペチペチペチペチ、パーン!
「ああっ!」
パパパ-ン! パパパパ、パッチーン!
「ひいっ!」
一子ちゃんの声がひときわ高くなる。
パンッ! パンッ! パパパン! パーンッ!
「ひゃあああっ! あっ! あっ! 監督さん……っ! もっとぉ……!」
おしりを真っ赤に腫らせながら一子ちゃんが悶える。
「うふふ、すっかり気に入ったみたいじゃない。お尻の穴もひくひくさせて」
桃山園はゆっくりと腰を遣いながら、一子ちゃんのお尻の穴をいじくりはじめる。
「はうっ! 監督さん……そこはぁ……ち、ちがいます……」
「この柔らかさ、あんた、コッチの経験も充分ありそうね?」
アヌスをじんわり広げながら、桃山園が言う。
「え? あ、あの……あります……けど」
あれ? そうなの? おれ、一子ちゃんとおしりでしたっけな? でも、おれが開発したんじゃなかったら、誰がしたんだよってことになるから、きっと、おれがしてたんだ。
「ふふっ、じゃあ、こっちでヤらせてもらうわ。おまんこに中出しして、あたしの赤ん坊ができたら、状況的にややこしいものね」
桃山園は言うと、一子ちゃんのおまんこからペニスを引き抜くと、愛液と精液でどろどろになったその先端を一子ちゃんのアヌスに沈めていく。
「あ……あ……あ……監督さんのが……おしりに……入ってくる……っ」
一子ちゃんが虚空を見つめながら呻く。
ウソみたいにあっさりと、一子ちゃんのアヌスに桃山園のペニスが埋まる。
おれも知らない一子ちゃんの直腸の熱を桃山園が堪能している。あ、いや。おれも知ってるはずだ。そういうシチュエーションを作者がまだ書いてないだけだ。でも、描写上では最初だよな、くそう、桃山園め、うらやましい。
「驚いたわぁ……一子、あんたおしりも名器じゃないの! 極上のメスケツ穴よ!」
「……めす……け? でも……あ……あ……ありがとうございましゅ……ああっ!」
先ほどまで自分の膣をさんざん掻きまわしていた男根で直腸を犯されながら、一子ちゃんはお礼を言う。最後、あえぎすぎて滑舌怪しいけれど。ここまで礼儀正しいのもどうかと思う。
宇多方のじいさんの躾がよすぎたんだろうな……。年長者の言うことにはぜったい服従するしな、一子ちゃん。
「あんっ! あっ! ひぃっ! おしりっ! すごいっ!!」
桃山園にアナルを責められながら、ひときわ大きな声を出す一子ちゃん。そうか、一子ちゃん、後ろが好きだったんだ。おまんこが気持ちよすぎて、おしりでヤるという発想がなかったな……いや! 最初はおれがヤッてるんだけどな。(作者頼むぞ。ショートバージョンでいいから、一子ちゃんのアナル処女はおれにくれ!!!!!)
「これは……! あんた、おしりのほうが熟れてるじゃない……これは……ガキの頃から馴らされてるわね!?」
桃山園が一子ちゃんのおしりを抱えてガン突きしながら、驚いたように言う。
うそだろ!? そんな暴露はやめろ! 書かなくちゃいけないサブエピソードが増えるだろ!?
「ああっ! ああああっ! おしりは……っ! おしりはぁ……! お、おじさまがぁ……!」
一子ちゃんが懸命にシーツを掴みながら、告白するようにおめく。
「なるほどね。一子、あんた、おもしろいわねえ。ますます興味が湧いてきたわ。あんたが宇多方姉妹のラストピースってわけね」
やめろ! それ以上へんな伏線っぽいの張るな! 一子ちゃんはおれの嫁になって、幸せに暮らすんだ! それ以外のエンドは許さん!
