ぬりゅっ!
「いやあああっ!」
膣が拡大させられる感覚にパニックになったのか、まゆは泣き声をあげた。
どんどん奥にさしこまれていく。
「抜いてっ! 抜いて、おじさまあっ!」
「まっ、まゆチャンっ!」
まゆの声にたまらなくなって、弁護士は激しく腰を突き上げはじめた。
「あぐっ、あっ、あはあっ!」
ちいさな身体が激しく動く。
おとなのピストン運動を吸収しきれないのだ。
それでいて、まゆの性器はしっかりと弁護士の欲望を受けとめている。
「なんて子だ、なんて……おおおっ」
弁護士は腰を使いながら、まゆの内部の感触に圧倒された。
せまい。圧倒的にせまい。
なのに、内部はうるおっていて、しかも複雑にからみついてくる。
とてつもない快感だ。これまでの人生のすべてと引き換えてもあまりある。そんなふうにさえ思えてしまう。
「……っ、あっ、あんっ」
まゆの声がかわっていた。
あまい響きがまざった、いやらしい声だ。
「ああっ、はあっ、ううん……」
まゆが感じている。弁護士のペニスを挿入されて、あえいでいる。
弁護士は感動しながら、腰を使いつづけた。すると、さらにまゆが分泌して、動きがなめらかになる。
「最高だよ、まゆチャン」
薄い胸を背後からもみしだき、乳首をつまんでころがす。
「まゆチャンも気持ちいいだろ? なっ?」
「うあっ、あっ、うんっ」
まゆがたてに首をふった。
「もっともっとしてあげるよ」
弁護士は腰の動きをさらに速めた。
ぬちゅ、ぬちゅ、ぬちゅ――から、
ちゅっちゅっちゅっ――と音が変化する。
「おじさまっ、だめえっ! まゆ、まゆ、ヘンに……っ」
「イクってお言い、イクってお言い」
弁護士の声も荒い。年齢も体力もこえた激しいグラインドだ。
まゆの真っ赤になった顔が小刻みにふるえる。
「いっ、いっ、いっちゃうっ! まゆ、いっちゃ……うっ!」
まゆの必死の声が弁護士の最後の堰を吹き飛ばした。
「おあっ!」
どくうっ!
どくどくどくっ!
大量の精液がまゆの体内に注ぎこまれていく。
どく。
どく。
ど……
弁護士は放心していた。
ことが終わったあと、泣き出したまゆは二度と口をきいてくれなかった。
服を身につけると、一度も弁護士の顔を見ようとしなかった。
あやまってみたし、逆におどしてもみた。
ビデオを撮ってあるんだぞ、とも言った。
ただ、まゆは悲しげに首を横にふった。
もうこない、とだけ言った。
弁護士はまゆが出ていったあとを追った。
快楽は大きかった。だが、それとひきかえにまゆの信頼をなくしたことは痛恨事だった。
建物の外に出た。
もう夜だ。
そこは車二台がすれちがうのがやっとのせまい路地だ。
「まゆチャン!」
弁護士は声をあげた。だれかに聞きつけられたらまずい。だが、黙ってはいられなかった。
――失いたくない。
弁護士はさとった。
抱いていたのは、少女に対するゆがんだ欲望だけではない。
ひとりの女性として、まゆを愛していたのだ。
だが、返事はなかった。姿もない。この路地をぬけたところは広い車道だ。そこまで行ってしまっていたら、もうさがしだすことはむずかしい。
「まゆ……まゆ……」
弁護士はよろよろと路地に歩みでた。
そのときだ。
奥の角から乗用車がいきなり曲がってきた。
この路地は、幹線道路が渋滞のとき、よく抜け道につかわれる。
とくに夜は人通りがないとたかをくくっているのか、どの車もスピードを出している。
ヘッドライトのなかで弁護士は凝固した。
次の瞬間、衝撃が全身を弾きとばした。
肉のかたまりが路上をバウンドし、さらにその上をタイヤが通過した。
ブレーキ音がし、乗用車が停止した。運転席からドライバーらしき男がおりてくる。まず車の状態をしらべ、それから路上の肉塊のところに歩み寄った。
ひと目見て、満足したらしい。
きびすをかえして乗用車に乗りこむと、アクセルをひらいた。
その一幕を目撃した者は、だれもいない。