あとがき

 この作品は実はずいぶん古いものなんです。

 ファンタジー+エッチの小説は、ナポレオン文庫を例にひくまでになく、もうずいぶんあたりまえのものになりましたけれども、当時はまだ小説メディアでは見られなかったと思います。この手のジャンルは、「くりいむレモン」の「超次元伝説ラル」や、「リヨン伝説フレア」などのアダルトアニメビデオが先鞭をつけたのではないでしょうか。

 まあ、そういったものに刺激を受けたり、ワープロを買ったばかりでうれしかったりで書いたのがこの作品です。

 リアンを主人公にした話があとみっつありますが、それらはワープロを買う前にノートに書いたので、ウェブに発表することができません。ただ、いちおう、物語の理解の一助として、あらすじをご紹介します。

聖光記レイヴァーン

 辺境の民の娘・リアンは、野盗に追われていた少年・ソロンをなりゆきで助ける。なにゆえに追われているのかを明らかにしないソロン。立ち居振る舞いはきてれつだし、あまりにも世間を知らない。

 いっぽう、野盗たちは辺境の民の村を襲撃する。あいにく男たちが狩りに出払っており、村の娘たちは野盗たちに蹂躙される。

 リアンとソロンにも危機が迫り、追い詰められたふたりは底無し沼におちこむ。その周囲を野盗がとりかこむという二重の窮地において、たがいに抱きしめあっていたふたりは突然サカる。

 あきれ顔の野盗たちをしりめに、沼のなかで初性交をするふたり。そのふたりの身体を白い光がつつむ。

 絶頂のなかにリアンは、得体のしれない巨大な力が身体に注がれるのを感じる。

 レイヴァーン発動す。すべては消失し、リアンは見知らぬ荒野にいた。ソロンの姿もない。ただ、そのぬくもりだけがおなかに残っている。

 ソロンを捜し、ぶったたくための旅にリアンは出発する。その身体にレイヴァーンを宿し、魔の者たちによってつけ狙われるようになったことも知らず。

淫霊ゴドリアス

 魔物が支配する街にたどりついたリアンは、魔にとりつかれた少女と闘かう。圧倒的な不利のなかでリアンにめざめた新たな力とは?

(ほんとはヤルだけの話なんですけど)

リリス

 古ぼけた洋館に暮らす美青年と美少女。偶然館に立ち寄ったリアンは、夜毎恐ろしい夢魔に襲われる。

 複数の男たちに奴隷として調教される毎日。それは夢なのか? それとも奴隷の日々こそが現実なのか?

 美少女の凄惨な過去とともに夢魔の正体があばかれる……!

 このほか、断片はいくつかあるんですが、お話としてまとまっていません。

 さすがにもうベタなファンタジーエロを書く気力は残っていないんで、このへんは封印ですね。リアンとソロンの再会をなんとか書きたかったんですけど。

うづき はじめ

1997/11/8