MA-YU 学園編6.5

interude2 在りし日の……

 

 まゆはソファに四つん這いにさせられ、おしりを掲げさせられた。

 肛門を愛撫され、ローションを塗りたくられる。

 指で入口をほぐされる。

 きもちよすぎて、まゆはソファによだれをたらした。

「柔らかくなってきたよ、まゆちゃんのアヌス」

 神村はビデオカメラで、肛門を接写した。

「ほお……まゆちゃんはおしりの穴もきれいだね」

「いやぁ……おじさま……」

「じゃあ、そろそろ入れようかな」

 笑いつつ神村は言い、ペニスをあてがった。

「力をぬいて……そうだよ……おお、入っていく」

 まゆはおしりに男根を受け入れる感覚に総毛立った。こわい。ぞくぞくする。まちどおしい。

「すごい、入るぞ……まゆちゃんは、すごいな……」

「あうっ! おじさま、い、いたい……」

 指とは比べ物にならない太さだ。裂けそうな恐怖。だが、それ以上にまゆを襲ったのは、押し寄せる快感。

「ひいっ! おしりが、裂けちゃう……っ!」

 恐怖が、痛みが、そのまま快感の大きさに転化される。

「おうっ! これが、まゆちゃんの、アナル……っ!」

 神村が一気に挿入する。

 まゆの精神の防波堤が壊れる。背中をそらして、わなないた。

「はああああっ! おしり、きもちいいっ! きもち……いひぃっ!」

「ははは、まさか、入れられただけでいっちゃったのかい? まゆちゃんのアナルはほんとうにすごいな……っ!」

 腰を使い始める。

「いやあ、おじさま、いや! おしりが、燃えるよおっ!」

 粘膜と粘膜が直接触れている。

 神村に突かれて、まゆは絶叫した。

「まゆちゃんのお尻の穴――最高だっ!」

 神村はまゆの腰を抱くと、かかえあげた。

 自らはソファに座り、自分の上にまゆをのせる形にする。

「ひぃ! おじさま、ふか……深いよぉ……」

 まゆの肛門を深々と突き刺す神村のペニス。

「ほら、まゆちゃん、脚を広げて――身体をもたれさせて――そう、そうだよ」

 まゆは神村の上でM字開脚した。神村の胸に仰向けにもたれる。

 そうすると、固定カメラが正面からまゆと神村の結合部を映す形になる。神村はリモコンを操作して、正面の大型モニターにカメラ出力をつなげた。

「見えるだろ、まゆちゃんとおじさんが、おしりでつながってるところ」

「み……見える」

 裸の少女が大きく脚を広げて、初老の男と、アナルセックスしているシーンだ。

 現実にそれを自分がしているとは、信じられない。

 だが。

「前も、こんなに濡らして、いやらしい」

 神村はまゆの肛門を突きながら、指でワレメを広げた。

 カメラによく映るようにする。

 膣の入口が見えている。

 アヌスにペニスがめりこむたびに、膣から透明な愛液がこぼれ出す。

「やっぱり、こっちの穴にもほしいんじゃないのかな?」

 指を突き立てる。

「あはあっ! あぐ……ぅ」

 おしりの穴をペニスで犯されながら、膣を指でかきまぜられる。

 くちっ、くちっ、と音をたてる。ぐっともぐりこんできて、膣壁の膀胱側をこすりたてる。

「し、しんじゃう……しんじゃ……ぅ」

 死ぬほど気持ちがいい。

「こっちにもオチンチン、ほしい?」

 うん、うん、と、うなずきそうになるのまゆはこらえた。ほんとのセックスはただ一人とだけ――客観的には愚かとしかいいようのない誓いでも、まゆにとってはそれが最後の砦だった。