「まあまあ、過去は過去、気にしなさんなって。大事なのは未来でしょぉ?」
それはそうだが、今現在、一子ちゃんとおしりでセックスしてるおまえにだけは言われたくない。
「それにしても、一子のお尻の穴、凄すぎるんじゃない? あたしのをまるで奥に奥に吸い込んでいくみたいよぉ……!」
「あっあっあっ! あくぅっ! 監督さんのが奥に届いて、気持ちいいですぅっ!」
一子ちゃんも声がさらに高まる。表情も、見たことがないくらいに蕩けている。
「すごっ! こんなの! 耐えきれる訳ないじゃない!」
桃山園も必死で腰を振る。
「はああっ! あああっ! いいっ! いいですっ! おじさまぁあああああっ!」
一子ちゃんが絶叫する。
ビクンビクン! と痙攣する。
.一子絶頂(アナル中出しアップ別)
桃山園も達したようだ。
びゅっ! びゅっ! びゅびゅびゅびゅうううううっ!
聞こえるはずもない射精音が耳に届くくらい、明白に一子ちゃんの直腸内壁に精液を叩きつけている。
「ああああ……あ……中で……中で……ぇ」
一子ちゃんはこれまでにもないくらいの喜悦の表情で、涙もよだれも垂れ流したままでアクメに震えている。
桃山園は、一子ちゃんの中からペニスを抜くと、一子ちゃんを仰向けにして、余韻に震える一子ちゃんの唇を易々と奪った。
舌を絡め、唾液を流し込み、一子ちゃんが自分から舌を絡めるようになるまで――
そして、長いディープキスの後、一子ちゃんは、自分から、桃山園のペニスを舌で清めた。自分の肛門を抉って抉って抉り抜いた肉棒を、愛しげに、まるで聖なる像を崇めるが如くに。
「けっかはっぴょーう!」
桃山園が声を張り上げる。
そういえば、これは一子ちゃんをめぐっての男たちの争奪戦。勝手に桃山園が加わって三人になってしまったが、一子ちゃんの伴侶を決める試合だった。
勝者を決めなければならない。むろん、それを決めるのは一子ちゃんだ。
一子ちゃんは沐浴で身を清め、ゆったりとした衣をまとっていた。ロリーナ王族の正装らしいが、スタイルのいい一子ちゃんにはよく似合っていた。
一子ちゃんは、玉座の隣にある王妃の椅子に座っていた。
これは、番組上の演出だ。
桃山園がそのように決め、ロリンスキー三世も一子ちゃんも異論なく従った。
「ロリンスキー三世が正式にプロポーズして、王妃にするって約束したんっだから、そこに一子がいてもおかしくないでしょ? その上で、自らの伴侶を選ばせるのって、いいと思わない? 黙ってても王妃になれるとき、女の子がどういう選択をするかって、テレビ的においしいでしょ?」
わかんねーよ。ただ、玉座の隣に立っている一子ちゃんが、眼下に跪く三人の男たちから伴侶を選ぶ、という絵はわかる。説得力がある。
それがわかるだけ、芸能界に毒されてるな、おれ。
「さあ、一子、えっちしていちばん気持ちよかった相手はだれ!?」
桃山園が自信たっぷりに言い放つ。
だろうよ。一子ちゃんを結果的に一番感じさせたのは桃山園だ。まさかのアナル姦で、おれも知らなかった(あるいは忘れていた)一子ちゃんの最強の性感帯・アナルを掘り起こしたのだから。
「ミス一子、どうか!」
ロリンスキー三世も声を張り上げる。
王なのに、あえて玉座を見上げる場所に降り立ち、跪いている。それだけ本気なのだ。
「わたしの妻に――王妃になってください!」
その言葉に嘘はないのだろう。フリーセックスの国であっても「結婚」という制度があるのは、男女にそなわった本能――最も愛している相手と結ばれたい――という想いがあるからだ。
ロリンスキー三世は、しっかりと、公正に、一子ちゃんに求婚し、セックスでも何度も一子ちゃんを絶頂に導いた。
それにひきかえ、おれはどうだ。
一子ちゃんから好かれている、そんな立場にあぐらをかいて、雑なセックスをしたんじゃないのか? 一子ちゃんを感じさせることよりも自分の気持ちよさを優先し、ライバルに対して自分の優位性を見せつけようとしただけではなかったのか?