「そっちは……だめえ……」

「じゃあ、おもちゃならいいだろ?」

「え、あ?」

 いつのまにか神村の手にはこぶりなバイブがあった。

 そのイボイボのついた器具を、まゆの膣にねじ込んでゆく。

「あっ、やあっ!」

 広がる。いっぱいに。

「大きい……はあっ……うぅぅぅっ」

 入ってる。奥まで。まるで、まゆのサイズを測ったかのようにぴったりと、バイブが膣を埋めている。

「こんな……おじさま、ぬいて……それ、ぬいてぇ」

「オチンチンを入れないならセックスしたことにはならないよ。ほら、スイッチいれるよ」

 ウィイイイイ……

「きゃああっ!」

 まゆは悲鳴をはなった。

 膣のなかでシリコンの肉棒がうねり、まゆの粘膜を責め立てる。

 人間には不可能な動きだ。まゆには未体験の角度で接触面が変化する。

「いひいいいいっ! らめええっ!」

 びくんびくんと腰が動く。

「すごい、クリがこんなに飛び出して」

 圧迫されて鞘から押し出されたクリトリスを神村はつまんだ。

「ぁあっ!」

 神村の生殖器に直腸を受け入れ、バイブに子宮をつつかれながら、クリトリスをひねられて――まゆは絶頂に達した。

「いくっ! いっちゃうっ!」

 空気をもとめてぱくぱくするまゆの唇を神村は奪い、舌をからめた。

 夢中でそれに応えるまゆ。唾液がまざりあう。

「あっ、ああ……おじさま、また……ぁああっ!」

 まゆは続けざまのオルガスムスにもみくちゃにされている。

 神村に舌を吸われるとそれに応じる。もう、なにも考えられない。

「んむう……っ、うふっ、あぅう……きもちいい……きもちいいよお……」

 まゆの意識が白くなる。おしりの穴を埋めるペニスと、膣をうめるバイブの動きが交錯し、まゆの意識のなかでそれらが入れ替わる。

「はあああっ、おしりとぉ……おまんこにぃ……入っちゃってるぅ……」

 神村とのキスを続けながら、うわごとのようにあえぎ続ける。

「まゆちゃん、おじさんのチンポ、どう?」

「いいよお……おじさまのオチンチン、おっきいよお……奥でこすれて、熱くて、きもちいいのお……」

 潤んだ声でまゆはもだえる。

「沢くんとするのと、どっちがいい?」

 アナルを、膣を、クリトリスを、責めたてながら、神村が訊いてくる。

「そんなの……そんなの……くらべら……あっ!」

 漏れる。

 おしっこが。

 それほどまでに、気持ちいい。

「でちゃうよ、おじさま、おしっこ……ぉ」

「いいよ、しなさい」

「でもぉ……」

「ソファなんて買い替えればいいよ。カーペットも、安いものだ。下着や服も買ってあげる」

 尿道口を神村の指が刺激する。敏感な粘膜を剥くようにこする。

「らめぇ……でちゃう……ぅっ」

 こらえようと、締める。神村が獣のように声をだす。まゆの括約筋が神村を締め上げて、さらなる刺激をあたえたようだ。

 神村の指がせわしなくなる。バイブの強度もあげたようだ。回転しはじめる。まゆの中で。

「あはぁっ……あっ、だめだめだめ……ぅぇぇっ」

 突き上げる――腰を。

 噴水があがる。

「ああ……あ……」

 まゆの頭のなかはまっしろだ。自らが放尿している。その放物線を、みていた。

「沢くんとしてるのと比べて……どう? 気持ちいい?」

 うなずいていた。

 比較に、ならない。

 前と後ろに同時に入れられて、クリトリスをむき出しにされて、さらにはおしっこの穴まで――

 おかしくならないわけが、ない。

「続けていい?」

「……うん」

「ビデオも録るよ」

「……いいよ」

 神村は、まゆの肛門に挿入したまま、カメラの真ん前に移動する。大きく脚を広げさせた姿で、バイブが埋まった膣を接写する。

「すごいよ……じゅぶじゅぶだ……」

 撮られることには慣れている。でも、この姿を録画されるのは、あまりにも――あまりにも――いやらしい。

 そのいやらしさにまゆの意識が熱をおびる。もっと、もっと、とけしかける自分がいる。

 わざと脚を開き、腰をうねらせ、その部分が保存されるように努めている――その矛盾。

「まゆちゃんのおしり、熱くて、きつくて、うねってるよ。すごい……すごすぎる……っ!」

 言いつつ、神村はまゆを責め続ける。バイブの動きも速くなってゆく。

「あっ……はっ……うう……んっ」

 まゆはカメラを見ていた。固定式カメラ、そして、隠しカメラ。この部屋はカメラでいっぱいだ。神村のペニスの先にさえ、カメラがついているのではないかと思った。

 撮られている。さらけ出している。すべてを。いやらしいまゆの姿のありったけを。

 その感覚が絶頂を引き寄せる。もう、今だったら、神村が気をかえて膣に挿入したとしても――抵抗しなかったろう。

「はうっ! はあん……っ! お、おじさまぁ……すごいよぉ……すご……おっ!」

 こみ上げてくる快感。赤熱する意識――こんな感覚は知らない。沢とのセックスでは、ここまで来れない。

 たがいへの思いやりが、快楽追求にブレーキをかけてしまう。泣きたいくらいに幸福でも、弾けることはできない。でも、今は。

 罪悪感と背徳感が裏返しになって、快美感と興奮を沸き立たせる。

「どこが――どこがいいんだい、まゆちゃん……い、いってごらん」

「あう……おしり……おじさまのオチンチンが入ってるおしりの穴と――おもちゃが入ってるおまんこが……いいのぉっ!」

「どっちでイキたい? おしり……それとも、おまんこ?」

「あああっ! どっちもっ! どっちも、いっぱい、してぇっ!」

 こすれる。腸粘膜が。

 広げられる。膣粘膜が。

 潰される。クリトリスが。

 どっちにペニスが入っているのか、バイブとは何なのか、どうなってしまうのか――ぜんぶわからない。

 ただ、まゆは犯されている。犯されている自分を愉しんでいる。それを撮影されることにうちふるえている。歓喜。

「ま……まゆちゃん、そろそろっ! 中で、精液、出すよっ!」

「出すの……? おじさま、セーエキ、出すの……?」

「ああ、もう、限界だよ、まゆちゃんのおしり、熱くて、深くて、やらしくうねって……もうっ、出るっ」

「あ、ま、待って、おじさま……うあっ!」

 神村の動きが性急さを増す。まゆをガンガン突きまくる。まゆの意識の一部が吹き飛ぶ。それが連続する。

 バイブも最強モードでまゆをかきまぜつづける。クリトリスが飛び出す。その突起を、バイブの茎から突き出たベロが刺激している。

 信じられない量の刺激がちいさなまゆの身体を押し流し、快感が爆発する。

「あああっ! いっちゃうっ! まゆ、また、イッちゃうよおっ! も、何回もイッてるのぉ……っ!」

「まゆちゃん、おしりに精液、注ぎこんで、あげる……ううっ!」

 神村のペニスがまゆの身体の一番奥まで挿しこまれ、弾ける。

「だ、だめえ、おじさまっ!」

 なつかしい感覚に絶頂を迎えながら、まゆはひときわ大きく声を放った。

「おなかのなかで……おじさまのあったかいのが……あぁ……ぅ」

 ぐったりしたまゆから神村は身体を離した。手にしたビデオカメラでまゆの股間を接写する。

 しどけなく開いたまゆの股間――その充血した無毛のワレメからはまゆの本気汁が泡立ちながらこぼれ出し、ぽっかり開いたアヌスからは神村の白い体液がぬろぬろと――

 

 それから――

 神村とはそれ以降も会いつづけた。

 だが、完全なセックスはしなかった。だが、それは、ペニスをヴァギナに入れない、という決めごとを守ったにすぎなかった。

 それ以外はたいていのことをした。

 フェラチオも、クンニも、素股も――アナルセックスも何度か繰り返した。求められれば放尿も……

 練習――

 だれでもしている――

 まゆはそれを信じた。

 もとより、大人はそういうことをするものだと思っていた。

 良明もそうだし、神村もそうだ。アメリカのパパとママも、まゆと過ごすときはスキンシップを好んだ。

 おとなはまゆを裸にしたがる。さわったり、キスしたりする。写真やビデオを撮りたがる。それが愛されることということなのだ、と。

 セックスの意味を知る前に、その行為だけがインプットされていた。しかも、それなしでは寂しさを覚えるようになるまで――

 良明がまゆに触れる回数を減らせば減らすほど、まゆの足は神村のもとに向かった。

 神村はまゆを拒まなかった。むしろ、激しく求めた。まゆの全身を舐め、かならずまゆが達するまで続けた。それでいて、まゆが挿入を拒むと、フェラチオや素股でがまんした。

 神村が膣に挿入したのは二回だけ。

 最初の時と、最後に膣でむりやり中出しをした――その二回だけだ。

 いずれにせよ、いまならわかる。

 悪いのはまゆだ。

 練習というウソで自分を偽り、欲望を満たすために、神村の愛情を利用していたのだ。

 なのに、まゆは神村に犯されたあと、神村を捨てた。連絡を断ったのだ。そうすれば、それまでのこともなかったことになる――そう自分をだました。

 良明にばれたらどうしよう、嫌われたらどうしよう、そんな身勝手な理由で、それまで愛を捧げてくれた神村を切ったのだ。一度ならずそれを受け入れ、楽しんでさえいたのに――

 

 

 最近はめっきり数が減った電話ボックスのなかにまゆはいた。

 もう番号は覚えていない。古いアドレス帳を引っ張り出して電話をかけた。

 半年ぶりの電話は、しかし、つながらなかった。

 神村弁護士事務所の所長室直通番号は「この電話は現在つかわれておりません」という素っ気ないアナウンスを呼び出すだけになっていた。

「おじさま……」

 まゆは受話器を手に立ち尽くした。

 ふと、気づく。

 また、神村の指を、唇を、必要としているのだ。なぐさめてもらいたいのだ。

 さびしいから。

 どこにいたらいいのか、わからないから。

「ごめんなさい……わたし、また……」

 まゆは嗚咽していた。

 家には帰れない。帰りたくない。

 良明だけではない――社長さんと健也のいる団欒に、まゆの入るスペースはない。

 泣きながら、まゆはもうひとつの番号をプッシュする。これは最近おぼえた番号だ。

 呼び出し音が鳴って、すぐに相手がでる。

「……せ、せんせい?」

 まゆは受話器を抱えると、ゆっくりとしゃがみこんでいった。

つづく