おれは選ばれなくてもしかたがない……。
おれは打ちひしがれていた。
男の順位は、セックスのうまさと、クルマの運転のうまさで決まる。それが男のルールなのだ。(おれはクルマを持っていないが……)
男はいくつになってもバカなのだ。おっさんになっても、年収や、腕時計の値段や、秘書を持てる身分だったらいかに若くて美しい秘書を持つか、そんなことでマウントを取りあっている。
おれは、可愛くておっぱいがおおきくて、素直で純粋で可憐で心優しくて、おれのことをいつも好きでいてくれる一子ちゃんが誇らしかっただけなのだ。こんな素敵な女の子に好かれている自分が誇らしかっただけなのだ。
そんな薄っぺらな自分は、一子ちゃんに好かれる資格なんてない。
ああ……もう、消えてしまいたい……
「……さん」
消えたい、消えたい、消えたい……!
「……さん?」
ああ、もう、誰かしらないが、おれを抱きしめるのはやめろ! やめてくれ! おれなんて……!」
「ゆういち、さん……?」
一子ちゃんの声がすぐ傍で聞こえた。そして、あたたかくて、やわらかい感触。
これは……一子ちゃんの胸? いつもの一子ちゃんのいい匂いも感じる。
「一子ちゃん!?」
見上げると、そこには微笑み……すこし泣いている、一子ちゃんの顔があった。
「ゆういちさん……」
いつも間にか、一子ちゃんは玉座のある場所から駆け下りてきて、おれを抱きしめていたのだ。
「一子が、ゆういちさんを一番好きでいたら……迷惑ですか……?」
一子ちゃん――
「優勝は、ことり、ゆーいちー!」
桃山園のヤケクソ気味な大声が鳴り響く。そしてすぐさま文句を言う。
「なんでよー! あたしがケツ穴ヤりまくって、あんた昇天しまくってたでしょーに!」
「監督さん、たくさん気持ちよくしてくれてありがとうございました」
一子ちゃんがきちんとお礼を言う。
「でも、わたしは、監督さんとは結婚できません」
きっぱりと言い切り、続いて、ロリンスキー三世に顔を向ける。
「陛下も、わたしのことを、伴侶に、と望んでくださってありがとうございます。でも、わたしが好きな人は、一生添い遂げたいのは……」
この人なんです!
と叫ぶかわりに、一子ちゃんは自ら唇をおれの唇に押しつけてくる。すぐに舌が入ってきて――情熱的ィ!
「なんでよぉ!? いちばん気持ちいいセックスができる相手を選ぶってルールでしょうが!」
往生際悪く桃山園が地団駄を踏むが――その肩をロリンスキー三世が叩く。
「見たまえ、ミス一子の顔を。我々とキスしていた時のミス一子は意識が朦朧としていた。でも今のミス一子は、自らの意志で、愛する人の唇を貪っている。それが答えだよ」
「はぁ!? あんた何を言って……ほんまや!」
桃山園がてんま師匠ばりに大げさになアクションを取る。
もう解っている。桃山園はこうなるように状況を導いた。要するに、「演出」した。
下品なセックスで一子ちゃんの本能を覚醒させ、それによって、一子ちゃんの心身のをリセットした。沐浴やお召し替えもその切り替えを促すためだ。さらには、一子ちゃんだけ高い場所にのぼらせ、おれとロリンスキー三世、そして自分自身も一列において、客観的な立ち位置に置いたのもその効果を高めるためだろう。 そういうからくりは見え隠れするが、桃山園に感謝する気にはならない。
「ミス一子の気持ちが一番大切だ。残念だが、ミス一子を王妃にするのはあきらめよう」
ロリンスキー三世には申し訳ない気持ちのはなるな……。おれよりも一子ちゃんの伴侶にふさわしいのはこの人だったかもしれない、とも思うからだ。
だけど――おれは一子ちゃんを抱きしめて、愛たっぷりのキスを続けながら改めて誓うのだった。
「この子をぜったいに一生、しあわせにする!」
と。
この後、めちゃくちゃ一子ちゃんとセックスした。アナルセックスもした。凄かった。セックス観が変わるくらいの凄さだった。
この子と結婚したら、おれ、たぶん早死にするだろうな……
でも、それも本望。
めざせ! 腹上死!
つづく
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